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特別編2:神様はじめました
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──〔god side〕──
リヴェルティア様の身体は消滅した。
すると、まだ交戦中だった神達は動きを止めた。
「リヴェルティアが消えたからもう戦う必要はないってか?」
ダキアさんは大剣を構えたまま目の前の男神を睨んでいる。
[彼らに自我はありません。リヴェルティアの意のままに動かせる様に感情等を取り去ってしまったのでしょう]
「やる事がエゲツねぇな…」
つまり彼らは自分で物事を考えて行動する事も出来ないと…。
それは眷属であるキールとシェーラも同じらしく、壊れた人形の様に空間を漂っている。
「ミナ、とうとう倒したのね」
「はい…」
リオさんが話しかけてくる。
私は動きを止めた神様達を見ていた。
この人達、リヴェルティア様の記憶の中に出てきた人達にソックリだ。
彼らは全員、人間として生きていた時にリヴェルティア様に親しくしてくれた人達だ。ご両親もいる。
彼女は憎悪が膨れ上がる中でも、人としての心が芽生えていたのかも知れない。
でもそれなら何で自我を与えなかったんだろう…?
彼らと共にライオアールで暮らしていく事は考えられなかったのかな。
リヴェルティア様の事を思うと何とも言えない気持ちになる。
「ミナさん…大丈夫ですか?」
ユキさんが心配そうに聞いてくる。
「うん、平気。ただ…リヴェルティア様は私に復讐することが全てだったのかなぁって思っちゃって…」
そんな生き方悲しすぎる。
「ミナはアスティアを守ったんだよ。もっと堂々としてなくちゃ」
「そうだよ。倒した相手の事を考えたってどうしようもないじゃないか」
ソラちゃんとテュケ君が側に来て励ましてくれる。
「うん。そうだね」
そうだよ。みんなを失わずに勝てたんだからこれでいいんだよ。
…これも間違ってないよね。
手の中に収まるほど小さくなったそれを胸に抱く。
「ミナ…それってまさか…」
「はい。リヴェルティア様の魂です」
「破壊しなかったのかい?」
ルーティアさんが他のみんなと近くにやって来る。
「はい。あのまま破壊するのは何か違う気がして…何か考えがある訳ではないですが」
みんなは破壊するべきだと言うだろうけど、この魂こそ破壊せずに浄化するべきだと思ったんだ。
「美奈、頑張ったわね。偉かったわ」
「お婆ちゃん…」
キレイな蒼い髪をなびかせてお婆ちゃんがやって来る。
「美奈が決めた事なんだからいいのよ。私は容赦をするなと言ったけど、今の彼女は何か出来る訳ではないもの。敵ではないわ」
「うん…ありがとう。お婆ちゃん」
「ただし、一度決めた事は最後まで自分で責任を持ちなさい。いいわね?」
「うん。勿論だよ」
お婆ちゃんは私を抱き寄せて髪を撫でてくれた。
「という訳で皆さん、はじめまして。私は美奈の祖母のハルと申します。いつも孫がお世話になっています」
「あぁ…いえ、ご丁寧にどうも」
ルーティアさんが受け答えする。
「皆さんのお気持ちを考えれば、美奈のとった事は支持できる事ではないかも知れませんが、どうかこの子を信じてあげてください」
そう言って深々と頭を下げるお婆ちゃん。
「勿論ですよ。私達はいつだってミナの味方です」
ルーティアさんは周りを見渡しながら答える。みんなも大きく頷いてくれていた。
「ちょくちょくやらかすから放ってはおけないけどね」
リオさんが隣で笑いながら言う。
「良いお友達と仲間を持ったわね、美奈」
「うん」
みんなありがとう!
「じゃあ、お婆ちゃんを送って私は帰るね。みんなが寝ている時に抜け出してきちゃったから」
「あらまあ。起きた時に美奈が居なかったら心配するでしょう。早く帰らなくちゃね。それでは皆さん、今後も美奈の事をよろしくお願いします」
人間側の私とお婆ちゃんが転移で帰っていった。
「それで、リヴェルティアの魂はどうするんだ?」
「神界で時間を掛けて修復しようと思います。ただ、再び同じように復活は出来ないようにしようと思います」
具体策はアウラさんに相談で。
「分かった。これ以上トラブルがない様にみんなでより良い方法を考えようじゃないか」
ルーティアさんがそう言うと、みんな納得してくれたみたい。
反対されるかと思ったよ。
「ライオアールはどうしますか?」
レアさんが聞いてくる。
「どうすると言われても…私はあちらの神ではないし、意志を持つ神様がいないのでどうしようもないですよね…」
「彼女がいるじゃない」
彼女…?ああ!
