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特別編1:ドゥーム・セントラルコア決戦
艦隊戦
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助けに来てくれたみんなと一緒にサブコアの位置まで後退する。
既にサブコアへの直接攻撃が始まっていてその内一つが左右に割れて崩壊していく。
「やったです!」
「デカイだけのただの球です」
「ざまーみろです!」
兎人族の4姉妹がサブコアを破壊したみたい。後方からエルさんとレミさん、ハトゥールさんが援護していた。
「ミナさん、無事でよかったです。私達の担当は片付きました。本隊に戻ります」
エルさん達と一緒に本隊の元へと向かう。
向かった先には船の様なドゥーム達が無数に居て各方向に舳先を向けて移動をしているところだった。
私達が向かうのはその更に奥、一際大きな船があるところだった。
マストの無い船の様な形をしているドゥームは淡い青色の光を放っていて美しい。
私達が近付くと船の側面が開いて中に入れる様になる。
リオさん達は迷いなく入っていく。私も後に続いた。
中はお城か神殿の様な造りになっている。きっとアスティアから来た誰かの趣味だろうと思う。
地面に足を着けるとピタリとくっついて普通に歩ける様になる。
今まで無重力だったから少し驚いた。
広めの通路を歩いていくと広間に出た。
そこは中世のお城には不似合いな近代的な机と椅子があり、見知った顔が何人もいた。見た目はお城でもここだけは宇宙船のブリッジの様な感じだ。
中央にレアさん、それを囲む様にルーティアさん、マサルさん、ナオトさん、リサさん、シンさん、シゲルさん、ティナちゃんもいた。
「右翼、左翼共に配置完了。各方面は順次攻撃再開……しかしこの《意識加速》というのは凄いな。何もかもが止まって見える」
「全くだ。しかし、ここまでやってまだ五分の戦いにならないのか?」
シンさんとナオトさんが話している。
「相手はまだ全戦力の半分も投入してないのです。敵先鋒をどれだけ被害を抑えて撃破出来るかがこの戦いの鍵になります」
2人の話を聞いてレアさんが答える。
戦況はかなり厳しい様だ。
「ミナ、無事だったか!」
ルーティアさんが私達に気付いて声を掛けてくれた。
「はい。皆さんに助けられました」
「あと少し遅かったら手遅れだった。ティナの言う通りにして正解だったぞ」
ダキアさんが簡潔に状況を説明してくれた。
ティナちゃんが《未来視》で私達のピンチを救ってくれたんだね。
「ありがとうティナちゃん」
「えへへ。でもユキおねーさんが居てくれたから出来たんですよ」
みんなが転移してきたのは私とレナトゥスが出発した所と同じ。ティナちゃんが私のピンチを察知した時には距離的に間に合わなかった。
そこでこの船の砲撃でユキさんを加速させて私達の所まで送り届けてくれたそう。
「えぇ…ユキさん大丈夫だったの?」
「はい。少しビックリしましたけど大丈夫でした」
ユキさん頑丈過ぎ…。
「さて、そろそろ戦の話をしたいのだが…」
知らない男の人の声が聞こえた。
「この船、ランディアの声ですよ」
「ランディア?」
レアさんが教えてくれた。
床からドロリと金属質のスライムみたいな物が出てきたと思ったら人の形に変わっていく。金髪の美青年になった。
「お初にお目にかかる。私はドゥーム・マスターコア=ランディア。ランディアが個体識別名称だ。既に君の事は他の皆から聞いている」
私はドゥームの組織体系を理解していた。ドゥームは群体で動いていて、レナトゥスは一番小さな群体【ディア】だ。このランディアは【マスターコア】なのでその更に上位の群体。記憶によるとランディアはレナトゥスの親の群体のはずだ。
マスターコアは12群体あって、それをまとめているのがセントラルコアになる。
「助けていただいてありがとうございました」
「礼を言うのはこちらの方だよ。我らドゥームに未来をくれたのだ。これを何としてでもセントラルコアに承認させねばならない」
ランディアが言うにはこちら側についてくれたマスターコアは3群体。現在4群体がセントラルコアの要請でやって来ていて、残る5群体は態度を保留しているらしい。
