転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

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平穏

アフターギフト掃討戦

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次の日、リオさん達やユイさん、マイケルさん、ユウキちゃんも連れてスブリーメースの冒険者ギルドへ。

ラッドさんにリオさん達のプレートを発行してもらって、サトルさんのいる所へ転移する。彼はサデーラ大陸の西端にいる。どうやら飛空艇で移動中の様だ。

「ミナさん!?」

突然甲板に大勢の冒険者が現れたので全員が驚いていた。
サトルさんはすぐに私を見つけて船員達に「味方だ」と告げて混乱を鎮めてくれた。

「突然すみません。冒険者ギルドの依頼で掃討戦の手伝いに来ました。」
「そうでしたか。もう来ていただけるとは、ありがとうございます。」

全員の紹介を済ませて状況を教えてもらう。

「現在我々はレクタール・ヤボンの領地にて彼の側近で開発主任のエヴォール・セレインを逮捕しようとしています。」

なるほど、眼下に広がる砂漠地帯の何処かに潜伏していると。

オーバーブースト付きの《鑑定》で居場所を特定。

「見つけました。捕まえて来ます。」
「えっ?」

《テレポート》でエヴォールさんのいる所に転移する。
地下の隠れ家に数人の側近と隠れている所だった。

「何っ!?」「バカな…!?」
「全員連行します。《テレポート》!」

飛空艇の甲板に戻ると、みんなが武器を構えて待っていた。

「捕まえました。」
「…あ、ありがとうございます。」

サトルさんは呆気に取られていたけど、直ぐに兵士達に拘束する様に指示を出す。

「それで、この人達から情報を聞き出すのですか?」
「はい。レクタールの居場所を吐かせようかと。」
「分かりました。調べてみますね。」

さっきと同じ要領で探してみる。

「いました。かなり南西、沿岸部に潜伏しているみたいです。」
「…そんな所まで調べられるのですか。」
「では行ってきます。」

出た先は建物の中。いきなり目の前に現れた私に声も出ないみたい。

「レクタールさん、あなたを連行します。」
「小娘1人で何ができる!私をただの老人と思うなよ!」
「《テレポート》!」

レクタールが呪文の詠唱に入った瞬間に転移して飛空艇の甲板へ。

「はぁっ!?なんだと!?」

驚きのあまり詠唱をやめて叫んでいる。

「主犯を捕まえました。」
「貴様!無詠唱で転移魔法を使ったのか!?」
「いいえ、詠唱はしましたよ。転移魔法なのは合ってます。」

高速言語で詠唱したから分からなかったんだね。

「ミナさん…あなたはやはり…いや、今はレクタールが先でした。ご協力ありがとうございます。」

これで解決?…いや、この人はきっと何か策を講じていたと思う。

アフターギフト因子に限定してオーバーブースト鑑定を実行。

ヒット、1259…!?
その内人の身体の中にあるものは821…悪性変異者は568人。

これはマズい。

状況を全員に報告する。

「それはマズいわね。分布はどうなっているの?」

リオさんに聞かれて全員に説明する。ヤボン領に殆どが居て、その南側のブロイ領に残りがいる。

悪性変異者は無差別に人を襲ってパニック状態だ。

「ミナの《アドラステア》と《デスペラシオンラディウス》でどれくらい削れる?」
「7割位です。人の密集している所は巻き込みそうなので。」

《アドラステア》を使っていると悪性変異者は何もしていなくても倒せてしまったけど、あれの有効射程は分からない。

「ミナが撃てない変異者を倒せばいいんだな?」
「はい。それから変異していない人は治療すれば助けられるので保護してほしいです。」

マサキさんが聞いて来たので、手早く答える。

《デスペラシオンラディウス》の射程距離をオーバーブーストで伸ばして放つ。
今ので2割に位は倒すことができた。

「それじゃ私達は住民の救助に行きましょう。」

リオさん、ネネさん、ハナちゃんがそれぞれ飛行魔法を付与して、全員船から飛び降りていった。

私も《アドラステア》を作動させて飛空艇から離れる。私は悪性変異を起こす前の人を助ける事を最優先とした。

長距離では《デスペラシオンラディウス》を撃って一撃で悪性変異射程を倒し、乱戦になっている所には《アドラステア》の力で排除を繰り返す。

変異前の人にはオーバーブーストを掛けたスティールで因子を取り去れば助けられるけど、広範囲かつ悪性変異者と因子核を持たない住民が混在する中では1つずつ取り外していたら間に合わない。

何か良い方法はないかな?

[《レナータ》を使ってください。それで排除が可能です。]

そういう事なら…

オーバーブーストを掛けて《レナータ》を使いながら飛び回る。
怪我をした人、猛毒に冒された人も治療する事が出来た。

発症前のアフターギフト因子所持者を見てみたけど《レナータ》を受けて因子は消滅していた。

これなら何とかなる。

各地に散って救助と討伐をしてくれているみんなと連携しながら、夕方までには全てのアフターギフト因子を排除する事が出来た。

「全てのアフターギフト因子核の排除が済みました。この大陸には1つも存在しません。」

レクタールさんが各地に隠していた因子も全て鑑定で見つけ出して破壊した。

飛空艇に戻ってマサルさんに報告する。

「そんなバカな……」

レクタールさんはガクリと膝をつき項垂れている。

「あなたはどうやってアフターギフトの技術を見つけたのですか?」
「私は長年ギフトの研究をして来た。ある時、天啓を受けたのだ。あれは紛れもなく神の声だった。」

レクタールさんはアフターギフトの生成方法を神から聞いたという。

「あれは私にこの世界を変えよという啓示だったのだ。持たざる者を救えと神が言ったのだ!」

悪性変異を起こしたら魔物になってしまう。いくらギフトを獲得できても人間性を失ってしまっては何もならないよ。

「あんなもので人は救えませんよ。」

アフターギフトの材料は人間だとアロンソさんの調べで分かっている。人を犠牲にして得るもので豊かになろうなんて馬鹿げている。挙句自分が魔物になってしまっては本末転倒だ。

「私は…神に…言われたのだ…」

跪いたまま同じ事を繰り返し言っているレクタールさん。

この人も犠牲者なのかも知れない。

しかし罪は罪だ。マサルさんに連行してもらって厳正な処分をしてもらう事になるだろう。
皇帝陛下はアフターギフトの排除を約束してくれたのであとは委ねよう。

私達はスブリーメースに帰って報告することにした。
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