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ランクアップ
ランクアップ試験
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次の日、ルーティアさんと中央ギルドに来ていた。
「おお!早速連れてきたか!2人ともランクアップに挑戦するんだな?」
「はい!」
「よろしくお願いします!」
レギウスさんが出迎えてくれた。隣にはエリーゼさんもいる。それから見慣れない若い冒険者が5人、近くに立っていた。
「それでは試験について、今回は他にEランクが3名、Fランクが2名の対象者がおる。ミナとユキを含めた対象者7名で依頼をこなして来てもらおう。監督官はエリーゼだ。万が一の時は監督官が対応してくれる。ただしその時点で失格になるから注意せよ。ではエリーゼ、あとは頼む。」
「はい。今回の試験監督官のエリーゼです。皆さんの行動一つ一つに評価が付きますのでよく考えて行動してください。また、今回は個人での合格、不合格はありません。1パーティとして評価させていただきます。」
「という事は誰かが足を引っ張って失敗した場合、その評価は全員にいくという事ですか?」
重そうな金属の鎧を着た背の高い少年が質問する。
「その通りです。なのでチームとして連携をしっかりしていきましょう。」
「マジかよ。弱そうなのが混じってるけどハンデとかねーですか?」
「ありません。」
黒い皮の鎧を着たツンツン頭の少年がこちらを見ながらいう。
私はそんなに弱くないよ?
「言い忘れていました。ミナさんは従魔の使用は禁止です。」
「わかりました。」
「ただの猫じゃん…。」とか「そんなの連れて行くつもりだったのかよ」とか好き放題言われている。
ウルちゃんはお留守番かな?
「監督官殿、手を出さなければ着いて行っても宜しいですか?」
「ええ。ただし助言も禁止です。」
「分かりました。」
「しゃべった!?」
「猫に化けているだけの魔物か…?」
この前もそんなリアクションされていたけど珍しいんだろうなぁ。
「それで、私達はどんな依頼をこなせばいいんですか?」
今度はグレーのローブを着た少女がエリーゼさんに質問する。
「基本的にはこちらから依頼の指定をしません。場所だけ決めさせていただきます。どのような依頼を受けていただいても結構です。ただし、依頼の選定も評価の対象です。今回は、北の町ノシェットにて依頼をこなしてもらいます。」
「いつから始めるんですか?」
「もう始まっています。」
「そういうことならさっさとノシェットに行こうぜ。王都からだと2日掛かるしな。」
「あの、その前に自己紹介しませんか?これから暫くは同じパーティですし、連携もしなくちゃなので。」
流石にイキナリ移動は無いだろうと思ったので一言言わせてもらった。
「移動しながらでもいいんじゃね?別に大した事があるわけでもねーし。」
「移動は何を利用しますか?」
「そんなもん、この人数なら乗合馬車だろ。」
「丁度都合よく7人、エリーゼさんも数えたら8人分、席って空いてるでしょうか。この中で馬車を所有している人はいますか?」
全員が首を横に振る。
「馬車って借りれますか?」
「ギルドから貸し出しがあります。先払いで1日8000レクス掛かりますよ。」
「他所で馬車を借りると倍以上はするな。往復4日、ノシェットでの滞在を2日としたら6日か。48000レクス先払いだな。」
エリーゼさんが答えてくれて背の高い鎧の人が補足してくれた。
「乗合馬車が使えなかった場合でいいんじゃねえの?」
「乗合馬車っていくらですか?」
「1人片道10000レクスだな。」
「往復なら20000だね。」
話に加わっていなかった眼鏡の青年と短髪の少年が教えてくれる。
「それなら馬車を借りて、ついでに何か運びましょうか。輸送の仕事とかないですかね?」
「まてまて、勝手に決めるなよ。」
「そうですね。先走ってしまいました。まずは自己紹介をしましょう?」
「う、分かったよ!」
冒険者は地道なのだ。これはエリストでの初心者講習で教わった。移動は無駄にするな。特にランクの低い内は赤字になる様な真似はしない事。だったね。
ようやく自己紹介が始まる。
背の高い鎧の少年はログノス。片手剣を使うファイター。
ツンツン頭の少年はアッシュ。反りのある日本刀の様な剣を使うファイター。
グレーのローブを着た少女はアンナ。ソーサラー。
この3人がEランク。
眼鏡の青年はマイス。プリースト。
短髪の少年はゼト。短剣とスリングを使うスカウト。
こちらはFランクだ。
私はレンジャー、ユキさんはディフェンダー。バランスいいんじゃない?