「全てが敵側に回る可能性も十分にある。我々は現存戦力で残る5群体を退けてセントラルコアに辿り着かなければならないのだ」
「それは本当に可能なのでしょうか?」
「私には分からない。しかしレアは可能だと判断した」
ランディアはレアさんを見ながら言う。
「ミナさんが無事なら勝機はあります」
レアさんは確信を持ってそう言った。
「そろそろマスターコア・ダビドが交戦するぞ」
シゲルさんが報告してくる。
《ビジョン》の様な大きなスクリーンが幾つも現れて外の様子を見せてくれる。
大量の船同士が高威力のエネルギー砲を撃ち合っている。
「宇宙戦争みたい」
「みたいって言うかそのままよね」
「帝国と惑星同盟の戦争?」
「おー知ってるぞ!和製スペースオペラだな」
ソラちゃん、リオさん、マサキさんは仲が良いよね。
って、そんな事言ってる場合じゃないね。
「ええと、ダビドの方には誰か行ってるんですか?」
「マリさんとサチさんに行ってもらってます」
レアさんが指差したスクリーンを見る。
ダビドは戦っているマスターコアと戦力はほぼ互角。サチさんが作り出したエイブラムスと12騎士が遊撃として展開して敵船を次々と撃破している。彼らもドゥームと融合して強化されていた。
「私達の勝利条件はセントラルコアにレナトゥスを届ける事ですが、突撃しても逃げられるだけです。敢えて全面衝突を行なって逃げる事ができない様にするのが狙いです」
セントラルコアも参戦しなければならない程の打撃を与える事で同戦場に釘付けにするのが作戦らしい。
「それから大切な条件がもう一つ」
レアさんが続ける。
「誰一人死なない事です。その為には申し訳ないですが、個の概念ないドゥームや魔物達は消費させていただきます」
「無論、我らに異論はない」
ランディア達ドゥームは理解した上でレアさんの指揮下に入っている。
「私がやるべき事は何でしょう?」
「はい。まずはこの状態で《イクシードラスール》がどれだけの対象にかけられるかを試しましょう。《アルスアドラステア》もです」
レナトゥスと融合している分、能力は拡張されている。《イクシードラスール》も使用数が増えているかも知れない。
試してみると、人数ではなく範囲内の対象者全員に効果がかかる事が分かった。
これなら相手との戦力差を埋められるかも知れない。
既にサブコアへの直接攻撃が始まっていてその内一つが左右に割れて崩壊していく。
「やったです!」
「デカイだけのただの球です」
「ざまーみろです!」
兎人族の4姉妹がサブコアを破壊したみたい。後方からエルさんとレミさん、ハトゥールさんが援護していた。
「ミナさん、無事でよかったです。私達の担当は片付きました。本隊に戻ります」
エルさん達と一緒に本隊の元へと向かう。
向かった先には船の様なドゥーム達が無数に居て各方向に舳先を向けて移動をしているところだった。
私達が向かうのはその更に奥、一際大きな船があるところだった。
マストの無い船の様な形をしているドゥームは淡い青色の光を放っていて美しい。
私達が近付くと船の側面が開いて中に入れる様になる。
リオさん達は迷いなく入っていく。私も後に続いた。
中はお城か神殿の様な造りになっている。きっとアスティアから来た誰かの趣味だろうと思う。
地面に足を着けるとピタリとくっついて普通に歩ける様になる。
今まで無重力だったから少し驚いた。
広めの通路を歩いていくと広間に出た。
そこは中世のお城には不似合いな近代的な机と椅子があり、見知った顔が何人もいた。見た目はお城でもここだけは宇宙船のブリッジの様な感じだ。
中央にレアさん、それを囲む様にルーティアさん、マサルさん、ナオトさん、リサさん、シンさん、シゲルさん、ティナちゃんもいた。
「右翼、左翼共に配置完了。各方面は順次攻撃再開……しかしこの《意識加速》というのは凄いな。何もかもが止まって見える」
「全くだ。しかし、ここまでやってまだ五分の戦いにならないのか?」
シンさんとナオトさんが話している。
「相手はまだ全戦力の半分も投入してないのです。敵先鋒をどれだけ被害を抑えて撃破出来るかがこの戦いの鍵になります」
2人の話を聞いてレアさんが答える。
戦況はかなり厳しい様だ。
「ミナ、無事だったか!」
ルーティアさんが私達に気付いて声を掛けてくれた。
「はい。皆さんに助けられました」
