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武具大会
予選Eブロック
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ついつい手当てをして失格を言い渡されてしまった。
仕方ないよね。この人には助けられたし、このまま放っておいたら危なかったんだから。
失格ついでに昏倒している青年も手当てしよう。って、戦っている人はもういない。一人だけドワーフさんが立っているけど残念そうに項垂れていている。この人が勝ったんじゃないの?まあいいや。
倒れたまま動いていない青年は医術技能で確認したら歯が何本か折れているのと脳震盪を起こしている様だった。こちらにもラッキーシュート付きヒールを掛けておく。
わっ…折れた歯の下から新しい歯が生えてきた。歯も治せるんだ…。虫歯もいけるのかな?
大刀の男はようやく取り押さえられて連れて行かれていた。
さて、私も退場しよう。
「君、ちょっと待っていてくれ。」
「はい?」
「現在審議中だ。」
審判の人が言うには私が魔法を使うより早く他の人達が失格になった可能性があるらしい。
項垂れていたドワーフさんは戦っていた相手を場外に落として勝ったものの装備が2箇所壊れたらしい。つまり失格になってしまったのだ。
私が回復魔法を使ったのはほぼ同時だったので審議中と。
じゃあ最後に場外に落ちた人を勝者にすればいいんじゃないかな?
「君が勝者だ。おめでとう!」
審判の人が全員大刀の男を取り押さえに行ってしまい、重傷者の回収治療をしなかった事が原因ということになり私の魔法使用はお咎めなしになった。
私は予選落ちで良かったんだけどなぁ…。
「おめでと~子兎ちゃん。」
目を覚ましたショーテルの人が私の所にやってきた。
「ありがとうございます。助けて貰っちゃいましたね。」
「あの状態だとあのヤロウに2人ともバッサリやられてたからねぇ。何となく助けちゃったんだよぉ。」
私はこの人の懐に飛び込んでいたから背後からの攻撃を避ける事は難しかった。やれる事といえば反転して攻撃を受け流す位しか思いつかなかったんだけど。
「お礼に今度デートしてよぉ?」
「え、いや、それは…」
「冗談だよぉ。ヤな事はハッキリと断らないとダメだよぉ。」
「は、はい…。」
「それじゃあ、応援してるよぉ~。」
折れたショーテルを拾って帰っていく。
喋り方がちょっとアレなだけで悪い人じゃなかったんだね。
ソラちゃんとテュケ君はどうかな?
テュケ君はまだ戦っている。昨日会ったダークエルフの女の人とティターニアの少年と三つ巴になっていた。
ソラちゃんの所は既に終わっていて、テュケ君の応援に行っているみたい。私もテュケ君のブロックの方に行ってみよう。
「ソラちゃんお疲れ。どうだった?」
「ん、楽勝。」
ソラちゃんを見つけて結果を聞いてみたらVサインをしながら返事をしてきた。
開始30秒で全員場外に放り出して終わったらしい。
「準備運動にもならない。」
ソラちゃん余裕だね。
テュケ君はというと、しっかりと2人の攻撃を捌きながら反撃をしている。
テュケ君の装備は、長剣と小剣。軽鎧に手甲に足甲。小剣で攻撃を受けて長剣で反撃するスタイルかな?カッコいいね。
ダークエルフの女の人は両手足が打撃用の装備で防具は軽量化された胸当てのみ。ティターニアの少年は両手に短剣と防具は軽鎧。
相手の2人も共闘している訳ではなく、互いに攻撃を交えている。
均衡が崩れたのは私が見に来てすぐだった。テュケ君の攻撃を受けた少年の短剣が柄の部分から壊れた。
慌てて後退しながら体勢を立て直そうとするも、この隙を逃すまいとダークエルフの女の人に拳打を浴びせられて少年は倒れた。
テュケ君は剣を構え直してダークエルフと対峙する。
「何で攻撃してこなかった?」
「卑怯な事をして勝っても意味がないからだ!」
「はっ!戦うなら正々堂々ってか?ナイトかよ!」
「そんなんじゃない!オレは強くなったって証明したいだけだ!」
「昨日のお姫様にか?目の前でギタギタにしてやるよ!」
「来い!」
子兎ときて今度はお姫様かぁ…。そんなキャラじゃないんだけどなぁ。
「ミナの方が強い。テュケの方がお姫様。」
「それは本人の前で言っちゃダメだよ。」
きっと落ち込むからね。
ダークエルフの女の人は言うだけあって強い。拳打でテュケ君の攻撃を封じて、少し間合いが開いたら蹴りを放ってくる。どの攻撃も相当重たいらしく、特に蹴りを受けた時は後ろに弾き飛ばされていた。
「オラオラどうした!ナイト様は女性に剣を向けられないってか?」
「うるさい!」
テュケ君の攻撃は手甲に弾かれる。
再度長剣で斬り込むも今度は受け流されて腹部に拳を受けてしまった。
「ぐっ……!」
「鍛え方が足りねぇんだよ!」
前のめりになるテュケ君の顔面目掛けて蹴りを放ってきた。このままじゃ負けちゃうよ…!思わず声を張り上げる。
「テュケ君頑張れー!!」
「テュケ、負けたらハーレムお預け。」
ソラちゃん…それ応援になってるの?
