転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

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アスティア

レナトゥス

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衝撃波を《ディストーションバリア》で防いで様子を見る。

…結構キツいね。

「え…?何が起こったの?」
「トリプルブーストを敏捷に付与して瞬殺しました……」

聞いてくるリオさんに説明する。
立ってるのも辛い。衝撃波を防ぎ切ったのでその場に座り込む。

「時を止める勢いで《シャイターン》を倒したって事ね」
「ウリィィィとか言い出すやつ?」
「完全に止まってないわよ。超加速状態ね」
「おー奥歯にスイッチが付いてるヤツだ」
「ソラのお兄さん歳いくつよ…」

リオさんとソラちゃんが何やら話をしているけど私に何か言う余裕はない。
ユキさんは私の背中をさすってくれたりしている。
テュケ君は私の近くに立って守ってくれているみたい。

2人も呑気に話している様に見えてしっかり周りの警戒をしてくれていた。

「さて、次は何が来るかしらね」
「ごちゃ混ぜキメラとか?」
「あのクリーチャーを思い出してたわ…レナトゥスの美的センスを信じましょう」

ああ、アレね…。ダキアさんには悪い事をしちゃったね。

大分落ち着いたのでゆっくりと立ち上がる。

前方、かなり遠くだけど何か光った。

念の為《カタフィギオ》を張って様子を見る。

光は大きくなっていって弾けて消えた。
光のあった所には《アドラステア》を展開した私が立っていた。

「それが最適解で一番厄介なのよね…」
「ミナに任せるしかないかも」
「一応、密集してください。防げるものは私が防ぎます」
「俺ならねーちゃんが生きてる限り死なないらしいから戦えるぞ」

ユキさんが3人を守る様に立って様子を見る。

あれが私と同性能ならさっきの敏捷にトリプルブーストを掛ける戦法も使ってくる。つまり私にしか対応出来ない。

ただ、何か様子がおかしい。
さっきの《シャイターン》達と違って戦闘の意志が無いというか、戦闘態勢をとっていない。

ゆっくりとこちらに歩いて来る。

どうしよう…先制攻撃するべきかな。

[どうやらその必要は無さそうです]
「それってどういう事?」
[彼女に敵対の意志が無いからです]

「私はレナトゥス。全ての凶星石、ドゥームの親の様なものです」

落ち着いた様子で話しかけてきた。私の顔、私の声なんだけど、落ち着いた雰囲気が出ている。

「しゃ、しゃべったー」
「ドゥームアンヘルは普通に喋ってたでしょ。それで、その親玉さんはなんでそんなに落ち着いているのよ?」

リオさんはレナトゥスを睨みながら聞く。

「アスティアの主神の一部を取り込んで理解しました。私達が取るべき選択はあなたにも分かるのではないですか?」

こちらを見て言ってくるレナトゥス。

え?私?

[私の声をレナトゥスにも聞こえるようにします]

アウラさんは何か分かってるみたい。
そのまま見守ろう。

[まず、ミナの記憶と情報を手に入れたレナトゥスは、自分達が欠陥のある種族であると気付いた。そうですね?]
「はい。我々は他の生物に寄生、吸収して生命を繋いでいます。しかしそれを行うと我々は肥大化してしまうのです。質量が増えればより多くのものを吸収しなければならない」

それじゃ、際限なく他の生き物を取り込み続けなくちゃいけないって事?

[そうです。そして全ての生命を取り込んだ先にあるのは滅びです]
「そりゃ取り込むものが無くなったらエネルギーが得られないからね」

リオさんは頷きながら言う。

「どう言う事だよ?」
「食べれば食べるだけ太って、少しでも食べるのをやめたらお腹が空き過ぎて死んじゃう?」
「そういう事ですね」

テュケ君はイマイチ良く分かってなかったみたいだけどソラちゃんとユキさんが説明してくれていた。

「私達は生命体として明らかな欠陥があります。それを正さなくてはなりません」
「どうやって正すんですか?」
「それにはあなたの力が必要です」

私の力がいる?それってつまり…。

「やっぱり神の力が必要なんじゃないの!ミナ、気をつけなさい!」
「違うのです。私はあなた方と戦う意志はない」

リオさんがデバイスを展開して魔法の準備に入る。
レナトゥスは戦うつもりはないと両手を広げて動きを止める。

「じゃあ…何をすれば良いのですか?」
「あなたのワールドコアを使って私を作り替えて下さい」

ワールドコアを使って…?

[理論上では可能です。ただしかなりのワールドリソースを消費してしまいます]

アウラさんの言うワールドリソースとはアスティアが保有している存在力の事らしい。
神様達が自分を犠牲にしてまで私達を助けてくれた時に使ったものと同じ…。
それをレナトゥスの為に使えと言うの?

「ワールドリソースってダンジョンリソースみたいにウルで補充は出来ないのよね?」
[不可能です]
「なら交渉は決裂よね?あなた達を助ける為にアスティアを消費しろだなんて、図々しいにも程があるわよ」

リオさんはいつでも《ルインブレイザー》を撃てるように構えている。既にデバイス2つとリオさん本人で3つの魔法が完成していた。

「私達の全てをワールドリソースに加えて下さい。それならアスティアのリソースは使わなくても良い筈です」
「そんな事ができるのですか?」
「はい。既にアスティアを攻撃している者達は動作を停止させました。許可を頂ければアスティアに譲渡します」

レナトゥスはそう言っているけど大丈夫なのかな?逆に乗っ取られたりはしない?

[大丈夫です。あちらはアスティアのリソースに加わると言っていますので]

それならいいかな?

「アウラさんも危険は無いって言ってるし、アスティアのワールドリソースを使わなくても何とかなるならやってあげようと思うんだけど、どうかな?」

私はこれ以上争わずに解決できるならそれが良いと思うし、アスティアを攻撃しているドゥーム以外にもこの情報は伝わるんだよね?それなら不毛な侵略をやめられるかも知れない。

「私はいいと思います。このまま全面戦争を続けていたらアスティアにも大きな被害が出てしまうと思うからです」
「んー、聞く限りマイナスは無いし、いいんじゃない?」
「俺もねーちゃん達に賛成だよ。向こうが戦わないって言ってるんだから乗ってやってもいんじゃね?」

ユキさん、ソラちゃん、テュケ君は賛成してくれた。リオさんは何も言わずにレナトゥスを睨んでた。

「分かったわよ。私も賛成。でも忘れちゃいけないのは、ドゥームアンヘルの攻撃や凶星石の寄生で犠牲になった人がいるんだから。あなたが許された訳では無いのよ」
「分かっています。償えるものがあれば、いずれ…」

みんなの賛同を得て、私はレナトゥスを創り変える事に決めた。
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