487 / 763
特別編3:異世界
虚空宮の転生者
しおりを挟む
神界側で暫く放置と決まっているけど、状況を説明してライオアールを引き取ってもらえないか聞いてみた。
「ミナ殿が管理者になっているのなら、そのままで構わないよ。世界を2つ持つ事がいけない事ではないのだから」
「でも、私は2つの世界を管理できるほど力はありません」
「その為の仲間だろう?君が舵を取れば皆協力してくれる」
どうやらライオアールを引き取ってはもらえないみたい。
やっぱり私が作り直すのが一番良いのかなぁ。
あともう一つ。
「虚空の覇者さんはもしかして転生者だったりしませんか?」
「よく分かったね」
「地球で部下の人達を止めた時に叫んだのが日本語だったので」
「幾ら年月を重ねても、咄嗟に出る言葉は中々変わらないものでね」
やっぱりそうだったんだ。
「今の地球はどんな感じか教えてもらえるだろうか?」
虚空の覇者さんはずっと地球に行っていなかったらしい。この前部下の人達を止めに入った時が初めてだったとか。
「この姿で行くわけにはいかないからな」
「確かにそうですね」
日本なら手の込んだコスプレと言えば誤魔化せそうな気もしなくはないのだけどね。
「攻撃されても地球にある兵器では私は傷付ける事は不可能だがな」
虚空の覇者さんは身体に《次元装甲》という特殊な防御フィールドがあるらしく、大抵の攻撃は効かないのだとか。
「ミナ殿の最大出力なら突破できるかも知れんな」
「ははは…」
試す気はないですよ。
「攻撃されたら身体に傷は付かないけど心に傷は付きそう」
「そう。その通りなのだ。だから行かぬ様にしていた」
ソラちゃんが的確な表現をしていた。
「人の姿にはなれないのですか?」
ユキさんが質問する。
「《次元装甲》の影響で変身は無理の様だ。幻覚を被せて人に見せる事は出来るのだが私が行く事で悪影響が出ないか心配なのだよ」
ふむふむ…。
「中に美少女とか入ってないの?」
ソラちゃんがやって来て虚空の覇者さんの身体をペタペタと触っている。
「これは鎧では無いのだ。脱ぐ事は出来んよ。そして転生前はただのサラリーマンだ。美少女ではないぞ」
「そっかー残念」
脱げない事が残念なのかな?
話が逸れてしまったけど、今の地球の話をする。
「ケータイ?スマホ?私がまだ人間だった頃はポケベルとPHSだったな」
「ポケベル?」
「最近の子は知らないか…」
こういう話をしていると一気に人間らしさが見えてくるね。
昔はインターネットをするのにも凄くお金が掛かったらしい。
「まだダイヤルアップの時代だな。電話料金が爆上がりするんだよ」
マサキさんが説明してくれた。
「家のパソコンはインターネットに繋がってなかったな」
「え?ネットができなかったらパソコンで何するの?」
虚空の覇者さんをペタペタしながら聞くソラちゃん。
「パソコンは玩具ではないぞ」
「まあスマホがあればパソコン要らないけどね」
「スマホとはそんなに高性能なのか…」
「俺も最近地球に帰ったけど、一昔前のパソコンより格段に性能が良いぞ」
「それは…凄まじいな…」
他にも社会情勢だったり、みんなの好きなサブカルチャーの話だったりをして盛り上がった。
虚空の覇者さんは政治関連と芸能関連に詳しかったけど、アニメやゲームにはあまり詳しくなかった。
社会情勢と芸能はリオさんが、政治の話はユキさんがしっかり説明していた。
ユキさんスゴい…。
「ミナ殿とは今後も交流させてもらいたい」
「はい。私ももっと色々とお話を聞いてみたいです」
「そこでだ、ミナ殿に私の力を分けようと思う」
それってさっき話してた《次元装甲》とかも含まれるんだよね。
「ええと…あまり物騒な能力は増やしたくないんですけど」
「大丈夫だ。リミッターを付けておけば誤作動する様な事はない」
リミッターなんて付けられるの?
