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特別編1:ドゥーム・セントラルコア決戦

門出

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みんなと楽しく食事をしていたら夕方になってしまった。
使用人のみんなや穴熊亭のおじさんには何だか申し訳ない事をしちゃったね。

みんなは今日も泊まっていくそうなのでゆっくりしてもらおうと思う。

おじさんにお礼を言いつつまた穴熊亭に行きますと伝えると「おう!何時でも来いよ!」と言いながら頭を撫でられた。

送って行こうとしたけど歩いて帰れると言われ、屋敷の入り口まで見送るだけになった。

「おじさんにかかったら神様でも普通の女の子ね」
「いつも通りに接してくれて嬉しいです」

手を振りながらリオさんが笑って言う。

「今度は食べに行きましょうね」
「うん」

ユキさんと二人だった頃はいっぱいお世話になったよね。お手伝いした事もあったっけ。

「いつ行く?今晩?」
「いやいや…さっきまで食べてたでしょうが…」

ソラちゃんの食欲は底無しだね。

笑いながら屋敷に戻る。

[ミナ、アウレリアが呼んでいます]

アウレリア様が?
4人で神界へむかう。

白い空間には残った神様が全員来ていた。

「ミナ、無事に帰って来てくれて嬉しく思います」
「アウレリア様、無事に帰って来られました。留守の間お世話になりました」

神様達は他の次元に行っていた私達の事は見えていなかった様なので経緯を説明する。

「アスティアのみならず他の世界まで救って来たのですね」
「これでドゥームが他の生物を脅かす事は無くなりました。あとはアスティアを護っていくだけです」

後で調べて気付いたんだけど、物凄い数のドゥームがアスティアのワールドリソースになってくれたらしくて、私がヴェルトラオム様から主神を引き継いだ時より桁が2つ増えていた。

コスモスに連絡して返そうとしたけど、「不要」との事だったのでありがたく使わせてもらう事にした。

「ならば私達の役目は終わりの様ですね」
「それなのですが…ワールドリソースも潤沢にありますし、皆さんには今後もアスティアを管理していただく事は出来ないでしょうか?」

アウレリア様達が残ってくださったら心強い。
しかしそれは叶わなかった。

「ミナは既に主神として大きな務めを果たしています。私達や父が成し得なかった事を」

アウレリア様は優しい目で私を見つめる。

「新しいアスティアには私達は必要ありません。私達は輪廻の輪に加わって、アスティアに転生します」

それは私が何を言っても揺らぐ事は無い、堅い決意だった。

「分かりました…もっと色々と教わりたかったのですが…そうですね。今までいっぱい苦労されて来たのだから、今度は地上でのんびり暮らして下さい」
「ミナ、私はあなたが自由に生きる為にアスティアに呼びました。それなのに大役を押し付ける形になってしまってごめんなさい」

深々と頭を下げるアウレリア様。

「そんな…謝らないで下さい。私、結構自由に生きてますよ。神様になったのだって自分の意志なので」
「ありがとうミナ。あなたを選んで良かった」

アウレリア様は優しく抱きしめてくれた。

「もう、行ってしまわれるのですか?」
「ええ」
「少しだけ待っていただけますか?」

せめてここにいる神様が連れてきた転生者のみんなには会わせてあげたい。

屋敷に戻って連れて来た。
アルメディオ様が転生させたマサキさん。
グリューテス様が転生させたマサルさん。
ウォーラスト様が転生させたナオトさん。
ミリエラ様が転生させたリサさん。

シンさんとシゲルさんを転生させた神様は既に輪廻の輪に加わったいた。
ユイさん、マイケルさん、ユウキちゃんを転生させた神様もいたので連れてきた。

ユキさん、リオさん、ソラちゃんもそれぞれ神様と話をしている。

それぞれが別れの挨拶をしていた。

「ミナ、本当にありがとうございました。皆様も喜んでいます」
「間に合って良かったです。私もアウレリア様と最後にお話ができて…」
「転生したらまた会えるかも知れませんよ」
「そうですね。これで永遠にお別れじゃないかも知れないですよね」

輪廻の輪に加わってもすぐには転生しないらしい。
いつ転生するのかは神様達でも分からないそう。

「ミナさん。一つお願いがあります」

そう言って来たのは、ヴェルトラオム様と共にアイさんを仮の神様にしたエルナーダ様だった。

「アイの事をお願いしたいのです」
「勿論です。アイさんは神界で保護しておきます」
「お願いします」

彼女も何か理由があって人として転生したくないのかも知れない。落ち着いたら話を聞きに行こうと思う。

エルナーダ様はアイさんの事が心配だったのだろう。私が保護するから大丈夫ですと伝えると、安心した様子で微笑んでくれた。

「それでは、またどこかで」
「はい!またお会いしましょう!」

神様達は皆笑顔で消えていった。

「行ってしまわれましたね」
「うん。でもまた会えるよ」

転生した後だから記憶も無くなっているだろうけど、神様達もアスティアの一部になったんだから、いずれまた会える日が来るよ。

[明日から主神としてやっていただく事があります]

うん。もう神様達は居ないんだから私がやらないといけないね。

「私達も手伝うから1人じゃないわよ」

リオさんが隣に立って言ってくれた。

「ん。ミナがやらかしてアスティアを壊さない様に全力でサポートする」

ソラちゃん…やらかす前提なんだ。
でも心強いよ。

「勿論私も一緒です」

ユキさんもありがとう。

さあ、神様を始めようか!
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