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特別編3:異世界
主神マグノリア
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転移した先は工場か研究所の様な建物の中だった。
「何だお前達は!」
近くに居た男の人が慌てて壁にあるスイッチを押した。
けたたましくサイレンが鳴り響く。
「神様はどこですか?」
「マグノリアならこの奥だ。しかし装置が作動した以上、この先の区画は高濃度の魔素が充満している。人間が入ったら5秒ともたないぞ」
男の人は先にある扉を見ながら言っていた。
アウラさん、この先に転移は出来ない?
[男性の言う通り魔素が過剰で転移が安定しません。物理的に突破するのが良いでしょう。ただし、神格化を行ってからにしてください]
魔素が濃過ぎてレナトゥスの張った防護膜じゃ防げないらしい。
リミッターを外そうと思ったけど、そばにいるこの人がショックで死んでしまったら気まずい。
眠らせればいいかな?
[推奨魔法を提示]
ありがとう!
「《ファインデス》」
初めて聞く魔法だけど相手を気絶させる魔法だったみたい。男の人はその場に倒れた。
「よし、行こう!」
リミッターを外して奥の扉を開けようとした時、後ろから大勢やってくる足音が聞こえた。
「ミナさん、テュケ君、行ってください。ここは私もソラちゃんで食い止めます」
「必ず追いつく、先に行ってて」
「うん、ありがとう!気を付けてね!」
私は目の前の扉を開け…開かないので剣を出して斬り割いて蹴破った。
「ねーちゃん…」
「早く行くよ!」
テュケ君は何か言いたそうだったけど今は一刻を争うからね。先に進もう!
「そういえば精霊さんはこの中に入っても平気なの?」
『全然平気!むしろ元気になっちゃうよ!』
じゃあ一緒でも大丈夫だね。
通路を進んで更に奥へ。
扉が幾つかあったけど全部剣で斬って蹴破っていく。
魔法を使うのは危なそうだからね。
何枚目かの扉を破った所で大きな円筒状の装置がある部屋に出た。
[マグノリアはこの中にいます]
機械っぽいものが沢山あるけど何のためのものかは分からない。
停止させる手順とかあるのかな?まあ分からないんだけど。
壊しちゃって大丈夫かな?
「考えても仕方ないな。とにかくここから出さないと危ないんだろ?」
「うん。やろう!」
マグノリア様の位置をおおよそ確認したら剣で外壁を斬って壊す。
ずっと鳴り響いているサイレンとは違う音の警報が鳴り始めた。
「ねーちゃんこっちから中に入れそうだ!」
「分かった!」
テュケ君が壊した場所の奥が通路の様になっていたので入って行く。
私なら普通に歩けるけどテュケ君は身を屈めて身体を斜めにして着いて来る。
通路も何かの装置が沢山詰め込まれていた。なるべく触らない様に進む。
少し行くと円筒状の空間に出た。中央にはこれもまた円筒状のガラスケースみたいなものの中に目を閉じたまま立っているライトブラウンの長い髪の女性。
この方がマグノリア様だ。
「マグノリア様!」
ガラスを叩きながら叫ぶと僅かに目を開けてこちらを見た。
「私はアスティアの主神ミナです!助けに来ました!」
「ミナ…様…?」
「今これを破壊します。少し離れていてください」
「お待ちください。私は──」
剣で斬ったら簡単に壊す事が出来た。…何か言いかけてたけど助けてから聞けばいいよね。
「さあ!」
斬り裂いた所から手を伸ばすと困惑しながらもマグノリア様が手を取ってくれたので引っ張り出す。
「ミナ様、折角お越しくださったのですが…違うのです」
「違うって…?」
「私はここに自らの意志で入りました」
「え…」
「何でだよ?存在力を吸い取られてるのは分かってるよな?」
テュケ君が苛立ちながら聞いている。
「この世界は緩やかに滅びに向かっています。私が出来る事はこれくらいだから」
悲しげに言うマグノリア様。
「イオザードの実状は大体知っています」
「そうですか…。私は地上の者達に干渉しない様にしてきました。しかしそれは間違っていたのです。正すべき所は正さなければこの世界に生きる者が不幸になってしまう。私が地上に降りたのは償いなのです」
マグノリア様は自身が不干渉だった事を後悔しているみたい。
「その償い方は間違っていると思います。元々は地上の人達がしてきた事をマグノリア様1人で償おうなんておかしいです」
「そうだよ。神様なんだから地上に降りてきて人間みたいな事なんてするなよ!」
「テュケ君の言う通りです。神としてやれる事をやるべきです」
2人でマグノリア様に詰め寄ると、困った様子でたじろいでいる。
「しかし…私にはもうこの身を捧げるしか…」
「そんな事をしたらマグノリア様は消えてしまいます。そうなったらこの世界は誰が守るんですか?」
「もうこの世界は…」
マグノリア様は諦めてしまっている。自分を犠牲にする事でこの世界から消えようとしている様にも見えた。
…それはダメだよ。
と、轟音と共に大きな振動が始まる。
「何?」
「なんなヤバくないか?」
[強制解放した事により施設に過負荷が掛かっているようです。至急退避してください]
分かった!
「とにかく今はここから離れます。一緒に来てもらいますよ。いいですね?」
「…はい」
私はマグノリア様の手を取って出口へと走る。途中でユキさんとソラちゃんがむこうからやって来るのが見えた。
「出口は警備の者に塞がれています」
「ミナ達が心配だから来てみた。その人が神様?」
「うん。早く脱出しないと危ないみたい」
「分かった」
ソラちゃんは頷くと壁をハルバードで破壊する。
「出口が無いなら作ればいい」
「うちは何でみんな脳筋なんだろうな」
テュケ君は脳筋なんて言葉をどこで覚えたんだろうね。
「何だお前達は!」
近くに居た男の人が慌てて壁にあるスイッチを押した。
けたたましくサイレンが鳴り響く。
「神様はどこですか?」
「マグノリアならこの奥だ。しかし装置が作動した以上、この先の区画は高濃度の魔素が充満している。人間が入ったら5秒ともたないぞ」
男の人は先にある扉を見ながら言っていた。
アウラさん、この先に転移は出来ない?
