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竜の国
乱戦
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ところで芽依達は良かったのだろうか?
「お母さんと戦っても勝てる気がしないよ」
「あら、芽依にしては珍しく弱気じゃない」
「だってお母さんの能力は私達が一番よく知ってるんだよ?それに……」
「それに?」
「お母さんに剣を向けたくないもん」
あらあら、芽依ったら。
「ありがとう芽依。でもこれは模擬戦だから気にしなくていいのよ。あなたが参加しなかったらみんなが困ってしまうわ」
「うん……わかった」
身体は大人でもまだまだ子供なのだから仕方がないわよね。
「メイさんが戦わないなら俺達もやめておこうと思っていたよ」
「おいおい兄ちゃん、ソイツはないぜ。九対二じゃあ全く勝ち目が無くなっちまう」
セロがそう言うとゼムロスは戯けた様に言い返していた。
「全員参加じゃな。よし、早く始めようではないか!」
「待ちなさい。始める前に打ち合わせをさせてあげましょう」
「そうじゃな。ではお主らが好きなタイミングで始めるのじゃ!」
どれだけ戦いたいのよ……
芽依達十六人は集まって作戦を練り始める。
「妾が前衛、精霊殿が後衛で良いな?」
「いいえ。それは向こうに読まれていると思うわ」
「ふむ。それではどうする?」
「役割は決めずに臨機応変に戦いましょう。盟友なのだから併せられるでしょう?」
「うむ!そうじゃな!」
本当に単純なのだから。
恐らく芽依達は二手に分かれて私とメリーゼハーヴを分断しに来るだろう。
先程の様子を引きずっているとしたら芽依達七人はメリーゼハーヴを、残りが私を押さえ込みに来ると予想できる。
私の事を警戒して人数を増やしてくる可能性はあるが、私の見立てではメリーゼハーヴを倒すには芽依達七人全員が連携が必要だと思っている。
「メリーゼハーヴ、当たり前のことだけど闘技場を破壊する様な広範囲魔法は禁止よ」
「分かっておる。妾は魔法を使うつもりはないから安心せい。無論、殺さぬ様に加減もする。明日も試合があるのだからな」
念の為話をしておいた。
芽依達は何やら揉めている様だけど話はまとまったらしく、それぞれ武器を構えてこちらを見ていた。
打ち鳴らされる銅鑼。
私とメリーゼハーヴは横並びに少し距離をとって向こうの出方を見る。
予想通り芽依達はメリーゼハーヴと戦う様だ。
私の所に真っ先に飛び込んできたのはリンと対戦したあの剣士だ。
「精霊様と戦えるなんて光栄だ……参加して良かったです」
「あらそう。私はあなたとは戦場で会いたかったわ」
「ヒヒっ……それはどういう意味でしょう?」
話しながらもナイフを4本連続で投げてくる。私はそれを風の魔法を使って吹き飛ばすと彼の足元に石の槍を発生させ貫こうとするが避けられてしまった。
流石に簡単にはいかない様だ。
他の者も続いて突撃してくる。まだ間合いが遠いので大丈夫だが、全員に接近されると捌き切れないだろう。何人かは今のうちに倒しておきたい。
地面から無数の木の根を出して全員を絡め取ろうとするも二人の剣士を拘束しただけで他の者には避けられてしまう。
だがそれでいい。
木の根を避ける事に気を取られた数人に向かって水弾を発射。この水は敢えて泉の水を使っている。
避けきれなかった槍使いの腹部を水弾が貫通する。
吐血しながらその場に倒れる槍使いだが、既に傷は癒えている。
「あなたは戦闘不能でいいわね?」
「……はい」
続いて泉の水を掌に乗せて発射しようとしたが、殺気に気付いて水に《硬化》を掛けて振り返る。
「おっと……気付かれたか」
「そんなに殺気を出していたら気付くに決まっているでしょう」
男の剣を《硬化》させた水で受け止めて、剣を掴むと《栄養吸収》で刀身を破壊する、
驚いて飛び退く男。それも予定通りなのだろう、続いて背後からゼムロスの大剣がくる。
土の槍を地面から出現させて《硬化》。大剣の横薙ぎを防いだ。