「あと少し遅かったら手遅れだった。ティナの言う通りにして正解だったぞ」
ダキアさんが簡潔に状況を説明してくれた。
ティナちゃんが《未来視》で私達のピンチを救ってくれたんだね。
「ありがとうティナちゃん」
「えへへ。でもユキおねーさんが居てくれたから出来たんですよ」
みんなが転移してきたのは私とレナトゥスが出発した所と同じ。ティナちゃんが私のピンチを察知した時には距離的に間に合わなかった。
そこでこの船の砲撃でユキさんを加速させて私達の所まで送り届けてくれたそう。
「えぇ…ユキさん大丈夫だったの?」
「はい。少しビックリしましたけど大丈夫でした」
ユキさん頑丈過ぎ…。
「さて、そろそろ戦の話をしたいのだが…」
知らない男の人の声が聞こえた。
「この船、ランディアの声ですよ」
「ランディア?」
レアさんが教えてくれた。
床からドロリと金属質のスライムみたいな物が出てきたと思ったら人の形に変わっていく。金髪の美青年になった。
「お初にお目にかかる。私はドゥーム・マスターコア=ランディア。ランディアが個体識別名称だ。既に君の事は他の皆から聞いている」
私はドゥームの組織体系を理解していた。ドゥームは群体で動いていて、レナトゥスは一番小さな群体【ディア】だ。このランディアは【マスターコア】なのでその更に上位の群体。記憶によるとランディアはレナトゥスの親の群体のはずだ。
マスターコアは12群体あって、それをまとめているのがセントラルコアになる。
「助けていただいてありがとうございました」
「礼を言うのはこちらの方だよ。我らドゥームに未来をくれたのだ。これを何としてでもセントラルコアに承認させねばならない」
ランディアが言うにはこちら側についてくれたマスターコアは3群体。現在4群体がセントラルコアの要請でやって来ていて、残る5群体は態度を保留しているらしい。
「全てが敵側に回る可能性も十分にある。我々は現存戦力で残る5群体を退けてセントラルコアに辿り着かなければならないのだ」
「それは本当に可能なのでしょうか?」
「私には分からない。しかしレアは可能だと判断した」
ランディアはレアさんを見ながら言う。
「ミナさんが無事なら勝機はあります」
レアさんは確信を持ってそう言った。
「そろそろマスターコア・ダビドが交戦するぞ」
シゲルさんが報告してくる。
《ビジョン》の様な大きなスクリーンが幾つも現れて外の様子を見せてくれる。
大量の船同士が高威力のエネルギー砲を撃ち合っている。
「宇宙戦争みたい」
「みたいって言うかそのままよね」
「帝国と惑星同盟の戦争?」
「おー知ってるぞ!和製スペースオペラだな」
ソラちゃん、リオさん、マサキさんは仲が良いよね。
って、そんな事言ってる場合じゃないね。
「ええと、ダビドの方には誰か行ってるんですか?」
「マリさんとサチさんに行ってもらってます」
レアさんが指差したスクリーンを見る。
ダビドは戦っているマスターコアと戦力はほぼ互角。サチさんが作り出したエイブラムスと12騎士が遊撃として展開して敵船を次々と撃破している。彼らもドゥームと融合して強化されていた。
「私達の勝利条件はセントラルコアにレナトゥスを届ける事ですが、突撃しても逃げられるだけです。敢えて全面衝突を行なって逃げる事ができない様にするのが狙いです」
セントラルコアも参戦しなければならない程の打撃を与える事で同戦場に釘付けにするのが作戦らしい。
「それから大切な条件がもう一つ」
レアさんが続ける。
「誰一人死なない事です。その為には申し訳ないですが、個の概念ないドゥームや魔物達は消費させていただきます」
「無論、我らに異論はない」
ランディア達ドゥームは理解した上でレアさんの指揮下に入っている。
「私がやるべき事は何でしょう?」
「はい。まずはこの状態で《イクシードラスール》がどれだけの対象にかけられるかを試しましょう。《アルスアドラステア》もです」
レナトゥスと融合している分、能力は拡張されている。《イクシードラスール》も使用数が増えているかも知れない。
試してみると、人数ではなく範囲内の対象者全員に効果がかかる事が分かった。
これなら相手との戦力差を埋められるかも知れない。
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