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竜の国
防衛力強化
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「ワダツミ、気持ちは嬉しいけどあなた達に危険な目に遭ってほしくはないわ」
生まれたばかりのこの子達には無理をさせたくない。これから生まれてくる多くの精霊を導いてもらう事になるだろうから防衛戦力に加える事なく、増えていく眷属達の面倒を見てもらうだけにしてきた。
「確かに私達の力はここにいる皆様には遠く及ばないかも知れませんが、お母様のお役に立ちたいのです」
ワダツミがそう言うと他の精霊達も強く頷いた。
「母さん、ワダツミ達《最初の精霊》はかなりの戦闘力をもっているよ。この街の防衛を務めてくれているエルフ達には悪いけど、彼らの代わりならワダツミ一人で務まる程なんだ」
《最初の精霊》は私が名付けた各属性の精霊達の事を指す。誰がそう呼び始めたのかは分からないが、今ではその名前が定着している。
「ソータ様の仰る通りです。我らはハル様の造った装備が無ければ到底太刀打ちできませんが、ワダツミ様や他の精霊様ならば造作もなくあれらを撃退出来たでしょう」
「だな。人間の俺達じゃ出来ない事を簡単に出来るし疲労もしない。頼る訳にはいかないが俺達が死んだら後の事を任せられそうだ」
そうエルフの隊長とゼムロスが話していた。
戦う以上皆死ぬ可能性はある。その覚悟を持って臨んでくれている事には感謝しているが、彼らを簡単に死なせる事は絶対にしない。折角巡り会った者達だ。全員生きて人生を謳歌して貰いたい。
彼らの様に深く縁した者達もそうだが、私達の国と同盟を結んでくれた国の民にも死んで欲しくは無い。
「みんな、厳しい戦いになるかも知れないけど良いの?」
「母上のお役に立てるのであれば何でもやります」
私の問いかけに真っ先に反応したのはカグツチだった。
「人種の使う武術も修めました。状況に応じて戦い方を変えられます」
胸を張って答えたのはサヅチ。
「全員軍学についても習得済みです。各国の軍とも連携を取ることができます」
イヒカは表情は無いが目に闘志を宿して言ってくる。
「色んな人に人間の事を沢山聞きました!コミュニケーションはバッチリとれますよ!」
そう言って来たのはククノチだ。
全員が強く頷き私の言葉を待っていた。
「分かりました。みんな、同盟国の民を守る為に私に力を貸して頂戴」
「はい!!」
この場に居る全ての精霊が力強い返事をしてくれた。
颯太達と話し合ってワダツミはシグルーン聖泉国の防衛を、他の者には各国に均等に防衛戦力として配置させてもらう事にした。
防衛力の強化についてはこれで良いだろう。次に話さなければならないのはピスケスの事だ。
会議室にピスケスを呼び、改めて全員に紹介する。
「ライブラ、あなたの同型は何人いるの?」
「私を含めて十二機です。所在、生存共に不明です」
「ピスケスは分かる?」
「分かりません」
「それらと同じ様な機械人形ならば我が八体は破壊したぞ」
古代の文明が崩壊した時代にクオンが破壊した者を除き、不明なのはあと二人と言う事ね。ピスケスが知らないと言う事はルドガイアには居ないのだろう。
「ピスケス、ライブラを破壊する様に指示したのが誰が分かる?」
「魔竜王と聞いています」
詳しく聞いてみると、ピスケスはライブラが再起動した少し後に再起動したらしい。
しかし気になるのは何故ライブラは破壊しようとしてピスケスは自陣営に引き入れたのだろうか?