「既に持っている2つの力も含めて、虚空の力は世界を歪めてしまう程の威力がある。これらは本当の緊急事態の時にしか使ってはならない」
「使うとどうなるのですか?」
「極端な話をすると、その世界の生物がイントルーダー化する」
えぇ…つまり今いるイントルーダーって…。
「他の世界にいた生物の成れの果てだ」
「それってあなたの部下が力を乱用してイントルーダーを生成していたって事?」
リオさんがズバリと聞く。
「いや、私の部下達にそこまでの力を持たせてはいない。奴らが発生した原因は分かっているのだ」
虚空の覇者さんは全員を見渡しながら何かを考えている。
「君達になら話しても良いだろう。イントルーダーを生成している者が存在する」
「それは誰なんですか?」
「私の古い友人だ。人間の頃の」
虚空の覇者さんは俯き目を閉じる。
「その友人とはこの姿になって間もない頃に再会した。彼女は次元歪曲の特異点になっていた」
そうなった経緯は分からないそうで、虚空の覇者さんはその人を助けようとして力を行使して失敗したらしい。
「彼女が通った後にはイントルーダーが発生している。既に人としての意識があるのかすら分からないが、無自覚に次元跳躍を繰り返して世界を移動している」
部下の人達には彼女の追跡と捕捉を指示しているらしいけど未だに捕まえられないらしい。
「彼女の名前は杉浦ほのか。私と同じ年代の者だが、見た目は高校生位のままらしい。もし彼女を見かけたら私に教えてくれないか」
「分かりました。もし会う事があったら真っ先にお知らせしますね」
世界は無数にあるのだから出会う確率は限りなくゼロに近いだろうけど。
「ミナ殿が管理者になっているのなら、そのままで構わないよ。世界を2つ持つ事がいけない事ではないのだから」
「でも、私は2つの世界を管理できるほど力はありません」
「その為の仲間だろう?君が舵を取れば皆協力してくれる」
どうやらライオアールを引き取ってはもらえないみたい。
やっぱり私が作り直すのが一番良いのかなぁ。
あともう一つ。
「虚空の覇者さんはもしかして転生者だったりしませんか?」
「よく分かったね」
「地球で部下の人達を止めた時に叫んだのが日本語だったので」
「幾ら年月を重ねても、咄嗟に出る言葉は中々変わらないものでね」
やっぱりそうだったんだ。
「今の地球はどんな感じか教えてもらえるだろうか?」
虚空の覇者さんはずっと地球に行っていなかったらしい。この前部下の人達を止めに入った時が初めてだったとか。
「この姿で行くわけにはいかないからな」
「確かにそうですね」
日本なら手の込んだコスプレと言えば誤魔化せそうな気もしなくはないのだけどね。
「攻撃されても地球にある兵器では私は傷付ける事は不可能だがな」
虚空の覇者さんは身体に《次元装甲》という特殊な防御フィールドがあるらしく、大抵の攻撃は効かないのだとか。
「ミナ殿の最大出力なら突破できるかも知れんな」
「ははは…」
試す気はないですよ。
「攻撃されたら身体に傷は付かないけど心に傷は付きそう」
「そう。その通りなのだ。だから行かぬ様にしていた」
ソラちゃんが的確な表現をしていた。
「人の姿にはなれないのですか?」
ユキさんが質問する。
「《次元装甲》の影響で変身は無理の様だ。幻覚を被せて人に見せる事は出来るのだが私が行く事で悪影響が出ないか心配なのだよ」
ふむふむ…。
「中に美少女とか入ってないの?」
ソラちゃんがやって来て虚空の覇者さんの身体をペタペタと触っている。
「これは鎧では無いのだ。脱ぐ事は出来んよ。そして転生前はただのサラリーマンだ。美少女ではないぞ」
「そっかー残念」
脱げない事が残念なのかな?
