転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

文字の大きさ
428 / 828
特別編2:神様はじめました

イルメイア

しおりを挟む
フォレストウルフを眷属にしたユキさん。

彼らも不必要に人間と争うのをやめると約束してくれたし、エリスト周辺は少し安全になるのかな?

ドゥームをその世界だけで完全駆逐したっていう話を思い出して、もしそんな力があったら犠牲者が少なかったんじゃないかと思ってしまう。

「それの正体って誰かが突き止めて分けてもらいに行ったんじゃなかったっけ?」
「え?そんな話聞いてないですよ?」

リオさんが言った事に耳を疑う。

「ミナは寝てたから。打ち上げの初日だったかな。ドゥームの誰かが言ってた」
「確か分けてもらう事ができて、後方で戦っていたメンバーはそれを使って敵ドゥームを倒していたそうです」

突入した私達にも届けようとしてくれたらしいんだけど、攻撃が激しくて無理だったとか。

「どんなものだったんですか?」
「水だったって言ってたわね。それを凍らせて武器に付与して戦ったらしいわ」

リオさんが聞いた話を教えてくれた。

ただの水がドゥームに効く訳がないから特殊な効果を持っていたのは想像できる。

「スゴい回復力だったらしいよ」
「回復?飲むと回復するの?」
「そう言ってた」

ソラちゃんも聞いた事を教えてくれる。

一度現物を見てみたいなぁ。

「ティナが誰かに保管する様に指示してたよね?」
「はい。確かティナちゃんです」

じゃあティナちゃんに聞いてみようという事で《ビジョン》で連絡を取る。

『ミナお姉さんどうしたの?』
「ええとね……」
『それなら孤児院に保管してあるよ』

ティナちゃんは今孤児院に居ると言うのでそちらに行って見せてもらう事に。

「これだよ」

ティナちゃんが持ってきて見せてくれたのは透明な瓶の中に入った色の無い液体だった。

鑑定してみると【ハルの水(過剰分泌)】と表示される。

ハルというのはこの液体を生成した人の名前かな?効果は……同じく鑑定していたリオさんと2人で固まってしまった。

「何と書いてあるのですか?」
「ええとね…」

鑑定の情報をアウラさんの情報共有で見せる。

「【回復する】って何?」
「幾つ回復するとか、どの様な状態までとか書いてないという事は…」
「エターナルフォースブリザードの回復版?」
「また古いネタを…」

ユキさんは察したみたい。
ソラちゃんは…何その強そうな名前。リオさんが反応しているという事はアニメか何かなのかな?

ティナちゃんが蓋を空けてコップに出してくれた。

うん。普通の水にしか見えないよ。

「色々調べて量産できないか試したいの。でも間に合わないかもだからこのお水をくれた人の所に行ってもらってきた方がいいの」
「でも今は全てのドゥームが味方だよ?必要ないんじゃないかな?」

これがドゥームに特効なら持っている事で彼らに警戒心を与えてしまうんじゃないかな?

「この先必要になる物だから、お姉さんに取りに行ってきてもらいたいの」
「そうなんだ…」

ティナちゃんがいつになく強引なのが気になるけど、言う事を聞いておこうかな。

「それでその世界はどこにあるの?」
「えっとね、イルメイアっていう世界でね、アスティアからかなり離れた所にあるんだよ」
〈初めまして。ティナの守護を任されていたルフェメトと申します。〉

ティナちゃんが装着していたドゥームが話しかけてきた。今はペンダントになっている。

〈イルメイアまで行かれるのでしたらミナが適任かと〉
「それはどういう意味ですか?」
〈行けばわかります〉
「悪い事じゃないからミナお姉さんに行って欲しいの」

ティナちゃんもルフェメトも何か知っているみたいだけど、2人を信じて行ってみようと思う。

「それなら私達も一緒に行くわよ」
「とーぜん」
「お供します」
「俺も行くからな」

いつものメンバーでイルメイアに行く事になった。

ルフェメトの話だと、一度神界に行ってから世界間移動をしなければいけないそうなのでみんなで神界へ。

神様でもない私が空間を開けるのかと思っていたら、アウラさんが「ミナは特別な存在ですから可能です」と言って、空間を開いてくれた。

向こう側は森林になっていて美しい泉も見える。

「一応警戒をして行くわよ」
「おう!」
「あ、でも相手にお願いしに行く立場なので武器は抜かないでくださいね」
「ん、いざという時は詫び石をぶつける」
「盾なら大丈夫ですよね」