「セカンドクラスかよ…。」
「なんで低ランクなの?」
「ランクアップの機会がなかったんですよ。」
思い返せばクランに連れていかれて、ユキさんと会って、領主の人に薬盛られて、邪竜倒して、町で国軍と戦ってと目まぐるしい毎日だった。
この世界に来てからゆっくりした覚えが殆ど無いなぁ…。
「ではチームリーダーは君達2人のどちらかがやるべきか。」
「いえ、私だと見た目がこんななので侮られてしまいます。ユキさんは…」
「私も似たような理由から適しません。」
「なのでログノスさんかマイスさんが良いかと思います。」
「分かった。俺が引き受けよう。」
ログノスさんがリーダーに決まった。
自己紹介とリーダー決めが終わって、移動方針を話し合った。
私が提案した馬車のレンタルと輸送の仕事でほぼ決まった。御者についてはログノスさん、アッシュさん、ゼトさんができるらしい。私もユキさんも道中で練習はさせてもらったけどまだ自信がない。
「それでは各自に別れて必要なものを集めてこよう。ミナとユキとアンナは食料と水を。俺とマイスは北ギルドに行って運搬の依頼がないか見てくる。アッシュとゼトで馬車を頼む。借りられたら、食料調達組を拾って、北ギルドに来てくれ。」
「カネは?先払いだろ。」
「ああ、そうだったな。48000を7人で分けるのだから…。」
「6857レクスです。1余りますがそれくらいは私が出しましょう。」
「ユキ、計算早いな。じゃあ各自カネをアッシュに渡したらそれぞれの役割に分かれてくれ。解散!」
「試験が終わるまで滞在を伸ばすから、焦らずに頑張っておいで。」
「「はい!」」
ルーティアさんはレギウスさんに用事があるそうでここで別れた。
「おお!早速連れてきたか!2人ともランクアップに挑戦するんだな?」
「はい!」
「よろしくお願いします!」
レギウスさんが出迎えてくれた。隣にはエリーゼさんもいる。それから見慣れない若い冒険者が5人、近くに立っていた。
「それでは試験について、今回は他にEランクが3名、Fランクが2名の対象者がおる。ミナとユキを含めた対象者7名で依頼をこなして来てもらおう。監督官はエリーゼだ。万が一の時は監督官が対応してくれる。ただしその時点で失格になるから注意せよ。ではエリーゼ、あとは頼む。」
「はい。今回の試験監督官のエリーゼです。皆さんの行動一つ一つに評価が付きますのでよく考えて行動してください。また、今回は個人での合格、不合格はありません。1パーティとして評価させていただきます。」
「という事は誰かが足を引っ張って失敗した場合、その評価は全員にいくという事ですか?」
重そうな金属の鎧を着た背の高い少年が質問する。
「その通りです。なのでチームとして連携をしっかりしていきましょう。」
「マジかよ。弱そうなのが混じってるけどハンデとかねーですか?」
「ありません。」
黒い皮の鎧を着たツンツン頭の少年がこちらを見ながらいう。
私はそんなに弱くないよ?
「言い忘れていました。ミナさんは従魔の使用は禁止です。」
「わかりました。」
「ただの猫じゃん…。」とか「そんなの連れて行くつもりだったのかよ」とか好き放題言われている。
ウルちゃんはお留守番かな?
