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特別編3:異世界
時の神
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「は、初めまして…」
『うん、さっきの話を聞いていたよ。僕はダンタリアン。時の神様だよ』
私はダンタリアン様の声を聞けているけど、みんなはどうなんだろう?
「ダンタリアンね。中々カッコいい名前じゃない」
「名前負けしてる感」
「ソラちゃん、失礼ですよ」
「化け猫が喋った…」
ちゃんと聞こえてるみたい。
「お前はヌコだろ」
『それはペットネームだよベレットちゃん』
ベレットさん達からは『ヌコ』って呼ばれてるんだね。
「ペットだけにペットネームか…」
川本さんが言っている事の意味がちょっと分からない。
「ペットネームというのは愛称の事ですよ」
「そうなんだ」
ユキさんが教えてくれた。
なるほど…。
『それで、僕に何か用かな?』
「そうでした。今この世界にとても危険な者が発生しています。それを倒すのに神様の力が必要なんです」
『そうなんだー』
…呑気な神様だなぁ。
《アルカナセイバー》と同等の能力を何人かに授けてもらえれば対処も簡単になると思うんだけど。
『もしかして僕にそれの対処を期待しているの?』
「直接じゃなくてもいいんです。対抗手段を授けて貰えれば…」
『ごめんね~僕にはみんなに授けてあげられる力はないんだよ~』
「そうなんですか?」
ダンタリアン様が言うには、この世界の神様は役割が明確に分かれているので万能ではないらしい。
『僕は個の時間操作に特化している神だからそれ以外は出来ないんだよ~』
「役割分担?」
『まあそんな所だよ~』
ソラちゃんはダンタリアン様に抱きついてモフモフしている。
うーん、ただのヌイグルミに見えるよね。
『それにここのみんななら神の力を借りなくても何とかするよ~』
確かにヒサメさんはイントルーダーを倒したと言っていたけど、みんな特殊な力を持っているのかな?
「《アルカナセイバー》を使わなくても何とか出来そうな人達は確かにいますねー」
レフィさんの使っていた《巨影化》も他の世界の神様の力だったらしいので、恐らくイントルーダーに対して有効な攻撃になるだろうと教えてくれた。
まあ、物凄く大きくなるから地球では使えなかったんだろうね。
「…あなた今回以外にも異世界に行っていたの?」
リオさんが呆れ顔でレフィさんに言っている。
「あの時も事故ですよ。どうやったのかは分かりませんが向こうの神様に召喚されたんです」
「その話は私もよく知っている。天文学的な確率でヌスクァムに繋がった事件だ」
川本さんはその件でレフィさんと知り合ったらしい。
「他に対抗手段を持っている方が大勢いるんですか?」
「そうですねー…対抗手段と言っていいのかは分かりませんが何人かはいますよ」
セラさんとマティアスさんも対抗手段を持っている人になるそう。
「このギルド所属の冒険者にはまだまだいますよー」
「《ピクシーハンズ》は優秀な冒険者がいっぱいいるんだね」
そう言いながらほのかさんもソラちゃんと一緒にダンタリアン様をモフモフし始める。
「世界最強って言っても過言ではないですよ~」
「…さっきから何の話をしているんだ?」
怪訝な顔をしながらベレットさんが聞いてくる。
そういえば自己紹介もしてなかったね。
事情を説明しながらそれぞれ自己紹介をする。
「ふむ、よく分からんが敵が来ているんだな。みんなで行った方が良くないか?」
「そうですね。ヌコさん…ダンタリアンさんの力を借りられないなら全員で対応した方が良さそうです」
ベレットさんとアニエスさんはここのメンバーを総動員した方がいいと話をしている。
「ギルマスに話してくる」
そう言うとアンネさんが屋敷の中に入っていった。
この屋敷とギルド兼酒場は内部で繋がっているそう。
「私達も行ってもいいですか?イントルーダー退治のお手伝いをするので挨拶くらいはしておいた方がいいと思います」
「そう、ですね…」
アニエスさんの返事の端切れが悪い。
もしかして会ったらダメなのかな?
「あの人は大分変わった人なので会わない方がいいですよー。特にミナさんとソラさんはヤバいですよー」
レフィさんはそう言って苦笑している。
「レフィに変わった人呼ばわりされるって相当よね」
「それ酷くないですか?」
リオさんに抗議するレフィさん。
それで、何で私とソラちゃんだけ?
屋敷の中を誰かが走ってくる。
扉が開け放たれて出てきたのは20歳位のお姉さん。紫の短めの髪にパンツスーツ姿でキャリアウーマンみたいな印象だ。
「カワイイ女の子がいると聞いて!」
えぇ…。
「マスター…」
アニエスさんも困ってるよ。あ、この人がギルドマスターさんなんだね。
「初めまして。ミナといいます」
「そっかぁミナちゃんて言うの~。カワイイね~」
そう言いながらにじり寄ってくるギルドマスターさん。
…何かちょっと怖いよ。
「やめろエーファ。ギルドの恥を晒すんじゃない」
ベレットさんが立ちはだかる。
「じゃあベレットちゃんでいいわ~ハグさせて~」
「やめろ気持ち悪い!」
ベレットさんに飛びつくエーファさん。
ベレットさんは身を屈めて踏み込むと拳を上に振り上げて顎を捕らえた。
弧を描いて宙を舞うエーファさん。
「おー、見事なカウンター」
「ベレットちゃんすごーい。力持ちだねー」
ソラちゃんとほのかさんはそろそろダンタリアン様をモフモフするのをやめようね?
