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竜の国
仲間との戦い
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メリーゼハーヴが負ける事は予想していた。
私の見立てでは人の姿では、全力でも芽依と同じくらいの強さだと思っている。
つまり、七対一で三人倒しているのだから善戦した方だ。
しかしこちらを巻き込んで上手く立ち回ればもう少し人数を減らせたかもしれないと思うと、連携については今後詰めていかなければならないだろう。
「お母さん?」
「ごめんなさい。少し考え事をしていたの」
「疲れたならやめようか?」
私を気遣う芽依だが、自分が戦いたくないという事もあるのだろう。
「いいえ。お客さんが観ているのだから一応最後までやりましょう」
「うーん……分かったよ」
渋々といった様子で剣を構える芽依。
それに合わせてセロ、ライブラも構える。リンは少し下がって支援魔法を掛け始める。
さて、正直先程の九人よりもこちらの方が厄介だ。
全員修行により戦闘力は更に増しているし、こちらの手の内は知られている。
小手調べに足元から石の槍を無数に出して攻撃するが、芽依は軽々と躱し、セロは盾で防ぎ、ライブラは自分とリンの攻撃を魔法で中和していた。
ライブラ、実用段階まで魔法が使える様になったのね。
この編成だとライブラはリンを護りつつ魔法攻撃に回る可能性が高い。
前衛は思い切りの良い芽依と堅実な攻防のセロ。互いの連携もしっかりしている為隙を突くのは難しいだろう。
まさかこの子達と戦う事になるとは思わなかったわ。
「お母さん、油断しすぎだよ!」
芽依は声を上げると同時に私に迫る。
ほぼ一瞬だ。流石は芽依、私の不得意な間合いに簡単に入ってくる。
芽依は横薙ぎに私を攻撃して来る。その動きはとにかく早く、地面から石の槍や根を出していては防げない。
出しは右手を突き出して《硬質化》を掛けて芽依の剣を掌で受け止める。
……かなりの力だ。軽い私は簡単に吹き飛ばされてしまう。
吹き飛ばされた先には盾を構えたセロがいた。剣を後ろに引き、一撃を加えようとしている。
私は左手から突風を巻き起こし、自身の勢いを殺すと同時にセロを牽制する。
次はおそらく……
風の反動を使って宙を舞う。先程まで私のいた所に光線魔法が放たれていた。
良い連携だわ。
私はかなり上の方へ飛んでしまったが、そのお陰で四人を観察する事が出来た。
セロ、ライブラ、リンは私を見上げて次の攻撃に備えている。
芽依は一人魔法を練っている。
ここからならば光線魔法を分散させて一網打尽に出来そうだ。
自由落下が始まる頃、私は光線魔法を無数に拡散させて四人に向けて放つ。
セロは咄嗟にリンの所に駆け寄り盾を上に構えて防御。ライブラも防御魔法を使ってセロとリンを守る。
今放ったものはゼムロスに撃った光線魔法とは段違いに威力が高い。ライブラの防御魔法をを貫通し、セロの盾を焼いてかなりのダメージを与えた。
芽依は……いない。
「今だー!!」
芽依は私の所に飛んできていた。剣を両手で突きの体制に構えて飛んでくる。
飛行魔法は今のこの世界には存在しない。つまり私と同じ原理で飛んできたのだろう。
無茶な事をして……
私は芽依の攻撃を受ける事にした。
泉の水を予め出しておき、軽く放り投げてから芽依の剣を左の肩付近に刺さる様に調整する。
と、芽依は咄嗟に剣を引いてしまった。
そのまま私に抱きついてくる。
「何で避けなかったの?」
「あなたを捉えるには剣を封じる必要があったからよ」
「それはそうだけど……私はお母さんが避けると思ったから……」
やっぱり剣を向けるのはイヤだと芽依は目を潤ませて言ってくる。
「じゃあこのまま私を捕まえて地面にぶつけるのはどうかしら?」
「その前に《栄養吸収》されて私の負けだよ」
落ちる速度がゆっくりになっていた。
カナエが風の魔法で私達を包んでくれていた。
地面ではセロとリンが倒れていて、ライブラも片膝をついて動きを止めていた。
