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戦争
演説
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冒険者ギルドでウェスターさん、ユーシアさんと別れて屋敷に戻る事にする。
転移で飛び出してきてしまったのでいなくなっている事に驚かれているかもしれない。
《ハイパークレアボイアンス》で屋敷の状況を確認してみたけど、特に慌てている様子もないので《リージョナルテレポート》で部屋に戻っておいた。
「ミナ、《テレポート》も教えておくわ。こっちの方が詠唱も短いし、消費も少ない。私達だけならこっちで十分よ。」
「ありがとうございます。」
装備を外してしまって、洗浄を掛けて部屋で話をしていると、ラフィミアさんがやってきた。
「失礼します。先程は取り乱して大変失礼致しました。まさか本物の神竜様にお会いできるとは思いませんでした。」
「私の方からもこの町を守護すると宣言させていただこう。私の部下を守護に置きたいと思うがいかがだろうか?」
「それは竜の姿の方を、という事でしょうか?」
「人の姿で貴女の警護を兼ねて置かせていただこうと思う。」
「分かりました。宜しくお願い致します。」
竜を守護に置かせてもらう事に了承を得ることができた。他の町についても同様に守護を置かせてもらおうと思っている事を説明しておく。
「確かに心強いですが、領主によっては難色を示す者もいるかと。」
「その場合は無理強いはしません。」
「分かりました。私達も微力ながらお手伝い致します。」
「よろしくお願いします。」
この町で話をするのは明日に決まった。
今晩はここに泊まって、朝に領民に向けて話をする。主にオル君が。
ーーーー
夕食を頂いてのんびりしているとビジョンリングが反応している。
ビジョンを作動させるとアロンソさんが映っていた。
『ミナ様、夜分に申し訳ありません。重要な事が分かったので直ぐにお知らせしようと思い連絡しました。』
『アロンソさん、ありがとうございます。アフターギフト関連ですね?』
『はい。未だ全容は分かっておりませんが、古い文献からアフターギフトの因子を作成する方法の一部が分かりました。』
『それは…なんでしょう?』
『人間の心臓が材料です。』
『それは……つまり、一つ作るのに人間の心臓が一つ必要という事ですか?』
『はい。この文献によると、その様です。』
『分かりました…。今日、王都でアフターギフトを配っていた人を捕まえました。現地の冒険者の方が対処したのですが、抵抗されて殺害してしまったと。』
『そうですか……。こちらも引き続き調べてみます。』
『ありがとうございます。宜しくお願いします。』
ビジョンを閉じる。
「ミナ、顔色悪い。大丈夫?」
「う、うん…。大丈夫だよソラちゃん。」
「今日はもう休みましょう。」
「そうだね…。そうするよ。」
ベッドに入り目を閉じる。
人間を材料にしているだなんて…。
インベントリの中にも130個の因子核がある。これも全部…。
そこまでしてギフトが欲しかったのかな…。
今回の事件については悪性変異を使ったテロだけど、何にせよ許される事じゃない。これ以上被害者が出ない様に元を絶たないと。
枕元に来て丸くなったウルちゃんを撫でながら眠りについた。
ーーーー
翌朝、中央広場に人を集めてもらい、私とオル君が中心に立って話をする。ユキさんは私の側で警護してくれていて、リオさんとソラちゃんは少し離れたところに。オル君はまだ犬形態のままだ。
「皆さん、お集まりいただいてありがとうございます。私はミナといいます。」
私の声は町の何処にいても聞こえるようにリオさんが精霊魔法で音声を拡大してくれている。
私はディルーン侯爵の手の者に薬物を打たれて拐われかけた事、それによって従者達が報復行動に出てしまった事を説明する。
「我は聖竜オルフェリキタス。ミナ様の従者である。そして、今空を飛んでいるのはウルディザスター。同じくミナ様の従者だ。」
オル君が予定通りのタイミングで話始める。
