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ゼルグラン
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「ゼルグランで行われる大会は武具の大会だ。と言っても武具の品評会ではない。各武具屋対抗の武術大会なんだよ。」
ルーティアさんが詳しく説明してくれる。
各武具屋さんが用意した装備を身につけてトーナメント方式の対戦を行い、どこのお店がゼルグランで一番優れた鍛冶屋かを競う大会らしい。お店によっては作った本人が大会に出る事もあるらしいけど、大体腕の立つ冒険者が雇われて参加するらしい。
「面白そう。」
「私は魔法使いだからそういうのは出られないけど、3人は出られそうね。」
「テュケ君が出るなら私は出ないで応援するよ。」
「私もテュケ君の応援をします。」
私とユキさんは参加はしないけど、ソラちゃんは出たそうだ。
「よし、私が話してテュケとソラの装備を提供してもらおうじゃないか。」
ルーティアさんが協力してくれる事になった。
「でも今日はミナ達の帰還を祝して飲もうじゃないか。」
「そうだな!全員集めてくるぜ!」
ダキアさんはそう言うと部屋を出て行く。ギルドで宴会になるみたい。
ーーーー
その日の夜はギルド総出で宴会状態。
私達はお酒は飲めないけど、冒険者の皆さん以外にも衛兵のおじさんや穴熊亭のおじさんと奥さん、ラナさんマナさんに商人ギルドのマスターのおじさんとか色んな人が来てくれて本当に嬉しかった。
「お前ミナ達のパーティに入るのかよ!羨ましすぎるぜ。」
「マジかよ!?俺も入りたいぜ!」
「あはは…流石にこれ以上人が増えるのは…。」
「テュケよりも俺の方が役に立つよ?」
「俺も!」
「テュケは特別。」
「どうしても入りたければ私達の内誰か一人でも倒せたら考えてあげるわ。」
「って事はリオとソラもミナ位には強いって事かよ…。」
「ミナは別格。ウルちゃんよりも強い。」
「またまた冗談を…。」
「そういえばそこの兄さんは何者なんだい?」
「私はアルヴィオン神国との連絡要因として同行させて頂いているだけです。」
「神国とも繋がりがあるのか。」
「そりゃ、オルフェリキタスが従者になっているくらいだしな。」
「そんな事よりリリエンタに行ってきたんだろ?どんな国だった?」
「王都のダンジョンの話を聞かせてくれよ!」
「俺はオルフェリキタスをどうやって従えたのかが気になるぜ。」
いろんな人達に質問攻めにされる。
「リオ、お前さんは黒魔法を相当習得しているらしいじゃないか。少し話さないか?」
「ソラちゃんこれ美味しいよ!こっちにおいで!」
リオさんはよく見かける魔法使いのおじさんに、ソラちゃんは女性冒険者の人に呼ばれて席を離れていった。
ユキさんは私の側で質問してきた冒険者達に答えている。
ウルちゃんとオル君も私の側で微動だにしないでいる。
私の事を護ってくれているんだね。
そういえばルーティアさんに話しておきたい事があった。
少し離れたところで不釣り合いな程に大きなジョッキを片手にダキアさん達と話をしていた。
「ルーティアさん。ご報告したい事があります。」
「なんだい?」
「マサキさんに会いました。」
「それは…本当かい?」
「はい。ネネさんとの間にお子さんも生まれていて、ハナちゃんっていいます。」
「そうか……元気だったんだな?」
「はい。ハナちゃんは魔王の生まれ変わりでした。」
「そうなのか!?…いや、ある意味ではマサキが喜びそうだな…。」
「3人で生きて行くって。この先魔王が復活して、どうにか出来る立場にいたなら、倒す以外の選択も考えて欲しいって言われました。」
「ああ、マサキ達なら言いそうだ。」
嬉しそうに言っている。居場所を教えたら会いに行くのかな?
