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特別編3:異世界
帰還と報告
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ほのかさんを助ける事ができて本当に良かった。
これで元の生活に戻れる…とはいっても地球に帰る事は難しいかな。
「杉浦、俺の事が分かるか?」
「ええと…どちらさま?」
虚空の覇者さんとほのかさんが話している。
「俺は川本だ。高校で同じクラスだった」
「川本…くん?」
「そうだ。あまり話した事はなかったが俺は覚えているぞ。杉浦は高二の夏に失踪したから半年も一緒じゃなかったが」
「あー思い出した。弓道部の川本君だ」
虚空の覇者さん高校生の頃は弓道部だったんだ。
「覚えてくれていたか」
「うんうん、久し振り川本君。ちょっと見ない間に随分大きくなって…」
「親戚のおばちゃんかっ」
ソラちゃん、二人の会話を邪魔しちゃダメだよ。
「俺は杉浦を助けようとして逆に苦しめてしまったみたいなんだ。本当にすまない」
「気にしないで。今こうやって話せているんだもの。終わり良ければ全て良しだよ」
そう話しているほのかさんは相変わらず表情がない。
…まあ虚空の覇者さんの方も表情は分からないけど。
「杉浦はこれからどうするんだ?…良かったら俺の所に…」
最後の方はかなり小さい声だったのでほのかさんには聞こえなかったかな。
「どうしようかなー。ミナちゃんの所に行っちゃおうかな?お姉ちゃんとして」
そう言って私のところに来て抱きついてくるほのかさん。
「それは全然良いですけど、地球の実家とか気にはならないですか?」
「あーそっか。一応見ておいた方がいいよね」
ほのかさんにだってご家族がいたでしょ。その後とか気になるんじゃないかな?
「まあ私が居なくなってもあの人達は元気に生きてると思うよ」
結構冷たい…?
「あ、変な意味じゃないよ。私の家族って変に前向きっていうか、ドライなんだよ」
「そうですか…」
じゃあまずは地球に行ってみようか。
「地球は美味しいものが沢山ありますからねぇ。私達も一緒に行きましょう」
「レフィ…あなた全然反省していないのですね」
「虚空宮に暫く軟禁されてきた方がいいんじゃないか?」
セラさんとマティアスさんは呆れながらレフィさんを見ている。
「それはちょっとご勘弁ですね…」
レフィさんは顔を引き攣らせながらたじろいでいる。
「ここにも美味しいものはあったけどチキュウにもオセンベイがある。食べに行こう」
「ここの美味しいもの…?その話詳しく!」
アンネさんの呟きに食いつくソラちゃん。
「パルクアートンっていうお肉で」
「それはお肉の名前じゃないですよ」
「で、味は?」
アルパカに似た動物で…って、ソラちゃんは味の方が気になるみたい。
「ミナ、パルクアートン食べたい!持ってる?」
「ゴメン、孤児院に全部あげちゃった」
「えー残念」
「パルクアートンの肉でしたら私が都合しましょう」
アイナフェヌア様が用意してくれるみたい。それを聞いて大喜びのソラちゃんとアンネさん。
「あ、それならウシドリも欲しいかな」
ちゃんと聞いていたんですねほのかさん。
「ウシドリ?」
「オルニスブースの事です」
「承知しました」
そう言って大量のお肉を出してくれた。
とりあえず私のインベントリにしまっておく。
「ありがとうございます」
「これくらいならいつでも言ってください」
「ありがとう神様!」
お礼やお別れを告げて私達は一度虚空宮に転移する。
そこにはフル装備のルーティアさん達が待っていた。
「どうやら無事に片付いたみたいだね」
「ご心配お掛けしました」
「みんなが無事ならそれが一番さね」
私達の姿を見て微笑むルーティアさん。
私達がセターレタハトに飛ばされていた間に経過した時間は殆ど同じだったみたいで、私達の捜索と並行してここに戦力を集めていたらしい。ドゥームセントラルコアと戦った時と同じ人員に声を掛けて回っていたのだとか。
なのでここにはものすごい数の人が集まっていた。
「皆さんご心配お掛けしました!」
今回の事を出来るだけ正確に話していく。
みんなには知る権利があるからね。
話し終えると「無事で良かった」「何事もなくて安心した」と言う声と同じくらい「やっぱり無事だったろ」「ミナちゃんだから大丈夫に決まってる」みたいな声が聞こえてきた。
それでも何かあったらと思ってここに集まってくれていたんだ。
みんなには感謝だよ。
「よし、ミナ達の無事を祝って飲もうじゃないか!虚空の覇者殿、会場はここでよろしいか?」
「勿論だ。皆存分に飲食してくれ」
ルーティアさんと虚空の覇者さんの音頭で帰還を祝ってパーティが始まった。
みんなに少しでも恩返しがしたいので私はご飯を作る側に回った。
インベントリ内で作るから労力は掛からないんだけどね。
やっている事は給仕に近い。
アニエスさん、アンネさん、ほのかさんも手伝ってくれた。
アイナフェヌア様からもらったお肉もドンドン出した。大好評だった。
こっちに戻って来る前に話していた地球に行く計画を思い出して、虚空の覇者さんに1つ提案をする。
「上手くいくかはまだわからないですけど、もしかしたら一緒に地球に行けるかも知れません」
