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特別編3:異世界

崩壊

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ドゥームコアを破壊したのでこれで全てのドゥームが止まったはず。

私達のいる空間も大きく振動しながら崩壊を始める。

「脱出だ。元来た道を戻るのにどれくらい掛かる?」
[およそ10分。間に合うかは分かりません]

アウラさんがシルヴァさんに答える。

《次元跳躍》で出れないかな?

[不可能。オラクル内では動作が不安定です]

残念…。

「行けるところまで突入経路で離脱。無理そうならミナに破壊してもらって外に出るぞ!」

シルヴァさんの号令で全員が全速力で飛んで行く。

目玉と戦った場所まで戻った時に、突入してきた穴が崩れて無くなっているのに気付いた。

「仕方ない。ミナ、頼めるか?」
「分かりました」

アウラさん、出力調整のサポートをお願いね。

[了解]

私は《トリプルキャノンスペル》を放って埋まった天井を大雑把に吹き飛ばしていく。途中で崩れたら大変なので大きめに穴を開けておく。

「よし、全員急げ!」

天井の穴へ飛び込み全力で外を目指す。私達の通った後の穴は衝撃波で崩壊しているけど、どうせ私達しか使わないのだから気にする必要はない。

ほんの1分くらいだったと思う。

コアから脱出してオラクルの不思議な景色が目に入った。

「何とかなったな」
「間一髪だった」

全員が安堵しているのも束の間、今度は神様側の私から情報が伝えられる。

「今すぐオラクルから出た方が良いそうです」

全員に伝えられた情報を話す。

──〔god side〕──

私達はコアの様子を観察する事にした。
中では激しい戦闘が起こっているし、どうやら私がうっかり壊してはいけない所に穴を開けてしまったらしい。

あわわ…なんて事を…。

「コアのダメージは…これは……」

アルリーシャ様が困ってる。

「ご、ごめんなさい…」
「い、いえいえ…!不可抗力ですよ!」

気を使われてしまっている。

「ええと、私も修復を手伝います」
「ミナだけじゃ心配だから私達もやるわよ」
「ん、当然」
「俺もやるよ」
「少しはお役に立てると思います」

リオさん、ソラちゃん、ユキさん、テュケ君が手伝いを名乗り出てくれた。

「ありがとうございます」

5人でワールドコアの破損箇所を調べる。

…リソース変換コード破損。
……魂浄化機構停止。
………外部防壁消滅。

うわぁ……

「たった一撃でここまでダメージを与えられるのは幸運のお陰かしらね?」
「本当にごめんなさい…」
「一つずつ直していきましょうね」

リオさんに皮肉を言われ、ユキさんはフォローしてくれる。

「コラテラルコラテラル」
「何だそりゃ?」
「魔法の言葉」
「へぇ…」

ソラちゃんとテュケ君は私の分からない話をしていた。

[コラテラルダメージについて説明するより修復のサポートが優先ですね]

アウラさんが修復の順番を指示してくれるので、言われた通りに直していく。

「おかしいわ…想定よりも修復が遅い…」
[人間界で使用しているヴォイド能力がワールドコアに悪影響を与えています]

アルリーシャ様が焦りながら呟くとアウラさんが説明する。

人間界で戦ってくれている分身体や虚空の覇者ヴォイドマスターさんにヴォイド能力無しで戦ってもらうのは不可能だ。私達が何とか頑張るしかない。

(大変そうだな。私達も手伝おうか?)

念話で声を掛けて来てくれたのはルーティアさん。

「私達の仲間が修復を手伝ってくれると言っていますけど、ここに来てもらってもいいですか?」
「はい!是非!」

許可がおりたので神界に待機していた皆さんにもワールドコアのある部屋に来てもらう。

「おいおい何だこりゃ…?本当に直るのか?」
「やるしかないな」

ダキアさんはコアの状態を見て困り、クロウさんは覚悟を決めて修復に取り掛かる。

「ミナちゃんが直そうとして壊しちゃったのー?」
「違いますよ!…壊しちゃったのは私で合ってますけど」

アリソンさんはいつものスマイルのまま聞いてくる。

早く直さなくちゃ。

暫く全員で修復を頑張っていたけど、決定的な出来事が起こってしまった。

[オラクル内でドゥームコアが破裂。ワールドコアとリンクしている部分が消失しました]

「ええと…それって良い事?」

[残念ながら逆です。ドゥームコアに引き摺られてワールドコアの機能が複数消失しました]

「…終わった」

その場に崩れるアルリーシャ様。

コア同士がリンクしているのって人間側の私も知っていたよね?なんでこんな事を…?

[人間側の私の推測では、ミナの攻撃ではコアは破壊されない予測でした。しかし予測不能な作用が起こりました]

《叡智》を獲得したアウラさんが予測不能なんて有り得るの?

[有り得ました。ラヴィスはミナの放った魔法を吸収しエネルギーにしようと目論んだ様です。しかしエネルギーが膨大で取り込んだ瞬間にオーバーフロー、放出するのも間に合わず爆発してしまいました]

えぇ…。

「つまり、ミナのせい」
「ど、どうしよう…」
「責任についてどうこう言っている場合じゃないぞ。この世界はもうすぐ崩壊する」

ルーティアさんは冷静だ。

虚空の覇者ヴォイドマスター殿に連絡をとれ」
「は、はい!」

『一体何が起こった?ドゥームは止まったが世界が崩壊しかけているぞ』
『実は──』

私は正直に状況を説明した。

『それはマズいな。このままではこの世界の人も神も消滅する事になる』
『何か助かる方法はありませんか…?』
『そうだな……何とか出来るかもしれない。この世界の主神はいるか?話がしたい』

「ファルシュングの主神様ってアルリーシャ様ですか?」
「…暫定ではそうなっています」
虚空の覇者ヴォイドマスターさんが話したいそうです」
「私と…?」

本当にごめんなさい。虚空の覇者ヴォイドマスターさん頼みになっちゃう。
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