どっちの声に反応したのかは分からないけど小剣を出して攻撃を凌いだ。
「負けてたまるかー!!」
テュケ君の動きが早くなる。両手の剣からの斬撃をギリギリで防ぐダークエルフの女の人。アクセラレーションを使ってるの?
両手をクロスさせて何とか攻撃を耐えていたけど、動きが止まった所にテュケ君の必殺の一撃が入る!
「《断空破砕斬》!!」
長剣に巨大な気の刃が重なって防御する女性にぶつかっていく。あれはウルちゃんと戦った時にクロウさんが使った技だ。
凄まじい衝撃波が起こって女性を大きく吹き飛ばした。何とか場外を免れ、ギリギリの所で着地をしているけど、両手の手甲がボロボロと崩れていった。
「それまで!Eブロック勝者はテュケ!」
凄まじい歓声がテュケ君を祝福してくれる。
「やったねテュケ君!おめでとう!」
「な、何とか勝てたよ。」
「まずは合格。なかなか良かった。」
「ありがとう…。」
相当疲れているみたいで、フラついていたので支えてあげる。
テュケ君のブロックが最後だったので、決勝トーナメントの説明をそのまま受ける。
全ブロックの決勝進出者が決まった時点で公正にくじ引きでトーナメントの対戦が決まるらしい。
決勝トーナメントは明日から2回戦ずつ行われるそう。
説明が終わると次のブロック予選が始まるのでアリーナから出て観客席のみんなのところへ。
「やったなテュケ!」
ダキアさんがテュケ君の頭をガシガシと撫でている。
「テュケ君すごーい!私《アクセラレーション》なんて教えてないのにー。」
「俺も《断空破砕斬》を教えてはいない。いつ誰に教わった?」
どういうこと?
仕方ないよね。この人には助けられたし、このまま放っておいたら危なかったんだから。
失格ついでに昏倒している青年も手当てしよう。って、戦っている人はもういない。一人だけドワーフさんが立っているけど残念そうに項垂れていている。この人が勝ったんじゃないの?まあいいや。
倒れたまま動いていない青年は医術技能で確認したら歯が何本か折れているのと脳震盪を起こしている様だった。こちらにもラッキーシュート付きヒールを掛けておく。
わっ…折れた歯の下から新しい歯が生えてきた。歯も治せるんだ…。虫歯もいけるのかな?
大刀の男はようやく取り押さえられて連れて行かれていた。
さて、私も退場しよう。
「君、ちょっと待っていてくれ。」
「はい?」
「現在審議中だ。」
審判の人が言うには私が魔法を使うより早く他の人達が失格になった可能性があるらしい。
項垂れていたドワーフさんは戦っていた相手を場外に落として勝ったものの装備が2箇所壊れたらしい。つまり失格になってしまったのだ。
私が回復魔法を使ったのはほぼ同時だったので審議中と。
じゃあ最後に場外に落ちた人を勝者にすればいいんじゃないかな?
「君が勝者だ。おめでとう!」
審判の人が全員大刀の男を取り押さえに行ってしまい、重傷者の回収治療をしなかった事が原因ということになり私の魔法使用はお咎めなしになった。
私は予選落ちで良かったんだけどなぁ…。
「おめでと~子兎ちゃん。」
目を覚ましたショーテルの人が私の所にやってきた。
「ありがとうございます。助けて貰っちゃいましたね。」
「あの状態だとあのヤロウに2人ともバッサリやられてたからねぇ。何となく助けちゃったんだよぉ。」
私はこの人の懐に飛び込んでいたから背後からの攻撃を避ける事は難しかった。やれる事といえば反転して攻撃を受け流す位しか思いつかなかったんだけど。
「お礼に今度デートしてよぉ?」
「え、いや、それは…」
「冗談だよぉ。ヤな事はハッキリと断らないとダメだよぉ。」
「は、はい…。」
「それじゃあ、応援してるよぉ~。」
折れたショーテルを拾って帰っていく。
喋り方がちょっとアレなだけで悪い人じゃなかったんだね。
ソラちゃんとテュケ君はどうかな?
