転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

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聖国

突然転生?神様のお願い

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───〔side リオ〕───

目が覚めると真っ白な空間。
ここどこよ?そうだ、私は刺されて…。
起き上がって腹部を確認、お腹には傷どころか服も切れてない。
…ってか服、真っ白なドレス?ローブ?みたいなのに替わってる。

「お目覚めのようですね。」

後ろから声が聞こえて振り返ると、金髪の美青年が立っていた。

「私はセルヴェードと申します。アスティアで神をやっております。」
「服を替えたのはあなた?」
「はい。破れた服では可哀想でしたので。」
「そう…。それで、私はどうなってるの?」
「あなたは地球で死亡しました。」

ああ、知ってる。流石にあんな刺され方したら生きてないわね。

「あなたをアスティアにて転生させて差し上げようと思います。」
「ふーん、ありがとう。で、わざわざ神様が出てくるってことは私に何かしてほしい事でもあるのかしら?」
「そうですね…。一つお願いがおります。ですが、その前にあなたの希望をお聞きしようと思います。」

私の希望を聞いた上で神様のお願いを聞かされる訳か…。とんでもない事だったら断れるだろうか?

「じゃあ、私の希望ね。年齢は10代に戻して。それと、頭が良いと助かるわ。容姿は…まあ貴方のセンスに任せるわ。あと質問。魔法とかある世界?」
「ありますよ。」
「じゃあ魔法使いになりたいわ。何でも使える優秀な魔法使いにして。」
「分かりました。」

「それで、貴方のお願いって何?」
「はい。ちょっと過去の世界に行って邪竜を討伐してきてほしいのです。」

はい無理ー。

「ご安心ください。私の加護と共に異世界の究極魔法をお渡しします。それを邪竜にぶつけてくるだけですので。」
「何で私にやらせるの?貴方がやればいいじゃない。」
「神は地上に直接介入出来ないのです。なのであなたの様な方に代理としてやっていただいています。」
「分かったわ。その後はどうすればいいの?そのまま過去の世界で暮らすのかしら?」
「いいえ、元の時代にお戻しします。その後は自由にしてください。」

過去に戻ってと言ったけど、過去や未来には容易に行き来できるということなのだろうか。今回私に依頼してきた事が神にとってイレギュラーなら、誰かが過去を操作した可能性もあるということ?

…まあいいか。私には関係のないことだ。言われたことをやって後は自由気ままに暮らそう。

大学受験に失敗してそのままフリーターに。何もやる気も起きなくてずるずると過ごしていた。夜道で暴漢に襲われて抵抗虚しく刺されて死亡。享年24歳。
心残りがあるとすればやりかけのゲームをクリアしたかったくらい?
あとオンラインゲームのフレンドにお別れを言えなかったくらいか。

…リアフレなんて居ないわよ。

「装備ってもらえるの?」
「はい。こちらで相応しい物を用意させていただきます。」

セルヴェードはそう言って手を一振り。
気が付いたら服装も変わっていて、手には杖を持っていた。
服はさっきの白いドレスから、黒のローブに変わっていた。

なかなか魔法使いらしいじゃない。

「それではお願いします。」

一瞬の浮遊間と暗転。
気がつくと私は荒野に一人立っていた。

ここがアスティア?随分と殺風景ね。

私は今から邪竜を魔法で吹き飛ばしてくればいいのだったわね。さて、その魔法とやらは…。

一覧が表示される。とんでもない数だ。これだけの魔法、名前を覚えるだけでも大変なんじゃ…と思ったけど、全ての魔法が詠唱から効果まで鮮明に記憶されている。

ステータスを確認したら知力がバグっていた。
何もここまで極振りしなくても良かったのに…。

それはさておき、邪竜にぶつける魔法はどれかな?
…あった。《ルインブレイザー》。
増幅魔法《ベスティンスタイン》、《オルトレネイン》、《パルシモーニア》を発動前に使用すること。

そんなに重複させて大丈夫なんだろうか?まあ、あのセルヴェードって神が言うんだから大丈夫なんだろう。なる様になれだ。

それで問題の邪竜はどこかな?
…あれかな?

