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平穏

蒼天の翼

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性能評価が終わったので、今日は休む事に。

「おー!《アドラステア》とも戦えるのか!」

戻ってきたマサキさんが「戦わせてくれ」と言ってくる。

「今《シャイターン》と戦ったばかりでしょう。今日はもうお終い。」
「まったく…マサキに付き合っているとこちらの身が持たないぞ。」
「師匠、今日はもうやめときましょう…」
「俺はまだまだいけるよ!」

ネネさん、ハナちゃん、ウェスターさんに反対される。
テュケ君はやる気だったけどね。

次の日。

リオさん、ユキさん、ソラちゃんは旧ウロエステ男爵領へ。
私は個人的にやる事があるので別行動。テュケ君とハナちゃんとウェスターさんが同行してくれる。勿論ウルちゃんとオル君も一緒だ。

「オッサン、もしもの時はその身を犠牲にしてもミナを守れ。」
「ミナちゃんにもしもの事があったら俺なんて足止めにもなりゃしないよ。でもまあ、何もない様に気を引き締めていくよ。」

ソラちゃんは相変わらずウェスターさんに厳しいね。

「私もテュケもついている。大丈夫だ。」
「心強いわ。お願いね。」

ハナちゃんとリオさんが話をしていた。

マサキさんとネネさんと一緒じゃなくていいのかなと思ったら、「たまには2人にしてやりたいんだ」と話してくれた。

ハナちゃんは気遣いの出来る良い子だね。

まず私達が向かったのはルブルスリウムの《蒼天の翼》の所だ。

予め拠点にしている宿屋を聞いていたのでそこに会いに行く。

まだ朝も早かったので、みんな朝食を、とってのんびりしていた所だった。
まだ早いせいか《蒼天の翼》のメンバー以外はお客さんはいない。
ここでやっちゃっていいかな?

「先日はありがとうございました。今日はそのお礼をしに来ました。」
「当然の事をしただけだから気にすんなって。」

アッシュさんが照れ臭そうに言ってくる。

「皆さんAランクになったんですよね?お祝いも兼ねて装備をプレゼントしようと思って。」
「それは嬉しいけど…いいのかい?」
「はい。材料は沢山ありますので。」

材料はほぼ無限な調達できるからね。

「材料って…まさか注文装備?」
「注文…?いえ、私が作ります。」
「は?」「え?」

見せた方が早いだろうからまずはログノスさんの剣を作成する。希望を聞いて、材料はオリハルコンにして完成!

「はい、ログノスさんの剣です。」

インベントリの中で作成した長剣を取り出して渡す。

「これは…!!」

掲げてみたり光を反射させてみたりして何も言わなくなってしまった。

気に入ってくれたみたい。

「じゃあ次はアッシュさん、どんなのが良いですか?」
「え?オレ?」

戸惑いながらも使っている刀の様な剣が良いと言うのでオリハルコンで作って渡す。

「す、スゲェ…。」

ログノスさんと同じリアクションをしているアッシュさん。

「次は…ゼトさんにしましょうか。」
「俺は短剣がいいな…あ、弓は作れる?作れるならそっちの方がいいか…」

ゼトさんは中、遠距離からの支援だったもんね。弓なら無限矢筒とオリハルコンの矢も付けちゃおう。

「えっマジでいいの?ありがとう!スゲー嬉しい!」

あとはアンナさんとマイスさんだ。デザインを変えて杖にしよう。
アンナさんにはグランフィリーズをワンポイントにしたオリハルコンの長杖を、マイスさんにはオリハルコンをワンポイントにしたグランフィリーズの短杖を用意した。

「え…これって総オリハルコン…?」
「こっちは…見たことのない金属なんですが…。」

恐る恐ると言った感じで持っている2人。

「性能はしっかりしてますから大丈夫ですよ。」
「大丈夫も何も…」
「私達には分不相応というか…」
「そんな事ないですよ。もうAランクですし、これくらいの武器は持っていた方がいいです。」

いい武器があった方が仕事も楽になるからね。

「じゃあ貰っておきます。」
「ありがとうございます。」
「いえいえ、それじゃあそれぞれに短剣と腕輪をお渡ししますね。」

「「「「「は?」」」」」

あった方が良いと思うので。

オリハルコンの短剣とグランフィリーズの腕輪をそれぞれに渡しておく。
どちらも生存優先の付与をしている。

「あとアンナさんにはこれを。」

指輪型のビジョンリングを渡しておく。

「何かあったら連絡が取れる様にしておきたいので持っておいてください。」
「ありがとうございます…。」

一通り渡し終えて、このままここでお茶をいただきながら話をする事に。

「ミナはいつから鍛冶屋になったんだ?」

ログノスさんが聞いてくる。その手には大事そうに長剣が納まっている。

「あー…ゼルグランに行った時ですかね。武具大会に出たんですよ。」
「こんなスゲェ武器が作れるなら優勝したんじゃね?」

アッシュさんは興奮気味な聞いてくる。

「いえ、ベスト8ですね。暴漢に襲われて不戦敗になっちゃいました。」
「大丈夫だったんですか!?」

アンナさんは驚きながら聞いてくる。

ほぼ即死だったから無事とは言い難いし、復帰後に黒い魂なんてものを獲得しちゃったから大丈夫じゃなかったけどね。

「まあ、何とか。護身のアミュレットがあって助かりました。」
「そうですか…。」
「その時の大会の優勝者がこのテュケ君なんですよ。」

全員がテュケ君を凝視している。

「いや、ねーちゃん達がみんな戦う気を無くしたから俺が繰り上がっただけじゃないか。準決勝以降全部不戦勝だったからグレードンのじっちゃんとエキシビジョンで戦わされたんだぞ。」

テュケ君は5人の視線に気圧されながらあの時の状況をを説明している。

「グレードン…ゼルグランの国王?《鉄血王》グレードン!?」

マイスさんがスゴく驚いているけど、グレードンさんってそんな二つ名があるんだね。

テュケ君はグレードンさんとの戦いを詳しくみんなに話していた。

「いやでも戦いになっただけ凄いよ。テュケは強いんだな。」
「そんな事ないよ。ねーちゃん達の方が遥かに強いんだ。」
「そ、そうなのか…。」
「テュケの武器もミナが作ったのか?」

テュケ君は長剣1本と小剣2本を装備している。どれもオリハルコン製だ。

「ここにあるのはそうだな。コイツは強化してもらっただけだけど。」

テュケ君はもう一つ、スィンスターニスという長剣に可変する指輪を着けている。それを剣に変えてみんなに見せていた。

それを見て興奮する5人。
こういうのって珍しいんだね。
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