空にいる巨大な竜を見て怖れ慄く民衆。
「安心せよ。危害を加えに来たわけではない。我らはミナ様の命によりディルーン侯爵領を守護する為に来たのだ。」
オル君は順を追って説明していく。前領主の圧政によって苦しめられていた民の事、私利私欲の為に商人や貴族と結託して行ってきた行為の数々。それを正し、理不尽を徹底的に排除する事を。
「全てはミナ様のご意思によるものだ。」
「私達は皆さんに何かを強要したりはしません。ディルーン侯爵領、領主代理のラフィミア様と協力して外敵の排除と不正を働く役人、貴族を排除して参ります。」
広場に一騎の赤い竜が飛来する。その背にはラフィミアさんが乗っている。
「今ここにいる竜達は私達の味方です。この町を守護する存在です。今、この町はかつてない窮地に立たされています。ですが、不正による歪な構造を直すまたと無い機会です。私はミナ様と協力して、この町をより良い町にしていく事をお約束します。」
ラフィミアさんが話している間にオル君が竜の姿になる。
民衆は呆気に取られていたけど、やがて拍手が起こり歓声が響き渡った。
どうやら受け入れてもらえたみたいだ。
ーーーー
演説が終わって城に戻ってきた。
「おつかれ~。」
「はい…お疲れ様です。」
「ホントに疲れた顔してる。」
「無事に終わって良かったです。」
4人で互いに労いながらウルちゃん達の帰りを待つ。
すぐに赤い竜とラフィミアさんを連れて戻ってきた。
「大成功でしたね。ありがとうございました。」
「いえ、上手くいって良かったです。」
「……何で私が人間なんかの為にこの様な事をしなければいけないのです?」
赤い竜が人の姿に変わり文句を言っている。腰まである赤い髪に黒のゴスロリドレス。見た目はリオさんと同じくらいかな。
「初めまして、ミナといいます。お手伝い頂いてありがとうございました。」
「ミナ…?あ、ああ!!いえいえ!ミナ様の頼みとあれば私、何でも致しますです!」
態度が急に変わったよ…。
私の事をどう聞かされているんだろう?
転移で飛び出してきてしまったのでいなくなっている事に驚かれているかもしれない。
《ハイパークレアボイアンス》で屋敷の状況を確認してみたけど、特に慌てている様子もないので《リージョナルテレポート》で部屋に戻っておいた。
「ミナ、《テレポート》も教えておくわ。こっちの方が詠唱も短いし、消費も少ない。私達だけならこっちで十分よ。」
「ありがとうございます。」
装備を外してしまって、洗浄を掛けて部屋で話をしていると、ラフィミアさんがやってきた。
「失礼します。先程は取り乱して大変失礼致しました。まさか本物の神竜様にお会いできるとは思いませんでした。」
「私の方からもこの町を守護すると宣言させていただこう。私の部下を守護に置きたいと思うがいかがだろうか?」
「それは竜の姿の方を、という事でしょうか?」
「人の姿で貴女の警護を兼ねて置かせていただこうと思う。」
「分かりました。宜しくお願い致します。」
竜を守護に置かせてもらう事に了承を得ることができた。他の町についても同様に守護を置かせてもらおうと思っている事を説明しておく。
「確かに心強いですが、領主によっては難色を示す者もいるかと。」
「その場合は無理強いはしません。」
「分かりました。私達も微力ながらお手伝い致します。」
「よろしくお願いします。」
この町で話をするのは明日に決まった。
今晩はここに泊まって、朝に領民に向けて話をする。主にオル君が。
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夕食を頂いてのんびりしているとビジョンリングが反応している。
ビジョンを作動させるとアロンソさんが映っていた。
『ミナ様、夜分に申し訳ありません。重要な事が分かったので直ぐにお知らせしようと思い連絡しました。』
『アロンソさん、ありがとうございます。アフターギフト関連ですね?』
『はい。未だ全容は分かっておりませんが、古い文献からアフターギフトの因子を作成する方法の一部が分かりました。』