「いずれは会いに行きたいけど、今はいいよ。今は君達の方が優先だよ。ゼルグランに行ってテュケの腕試しや情報収集もやろじゃないか。」
前に聞いた未来予知の話の事だろう。魔物がエルジュに攻めてくる未来の可能性を探るためにもゼルグランに行く必要があるのだと言っている。
東の問題は解決したし、帝国の侵入は竜達のお陰で防げているのだから、今は西側の調査をしておこう。
「ゼルグランにはルーティアさんが着いて来てくれるんですか?」
「もちろんさね。紹介状だけでも何とかなるだろうけど、私も空いているから久し振りにゼルグランに行くよ。」
「ありがとうございます。宜しくお願いします。」
「まあそう言うわけだから今晩は皆としっかり楽しんでおきなよ。」
「はい!」
その後ニアさんとリーシャさんに揉みくちゃにされたり、アリソンさん達と久しぶりに話をしたりと遅くまで楽しく過ごす事ができた。
宿屋は相変わらず満室だったので冒険者ギルドに泊めてもらう事になった。
ーーーー
次の日、朝食をいただいてからゼルグランに行く事にする。4人と2匹の他に一緒に行くのはクラースさんとルーティアさん、そして今回の主役のテュケ君。
リオさんが《ハイパークレアボイアンス》と《テレポート》を使ってくれてゼルグランの王都に到着した。例によって近くの森に移動してから門を目指す。
ゼルグランの王都はそのままゼルグランらしい。他の国の王都が分かりにくい名前をしているけど、ドワーフの人達は態々名前を変える必要は無いと言いそのままになったそう。
因みにリリエンタは王都首都の概念どころか村の名前をつける風習も無いらしい。
ルーティアさんがゼルグランの門で衛兵に話しかける。衛兵もドワーフなんだね。
「ルーティア…陛下の…!あ、いや、失礼した。迎えの馬車を用意するのでしばし待ってくれ。」
「いや、大丈夫だ。観光も兼ねて町の様子を見させて貰うよ。」
「そうか…城の方へは連絡しておくので必ず行ってくれ。」
「分かった。ありがとう。」
ドワーフの国でも知名度バツグンだね。
そういえばグリムルドさん達はもう帰り着いているのかな?
「お?ミナとユキじゃないか!?ルーティア嬢まで!こんなに早くくるという事は飛んで来たのか?」
早速会えちゃった…。
「あー…まあ、そうだよ。グリムルド、後で国王の所に行くなら宜しく伝えておいておくれよ。」
「ああ!勿論だ!また後で城で会おう!」
みんなも挨拶をして、ルーティアさんのやり取りを見届ける。
「グリムルドさんって国王様とどんな関係なんですか?」
「弟だよ。」
「王弟!?」
「知らなかったのか?」
聞いて無いですね。
ルーティアさんが詳しく説明してくれる。
各武具屋さんが用意した装備を身につけてトーナメント方式の対戦を行い、どこのお店がゼルグランで一番優れた鍛冶屋かを競う大会らしい。お店によっては作った本人が大会に出る事もあるらしいけど、大体腕の立つ冒険者が雇われて参加するらしい。
「面白そう。」
「私は魔法使いだからそういうのは出られないけど、3人は出られそうね。」
「テュケ君が出るなら私は出ないで応援するよ。」
「私もテュケ君の応援をします。」
私とユキさんは参加はしないけど、ソラちゃんは出たそうだ。
「よし、私が話してテュケとソラの装備を提供してもらおうじゃないか。」
ルーティアさんが協力してくれる事になった。
「でも今日はミナ達の帰還を祝して飲もうじゃないか。」
「そうだな!全員集めてくるぜ!」
ダキアさんはそう言うと部屋を出て行く。ギルドで宴会になるみたい。
ーーーー
その日の夜はギルド総出で宴会状態。
私達はお酒は飲めないけど、冒険者の皆さん以外にも衛兵のおじさんや穴熊亭のおじさんと奥さん、ラナさんマナさんに商人ギルドのマスターのおじさんとか色んな人が来てくれて本当に嬉しかった。
「お前ミナ達のパーティに入るのかよ!羨ましすぎるぜ。」
「マジかよ!?俺も入りたいぜ!」
「あはは…流石にこれ以上人が増えるのは…。」
「テュケよりも俺の方が役に立つよ?」
「俺も!」
「テュケは特別。」
「どうしても入りたければ私達の内誰か一人でも倒せたら考えてあげるわ。」
「って事はリオとソラもミナ位には強いって事かよ…。」
「ミナは別格。ウルちゃんよりも強い。」
「またまた冗談を…。」
「そういえばそこの兄さんは何者なんだい?」
「私はアルヴィオン神国との連絡要因として同行させて頂いているだけです。」
「神国とも繋がりがあるのか。」
