転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

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邪なる者

誰がなんと言おうと私は行きます

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───〔side ユキ〕───

森の深部から脱出して全員の無事を確認する。

「ミナさんがいない!?」
「そんな!?」
「すぐに戻りましょう!」

「確かあなた達が最後だったわね。小柄な女の子がいたはずだけど見ていない?」
「「……。」」
「あんな奴…」
「知っているのね?その子はどうしたの?」
「今頃オークの餌だろうな…。」
「お前!何かしたのか!?」

詰め寄るマイナさん。気圧された兵士は答えた。

「俺が突き飛ばした…。」
「なっ!?なんて事を!!」
「今すぐ救出に!」
「もう手遅れさ…。それにあの数のオーク、お前らだけじゃどうにもならないだろう?」
「うるさい!直ちに引き返す!全員いいな?」
「「「「「はい!」」」」」
「私達も行きます。」
ティターニアの3人も着いていくと言う。

ーーーー

オークと会敵した所まで戻ってきたけど、ミナさんの姿は無かった。

「ミナさん…。」
「オークを追います。」
「リーシャ、あなたはティターニアの3人を連れてギルドに戻りなさい。ミナがオークに攫われたと伝えるの。いいわね?」
「いやです!私も行きます!」
「いいや、お前らは全員帰れ!」

後ろから男の人の声、ダキアさんだ。隣にはアリソンさんもいる。

「ダキアさん…しかし「うるせえ!お前らは足手まといだ!一度戻って仲間を集めて来い!」
「私達で大丈夫だよー。」
「4人?」
「ミルドとクロウが先行している。ミナが生きていれば直ぐに見つけてくる。」

「嫌です!私も行きます!」

リーシャさんが食い下がる。

「アイツは底抜けにお人好しで迂闊なんだよ。どういうわけか運だけはいいから必ず生きてる。そして今も俺達の想像を超える事をやっていると思うぜ。だからお前達に後方から支援してもらいてえんだ。フロントは俺達がやる。全員が無事に帰るために今は堪えろ。」

「…分かりました。」

項垂れるリーシャさん。

私はダキアさんの前に出る。

「お前も連れて行かねえぞ。」
「誰がなんと言おうと私は行きます。止めたければ力尽くでとうぞ。」
「ルーティアさんの言ったとおりだねー。」
「お前は絶対に引かないだろうって言っていた。それとお前が俺達と行く事が出来るだけの力を持っているともな。」
「一緒に行ってもいいんですか?」
「いいぜ。ただし、足手まといなら直ぐに帰ってもらう。」
「分かりました。お願いします!」

「ユキ、ミナをお願い。」
「はい!」

クランの皆さんと別れてダキアさんとアリソンさんに着いて行く。

早い。木々を分けるように突き進んで行く。着いていくのがやっとだ。

「ユキ、お前は天啓で言葉が話せるようになったんだったな?」
「はい。」
「お前もゴブリンやオークの言葉がわかるのか?」
「…はい。」
「そうか。」
「因みにねー、ゴブリンやオークやコボルトとかー、あの辺りの種族は下位妖魔語っていう言語で喋ってるらしいのよー。人間で喋れるのはいないって言われてるんだけどねー。」
「…そうですか。」
「以前ミナはゴブリンと何やら話をしたりしていたらしいんだ。」
「…ミナさんから聞いてます。弓使いのゴブリンさんに助けられたと。」
「ユキちゃんには話してるんだー?」
「いずれは皆さんにお話しするって…。今は迷惑を掛けたくないからって…。」

ゴブリンが8体行く手を遮る。
アリソンさんが短剣で3体を、ダキアさんが拳で4体を速度を落とす事なく倒していく。
私もシールドチャージで一体を粉砕した。

「…やるじゃねぇか。」
「すごーい!バラバラっていうか粉々ー!」
「いえ…。」

チャージ系の気力消費は多くない。通常攻撃の代わりに使っても息切れしない程度だ。出し惜しみなんてしていられない。

「それにしても最近のゴブリンは装備がいいじゃねぇか。」

そういえば今日倒してきたゴブリンもそうだ。よく整備されていた様な気がする。中にはボロボロの剣を持っている者もいたけど、ゴブリンには武器の整備能力は無いと聞いている。

しかしそれについては今はいい。
今は早くミナさんを見つけないと。

どうやら2人は闇雲に走っているわけではないらしい。アリソンさんがオークの痕跡を探してくれている。
この速度で追跡できるのなら直ぐに追い付けるかも知れない。

「左の斜面の上に何かいるよー。」

現れたのはコボルトという犬頭の人型だ。数はおよそ10。数匹が杖を構えて魔法を放ってくる。

「コボルトが魔法だと!?」

驚きながらも飛んできた火球を殴り飛ばしているダキアさん。
熱くないのかな?

アリソンさんは飛んできた雷撃を木を使って防いでいた。

私には光の槍と尖った岩が飛んでくる。

「危ねえ!避けろ!!」

…避けるのも面倒だ。
2つの魔法を無防備に受けてみせる。
やっぱり、ノーダメージだ。

「私達は急いでいるんです!邪魔をしないで!!」

斜面に向かってシールドチャージで思い切りぶつかる。
衝撃で斜面全体が揺れて崩壊する。

悲鳴のような声を上げながらコボルト達が転げ落ちてくる。
それを確実にダキアさんとアリソンさんが始末してくれた。

「さあ、行きましょう。」
「お前…レベルいくつだよ?」
「9ですが?」
「ヤバイ、ユキちゃん面白いー!」

さあ、早くミナさんを探しましょう。
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