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2種族の栄華
時の神
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戦闘地域では無さそうなので取り敢えずここならいきなり撃たれる様な事はないはず。
問題は彼らが受け入れてもらえるか。
「穢れ人というのは誰でも見分けが付いたりするんですか?」
私は色々教えてくれた男性、ノイッシュさんに聞いてみた。
「焼きゴテで背中に印を付けるんだ。俺達には全員付いている。」
「ただの焼き印なら簡単に消せるんじゃないですか?」
「原初魔法使いの君なら出来るかも知れないけど普通は痕が残るよ。」
「跡形もなく焼印を消せば人間の社会に紛れる事はできますね。みんなの焼印を治療魔法で消しますよ。」
というわけで全員の焼印を治療する事になった。
「誰から始めるんだい?」
「え?全員一度でできると思いますよ。」
「そうなのかい…?」
半信半疑なノイッシュさん。
みんなに集まってもらって、範囲回復魔法《レパレイション》を掛ける。念の為オーバーブースト付きで。
「これで傷痕も残らないはずです。」
「本当だ!消えてるぞ!」
気持ちの沈んでいた大人達も喜んでいた。もちろん子供達も。
子供達といえば、リィンさんの意識も回復した。
「私…生きてる?」
「うん。ずっと寝ていたけど、そこのミナって子が魔法で治してくれたんだよ。」
ソーンさんが説明してくれている。
リィンさんは暫く私を見つめていたけど話しかけて来た。
「リィンです。助けてくれてありがとう。」
「ミナです。宜しくね。」
ソーンさんの話だと2人して竜人族に殴られたらしいけど知り合いではなかったみたいだね。
「これからどうなるの?」
「みんなそれぞれに元の町や村に戻る事はできないから、一緒に定住できる所を探そうね。」
サナちゃんに聞かれたので答えておく。分かるかな?
「移動するにしてもあのグラートっていう精霊に乗って移動するのは目立ちすぎる。馬車は定員オーバーだし、移動速度は随分と落ちてしまうね。」
ノイッシュさんが顔を曇らせる。
「こんなものがあるんですけど、誰か運転出来ますか?」
インベントリから魔導車を引っ張り出す。
「な!?いったい何処から?」
「アイテムボックスから出しました。」
「アイテムボックス?」
「ギフトを知らないのですか?」
「ギフト?なんだいそれは?」
まさかこの時代の人はギフトを知らない?
「まあ、原初魔法の一つだと思ってください。」
今は詳しく説明するより、移動手段の確保が先だ。
「この魔導車、運転できるよ。」
ノイッシュさんは元々軍属だったらしく、人手が足りない時は兵員輸送で魔導車の運転をさせられていたらしい。
ノイッシュさんの運転するところを見れば私も運転出来る様になるかもしれない!
早速一通り説明をしてもらいながら運転を実演してもらう。
結果。
残念だけど無理だった。
アクセルとブレーキは地球の車と同じペダル式で、私は足が届かない…。
運転技能は獲得出来たのになぁ。
お馬さんは馬車から外してあげて、車の方は何かに使えるかもしれないからインベントリにしまっておく。
ここからは魔導車に乗って移動する。
目的地はないので、取り敢えず村か町を目指す。
道中、色々確認したいことがあったので助手席に座ってノイッシュさんと話をする。
まず、ギフトについて。
驚いた事にギフトについて聞いた事は全くないらしい。念の為後ろの人達にも聞いてみたけど誰も知らなかった。
まさか異世界じゃないよね?
次に神様について。
現代と同じで神様の名前は誰も知らない。今は魔導科学技術の発展が目覚しいせいか、信仰とかは薄れてきているみたい。町に行けば教会はあるそう。
一か八か天啓を受けられるか試してみるのもアリだ。
2日程移動したら集落のような所に辿り着いた。魔導車は近くの林に停めて様子を見に行こう。
まずはここが何処なのか確認しないと。
「その格好だと穢れ人だとすぐに分かってしまうよ。」
「そうは言っても替えの服なんてありませんよ。」
インベントリは空っぽだったし。仕方ない、私一人で行ってこよう。
みんなにはここで待っていてもらい、念の為食料と水を全て出しておいた。
ステルスを使用して集落へ。
村の様な所は、建物が整然と並んでいた。建物自体は木造ではなく石かな?いや、これは見たことがある。コンクリートだ。建築技術もかなり進んでいるのかな?
