転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

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竜人族の島

戦略

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屋敷に戻ってきて防衛線の配置とガランさん達の配置を相談して一度解散になった。

私は気になった事をレアさんに聞いてみる事にした。

「あの…今回の戦いでは犠牲者を増やしたいんですか?」
「はい。できれば旧体制に馴染んでしまっている竜人族ドラゴニュートから死んでもらいたいですね。」

普通に言われたけどそれっておかしくない?

「話して分かってもらえないからですか?」
「違いますよ。エジダイハンの竜人族ドラゴニュートの数が多すぎるのです。畜産を成功させても現在の個体数を維持する事はできないのです。」

つまり間引くって事なんだ…。

「何とかして全員を救う事は出来ないんですか?」
「方法は無くはないのですが、それにはかなりの時間と労力を要します。この情勢では成功率も低いかと。」

それで最も効率が良く、より多くの竜人族ドラゴニュートを救う方法を選んだのだとレアさんは説明してくれた。

「ミナさんはこのやり方について反対の様ですね。」
「はい…。」

時間を掛けてでも多くの命を救った方がいいと思う。一時的に私のダンジョンに避難させることだってできるし。

「ミナさん、エジダイハンは間違った形で繁栄してしまいました。それをやり直すにはこうしなければならないのです。」
「でも…」

間違ったからと言って救える命を無視は出来ないよ。

「ミナさんの力ならどうとでも出来てしまうでしょう。誰も傷付かないように、みんなが笑って暮らせる方法を提示できるかも知れません。でも、与えるだけでは彼らの為にはならないのです。このまま放置するのも危険です。ガルビル氏の改革が失敗すれば、10年以内に大陸側に進出してきます。初めはリアード、リリエンタ、サデーラ南端辺りから徐々に勢力を拡大するでしょう。目的は何か分かりますか?」
「食糧、ですね。」
「そう、人間を食べる事を覚えた彼らは間違いなく攻め入ってきます。」
「他の方法を何とか広める事ができればどうですか?」

他の方法に何があるか私は知らない。こんな言い返し方はズルいと思う。

「他の方法、簡単にはいかないと思います。やれる事をあげていくと、まず畜産。これは私が必ず成功させます。次は主食の変更。リアード北部に住んでいる竜人族ドラゴニュート達が何を食べているかご存知ですか?」
「魚です。」
「漁業を教えて魚を食べるようにすればかなりの食糧を賄えます。しかしエジダイハンの竜人族ドラゴニュートは魚を食べ物と認識していません。飢えた時でさえ食する事はないそうです。」

レアさんはメルドガルビルさんと話していく中で魚食の道も模索したのだろう。

「傲慢な彼らを説得する事はほぼ不可能です。食に対する改革をする為には全ての氏族に痛みを教えなければなりません。」

レアさんは無意味に食い下がる私に丁寧に答えてくれた。
レアさんは私よりもずっと深い所で色々なケースを想定して今の方法が最良だと判断したんだ。浅はかな考えで反対していた自分が恥ずかしい。

「分かりました。私ができる事があったら何でも言ってください。」
「ありがとうございます。もしまた気になる事があったらいつでも聞いてください。ミナさんにご理解いただけるまでお付き合いしますよ。」

柔らかく笑いながら言うレアさん。
丁寧で優しい人だ。護ってあげなくちゃね。

私は屋敷から出て魔道力船の所にいるリオさん達の所に行ってみた。

既に船は桟橋には無く、乾ドックに入れられていた。

リオさんに付き合ってソラちゃんとユキさんも魔動力炉を操作している。

「成る程~この構造ならこれがこうで……」

何やら色々と取り外しているけど大丈夫かな?

「ミナさん。」
「避難民の皆さんの住まいを確保してきました。リオさんは何をやってるんですか?」
「あー、構造の把握と改造をね。」

勝手に改造して大丈夫なの…?

「リオ、そろそろやめてご飯~」
「うんうん…もうちょっと。」

口を尖らせてリオさんを見ているソラちゃん。

「ここに入ってからずっとこの調子なんですよ。」

ユキさんも呆れていた。

「よし!これで性能が上がるんじゃないかしら?」

テキパキと外したパーツを元に戻していくリオさん。

「お待たせ!じゃあご飯にしましょ。」
「むぅ…遅い。」
「ゴメンゴメン。」

不満そうなソラちゃんに謝るリオさん。

みんなで屋敷に戻ってご飯を頂くことに。その時にレアさんとのやり取りを話しておく。

「まあレアの言う事が正しいんじゃない?」
「そうですよね。」
「絶対だとは言い切れないけど、あの子の立場や動かせる人員、情勢を判断しての結論なら任せるしかないと思うわ。」

リオさんもレアさんの方針に賛成の様だ。

「雑魚蜥蜴に情けをかけてやるだけマシ。」
「ソラちゃん、言葉遣いが悪くなってますよ。」

食べるている合間に言うソラちゃんに注意するユキさん。

2人もレアさんの方針に賛成らしい。
ソラちゃんは「ガルビル氏だけ残して更地にした方がいい」とか言っていたけど流石にそれは酷いと思うよ。

「本来なら人を食べる様な種族と仲良くするのは無理だと思います。メルドガルビルさんのやろうとしている事が実現できたら手を取り合って生きていく事ができるんじゃないでしょうか。」

ユキさんの言う通りなんだろう。マサキさん達も同じ考えみたいだ。
でも私は全員を救う事を考えてしまっていた。

何でだろう…?過去の世界で結果的に竜人族ドラゴニュートを大量に殺めてしまったから負い目を感じている…?

そんな事は無いと思うのだけど。

食事を終えて外を見てみると、竜人族ドラゴニュート達が武器を持って町から出ていくのが見えた。今から迎撃位置に移動するのだろう。年長者から若者までかなりの人数だ。

そういえばこの町はガルビル氏以外の氏族が沢山いる。他の氏族の町もこんな風に色々な氏族がいるのかな?

「ハウトは元々数が少ないから、ここみたいに混成されているらしいけど、他の氏族は大体氏族単体らしいわ。」

ネネさんが教えてくれた。

そういえばハウト氏との戦いだけど峠道を封鎖して防衛線を構築していたもんね。ハウト氏が沢山いるのなら飛んで来るから意味が無い事になる。

「山を飛び越えてくるハウト氏もいるだろうから、俺達はその迎撃も仕事らしいぞ。」

マサキさんは嬉しそう。「対空戦闘ってあまり経験がないんだよな」とか言って笑ってるし…。

怪我をしない様に気を付けてくださいね。
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