テュケ君はまだ戦っている。昨日会ったダークエルフの女の人とティターニアの少年と三つ巴になっていた。
ソラちゃんの所は既に終わっていて、テュケ君の応援に行っているみたい。私もテュケ君のブロックの方に行ってみよう。
「ソラちゃんお疲れ。どうだった?」
「ん、楽勝。」
ソラちゃんを見つけて結果を聞いてみたらVサインをしながら返事をしてきた。
開始30秒で全員場外に放り出して終わったらしい。
「準備運動にもならない。」
ソラちゃん余裕だね。
テュケ君はというと、しっかりと2人の攻撃を捌きながら反撃をしている。
テュケ君の装備は、長剣と小剣。軽鎧に手甲に足甲。小剣で攻撃を受けて長剣で反撃するスタイルかな?カッコいいね。
ダークエルフの女の人は両手足が打撃用の装備で防具は軽量化された胸当てのみ。ティターニアの少年は両手に短剣と防具は軽鎧。
相手の2人も共闘している訳ではなく、互いに攻撃を交えている。
均衡が崩れたのは私が見に来てすぐだった。テュケ君の攻撃を受けた少年の短剣が柄の部分から壊れた。
慌てて後退しながら体勢を立て直そうとするも、この隙を逃すまいとダークエルフの女の人に拳打を浴びせられて少年は倒れた。
テュケ君は剣を構え直してダークエルフと対峙する。
「何で攻撃してこなかった?」
「卑怯な事をして勝っても意味がないからだ!」
「はっ!戦うなら正々堂々ってか?ナイトかよ!」
「そんなんじゃない!オレは強くなったって証明したいだけだ!」
「昨日のお姫様にか?目の前でギタギタにしてやるよ!」
「来い!」
子兎ときて今度はお姫様かぁ…。そんなキャラじゃないんだけどなぁ。
「ミナの方が強い。テュケの方がお姫様。」
「それは本人の前で言っちゃダメだよ。」
きっと落ち込むからね。
ダークエルフの女の人は言うだけあって強い。拳打でテュケ君の攻撃を封じて、少し間合いが開いたら蹴りを放ってくる。どの攻撃も相当重たいらしく、特に蹴りを受けた時は後ろに弾き飛ばされていた。
「オラオラどうした!ナイト様は女性に剣を向けられないってか?」
「うるさい!」
テュケ君の攻撃は手甲に弾かれる。
再度長剣で斬り込むも今度は受け流されて腹部に拳を受けてしまった。
「ぐっ……!」
「鍛え方が足りねぇんだよ!」
前のめりになるテュケ君の顔面目掛けて蹴りを放ってきた。このままじゃ負けちゃうよ…!思わず声を張り上げる。
「テュケ君頑張れー!!」
「テュケ、負けたらハーレムお預け。」
ソラちゃん…それ応援になってるの?
どっちの声に反応したのかは分からないけど小剣を出して攻撃を凌いだ。
「負けてたまるかー!!」
テュケ君の動きが早くなる。両手の剣からの斬撃をギリギリで防ぐダークエルフの女の人。アクセラレーションを使ってるの?
両手をクロスさせて何とか攻撃を耐えていたけど、動きが止まった所にテュケ君の必殺の一撃が入る!
「《断空破砕斬》!!」
長剣に巨大な気の刃が重なって防御する女性にぶつかっていく。あれはウルちゃんと戦った時にクロウさんが使った技だ。
凄まじい衝撃波が起こって女性を大きく吹き飛ばした。何とか場外を免れ、ギリギリの所で着地をしているけど、両手の手甲がボロボロと崩れていった。
「それまで!Eブロック勝者はテュケ!」
凄まじい歓声がテュケ君を祝福してくれる。
「やったねテュケ君!おめでとう!」
「な、何とか勝てたよ。」
「まずは合格。なかなか良かった。」
「ありがとう…。」
相当疲れているみたいで、フラついていたので支えてあげる。
テュケ君のブロックが最後だったので、決勝トーナメントの説明をそのまま受ける。
全ブロックの決勝進出者が決まった時点で公正にくじ引きでトーナメントの対戦が決まるらしい。
決勝トーナメントは明日から2回戦ずつ行われるそう。
説明が終わると次のブロック予選が始まるのでアリーナから出て観客席のみんなのところへ。
「やったなテュケ!」
ダキアさんがテュケ君の頭をガシガシと撫でている。
「テュケ君すごーい!私《アクセラレーション》なんて教えてないのにー。」
「俺も《断空破砕斬》を教えてはいない。いつ誰に教わった?」
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