「フラウリアさんですね。確かにライオアールの方です」
でも何も無くなったライオアールをフラウリア様にお返しするというのも何だか気が引ける。
「とりあえずライオアールがどうなっているのか見に行ってみる?」
ソラちゃんもライオアールの現状が気になるみたい。
「そうだね。行けるのかな?」
[座標は認識していますので移動可能です]
それならついでにこの神様達もライオアールに返してしまおう。
アウラさんのサポートで、全員でライオアールに来てみたんだけど…
「気持ちいいくらい何もないね」
リオさんがそう言って周りを見渡す。
平な大地が永遠と広がっているだけの星。
「スーパーフラットでスタートするとこんな感じ」
「そうね。クリエイティブモードならいいけど、普通に始めると大変なのよね」
ソラちゃんとリオさんはゲームに例えてるのかな?
「生物が何も居ない星ってなんだか不気味ね」
ネネさんが呟く。
「リヴェルティアが管理者権限を持っていた筈だが、この星はどうなるんだ?」
ハナちゃんに聞かれて考える。
そういえばどうするんだろう?
[リヴェルティアを倒した際にワールドコアへのアクセス権をミナが得ています]
「え?そうなの?」
それならライオアールのワールドコアにアクセスして状況を見てみよう。
…うわぁ。
リソースが0だよ。
本当に全てを掛けて戦いに来ていたんだね。
まあでもフラウリア様に管理者権限を返せばいいだけかな?
「リソース0の世界を受け取っても何も出来ないと思います」
「そうですよね…それに記憶も無いし魂も破損してるから、返すのは治ってからになるし」
ここで話していても仕方ない。
一度アスティアの神界に戻って一応フラウリア様にも話を聞いてみる事にした。
リヴェルティア様の身体は消滅した。
すると、まだ交戦中だった神達は動きを止めた。
「リヴェルティアが消えたからもう戦う必要はないってか?」
ダキアさんは大剣を構えたまま目の前の男神を睨んでいる。
[彼らに自我はありません。リヴェルティアの意のままに動かせる様に感情等を取り去ってしまったのでしょう]
「やる事がエゲツねぇな…」
つまり彼らは自分で物事を考えて行動する事も出来ないと…。
それは眷属であるキールとシェーラも同じらしく、壊れた人形の様に空間を漂っている。
「ミナ、とうとう倒したのね」
「はい…」
リオさんが話しかけてくる。
私は動きを止めた神様達を見ていた。
この人達、リヴェルティア様の記憶の中に出てきた人達にソックリだ。
彼らは全員、人間として生きていた時にリヴェルティア様に親しくしてくれた人達だ。ご両親もいる。
彼女は憎悪が膨れ上がる中でも、人としての心が芽生えていたのかも知れない。
でもそれなら何で自我を与えなかったんだろう…?
