転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

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特別編3:異世界

合流

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「おい、やめないか!」

受け付けのおじさんが冒険者達を止めに入ってくれたけどすぐに押し退けられてしまう。冒険者は6人で全員男の人でみんな20歳位だ。そのうち1人が私を睨みつけて来た

「何だその顔は?」
「へ?」

どんな顔してたんだろう?
またいつも通り絡まれちゃったなぁと思ってただけなんだけど。

「ええと、ごめんなさい。アニエスさんが何かご迷惑をお掛けしてしまったみたいで…」
「謝って許すと思うか?俺達はアイツの所為で酷い目にあったんだ!」

謝って許してもらえない様な事をアニエスさんがしたとは思えないんだけど…。

「《銀の剣姫》の剣を触れてコイツが暴れ出してみんな大怪我したんだよ!」

…ああ、この前言ってたダインスレイヴの効果だね。私は平気だったけど。

「あの、その剣を何故触れてしまったんですか?」
「…目の前にあったからだよ!」

おや、何か口籠もったけど。もしかしてやましい事があるのかな?

「あの剣は普通の人が触れると狂気に支配されてしまうそうなので、アニエスさんが触らせる様な事はない筈ですが?」
「黙れ!実際俺達は大怪我をして、その時周りにいた奴らに馬鹿にされたんだぞ!」
「それって自業自得だよね」

ほのかさんはリムちゃんを庇いながらため息をつく。

「何だと!?」

私も自業自得だと思うよ?
でもアニエスさんが何かしたんじゃないと分かって安心したよ。

「だから何だその顔は!」

また怒られた。
もしかして嫌われやすい顔してるのかな…?

「馬鹿にしやがって!もう少し怖がれよ!」

えぇ…そんな事言われても…。

「君達、早く逃げた方がいい。カウンターの奥に裏口があるからそこから行くんだ」

おじさんは冒険者達に押さえ付けられながら言う。

「ちょっと、その人は関係ないじゃないですか!離してあげてください!」
「うるせえ!逃げる前にやっちまえ!」

このまま逃げても何の解決にもならないし、この場で決着を付けてしまおう。

「ほのかさん、リムちゃんをお願いします」
「はーい」

私は前に出て構える。
冒険者達は剣を抜いていた。
…いやいや、逆上し過ぎだよ?

それにこんな所で剣を振り回したら周りの人に当たるから。

仕方ない。もう一度恥をかいてもらおう。

《ラッキーシュート》を敏捷に付与して《オーバードスピード》で加速。殆ど動きの止まった冒険者達の武器を全て奪い取って人のいない所にまとめて投げ捨てておく。

あとは一人ずつ足を払って転ばせておこう。

加速が解けて6人全員が勢いよく転ぶ。
…1人思い切り頭をぶつけた人がいるけど大丈夫かな?

「うぐっ…一体何をしやがった?」
「痛ってぇ…」
「まだやりますか?」

受け身も取れずに倒れている時点で大した実力ではないと思う。

「チクショウ…何だってんだ!」

1人がヨロヨロと起き上がって怒りを露わにする。

どうしよう?もう一度転ばせようかな。

「何をやってるんですか?」

入り口に立っていたのはアニエスさんだった。

「げっ…《銀の剣姫》…」
「アニエスさん!」
「ミナさん!」

アニエスさんは冒険者達をすり抜けて私達の所に来る。

「ミナさん、やっぽりこちらに来ていたのですね」
「はい。アニエスさんも無事で良かったです」

話をしている間に冒険者達は剣を拾っていた。

「それで、皆さんは何故ミナさん達に武器を向けていたのですか?」
「いや…それは…」

口籠もる冒険者。

「アニエスさんに恥をかかされたとか言ってたよ」

後ろからほのかさんが教えている。

「あれは自業自得じゃないですか。私がダメだと言ったのにダインスレイヴを奪うから…確かに不用意に触らせてしまった私にも責任はあるかも知れませんが」

話を聞く限りアニエスさんに非は無いと思うけど、アニエスさんは優しいなぁ。

詳しく聞いてみたら、暴れる冒険者の人を殆ど怪我をさせずに制圧したのもアニエスさんだし、怪我人全員の治療をしたのもアニエスだったそう。
ギルド側もアニエスさんに責任はないとして剣を盗もうとした6人にペナルティを与える事にしたらしい。

…完全に向こうの逆恨みだ。

「関係のないミナさん達に何故ちょっかいを出すのですか?言いたい事があるなら私に言ってください」

そう言って前に出ると6人は逃げていき、アニエスさんは少し悲しそうな顔をする。

「アニエスさん、恐れられてるみたいだね」
「ですね」

6人はそのままギルドから出て行ってしまった。

「ミナさん、ホノカさんとリムさんも、私のいざこざに巻き込んでしまってごめんなさい」
「いえいえ、何か大変だったみたいですね」

アニエスさんは孤児院の資金不足を何とかしようと冒険者登録をして働いていたらしい。

「孤児院の方は多分もう大丈夫ですよ」

私達が色々と手を加えた事を説明した。

「あの子達の為にそんな事までしてくださったのですね。本当にありがとうございます」

アニエスさんはとても喜んでくれた。

それからアニエスさんはホールにいた他の冒険者達に騒がせてしまった事を謝罪して、街の外で採取してきた薬草を納品してお金を受け取ってきた。

「今から買い物に行く所なんです。アニエスさんも一緒にいきましょう」
「はい」

買い物をしながらアニエスさんがこの街に来た経緯を聞く。

アニエスさんはこの街の南側の海岸で目を覚ましたそうで、とにかく情報を集めようとこの街に来たらしい。

街の中に入れたのは良かったのだけど、全く知らない世界に来てしまった知って途方に暮れていた時にリムちゃんに声を掛けられて孤児院に行く事に。

孤児院には大人がおらず、一番年上のリムちゃんが何とか他の子供達の面倒を見ている状況なのを見て、アニエスさんも孤児院の手伝いをし始めたのだと言う。

「でも資金不足で明日の食事も事欠く状況だったので、私は冒険者として働くことにしたのです」

見ず知らずの子供達だけど、困っているアニエスさんに声を掛けてくれたリムちゃんを放ってはおけなかったとアニエスさんは言う。

私達もここに来るまでの経緯を説明した。

「アンネさんもいるのですね。良かった…1人でお腹を空かせていないか心配だったのです」

嬉しそうに言うアニエスさん。
心配の仕方がちょっと変だけど。
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