転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

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ゼルグラン

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食事をしながら自己紹介をし合う。王様の名前はグレードン。何か強そうな名前。勇者のパーティにいたのだけど、決戦直前に故郷であるこのゼルグランに魔王の軍勢が攻撃を始めた為に、パーティと別れてこの地で戦う事を選んだそう。

「このジジイは別れる直前まで私の事を男だと思ってたんだぞ。あり得ないだろ?」
「エルフの子供の性別なんか分かるわけ無いだろ!態度もデカいし生意気なチビ助だったからな!」

それでチビ助なんて呼ばれてるんだね。

「そりゃそうとミナ、大会にでるのは本当か?」
「はい。何か成り行きで出る事になってしまいました。」
「嫌なら俺が言ってやめさせてやるぞ。」
「いえ、もう装備は作ってしまったので。あ…」
「何だと!?もう出来たのか?」

しまった。

「あ、ええと、コンセプトは作りました。後は間に合う様に製作するだけです。」
「…そうか。」

危ない危ない。つい口を滑らせてしまった。
気をつけないと。

「大会は3日後だぞ。今から製作では大したものは作れないんじゃないか?」
「取り敢えず形にはします。」
「ジジイはミナの活躍を見てフォローしてやっておくれよ。」
「分かった。だが半端な事をすると俺でもフォローできんぞ。参加者、観客ともに鍛治には煩いからな。流石に乱闘にはならんだろうが、もしもなったらチビ助も手伝えよ?」

えぇ…そんなに物騒なの?

「ミナなら大丈夫さ。もしも乱闘になったら全員ノしてやればいい。」
「ちょっ…無茶言わないでくださいよ。」

あんな筋肉の塊みたいな人達が暴れたら止めるなんて無理だよ。

「俺の国の奴らを舐めるなよ。そう簡単には倒せんぞ。」
「ジジイどっちの味方なんだよ?」
「さあな?」

グレードンさんはガハハと豪快に笑うとジョッキのお酒を一気に飲み干す。

「そういえばグリムルドはいないのかい?」
「ああ、アイツは大会に出るからな。自分の工房で製作中だ。そういえば奴の腕を直してくれたんだったな。心から礼を言おう。槌が振えなくなったら自殺かねない奴だからな。」
「無事で良かったです。」
「奴も本当に感謝していたからな。お前がドワーフだったらプロポーズしていたと言っていたぞ!」

えぇっ!?

「ミナモテモテ。」
「人間以外にモテて、人間だと女の子にモテる。面白いわね。」
「人間の男にも人気あるぞ。ダキアが目を光らせているから声が掛けられないだけだ。」
「嫌なら言ってくださいね。私が跳ね返しますから。」
「私もおります。迷惑なら排除しましょう。」

みんな面白がってるよね?ユキさんとウルちゃんは私の事を思って言ってくれてるのは分かるけど排除って乱暴はやめようね?

「お前達は全員美人だろうからモテて当然だろう?ここはドワーフの国だが人間の男も多くいる。特に大会の前後は増えるぞ。変な奴に絡まれない様に気を付けろよ。」
「無論、抜かりはありません。我らがお護り致しましょう。」
「いざとなれば応援も呼べます。」

竜とかダンジョンマスターを警護に使うのは気が引けるけど、何かあって暴走されたらもっとマズい。気をつけないとだね。

「そういえば陛下、ゼルグランで変わった事はありませんか?」
「グレードンでいいぞ。変わった事とはどんなだ?」
「ええと、魔物が増えたとか、西の大陸からの渡航者が増えているとか…。」
「それか……特にはないな。」

おや?何か様子が変わった。これは何かあるみたいだ。

「ジジイ、相変わらず嘘が下手だな。正直に話せよ。」
「む、仕方ねぇな。ウェルト大陸の国、アブレスから武装の輸出要請が来ている。何でも中央部にあるハーフデビルの国で魔物が活性化していてアブレスにも被害が出始めているのだそうだ。恐らく大規模な兵力増強をするのだろうな。」
「ハーフデビルの国…まさか魔王が?」
「話はそう簡単ではないんだ。あの辺りは魔王討伐後、複数の国が乱立していて外部との交流は殆どない。過去の人間の国の蛮行を今も許していないからだろう。状況がわからないのだ。戦争になる可能性も視野に入れているのだろうな。」
「魔王はハーフデビルの味方なんですか?」
「さあ?よく分かってないからな。元がハーフデビルなら味方かも知れない。以前の魔王はハーフデビルの国に積極的に攻撃を加える事はなかったな。」

ハナちゃんは元はハーフデビルだったからね。同族は殺したくなかったんだろう。だとしたら魔王を肯定する側かも知れない。復活を隠蔽していたらマズい。

「ミナの心配している事は大体分かるけど、魔王が復活すればオルが気付くはずだ。そうだろ?」
「はい。我は魔王の気配を察知できます。ウルにも分かるでしょう。」
「そうですね。」
「なので魔王は復活していないが魔物の活性化はしている。アブレスが嘘を言っていなければだけどな。」
「こちらからも調査に行かせているぞ。念の為にな。」

グレードンさんに手抜かりはない様だ。
国の事は王様がしっかりしていれば大丈夫。何かあれば手伝いたいけど、初めて会う私達を信頼してくれるとは思えない。今後はルーティアさんを通じて情報をもらう事にしよう。

「暗い話はここまでだ!折角の宴だ、大いに食って飲んでくれ!」
「いや、もうお腹一杯で…。」
「なんだ?全然食ってないじゃないか!もっと食わないと大きくなれないぞ!」
「横に大きくなっちゃいます。」
「それの何が悪い?大体お前達は細過ぎる。そんな事じゃドワーフにモテないぞ!」

ドワーフにモテたい訳じゃないんですよ。

「ん、もっと食べる。」
「おお!流石はティターニアだ!ドンドン食べろよ!」

ソラちゃんの食欲はドワーフの血が混じっているからなのかな?

[ティターニアにその様な習性はありません。ソラの個性です。]

そうなんだね。

「私は飲むぞ!」

ルーティアさんはグレードンさん並みに飲んでいるけど何処に入っているのだろう。…エルフはお酒に強いのかな?

[エルフにその様な特性はありません。]

だよねー。

「食わないなら飲め!」
「私達お酒はまだ飲めないです。」

具体的に飲酒の法律はないみたいだけど飲みたいと思わないんだよね。
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