「後ろにも目が付いてるのかよ!?」
見なくても気配でわかるわよ。
「お母さんと戦っても勝てる気がしないよ」
「あら、芽依にしては珍しく弱気じゃない」
「だってお母さんの能力は私達が一番よく知ってるんだよ?それに……」
「それに?」
「お母さんに剣を向けたくないもん」
あらあら、芽依ったら。
「ありがとう芽依。でもこれは模擬戦だから気にしなくていいのよ。あなたが参加しなかったらみんなが困ってしまうわ」
「うん……わかった」
身体は大人でもまだまだ子供なのだから仕方がないわよね。
「メイさんが戦わないなら俺達もやめておこうと思っていたよ」
「おいおい兄ちゃん、ソイツはないぜ。九対二じゃあ全く勝ち目が無くなっちまう」
セロがそう言うとゼムロスは戯けた様に言い返していた。
「全員参加じゃな。よし、早く始めようではないか!」
「待ちなさい。始める前に打ち合わせをさせてあげましょう」
「そうじゃな。ではお主らが好きなタイミングで始めるのじゃ!」
どれだけ戦いたいのよ……
芽依達十六人は集まって作戦を練り始める。
「妾が前衛、精霊殿が後衛で良いな?」
「いいえ。それは向こうに読まれていると思うわ」
「ふむ。それではどうする?」
「役割は決めずに臨機応変に戦いましょう。盟友なのだから併せられるでしょう?」
「うむ!そうじゃな!」
本当に単純なのだから。
恐らく芽依達は二手に分かれて私とメリーゼハーヴを分断しに来るだろう。
先程の様子を引きずっているとしたら芽依達七人はメリーゼハーヴを、残りが私を押さえ込みに来ると予想できる。
私の事を警戒して人数を増やしてくる可能性はあるが、私の見立てではメリーゼハーヴを倒すには芽依達七人全員が連携が必要だと思っている。
「メリーゼハーヴ、当たり前のことだけど闘技場を破壊する様な広範囲魔法は禁止よ」
「分かっておる。妾は魔法を使うつもりはないから安心せい。無論、殺さぬ様に加減もする。明日も試合があるのだからな」
念の為話をしておいた。
芽依達は何やら揉めている様だけど話はまとまったらしく、それぞれ武器を構えてこちらを見ていた。
打ち鳴らされる銅鑼。
私とメリーゼハーヴは横並びに少し距離をとって向こうの出方を見る。
予想通り芽依達はメリーゼハーヴと戦う様だ。
私の所に真っ先に飛び込んできたのはリンと対戦したあの剣士だ。
「精霊様と戦えるなんて光栄だ……参加して良かったです」
「あらそう。私はあなたとは戦場で会いたかったわ」
「ヒヒっ……それはどういう意味でしょう?」
話しながらもナイフを4本連続で投げてくる。私はそれを風の魔法を使って吹き飛ばすと彼の足元に石の槍を発生させ貫こうとするが避けられてしまった。
流石に簡単にはいかない様だ。
他の者も続いて突撃してくる。まだ間合いが遠いので大丈夫だが、全員に接近されると捌き切れないだろう。何人かは今のうちに倒しておきたい。
地面から無数の木の根を出して全員を絡め取ろうとするも二人の剣士を拘束しただけで他の者には避けられてしまう。
だがそれでいい。
木の根を避ける事に気を取られた数人に向かって水弾を発射。この水は敢えて泉の水を使っている。
避けきれなかった槍使いの腹部を水弾が貫通する。
吐血しながらその場に倒れる槍使いだが、既に傷は癒えている。
「あなたは戦闘不能でいいわね?」
「……はい」
続いて泉の水を掌に乗せて発射しようとしたが、殺気に気付いて水に《硬化》を掛けて振り返る。
「おっと……気付かれたか」
「そんなに殺気を出していたら気付くに決まっているでしょう」
男の剣を《硬化》させた水で受け止めて、剣を掴むと《栄養吸収》で刀身を破壊する、
驚いて飛び退く男。それも予定通りなのだろう、続いて背後からゼムロスの大剣がくる。
土の槍を地面から出現させて《硬化》。大剣の横薙ぎを防いだ。
「後ろにも目が付いてるのかよ!?」
見なくても気配でわかるわよ。
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