遠くにとんでもなく大きなドラゴンが見える。
なにあれ…レイドボス?
竜って精々2、30メートル位じゃないの?あれはもう巨大怪獣なんじゃない?

まあいい、とにかく竜の近くに行かないと。
第13位界魔法のフライトを使って飛んで行く。
近づくにつれ邪竜の大きさがよく分かった。

…あれに効く魔法ってトンデモない威力よね。撃ち方に気を付けないと自分も巻き込まれそうだ。

邪竜についても知識があった。
名前はウルディザスター。
今は邪気を吸い込みすぎて暴走しているらしい。側に行くだけで生命力を奪われるとか。邪竜自体も際限なく周りの生命を吸収し続けて最後には自身をも食らって無に帰るのだろうと私の振り切れた知力は告げていた。

まず自分に防御魔法を掛ける。
一番強力な防御魔法は…ディストーションバリア。これでいこう。

邪竜の顔の側まで一気に距離を詰める。

『あー、ウルディザスター…?あんたこのままだと最後は自分を喰らって消えて無くなる事になるけど大丈夫?それでいいの?』
『……死ネ!オマエモ喰ウ!!』

竜語で話しかけたら返事してきた。
そのまま私を一飲みにしようと口を開いて迫ってくる。
距離を取って様子をみる。
まだ少しでも理性があるのか?
本来この竜は邪気を吸収して清らかな気を放つ竜の筈だ。簡単に殺していい者の筈がない。

考えながら増幅魔法を次々に発動。
邪竜は口を開いて光を放ってきた。ドラゴンブレスか!
発動したままのディストーションバリアがレーザーの様なブレスを捻じ曲げて逸らす。更にブレスは拡散して地上に降り注いだ。至る所に巨大な爆発が巻き起こる。

あんなのマトモに食らったら即死に決まってる。この防御魔法であと何回耐えられるかも想像できないし、さっさと魔法を撃とう。

「恨まないでよね…《ルインブレイザー》!!」

黒い小さな球体が私の手から放たれた。それは少しずつ加速していき、邪竜の近くで膨張。体の半分を飲み込んで爆発した。

『うぐあぁぁぁぁっっ!!!?』

凄まじい衝撃波の後、残ったのは綺麗に体の半分を失った邪竜ウルディザスターだった。

『私は……一体……?』
『正気に戻ったのね。あなた邪気を吸い過ぎて暴走していたのよ。今体ごと邪気を吹き飛ばしたから取り敢えずは大丈夫な筈よ。』
『……あ、ありがとうございました。』

体半分吹き飛ばしてお礼を言われるのも何かバツが悪い。それに何だか怯えられている。

『それで、どうしたい?私ならあなたをあげられるけど。』
『もしも可能であるなら私を封印してください。この大陸を再生するために眠りながら還元を行います。』
『オッケー。じゃあ、大きな山にでも封印しようか。』

封印魔法は存在する。巨大な体を隠せる所に封じるだけだ。一面は荒野。南の方に山脈が見える。

「あそこにするか。」
ウルディザスターと共に魔法で転移する。山脈を掘削してウルディザスターの入る空間を作って封印魔法を施した。

『ありがとうございました。』
『うん。ゆっくり休んで。』

邪竜討伐にはならなかったけど、封印したならいいかな?これでクリアなら現代に戻してもらえる筈。

暫く何も起こらないので超級魔法を放った近辺の様子を見て回る事にした。

…おや?人がいる。
何人も地面から出てきていた。どうやら地下に逃げ延びていた人達がいた様だ。

この荒野では生きて行くのが困難だろう。
爆心地の中心に《建設ビルディング》の魔法で適当に建物を作っていく。
面倒なのでデザインは考えずに仮設住宅、所謂豆腐ハウスを大小かなりの数を建てておいた。
それから水場を作って、食料は…用意してあげられないけど、まあ…ガンバレ!

地上の人が私を見つけて平伏している。
何?神様扱い?悪い気はしないわね。

何か気の利いた言葉でもかけてやろうと思ったけど、喋る前に光に包まれてしまった。

セルヴェード、タイミング悪くない?
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