話が逸れてしまったけど、今の地球の話をする。
「ケータイ?スマホ?私がまだ人間だった頃はポケベルとPHSだったな」
「ポケベル?」
「最近の子は知らないか…」
こういう話をしていると一気に人間らしさが見えてくるね。
昔はインターネットをするのにも凄くお金が掛かったらしい。
「まだダイヤルアップの時代だな。電話料金が爆上がりするんだよ」
マサキさんが説明してくれた。
「家のパソコンはインターネットに繋がってなかったな」
「え?ネットができなかったらパソコンで何するの?」
虚空の覇者さんをペタペタしながら聞くソラちゃん。
「パソコンは玩具ではないぞ」
「まあスマホがあればパソコン要らないけどね」
「スマホとはそんなに高性能なのか…」
「俺も最近地球に帰ったけど、一昔前のパソコンより格段に性能が良いぞ」
「それは…凄まじいな…」
他にも社会情勢だったり、みんなの好きなサブカルチャーの話だったりをして盛り上がった。
虚空の覇者さんは政治関連と芸能関連に詳しかったけど、アニメやゲームにはあまり詳しくなかった。
社会情勢と芸能はリオさんが、政治の話はユキさんがしっかり説明していた。
ユキさんスゴい…。
「ミナ殿とは今後も交流させてもらいたい」
「はい。私ももっと色々とお話を聞いてみたいです」
「そこでだ、ミナ殿に私の力を分けようと思う」
それってさっき話してた《次元装甲》とかも含まれるんだよね。
「ええと…あまり物騒な能力は増やしたくないんですけど」
「大丈夫だ。リミッターを付けておけば誤作動する様な事はない」
リミッターなんて付けられるの?
「既に持っている2つの力も含めて、虚空の力は世界を歪めてしまう程の威力がある。これらは本当の緊急事態の時にしか使ってはならない」
「使うとどうなるのですか?」
「極端な話をすると、その世界の生物がイントルーダー化する」
えぇ…つまり今いるイントルーダーって…。
「他の世界にいた生物の成れの果てだ」
「それってあなたの部下が力を乱用してイントルーダーを生成していたって事?」
リオさんがズバリと聞く。
「いや、私の部下達にそこまでの力を持たせてはいない。奴らが発生した原因は分かっているのだ」
虚空の覇者さんは全員を見渡しながら何かを考えている。
「君達になら話しても良いだろう。イントルーダーを生成している者が存在する」
「それは誰なんですか?」
「私の古い友人だ。人間の頃の」
虚空の覇者さんは俯き目を閉じる。
「その友人とはこの姿になって間もない頃に再会した。彼女は次元歪曲の特異点になっていた」
そうなった経緯は分からないそうで、虚空の覇者さんはその人を助けようとして力を行使して失敗したらしい。
「彼女が通った後にはイントルーダーが発生している。既に人としての意識があるのかすら分からないが、無自覚に次元跳躍を繰り返して世界を移動している」
部下の人達には彼女の追跡と捕捉を指示しているらしいけど未だに捕まえられないらしい。
「彼女の名前は杉浦ほのか。私と同じ年代の者だが、見た目は高校生位のままらしい。もし彼女を見かけたら私に教えてくれないか」
「分かりました。もし会う事があったら真っ先にお知らせしますね」
世界は無数にあるのだから出会う確率は限りなくゼロに近いだろうけど。
1
お気に入りに追加
3,734
あなたにおすすめの小説
プラス的 異世界の過ごし方
seo
ファンタジー
日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。
呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。
乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。
#不定期更新 #物語の進み具合のんびり
#カクヨムさんでも掲載しています
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
貴族令嬢に生まれたからには念願のだらだらニート生活したい。
譚音アルン
ファンタジー
ブラック企業に勤めてたのがいつの間にか死んでたっぽい。気がつくと異世界の伯爵令嬢(第五子で三女)に転生していた。前世働き過ぎだったから今世はニートになろう、そう決めた私ことマリアージュ・キャンディの奮闘記。
※この小説はフィクションです。実在の国や人物、団体などとは関係ありません。
※2020-01-16より執筆開始。
魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました
紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。
国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です
更新は1週間に1度くらいのペースになります。
何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。
自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です
しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。
没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~
土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。
しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。
そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。
両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。
女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。