『それは…なんでしょう?』
『人間の心臓が材料です。』
『それは……つまり、一つ作るのに人間の心臓が一つ必要という事ですか?』
『はい。この文献によると、その様です。』
『分かりました…。今日、王都でアフターギフトを配っていた人を捕まえました。現地の冒険者の方が対処したのですが、抵抗されて殺害してしまったと。』
『そうですか……。こちらも引き続き調べてみます。』
『ありがとうございます。宜しくお願いします。』
ビジョンを閉じる。
「ミナ、顔色悪い。大丈夫?」
「う、うん…。大丈夫だよソラちゃん。」
「今日はもう休みましょう。」
「そうだね…。そうするよ。」
ベッドに入り目を閉じる。
人間を材料にしているだなんて…。
インベントリの中にも130個の因子核がある。これも全部…。
そこまでしてギフトが欲しかったのかな…。
今回の事件については悪性変異を使ったテロだけど、何にせよ許される事じゃない。これ以上被害者が出ない様に元を絶たないと。
枕元に来て丸くなったウルちゃんを撫でながら眠りについた。
ーーーー
翌朝、中央広場に人を集めてもらい、私とオル君が中心に立って話をする。ユキさんは私の側で警護してくれていて、リオさんとソラちゃんは少し離れたところに。オル君はまだ犬形態のままだ。
「皆さん、お集まりいただいてありがとうございます。私はミナといいます。」
私の声は町の何処にいても聞こえるようにリオさんが精霊魔法で音声を拡大してくれている。
私はディルーン侯爵の手の者に薬物を打たれて拐われかけた事、それによって従者達が報復行動に出てしまった事を説明する。
「我は聖竜オルフェリキタス。ミナ様の従者である。そして、今空を飛んでいるのはウルディザスター。同じくミナ様の従者だ。」
オル君が予定通りのタイミングで話始める。
空にいる巨大な竜を見て怖れ慄く民衆。
「安心せよ。危害を加えに来たわけではない。我らはミナ様の命によりディルーン侯爵領を守護する為に来たのだ。」
オル君は順を追って説明していく。前領主の圧政によって苦しめられていた民の事、私利私欲の為に商人や貴族と結託して行ってきた行為の数々。それを正し、理不尽を徹底的に排除する事を。
「全てはミナ様のご意思によるものだ。」
「私達は皆さんに何かを強要したりはしません。ディルーン侯爵領、領主代理のラフィミア様と協力して外敵の排除と不正を働く役人、貴族を排除して参ります。」
広場に一騎の赤い竜が飛来する。その背にはラフィミアさんが乗っている。
「今ここにいる竜達は私達の味方です。この町を守護する存在です。今、この町はかつてない窮地に立たされています。ですが、不正による歪な構造を直すまたと無い機会です。私はミナ様と協力して、この町をより良い町にしていく事をお約束します。」
ラフィミアさんが話している間にオル君が竜の姿になる。
民衆は呆気に取られていたけど、やがて拍手が起こり歓声が響き渡った。
どうやら受け入れてもらえたみたいだ。
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演説が終わって城に戻ってきた。
「おつかれ~。」
「はい…お疲れ様です。」
「ホントに疲れた顔してる。」
「無事に終わって良かったです。」
4人で互いに労いながらウルちゃん達の帰りを待つ。
すぐに赤い竜とラフィミアさんを連れて戻ってきた。
「大成功でしたね。ありがとうございました。」
「いえ、上手くいって良かったです。」
「……何で私が人間なんかの為にこの様な事をしなければいけないのです?」
赤い竜が人の姿に変わり文句を言っている。腰まである赤い髪に黒のゴスロリドレス。見た目はリオさんと同じくらいかな。
「初めまして、ミナといいます。お手伝い頂いてありがとうございました。」
「ミナ…?あ、ああ!!いえいえ!ミナ様の頼みとあれば私、何でも致しますです!」
態度が急に変わったよ…。
私の事をどう聞かされているんだろう?
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