『うん、さっきの話を聞いていたよ。僕はダンタリアン。時の神様だよ』
私はダンタリアン様の声を聞けているけど、みんなはどうなんだろう?
「ダンタリアンね。中々カッコいい名前じゃない」
「名前負けしてる感」
「ソラちゃん、失礼ですよ」
「化け猫が喋った…」
ちゃんと聞こえてるみたい。
「お前はヌコだろ」
『それはペットネームだよベレットちゃん』
ベレットさん達からは『ヌコ』って呼ばれてるんだね。
「ペットだけにペットネームか…」
川本さんが言っている事の意味がちょっと分からない。
「ペットネームというのは愛称の事ですよ」
「そうなんだ」
ユキさんが教えてくれた。
なるほど…。
『それで、僕に何か用かな?』
「そうでした。今この世界にとても危険な者が発生しています。それを倒すのに神様の力が必要なんです」
『そうなんだー』
…呑気な神様だなぁ。
《アルカナセイバー》と同等の能力を何人かに授けてもらえれば対処も簡単になると思うんだけど。
『もしかして僕にそれの対処を期待しているの?』
「直接じゃなくてもいいんです。対抗手段を授けて貰えれば…」
『ごめんね~僕にはみんなに授けてあげられる力はないんだよ~』
「そうなんですか?」
ダンタリアン様が言うには、この世界の神様は役割が明確に分かれているので万能ではないらしい。
『僕は個の時間操作に特化している神だからそれ以外は出来ないんだよ~』
「役割分担?」
『まあそんな所だよ~』
ソラちゃんはダンタリアン様に抱きついてモフモフしている。
うーん、ただのヌイグルミに見えるよね。
『それにここのみんななら神の力を借りなくても何とかするよ~』
確かにヒサメさんはイントルーダーを倒したと言っていたけど、みんな特殊な力を持っているのかな?
「《アルカナセイバー》を使わなくても何とか出来そうな人達は確かにいますねー」
レフィさんの使っていた《巨影化》も他の世界の神様の力だったらしいので、恐らくイントルーダーに対して有効な攻撃になるだろうと教えてくれた。
まあ、物凄く大きくなるから地球では使えなかったんだろうね。
「…あなた今回以外にも異世界に行っていたの?」
リオさんが呆れ顔でレフィさんに言っている。
「あの時も事故ですよ。どうやったのかは分かりませんが向こうの神様に召喚されたんです」
「その話は私もよく知っている。天文学的な確率でヌスクァムに繋がった事件だ」
川本さんはその件でレフィさんと知り合ったらしい。
「他に対抗手段を持っている方が大勢いるんですか?」
「そうですねー…対抗手段と言っていいのかは分かりませんが何人かはいますよ」
セラさんとマティアスさんも対抗手段を持っている人になるそう。
「このギルド所属の冒険者にはまだまだいますよー」
「《ピクシーハンズ》は優秀な冒険者がいっぱいいるんだね」
そう言いながらほのかさんもソラちゃんと一緒にダンタリアン様をモフモフし始める。
「世界最強って言っても過言ではないですよ~」
「…さっきから何の話をしているんだ?」
怪訝な顔をしながらベレットさんが聞いてくる。
そういえば自己紹介もしてなかったね。
事情を説明しながらそれぞれ自己紹介をする。
「ふむ、よく分からんが敵が来ているんだな。みんなで行った方が良くないか?」
「そうですね。ヌコさん…ダンタリアンさんの力を借りられないなら全員で対応した方が良さそうです」
ベレットさんとアニエスさんはここのメンバーを総動員した方がいいと話をしている。
「ギルマスに話してくる」
そう言うとアンネさんが屋敷の中に入っていった。
この屋敷とギルド兼酒場は内部で繋がっているそう。
「私達も行ってもいいですか?イントルーダー退治のお手伝いをするので挨拶くらいはしておいた方がいいと思います」
「そう、ですね…」
アニエスさんの返事の端切れが悪い。
もしかして会ったらダメなのかな?
「あの人は大分変わった人なので会わない方がいいですよー。特にミナさんとソラさんはヤバいですよー」
レフィさんはそう言って苦笑している。
「レフィに変わった人呼ばわりされるって相当よね」
「それ酷くないですか?」
リオさんに抗議するレフィさん。
それで、何で私とソラちゃんだけ?
屋敷の中を誰かが走ってくる。
扉が開け放たれて出てきたのは20歳位のお姉さん。紫の短めの髪にパンツスーツ姿でキャリアウーマンみたいな印象だ。
「カワイイ女の子がいると聞いて!」
えぇ…。
「マスター…」
アニエスさんも困ってるよ。あ、この人がギルドマスターさんなんだね。
「初めまして。ミナといいます」
「そっかぁミナちゃんて言うの~。カワイイね~」
そう言いながらにじり寄ってくるギルドマスターさん。
…何かちょっと怖いよ。
「やめろエーファ。ギルドの恥を晒すんじゃない」
ベレットさんが立ちはだかる。
「じゃあベレットちゃんでいいわ~ハグさせて~」
「やめろ気持ち悪い!」
ベレットさんに飛びつくエーファさん。
ベレットさんは身を屈めて踏み込むと拳を上に振り上げて顎を捕らえた。
弧を描いて宙を舞うエーファさん。
「おー、見事なカウンター」
「ベレットちゃんすごーい。力持ちだねー」
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