とはいえこの村は農村みたいなので生活の水準は現代とあまり変わらないみたい。服装も至って普通。
何とか服を調達したいのだけど、お金も無いし盗むのも気が引ける。さて、どうしたものか…。
暫く村を散策してみていたら教会を見つけた。天啓を試そう!
扉を開けて中に入る。誰もおらず静まり返っていた。
長椅子が沢山並んでいるけど埃を被っていた。全然人が来ていない様だ。
取り敢えず最前列の椅子を軽くはたいて埃を落とし、座って祈りを捧げる。
ーーーー
白い空間にやってこれた!
この時間軸のアウレリア様にどう説明したら分かってくれるかな?
と、目の前に現れたのは男性。黒い髪の目つきの鋭い人だった。
「神様、ですか?」
「君はアーリアーデの策略に巻き込まれた。私は時を司る神ディルヴェ。」
「策略?」
「アーリアーデはこの時間の人間の文明を存続させて歴史を変えようとしている。」
「何の為にですか?」
「世界の綻びを無くすためだろう。その為に君の力を利用しようとしている。」
「私を元の時代に戻して頂くことはできませんか?」
「君はアーリアーデの力によって非常に不安定な状態にある。私の力で現代に帰す事は出来ない。」
つまりアーリアーデ様に会って戻してもらう様にお願いするしかないみたい。
「アーリアーデ様の所に連れて行っていただく事はできますか?」
「不可能。アーリアーデは1人の転生者をこの時間に連れてきて、行動を共にしている。」
神様が地上に…?禁忌なんじゃないの?
「アウレリアと同じ方法だ。ギフトとして転生者の中に入り込んでいる。」
それってアウラさんみたいにって事だよね。
「何処にいるかだけでも分かりませんか?」
「中央大陸人間族の都市、カサンドラにいる。アーリアーデの暴走を止めてもらえないか?」
「ディルヴェ様にお聞きしたいのですが、私がこの時代に来た時にこの時代の誰かと入れ替わったりしてますか?」
「リィンの友人セイラと入れ替わっている。」
「彼女はどうなってしまったのですか?」
「居場所を失い消滅した。」
「そんな…」
そこまでして私に何をさせたいの?
問題は彼らが受け入れてもらえるか。
「穢れ人というのは誰でも見分けが付いたりするんですか?」
私は色々教えてくれた男性、ノイッシュさんに聞いてみた。
「焼きゴテで背中に印を付けるんだ。俺達には全員付いている。」
「ただの焼き印なら簡単に消せるんじゃないですか?」
「原初魔法使いの君なら出来るかも知れないけど普通は痕が残るよ。」
「跡形もなく焼印を消せば人間の社会に紛れる事はできますね。みんなの焼印を治療魔法で消しますよ。」
というわけで全員の焼印を治療する事になった。
「誰から始めるんだい?」
「え?全員一度でできると思いますよ。」
「そうなのかい…?」
半信半疑なノイッシュさん。
みんなに集まってもらって、範囲回復魔法《レパレイション》を掛ける。念の為オーバーブースト付きで。
「これで傷痕も残らないはずです。」
「本当だ!消えてるぞ!」
気持ちの沈んでいた大人達も喜んでいた。もちろん子供達も。
子供達といえば、リィンさんの意識も回復した。
「私…生きてる?」
「うん。ずっと寝ていたけど、そこのミナって子が魔法で治してくれたんだよ。」
ソーンさんが説明してくれている。
リィンさんは暫く私を見つめていたけど話しかけて来た。
「リィンです。助けてくれてありがとう。」
「ミナです。宜しくね。」
ソーンさんの話だと2人して竜人族に殴られたらしいけど知り合いではなかったみたいだね。
「これからどうなるの?」
「みんなそれぞれに元の町や村に戻る事はできないから、一緒に定住できる所を探そうね。」
サナちゃんに聞かれたので答えておく。分かるかな?
「移動するにしてもあのグラートっていう精霊に乗って移動するのは目立ちすぎる。馬車は定員オーバーだし、移動速度は随分と落ちてしまうね。」
ノイッシュさんが顔を曇らせる。
「こんなものがあるんですけど、誰か運転出来ますか?」
インベントリから魔導車を引っ張り出す。
「な!?いったい何処から?」
「アイテムボックスから出しました。」
「アイテムボックス?」
「ギフトを知らないのですか?」
「ギフト?なんだいそれは?」
まさかこの時代の人はギフトを知らない?
