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ダンジョン攻略

探索準備

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町の名前も決まったし、それぞれ分担した事をやっていく。

私はダンジョン付近の建物の整備や道の付け替えをやりながらインベントリ内で家具の作成。ユキさんとソラちゃんは出来上がった家具の配置。

この町を作った時のノウハウがあるのでかなり簡単に出来てしまった。

「随分手慣れているねぇ。今更口出しはしないけど。」
「あはは…。」

ルーティアさんは呆れていたけどそれ以上何も言わなかった。

夕方までには冒険者ギルドの整備も終わって、リオさん達も戻ってきた。

「ユーシア捕まえてきたわよー。」
「捕まえるって…お久しぶりですユーシアさん。よろしくお願いします。」
「はい。宜しくお願い致します。それから先日は皆様を利用しようとして申し訳ありませんでした。」
「結果的には問題なかったので大丈夫ですよ。」
「その償いとしてここでギルドマスターをやってもらうんだしね。」
「はい。精一杯務めさせていただきます。」

ユーシアさんはやる気みたい。嫌々じゃなくて良かったよ。冒険者証を発行する為の魔道具も持ってきてくれていた。

「さて、それじゃリリエンタに行って探索隊を募りましょうか。」
「はい。」

新しい町へ《テレポート》で移動する。
まずは各部族長の所に挨拶をして、ダンジョンを探索できる人員を出せないか聞いてみる。

部族長達は「恩人の頼みならば」と戦闘力に秀でた若いケルヴィムを何人か集めてくれた。
ダンジョンが新たに出現した事、探索人員が足りていない事、中に入るには冒険者の登録が必要な事を説明すると、「俺達でも冒険者になれるのなら喜んでやらせてもらう」と答えてくれた。

「モンスターからのドロップ品やその他ダンジョンで手に入れた物は全て差し上げますのでギルドで換金して頂いてもいいですし、持って帰って頂いても構いません。探索中の宿泊施設と必要な物はこちらで手配します。」

これには全員が大喜びだった。

「つまりこっちからは何も持って行かねーでもいいんですか?」
「はい。探索も日当たりで報酬を出します。」

質問してきたのは兎人族ダシュプーシェンの女の子。族長の所の4姉妹だった。この子達も来てくれるんだ。心強い。

「準備が出来たら《テレポート》で移動しますので1時間後にここに集まってください。」

それぞれが準備に戻って行く。

「気前が良すぎるんじゃないかい?」
「そうですか?ケルヴィムの皆さんの力を借りる訳ですからこれ位は当然ですよ。」

ウェスターさんの言う通りちょっと気前が良すぎたかもしれないけど、無理を言っているのはこっちだしこれくらいはね。

準備を整えて全員が揃った所で《テレポート》でエスペランサに帰還。

ギルド周辺の空き家を紹介して冒険者登録をして必要な物を揃えて今日は終了。

今回探索に入ってくれるケルヴィムは、狐人族レーヴィアンが1人、猫人族フェレシアン2人、虎人族ティグリシアンが4人、獅人族レオニアンが2人、狼人族ヴォルシアンが1人、兎人族ダシュプーシェンが4人の14人だった。

ユーシアさんだけでは大変だったのでルーティアさん、メリッサさんも登録を手伝ってくれた。

「エル姉さまが仕事が片付いたら探索に加わりたいって言ってたです。」
「教えてくれてありがとう。迎えに行った方がいいかな?」
「迎えに行くなら2日後がいーですよ。レミちゃんとハトゥールも来るって言ってたです。」

ハトゥールさんは呼び捨てなんだね。

あとは装備が必要な人にはミスリル製の物を貸し出す事にした。材料はいくらでもあるからね。

「なんだこの剣…凄い切れ味だぞ!」
「こっちの鎧も、着心地が良くて動き易い。」

注文に合わせてインベントリ内で作ったからね。ボーナスも2つ付けたし、これなら簡単に死んだりはしない筈。もちろん油断はして欲しくないのだけど。

全員の装備、必要な物資を揃えて解散した。私達も代官の屋敷で休ませてもらう。

「ミナ様、一つお願いがあります。」
「どうしたのウルちゃん。」

部屋に案内された時にウルちゃんが話出す。

「私の鱗と鬣で皆様の防具を強化して頂けませんか?」
「それは勿論、ありがたいけど何かあったの?」
「いえ、以前にオルの眷属が鱗と牙を献上したのですが、私の方が素材として優秀です。武具に付与していただければお役に立てる筈です。」

ウルちゃんそんな事考えていたんだ。

「分かったよ。」
「それなら我も牙を献上致します。武器に加工して頂けませんか。」
「オル君もありがとう。みんなの装備にさせて貰うね。」

防具については外側にウルちゃんの鱗、内側に鬣。武器についてはオリハルコン製の物と同じ物をオル君の牙で作ってみた。勿論矢じりも。

あとは一緒に潜るルーティアさん、クラースさん、テュケ君、ウェスターさんの装備も整えてしまおう。

全員の今装備している物と同じデザインで私達と同じ材質で用意した。

そういえばクラースさんの装備って服だった。私は鎧しか作れないな…。誰か縫製技能を持っている人いないかな。

ダメ元でメリッサさんに聞いてみたら、屋敷で働いている人が持っているらしい。早速見せてもらって習得させてもらった。
クラースさんにはオル君の鬣を編んで服を作ってみた。オル君が持っていた変身した時に可変する魔道具も付けてある。勿論、私達の装備も含めて全てに情報隠蔽は掛けておいた。

みんなに渡しに行く。

「いつの間にこんな物を……。代金を払おうにも高価過ぎて足らないな。」
「お金なんていいですよ。私達のお手伝いをして貰うのでこれくらいはさせてください。」
「いやいや、そんな簡単に宝具神具クラスをポンポンと。でもありがとう。使わせて貰うよ。」
「ありがとうございます。大切に使わせて貰います。」
「こんなすげー装備貰っていいのか?オレ頑張るよ!」

みんな喜んでくれて良かったよ。

「考えうる最強の装備で突入って、ラストダンジョンか隠しダンジョンに行くみたいね。」
「ん。楽しみ。」
「遊びに行く訳ではありませんが、自分の実力がどれ程か、楽しみです。」

全員やる気満々だ。いよいよ明日はダンジョンだ。みんなで無事に帰ってこよう!
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