[男性の言う通り魔素が過剰で転移が安定しません。物理的に突破するのが良いでしょう。ただし、神格化を行ってからにしてください]
魔素が濃過ぎてレナトゥスの張った防護膜じゃ防げないらしい。
リミッターを外そうと思ったけど、そばにいるこの人がショックで死んでしまったら気まずい。
眠らせればいいかな?
[推奨魔法を提示]
ありがとう!
「《ファインデス》」
初めて聞く魔法だけど相手を気絶させる魔法だったみたい。男の人はその場に倒れた。
「よし、行こう!」
リミッターを外して奥の扉を開けようとした時、後ろから大勢やってくる足音が聞こえた。
「ミナさん、テュケ君、行ってください。ここは私もソラちゃんで食い止めます」
「必ず追いつく、先に行ってて」
「うん、ありがとう!気を付けてね!」
私は目の前の扉を開け…開かないので剣を出して斬り割いて蹴破った。
「ねーちゃん…」
「早く行くよ!」
テュケ君は何か言いたそうだったけど今は一刻を争うからね。先に進もう!
「そういえば精霊さんはこの中に入っても平気なの?」
『全然平気!むしろ元気になっちゃうよ!』
じゃあ一緒でも大丈夫だね。
通路を進んで更に奥へ。
扉が幾つかあったけど全部剣で斬って蹴破っていく。
魔法を使うのは危なそうだからね。
何枚目かの扉を破った所で大きな円筒状の装置がある部屋に出た。
[マグノリアはこの中にいます]
機械っぽいものが沢山あるけど何のためのものかは分からない。
停止させる手順とかあるのかな?まあ分からないんだけど。
壊しちゃって大丈夫かな?
「考えても仕方ないな。とにかくここから出さないと危ないんだろ?」
「うん。やろう!」
マグノリア様の位置をおおよそ確認したら剣で外壁を斬って壊す。
ずっと鳴り響いているサイレンとは違う音の警報が鳴り始めた。
「ねーちゃんこっちから中に入れそうだ!」
「分かった!」
テュケ君が壊した場所の奥が通路の様になっていたので入って行く。
私なら普通に歩けるけどテュケ君は身を屈めて身体を斜めにして着いて来る。
通路も何かの装置が沢山詰め込まれていた。なるべく触らない様に進む。
少し行くと円筒状の空間に出た。中央にはこれもまた円筒状のガラスケースみたいなものの中に目を閉じたまま立っているライトブラウンの長い髪の女性。
この方がマグノリア様だ。
「マグノリア様!」
ガラスを叩きながら叫ぶと僅かに目を開けてこちらを見た。
「私はアスティアの主神ミナです!助けに来ました!」
「ミナ…様…?」
「今これを破壊します。少し離れていてください」
「お待ちください。私は──」
剣で斬ったら簡単に壊す事が出来た。…何か言いかけてたけど助けてから聞けばいいよね。
「さあ!」
斬り裂いた所から手を伸ばすと困惑しながらもマグノリア様が手を取ってくれたので引っ張り出す。
「ミナ様、折角お越しくださったのですが…違うのです」
「違うって…?」
「私はここに自らの意志で入りました」
「え…」
「何でだよ?存在力を吸い取られてるのは分かってるよな?」
テュケ君が苛立ちながら聞いている。
「この世界は緩やかに滅びに向かっています。私が出来る事はこれくらいだから」
悲しげに言うマグノリア様。
「イオザードの実状は大体知っています」
「そうですか…。私は地上の者達に干渉しない様にしてきました。しかしそれは間違っていたのです。正すべき所は正さなければこの世界に生きる者が不幸になってしまう。私が地上に降りたのは償いなのです」
マグノリア様は自身が不干渉だった事を後悔しているみたい。
「その償い方は間違っていると思います。元々は地上の人達がしてきた事をマグノリア様1人で償おうなんておかしいです」
「そうだよ。神様なんだから地上に降りてきて人間みたいな事なんてするなよ!」
「テュケ君の言う通りです。神としてやれる事をやるべきです」
2人でマグノリア様に詰め寄ると、困った様子でたじろいでいる。
「しかし…私にはもうこの身を捧げるしか…」
「そんな事をしたらマグノリア様は消えてしまいます。そうなったらこの世界は誰が守るんですか?」
「もうこの世界は…」
マグノリア様は諦めてしまっている。自分を犠牲にする事でこの世界から消えようとしている様にも見えた。
…それはダメだよ。
と、轟音と共に大きな振動が始まる。
「何?」
「なんなヤバくないか?」
[強制解放した事により施設に過負荷が掛かっているようです。至急退避してください]
分かった!
「とにかく今はここから離れます。一緒に来てもらいますよ。いいですね?」
「…はい」
私はマグノリア様の手を取って出口へと走る。途中でユキさんとソラちゃんがむこうからやって来るのが見えた。
「出口は警備の者に塞がれています」
「ミナ達が心配だから来てみた。その人が神様?」
「うん。早く脱出しないと危ないみたい」
「分かった」
ソラちゃんは頷くと壁をハルバードで破壊する。
「出口が無いなら作ればいい」
「うちは何でみんな脳筋なんだろうな」
テュケ君は脳筋なんて言葉をどこで覚えたんだろうね。
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