転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

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平穏

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私がお城の中庭に戻ってくると、リオさん達とネネさん達もほぼ同じタイミングで帰ってきた。

獣人族ケルヴィムの救助と所有していた人も捕らえていて兵士に引き渡していた。

しまった…あの人達の所有者を確認するのを忘れてた。

怪我をしている獣人族ケルヴィムの治療をして、次の所へ。

それを2回繰り返した所で20人全員を救出する事ができた。
幸い命に関わる危険な状態だったのは私が初めに救出した親子だけだった。

救出を終えて王城に戻ってきた時に、見知った顔を何人か見つける。

「おねーちゃん、エレックス伯爵を捕まえて来たよ。」
「こう言う事は得意分野だから声を掛けてくれれば良かったのだがな。」
「勝手に手伝わせて貰っているよ。」

ティナちゃん、シンさん、シゲルさんだ。

伯爵はシンさんの《教戒》で説き伏せているので全てを自白してくれていた。

…えーと、そこまで手伝ってもらっちゃって良かったのかな?

「これ以上捕まえるのが遅くなると国外に逃げられちゃうトコだったの。」
「聖国領内に逃げ込まれるとややこしい事になるからね。ティナに言われて私達で対処したのだよ。」

そうなんだ…。

「ありがとうございます。お陰で手間が省けました。」

実際、一つ一つは大した事じゃ無いんだけど、やる事が多くて大変だったんだよね。

人攫いをやっていた人達も捕まえたいけど、そこまでやっていたらどれくらいかかるか分からない。それに相手は野盗や山賊の類いだろうしリアードの軍や冒険者に後のことはお願いしよう。

話を戻そう。

エレックス伯爵はエジダイハンに奴隷を売却する為に複数の犯罪者集団を囲っていた。彼らが人攫いをすることもあったらしい。拠点の場所も教えてくれたので早速捕らえに行こう。

身元確認の作業はかなり順調に進める事ができたので、残りをアリアさんとシンさんとシゲルさんにお願いして全員で犯罪者集団の拠点に移動する。

ここは廃村かな?廃墟が立ち並ぶ小さな村だ。見張りは4人。その他にも村の中でうろついている人が2人。私達は村が見下ろせる丘の上に立っていた。

「ミナ、制圧するのならあの魔法を試してみてよ。」

リオさんが言うのは半竜人族ドラゴンハーフが使っていた《デスペラシオンラディウス》の事だ。

「分かりました。やってみましょう。」

[《デスペラシオンラディウス》はこの世界の魔法ではありません。解析の結果、複数の対象を同時に攻撃する光条魔法だと判定しました。相手の位置を正確に把握していれば確実に命中します。]

何かスゴい魔法だね。

そういうことなら《ラッキーシュート》と《鑑定》で廃村の中にいる人の位置を把握してしまおう。

鑑定結果は、一般人6人、野盗23人。
野盗って職業なのかな?分かりやすくて助かるけど。私の見ているものを全員に共有する。

光条魔法だし、遮蔽物が少ない方がいいと思うから空から攻撃を加えよう。勿論警告はするつもり。

《アドラステア》を起動して村の上空に移動した。他のみんなは村を包囲する様に展開してもらった。

「えーと…野盗の皆さん、あなた達は完全に包囲されています。投降するなら怪我をしなくて済みますよ。」

建物から出てきた野盗達。

「上等だ!かかって来い!」

うーん、威勢がいいね。人質とか取られたら厄介なので確実に無力化させてもらおう。

出力的に一撃で殺してしまうかもしれないので手加減できないかな?

[手足を撃ち抜けば即死はしないはずです。]

手足を狙っても吹き飛ばしたら流石にショック死するかもしれないので出力をなるべく絞る様に調整してみる。

「警告はしましたよ?《デスペラシオンラディウス》!」

目の前に光が現れたと思ったら無数に分裂して綺麗な曲線を描いて廃村に降り注いだ。外に出ている人達は勿論、建物の中にいる人に向かっても屋根を貫通して撃ち抜いていた。

あちこちから悲鳴が聞こえてくる。

[全弾命中、無力化成功です。全員の生存を確認。]

これは便利だけど力量差があり過ぎると加減が難しい。何だかスゴく疲れた気がする。

「スゴいわね今の魔法。後で教えてね。」
「私も教えて欲しいわ。」

門の前に着地するとリオさんとネネさんが近づいてきてそう言った。

確かに目標のみを狙う魔法だから乱戦でも使えそう。

「今のスゲェな…全員一撃かよ。」

大剣を背中に担ぎ直しながらやって来るダキアさん。

「カッコいいな!ホーミングレーザーみたいだ!」

マサキさんは興奮気味だ。

「うちのミナは光の雨を降らせる。」

ソラちゃん、それは何かのセリフかな?

村の中に入って確認すると、手や足を撃ち抜かれて転がっている野盗だらけ。
一般人と表示されていた6人に《デスペラシオンラディウス》は擦りもしていなかった。近くに野盗が4人もいたんだけどね。
6人はそれぞれ縄で縛られていて1箇所に集められていた。すぐに縄を解いてあげよう。

「冒険者の方ですか…?」
「はい。野盗の討伐で来ました。もう大丈夫ですよ。」

半信半疑で聞いてくる男の人は顔にアザを作っていた。
他の人も殴られた跡があったりして痛々しい。《レナータ》を使って治してしまおう。

「ええと…あなたは本当に冒険者なのですか?」

傷を治したら今度は女の人に聞かれる。
怯えている様にも見えるけど、化け物に見えているとか…?

「そうよ。私達は冒険者。この子が魔法で野盗を全滅させたのよ。」

リオさんがやってきて説明してくれた。

この人達は乗合馬車の乗客と御者で、近くにある街道で野党に襲われて捕らえられたらしい。

「護衛の冒険者もいたんだが、不利と分かると全員逃げちまったんです。」

それは…ギルドに報告して罰してもらおう。

全員目的地が同じだったので《テレポート》で送ってあげる事に。
取り敢えず冒険者ギルドに連れて行って状況を説明してもらって、依頼を受けた冒険者を探してくれる事になった。

あとは町の人にお任せして私達は野盗の処理に戻る。

野盗を全員拘束するのも大変なので、一度お城に戻って収容できる場所を確保してもらってから、そこに目掛けて《テレポートアザー》で全員を送り込んだ。

「助けた人達、何で怯えていたんでしょう?やっぱり《アドラステア》って良くないんでしょうか。」
「その逆よ。突然やって来て野盗を魔法で倒してくれて、傷まで治して目的地に送り届けるなんて普通の冒険者はできないわ。天使か何かに見えたんじゃない?」

それならまあ、いいか!
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