「それは楽しみだ」
うん。アウラさんに確認しながらあれを改造してみよう。
これで元の生活に戻れる…とはいっても地球に帰る事は難しいかな。
「杉浦、俺の事が分かるか?」
「ええと…どちらさま?」
虚空の覇者さんとほのかさんが話している。
「俺は川本だ。高校で同じクラスだった」
「川本…くん?」
「そうだ。あまり話した事はなかったが俺は覚えているぞ。杉浦は高二の夏に失踪したから半年も一緒じゃなかったが」
「あー思い出した。弓道部の川本君だ」
虚空の覇者さん高校生の頃は弓道部だったんだ。
「覚えてくれていたか」
「うんうん、久し振り川本君。ちょっと見ない間に随分大きくなって…」
「親戚のおばちゃんかっ」
ソラちゃん、二人の会話を邪魔しちゃダメだよ。
「俺は杉浦を助けようとして逆に苦しめてしまったみたいなんだ。本当にすまない」
「気にしないで。今こうやって話せているんだもの。終わり良ければ全て良しだよ」
そう話しているほのかさんは相変わらず表情がない。
…まあ虚空の覇者さんの方も表情は分からないけど。
「杉浦はこれからどうするんだ?…良かったら俺の所に…」
最後の方はかなり小さい声だったのでほのかさんには聞こえなかったかな。
「どうしようかなー。ミナちゃんの所に行っちゃおうかな?お姉ちゃんとして」
そう言って私のところに来て抱きついてくるほのかさん。
「それは全然良いですけど、地球の実家とか気にはならないですか?」
「あーそっか。一応見ておいた方がいいよね」
ほのかさんにだってご家族がいたでしょ。その後とか気になるんじゃないかな?
「まあ私が居なくなってもあの人達は元気に生きてると思うよ」
結構冷たい…?
「あ、変な意味じゃないよ。私の家族って変に前向きっていうか、ドライなんだよ」
「そうですか…」
じゃあまずは地球に行ってみようか。
「地球は美味しいものが沢山ありますからねぇ。私達も一緒に行きましょう」
「レフィ…あなた全然反省していないのですね」
「虚空宮に暫く軟禁されてきた方がいいんじゃないか?」
セラさんとマティアスさんは呆れながらレフィさんを見ている。
「それはちょっとご勘弁ですね…」
レフィさんは顔を引き攣らせながらたじろいでいる。
「ここにも美味しいものはあったけどチキュウにもオセンベイがある。食べに行こう」
「ここの美味しいもの…?その話詳しく!」
アンネさんの呟きに食いつくソラちゃん。
「パルクアートンっていうお肉で」
「それはお肉の名前じゃないですよ」
「で、味は?」
アルパカに似た動物で…って、ソラちゃんは味の方が気になるみたい。
「ミナ、パルクアートン食べたい!持ってる?」
「ゴメン、孤児院に全部あげちゃった」
「えー残念」
「パルクアートンの肉でしたら私が都合しましょう」
アイナフェヌア様が用意してくれるみたい。それを聞いて大喜びのソラちゃんとアンネさん。
「あ、それならウシドリも欲しいかな」
ちゃんと聞いていたんですねほのかさん。
「ウシドリ?」
「オルニスブースの事です」
「承知しました」
そう言って大量のお肉を出してくれた。
とりあえず私のインベントリにしまっておく。
「ありがとうございます」
「これくらいならいつでも言ってください」
「ありがとう神様!」
お礼やお別れを告げて私達は一度虚空宮に転移する。
そこにはフル装備のルーティアさん達が待っていた。
「どうやら無事に片付いたみたいだね」
「ご心配お掛けしました」
「みんなが無事ならそれが一番さね」
私達の姿を見て微笑むルーティアさん。
私達がセターレタハトに飛ばされていた間に経過した時間は殆ど同じだったみたいで、私達の捜索と並行してここに戦力を集めていたらしい。ドゥームセントラルコアと戦った時と同じ人員に声を掛けて回っていたのだとか。
なのでここにはものすごい数の人が集まっていた。
「皆さんご心配お掛けしました!」
今回の事を出来るだけ正確に話していく。
みんなには知る権利があるからね。
話し終えると「無事で良かった」「何事もなくて安心した」と言う声と同じくらい「やっぱり無事だったろ」「ミナちゃんだから大丈夫に決まってる」みたいな声が聞こえてきた。
それでも何かあったらと思ってここに集まってくれていたんだ。
みんなには感謝だよ。
「よし、ミナ達の無事を祝って飲もうじゃないか!虚空の覇者殿、会場はここでよろしいか?」
「勿論だ。皆存分に飲食してくれ」
ルーティアさんと虚空の覇者さんの音頭で帰還を祝ってパーティが始まった。
みんなに少しでも恩返しがしたいので私はご飯を作る側に回った。
インベントリ内で作るから労力は掛からないんだけどね。
やっている事は給仕に近い。
アニエスさん、アンネさん、ほのかさんも手伝ってくれた。
アイナフェヌア様からもらったお肉もドンドン出した。大好評だった。
こっちに戻って来る前に話していた地球に行く計画を思い出して、虚空の覇者さんに1つ提案をする。
「上手くいくかはまだわからないですけど、もしかしたら一緒に地球に行けるかも知れません」
「それは楽しみだ」
うん。アウラさんに確認しながらあれを改造してみよう。
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