「監督官殿、手を出さなければ着いて行っても宜しいですか?」
「ええ。ただし助言も禁止です。」
「分かりました。」
「しゃべった!?」
「猫に化けているだけの魔物か…?」
この前もそんなリアクションされていたけど珍しいんだろうなぁ。
「それで、私達はどんな依頼をこなせばいいんですか?」
今度はグレーのローブを着た少女がエリーゼさんに質問する。
「基本的にはこちらから依頼の指定をしません。場所だけ決めさせていただきます。どのような依頼を受けていただいても結構です。ただし、依頼の選定も評価の対象です。今回は、北の町ノシェットにて依頼をこなしてもらいます。」
「いつから始めるんですか?」
「もう始まっています。」
「そういうことならさっさとノシェットに行こうぜ。王都からだと2日掛かるしな。」
「あの、その前に自己紹介しませんか?これから暫くは同じパーティですし、連携もしなくちゃなので。」
流石にイキナリ移動は無いだろうと思ったので一言言わせてもらった。
「移動しながらでもいいんじゃね?別に大した事があるわけでもねーし。」
「移動は何を利用しますか?」
「そんなもん、この人数なら乗合馬車だろ。」
「丁度都合よく7人、エリーゼさんも数えたら8人分、席って空いてるでしょうか。この中で馬車を所有している人はいますか?」
全員が首を横に振る。
「馬車って借りれますか?」
「ギルドから貸し出しがあります。先払いで1日8000レクス掛かりますよ。」
「他所で馬車を借りると倍以上はするな。往復4日、ノシェットでの滞在を2日としたら6日か。48000レクス先払いだな。」
エリーゼさんが答えてくれて背の高い鎧の人が補足してくれた。
「乗合馬車が使えなかった場合でいいんじゃねえの?」
「乗合馬車っていくらですか?」
「1人片道10000レクスだな。」
「往復なら20000だね。」
話に加わっていなかった眼鏡の青年と短髪の少年が教えてくれる。
「それなら馬車を借りて、ついでに何か運びましょうか。輸送の仕事とかないですかね?」
「まてまて、勝手に決めるなよ。」
「そうですね。先走ってしまいました。まずは自己紹介をしましょう?」
「う、分かったよ!」
冒険者は地道なのだ。これはエリストでの初心者講習で教わった。移動は無駄にするな。特にランクの低い内は赤字になる様な真似はしない事。だったね。
ようやく自己紹介が始まる。
背の高い鎧の少年はログノス。片手剣を使うファイター。
ツンツン頭の少年はアッシュ。反りのある日本刀の様な剣を使うファイター。
グレーのローブを着た少女はアンナ。ソーサラー。
この3人がEランク。
眼鏡の青年はマイス。プリースト。
短髪の少年はゼト。短剣とスリングを使うスカウト。
こちらはFランクだ。
私はレンジャー、ユキさんはディフェンダー。バランスいいんじゃない?
「セカンドクラスかよ…。」
「なんで低ランクなの?」
「ランクアップの機会がなかったんですよ。」
思い返せばクランに連れていかれて、ユキさんと会って、領主の人に薬盛られて、邪竜倒して、町で国軍と戦ってと目まぐるしい毎日だった。
この世界に来てからゆっくりした覚えが殆ど無いなぁ…。
「ではチームリーダーは君達2人のどちらかがやるべきか。」
「いえ、私だと見た目がこんななので侮られてしまいます。ユキさんは…」
「私も似たような理由から適しません。」
「なのでログノスさんかマイスさんが良いかと思います。」
「分かった。俺が引き受けよう。」
ログノスさんがリーダーに決まった。
自己紹介とリーダー決めが終わって、移動方針を話し合った。
私が提案した馬車のレンタルと輸送の仕事でほぼ決まった。御者についてはログノスさん、アッシュさん、ゼトさんができるらしい。私もユキさんも道中で練習はさせてもらったけどまだ自信がない。
「それでは各自に別れて必要なものを集めてこよう。ミナとユキとアンナは食料と水を。俺とマイスは北ギルドに行って運搬の依頼がないか見てくる。アッシュとゼトで馬車を頼む。借りられたら、食料調達組を拾って、北ギルドに来てくれ。」
「カネは?先払いだろ。」
「ああ、そうだったな。48000を7人で分けるのだから…。」
「6857レクスです。1余りますがそれくらいは私が出しましょう。」
「ユキ、計算早いな。じゃあ各自カネをアッシュに渡したらそれぞれの役割に分かれてくれ。解散!」
「試験が終わるまで滞在を伸ばすから、焦らずに頑張っておいで。」
「「はい!」」
ルーティアさんはレギウスさんに用事があるそうでここで別れた。
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