もし何かあれば私とリオさんが魔法で応戦。ユキさんとソラちゃんは臨戦態勢だし、一瞬時間が稼げればテュケ君も応戦できる。大丈夫だろう。

開いた空間に飛び込んで着地。

静かな森の中。
目の前に広がる大きな泉の水は透き通っていて底まで見える。
水草も生えていなければ魚もいない。
悪い成分が入っているのかもしれないから不用意に触らない様に気をつけよう。

周囲は巨木に囲まれていて、一際大きな木はどこまで高いのか分からないくらいだ。

見渡していくと泉の対岸に小屋が見える。あそこにハルさんが住んでいるのだろうか?

と、木々の軋む音と共に近くの木が大きく揺れる。
大木を掻き分けて現れたのは巨大な熊だった。

「熊ダー!」
「ミナ、どうする?」
「攻撃は待ってください!会話を試みます」

インベントリから動物会話のチョーカーを取り出して首に着けようとしていると、熊が私と目が合った。

『ニンゲンがこんな所に何の用だ!』

怒気を含んだ大きな声。
空気がビリビリと震えて思わず身体が硬直してしまう。

って、言葉が分かるね。チョーカー要らないみたい。
インベントリにしまいつつ巨大な熊を観察する。

体長は30メートル位、真っ黒な毛皮に覆われた熊そのもの。
《鑑定》で見てみると名前は【メト】、種族は【神獣】…?

「突然やって来てごめんなさい!私はミナって言います。ハルさんに御用があって来ました!」
『ハル様を狙って来たのか!』

メトさんはますます怒りを露わにする。
巨木の様な腕を振りかぶり私達全員を薙ぎ払おうと振り下ろしてきた。

「私が止めます!」

ユキさんが盾を構えて防御に入る。
腕が盾にぶつかると、ユキさんが吹き飛ばされた。
しかし腕の軌道は逸らしてくれていて私達に被害はなかった。

ユキさんは大きく跳ね飛ばされて泉の中央に落下した。

「ユキさん!」
「応戦するわよ!」
「当たり前!」

リオさんがデバイス2つを出して三重の《レイブラスター》を放つ。
それと同時にソラちゃんが貯留石をグルグル振り回してから投げつける。

私は2人の攻撃をオーバーブーストで支援する。

リオさんの魔法はメトの右腕を、ソラちゃんの石は左腕を吹き飛ばした。
しおりを挟む
感想 1,520

あなたにおすすめの小説

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ

ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます! 貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。 前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?

公爵令嬢やめて15年、噂の森でスローライフしてたら最強になりました!〜レベルカンストなので冒険に出る準備、なんて思ったけどハプニングだらけ〜

咲月ねむと
ファンタジー
息苦しい貴族社会から逃げ出して15年。 元公爵令嬢の私、リーナは「魔物の森」の奥で、相棒のもふもふフェンリルと気ままなスローライフを満喫していた。 そんなある日、ひょんなことから自分のレベルがカンストしていることに気づいてしまう。 ​「せっかくだし、冒険に出てみようかしら?」 ​軽い気持ちで始めた“冒険の準備”は、しかし、初日からハプニングの連続! 金策のために採った薬草は、国宝級の秘薬で鑑定士が気絶。 街でチンピラに絡まれれば、無自覚な威圧で撃退し、 初仕事では天災級の魔法でギルドの備品を物理的に破壊! 気づけばいきなり最高ランクの「Sランク冒険者」に認定され、 ボロボロの城壁を「日曜大工のノリ」で修理したら、神々しすぎる城塞が爆誕してしまった。 ​本人はいたって平和に、堅実に、お金を稼ぎたいだけなのに、規格外の生活魔法は今日も今日とて大暴走! ついには帝国の精鋭部隊に追われる亡国の王子様まで保護してしまい、私の「冒険の準備」は、いつの間にか世界の運命を左右する壮大な旅へと変わってしまって……!? ​これは、最強の力を持ってしまったおっとり元令嬢が、その力に全く気づかないまま、周囲に勘違いと畏怖と伝説を振りまいていく、勘違いスローライフ・コメディ! 本人はいつでも、至って真面目にお掃除とお料理をしたいだけなんです。信じてください!

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。