彼らと共にライオアールで暮らしていく事は考えられなかったのかな。
リヴェルティア様の事を思うと何とも言えない気持ちになる。
「ミナさん…大丈夫ですか?」
ユキさんが心配そうに聞いてくる。
「うん、平気。ただ…リヴェルティア様は私に復讐することが全てだったのかなぁって思っちゃって…」
そんな生き方悲しすぎる。
「ミナはアスティアを守ったんだよ。もっと堂々としてなくちゃ」
「そうだよ。倒した相手の事を考えたってどうしようもないじゃないか」
ソラちゃんとテュケ君が側に来て励ましてくれる。
「うん。そうだね」
そうだよ。みんなを失わずに勝てたんだからこれでいいんだよ。
…これも間違ってないよね。
手の中に収まるほど小さくなったそれを胸に抱く。
「ミナ…それってまさか…」
「はい。リヴェルティア様の魂です」
「破壊しなかったのかい?」
ルーティアさんが他のみんなと近くにやって来る。
「はい。あのまま破壊するのは何か違う気がして…何か考えがある訳ではないですが」
みんなは破壊するべきだと言うだろうけど、この魂こそ破壊せずに浄化するべきだと思ったんだ。
「美奈、頑張ったわね。偉かったわ」
「お婆ちゃん…」
キレイな蒼い髪をなびかせてお婆ちゃんがやって来る。
「美奈が決めた事なんだからいいのよ。私は容赦をするなと言ったけど、今の彼女は何か出来る訳ではないもの。敵ではないわ」
「うん…ありがとう。お婆ちゃん」
「ただし、一度決めた事は最後まで自分で責任を持ちなさい。いいわね?」
「うん。勿論だよ」
お婆ちゃんは私を抱き寄せて髪を撫でてくれた。
「という訳で皆さん、はじめまして。私は美奈の祖母のハルと申します。いつも孫がお世話になっています」
「あぁ…いえ、ご丁寧にどうも」
ルーティアさんが受け答えする。
「皆さんのお気持ちを考えれば、美奈のとった事は支持できる事ではないかも知れませんが、どうかこの子を信じてあげてください」
そう言って深々と頭を下げるお婆ちゃん。
「勿論ですよ。私達はいつだってミナの味方です」
ルーティアさんは周りを見渡しながら答える。みんなも大きく頷いてくれていた。
「ちょくちょくやらかすから放ってはおけないけどね」
リオさんが隣で笑いながら言う。
「良いお友達と仲間を持ったわね、美奈」
「うん」
みんなありがとう!
「じゃあ、お婆ちゃんを送って私は帰るね。みんなが寝ている時に抜け出してきちゃったから」
「あらまあ。起きた時に美奈が居なかったら心配するでしょう。早く帰らなくちゃね。それでは皆さん、今後も美奈の事をよろしくお願いします」
人間側の私とお婆ちゃんが転移で帰っていった。
「それで、リヴェルティアの魂はどうするんだ?」
「神界で時間を掛けて修復しようと思います。ただ、再び同じように復活は出来ないようにしようと思います」
具体策はアウラさんに相談で。
「分かった。これ以上トラブルがない様にみんなでより良い方法を考えようじゃないか」
ルーティアさんがそう言うと、みんな納得してくれたみたい。
反対されるかと思ったよ。
「ライオアールはどうしますか?」
レアさんが聞いてくる。
「どうすると言われても…私はあちらの神ではないし、意志を持つ神様がいないのでどうしようもないですよね…」
「彼女がいるじゃない」
彼女…?ああ!
「フラウリアさんですね。確かにライオアールの方です」
でも何も無くなったライオアールをフラウリア様にお返しするというのも何だか気が引ける。
「とりあえずライオアールがどうなっているのか見に行ってみる?」
ソラちゃんもライオアールの現状が気になるみたい。
「そうだね。行けるのかな?」
[座標は認識していますので移動可能です]
それならついでにこの神様達もライオアールに返してしまおう。
アウラさんのサポートで、全員でライオアールに来てみたんだけど…
「気持ちいいくらい何もないね」
リオさんがそう言って周りを見渡す。
平な大地が永遠と広がっているだけの星。
「スーパーフラットでスタートするとこんな感じ」
「そうね。クリエイティブモードならいいけど、普通に始めると大変なのよね」
ソラちゃんとリオさんはゲームに例えてるのかな?
「生物が何も居ない星ってなんだか不気味ね」
ネネさんが呟く。
「リヴェルティアが管理者権限を持っていた筈だが、この星はどうなるんだ?」
ハナちゃんに聞かれて考える。
そういえばどうするんだろう?
[リヴェルティアを倒した際にワールドコアへのアクセス権をミナが得ています]
「え?そうなの?」
それならライオアールのワールドコアにアクセスして状況を見てみよう。
…うわぁ。
リソースが0だよ。
本当に全てを掛けて戦いに来ていたんだね。
まあでもフラウリア様に管理者権限を返せばいいだけかな?
「リソース0の世界を受け取っても何も出来ないと思います」
「そうですよね…それに記憶も無いし魂も破損してるから、返すのは治ってからになるし」
ここで話していても仕方ない。
一度アスティアの神界に戻って一応フラウリア様にも話を聞いてみる事にした。
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