「そりゃ、オルフェリキタスが従者になっているくらいだしな。」
「そんな事よりリリエンタに行ってきたんだろ?どんな国だった?」
「王都のダンジョンの話を聞かせてくれよ!」
「俺はオルフェリキタスをどうやって従えたのかが気になるぜ。」
いろんな人達に質問攻めにされる。
「リオ、お前さんは黒魔法を相当習得しているらしいじゃないか。少し話さないか?」
「ソラちゃんこれ美味しいよ!こっちにおいで!」
リオさんはよく見かける魔法使いのおじさんに、ソラちゃんは女性冒険者の人に呼ばれて席を離れていった。
ユキさんは私の側で質問してきた冒険者達に答えている。
ウルちゃんとオル君も私の側で微動だにしないでいる。
私の事を護ってくれているんだね。
そういえばルーティアさんに話しておきたい事があった。
少し離れたところで不釣り合いな程に大きなジョッキを片手にダキアさん達と話をしていた。
「ルーティアさん。ご報告したい事があります。」
「なんだい?」
「マサキさんに会いました。」
「それは…本当かい?」
「はい。ネネさんとの間にお子さんも生まれていて、ハナちゃんっていいます。」
「そうか……元気だったんだな?」
「はい。ハナちゃんは魔王の生まれ変わりでした。」
「そうなのか!?…いや、ある意味ではマサキが喜びそうだな…。」
「3人で生きて行くって。この先魔王が復活して、どうにか出来る立場にいたなら、倒す以外の選択も考えて欲しいって言われました。」
「ああ、マサキ達なら言いそうだ。」
嬉しそうに言っている。居場所を教えたら会いに行くのかな?
「いずれは会いに行きたいけど、今はいいよ。今は君達の方が優先だよ。ゼルグランに行ってテュケの腕試しや情報収集もやろじゃないか。」
前に聞いた未来予知の話の事だろう。魔物がエルジュに攻めてくる未来の可能性を探るためにもゼルグランに行く必要があるのだと言っている。
東の問題は解決したし、帝国の侵入は竜達のお陰で防げているのだから、今は西側の調査をしておこう。
「ゼルグランにはルーティアさんが着いて来てくれるんですか?」
「もちろんさね。紹介状だけでも何とかなるだろうけど、私も空いているから久し振りにゼルグランに行くよ。」
「ありがとうございます。宜しくお願いします。」
「まあそう言うわけだから今晩は皆としっかり楽しんでおきなよ。」
「はい!」
その後ニアさんとリーシャさんに揉みくちゃにされたり、アリソンさん達と久しぶりに話をしたりと遅くまで楽しく過ごす事ができた。
宿屋は相変わらず満室だったので冒険者ギルドに泊めてもらう事になった。
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次の日、朝食をいただいてからゼルグランに行く事にする。4人と2匹の他に一緒に行くのはクラースさんとルーティアさん、そして今回の主役のテュケ君。
リオさんが《ハイパークレアボイアンス》と《テレポート》を使ってくれてゼルグランの王都に到着した。例によって近くの森に移動してから門を目指す。
ゼルグランの王都はそのままゼルグランらしい。他の国の王都が分かりにくい名前をしているけど、ドワーフの人達は態々名前を変える必要は無いと言いそのままになったそう。
因みにリリエンタは王都首都の概念どころか村の名前をつける風習も無いらしい。
ルーティアさんがゼルグランの門で衛兵に話しかける。衛兵もドワーフなんだね。
「ルーティア…陛下の…!あ、いや、失礼した。迎えの馬車を用意するのでしばし待ってくれ。」
「いや、大丈夫だ。観光も兼ねて町の様子を見させて貰うよ。」
「そうか…城の方へは連絡しておくので必ず行ってくれ。」
「分かった。ありがとう。」
ドワーフの国でも知名度バツグンだね。
そういえばグリムルドさん達はもう帰り着いているのかな?
「お?ミナとユキじゃないか!?ルーティア嬢まで!こんなに早くくるという事は飛んで来たのか?」
早速会えちゃった…。
「あー…まあ、そうだよ。グリムルド、後で国王の所に行くなら宜しく伝えておいておくれよ。」
「ああ!勿論だ!また後で城で会おう!」
みんなも挨拶をして、ルーティアさんのやり取りを見届ける。
「グリムルドさんって国王様とどんな関係なんですか?」
「弟だよ。」
「王弟!?」
「知らなかったのか?」
聞いて無いですね。
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