「私達の負けだよ」
芽依が苦笑しながら言ってくる。
皆には茶番を見せてしまったわね、
私の見立てでは人の姿では、全力でも芽依と同じくらいの強さだと思っている。
つまり、七対一で三人倒しているのだから善戦した方だ。
しかしこちらを巻き込んで上手く立ち回ればもう少し人数を減らせたかもしれないと思うと、連携については今後詰めていかなければならないだろう。
「お母さん?」
「ごめんなさい。少し考え事をしていたの」
「疲れたならやめようか?」
私を気遣う芽依だが、自分が戦いたくないという事もあるのだろう。
「いいえ。お客さんが観ているのだから一応最後までやりましょう」
「うーん……分かったよ」
渋々といった様子で剣を構える芽依。
それに合わせてセロ、ライブラも構える。リンは少し下がって支援魔法を掛け始める。
さて、正直先程の九人よりもこちらの方が厄介だ。
全員修行により戦闘力は更に増しているし、こちらの手の内は知られている。
小手調べに足元から石の槍を無数に出して攻撃するが、芽依は軽々と躱し、セロは盾で防ぎ、ライブラは自分とリンの攻撃を魔法で中和していた。
ライブラ、実用段階まで魔法が使える様になったのね。
この編成だとライブラはリンを護りつつ魔法攻撃に回る可能性が高い。
前衛は思い切りの良い芽依と堅実な攻防のセロ。互いの連携もしっかりしている為隙を突くのは難しいだろう。
まさかこの子達と戦う事になるとは思わなかったわ。
「お母さん、油断しすぎだよ!」
芽依は声を上げると同時に私に迫る。
ほぼ一瞬だ。流石は芽依、私の不得意な間合いに簡単に入ってくる。
芽依は横薙ぎに私を攻撃して来る。その動きはとにかく早く、地面から石の槍や根を出していては防げない。
出しは右手を突き出して《硬質化》を掛けて芽依の剣を掌で受け止める。
……かなりの力だ。軽い私は簡単に吹き飛ばされてしまう。
吹き飛ばされた先には盾を構えたセロがいた。剣を後ろに引き、一撃を加えようとしている。
私は左手から突風を巻き起こし、自身の勢いを殺すと同時にセロを牽制する。
次はおそらく……
風の反動を使って宙を舞う。先程まで私のいた所に光線魔法が放たれていた。
良い連携だわ。
私はかなり上の方へ飛んでしまったが、そのお陰で四人を観察する事が出来た。
セロ、ライブラ、リンは私を見上げて次の攻撃に備えている。
芽依は一人魔法を練っている。
ここからならば光線魔法を分散させて一網打尽に出来そうだ。
自由落下が始まる頃、私は光線魔法を無数に拡散させて四人に向けて放つ。
セロは咄嗟にリンの所に駆け寄り盾を上に構えて防御。ライブラも防御魔法を使ってセロとリンを守る。
今放ったものはゼムロスに撃った光線魔法とは段違いに威力が高い。ライブラの防御魔法をを貫通し、セロの盾を焼いてかなりのダメージを与えた。
芽依は……いない。
「今だー!!」
芽依は私の所に飛んできていた。剣を両手で突きの体制に構えて飛んでくる。
飛行魔法は今のこの世界には存在しない。つまり私と同じ原理で飛んできたのだろう。
無茶な事をして……
私は芽依の攻撃を受ける事にした。
泉の水を予め出しておき、軽く放り投げてから芽依の剣を左の肩付近に刺さる様に調整する。
と、芽依は咄嗟に剣を引いてしまった。
そのまま私に抱きついてくる。
「何で避けなかったの?」
「あなたを捉えるには剣を封じる必要があったからよ」
「それはそうだけど……私はお母さんが避けると思ったから……」
やっぱり剣を向けるのはイヤだと芽依は目を潤ませて言ってくる。
「じゃあこのまま私を捕まえて地面にぶつけるのはどうかしら?」
「その前に《栄養吸収》されて私の負けだよ」
落ちる速度がゆっくりになっていた。
カナエが風の魔法で私達を包んでくれていた。
地面ではセロとリンが倒れていて、ライブラも片膝をついて動きを止めていた。
「私達の負けだよ」
芽依が苦笑しながら言ってくる。
皆には茶番を見せてしまったわね、
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