「これは推測ですが、私が起動して脅威となったから同型であるピスケスを戦力に加えたのではないでしょうか」
「その可能性はありそうね」
ピスケスの元の主人は転生者だった様だし、魔竜王と関係が深いのだろうか。
「あなたの元の主人の事を教えて」
「はい。名前はシヨウと名乗られていました。元々別の世界からの転生者なのだと教えていただいています」
シヨウ……漢字で書くなら紫陽かしら。いや、もしかしたら日本人ではなかったかも知れないわね。そもそも同じ世界から来た者かも怪しい。
そう言えばマサやナナ、トウヤも私と同じ地球から来たのかしら?今度聞いてみるとしよう。
生まれたばかりのこの子達には無理をさせたくない。これから生まれてくる多くの精霊を導いてもらう事になるだろうから防衛戦力に加える事なく、増えていく眷属達の面倒を見てもらうだけにしてきた。
「確かに私達の力はここにいる皆様には遠く及ばないかも知れませんが、お母様のお役に立ちたいのです」
ワダツミがそう言うと他の精霊達も強く頷いた。
「母さん、ワダツミ達《最初の精霊》はかなりの戦闘力をもっているよ。この街の防衛を務めてくれているエルフ達には悪いけど、彼らの代わりならワダツミ一人で務まる程なんだ」
《最初の精霊》は私が名付けた各属性の精霊達の事を指す。誰がそう呼び始めたのかは分からないが、今ではその名前が定着している。
「ソータ様の仰る通りです。我らはハル様の造った装備が無ければ到底太刀打ちできませんが、ワダツミ様や他の精霊様ならば造作もなくあれらを撃退出来たでしょう」
「だな。人間の俺達じゃ出来ない事を簡単に出来るし疲労もしない。頼る訳にはいかないが俺達が死んだら後の事を任せられそうだ」
そうエルフの隊長とゼムロスが話していた。
戦う以上皆死ぬ可能性はある。その覚悟を持って臨んでくれている事には感謝しているが、彼らを簡単に死なせる事は絶対にしない。折角巡り会った者達だ。全員生きて人生を謳歌して貰いたい。
彼らの様に深く縁した者達もそうだが、私達の国と同盟を結んでくれた国の民にも死んで欲しくは無い。
「みんな、厳しい戦いになるかも知れないけど良いの?」
「母上のお役に立てるのであれば何でもやります」
私の問いかけに真っ先に反応したのはカグツチだった。
「人種の使う武術も修めました。状況に応じて戦い方を変えられます」
胸を張って答えたのはサヅチ。
「全員軍学についても習得済みです。各国の軍とも連携を取ることができます」
イヒカは表情は無いが目に闘志を宿して言ってくる。
「色んな人に人間の事を沢山聞きました!コミュニケーションはバッチリとれますよ!」
そう言って来たのはククノチだ。
全員が強く頷き私の言葉を待っていた。
「分かりました。みんな、同盟国の民を守る為に私に力を貸して頂戴」
「はい!!」
この場に居る全ての精霊が力強い返事をしてくれた。
颯太達と話し合ってワダツミはシグルーン聖泉国の防衛を、他の者には各国に均等に防衛戦力として配置させてもらう事にした。
防衛力の強化についてはこれで良いだろう。次に話さなければならないのはピスケスの事だ。
会議室にピスケスを呼び、改めて全員に紹介する。
「ライブラ、あなたの同型は何人いるの?」
「私を含めて十二機です。所在、生存共に不明です」
「ピスケスは分かる?」
「分かりません」
「それらと同じ様な機械人形ならば我が八体は破壊したぞ」
古代の文明が崩壊した時代にクオンが破壊した者を除き、不明なのはあと二人と言う事ね。ピスケスが知らないと言う事はルドガイアには居ないのだろう。
「ピスケス、ライブラを破壊する様に指示したのが誰が分かる?」
「魔竜王と聞いています」
詳しく聞いてみると、ピスケスはライブラが再起動した少し後に再起動したらしい。
しかし気になるのは何故ライブラは破壊しようとしてピスケスは自陣営に引き入れたのだろうか?
「これは推測ですが、私が起動して脅威となったから同型であるピスケスを戦力に加えたのではないでしょうか」
「その可能性はありそうね」
ピスケスの元の主人は転生者だった様だし、魔竜王と関係が深いのだろうか。
「あなたの元の主人の事を教えて」
「はい。名前はシヨウと名乗られていました。元々別の世界からの転生者なのだと教えていただいています」
シヨウ……漢字で書くなら紫陽かしら。いや、もしかしたら日本人ではなかったかも知れないわね。そもそも同じ世界から来た者かも怪しい。
そう言えばマサやナナ、トウヤも私と同じ地球から来たのかしら?今度聞いてみるとしよう。
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