「まあ、原初魔法の一つだと思ってください。」
今は詳しく説明するより、移動手段の確保が先だ。
「この魔導車、運転できるよ。」
ノイッシュさんは元々軍属だったらしく、人手が足りない時は兵員輸送で魔導車の運転をさせられていたらしい。
ノイッシュさんの運転するところを見れば私も運転出来る様になるかもしれない!
早速一通り説明をしてもらいながら運転を実演してもらう。
結果。
残念だけど無理だった。
アクセルとブレーキは地球の車と同じペダル式で、私は足が届かない…。
運転技能は獲得出来たのになぁ。
お馬さんは馬車から外してあげて、車の方は何かに使えるかもしれないからインベントリにしまっておく。
ここからは魔導車に乗って移動する。
目的地はないので、取り敢えず村か町を目指す。
道中、色々確認したいことがあったので助手席に座ってノイッシュさんと話をする。
まず、ギフトについて。
驚いた事にギフトについて聞いた事は全くないらしい。念の為後ろの人達にも聞いてみたけど誰も知らなかった。
まさか異世界じゃないよね?
次に神様について。
現代と同じで神様の名前は誰も知らない。今は魔導科学技術の発展が目覚しいせいか、信仰とかは薄れてきているみたい。町に行けば教会はあるそう。
一か八か天啓を受けられるか試してみるのもアリだ。
2日程移動したら集落のような所に辿り着いた。魔導車は近くの林に停めて様子を見に行こう。
まずはここが何処なのか確認しないと。
「その格好だと穢れ人だとすぐに分かってしまうよ。」
「そうは言っても替えの服なんてありませんよ。」
インベントリは空っぽだったし。仕方ない、私一人で行ってこよう。
みんなにはここで待っていてもらい、念の為食料と水を全て出しておいた。
ステルスを使用して集落へ。
村の様な所は、建物が整然と並んでいた。建物自体は木造ではなく石かな?いや、これは見たことがある。コンクリートだ。建築技術もかなり進んでいるのかな?
とはいえこの村は農村みたいなので生活の水準は現代とあまり変わらないみたい。服装も至って普通。
何とか服を調達したいのだけど、お金も無いし盗むのも気が引ける。さて、どうしたものか…。
暫く村を散策してみていたら教会を見つけた。天啓を試そう!
扉を開けて中に入る。誰もおらず静まり返っていた。
長椅子が沢山並んでいるけど埃を被っていた。全然人が来ていない様だ。
取り敢えず最前列の椅子を軽くはたいて埃を落とし、座って祈りを捧げる。
ーーーー
白い空間にやってこれた!
この時間軸のアウレリア様にどう説明したら分かってくれるかな?
と、目の前に現れたのは男性。黒い髪の目つきの鋭い人だった。
「神様、ですか?」
「君はアーリアーデの策略に巻き込まれた。私は時を司る神ディルヴェ。」
「策略?」
「アーリアーデはこの時間の人間の文明を存続させて歴史を変えようとしている。」
「何の為にですか?」
「世界の綻びを無くすためだろう。その為に君の力を利用しようとしている。」
「私を元の時代に戻して頂くことはできませんか?」
「君はアーリアーデの力によって非常に不安定な状態にある。私の力で現代に帰す事は出来ない。」
つまりアーリアーデ様に会って戻してもらう様にお願いするしかないみたい。
「アーリアーデ様の所に連れて行っていただく事はできますか?」
「不可能。アーリアーデは1人の転生者をこの時間に連れてきて、行動を共にしている。」
神様が地上に…?禁忌なんじゃないの?
「アウレリアと同じ方法だ。ギフトとして転生者の中に入り込んでいる。」
それってアウラさんみたいにって事だよね。
「何処にいるかだけでも分かりませんか?」
「中央大陸人間族の都市、カサンドラにいる。アーリアーデの暴走を止めてもらえないか?」
「ディルヴェ様にお聞きしたいのですが、私がこの時代に来た時にこの時代の誰かと入れ替わったりしてますか?」
「リィンの友人セイラと入れ替わっている。」
「彼女はどうなってしまったのですか?」
「居場所を失い消滅した。」
「そんな…」
そこまでして私に何をさせたいの?
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