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勇者
砦攻略
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「た、助かった……」
「まだよ!全員ライズさんの指示通りに対処を!ライズさん、恐らく正面からの兵員投入による白兵戦になります。持ち堪えられますか?」
「堪えて見せましょう!総員、防御陣形!」
ライズは手早く態勢を整えて迎撃体制に入っていた。
「私達もライズさんと一緒に戦うの?」
「私達は壁上に登ってあの騎士を制圧しましょう」
「うん!」
サヅチの破壊した壁の反対側、左の壁に向かい手を着いて《物質変換》を掛ける。石が迫り出して来て階段を形成する。
「ここから上がりましょう」
「分かった!先頭は俺がいくよ」
セロが剣抜いて階段を駆け上がる。すぐ後ろには芽依が小剣と短剣を構えて続く。その後ろはライブラ、エレ、マイ、リン、アル、私、ミラと続いた。
小剣を抜いて迫り来る兵士をセロは斬り倒して突入経路を確保する。
更に迫る兵士達を後続の芽依とライブラが抑える。
反対側からやって来た兵はエレが大剣を振り回して数人を纏めて薙ぎ倒していた。
マイが壁上に到達して地面に手を付くと石のブロックが人の形に組み上がって兵士達に向かって行く。リンはセロ、芽依、ライブラに回復魔法をかけながらエレの横に並び杖で兵士を殴り付けていた。
リンは後方で兵士達の指揮をしている者に矢を射掛けて倒した。それにより兵士の陣形が崩れていく。
芽依達のいる方向に突き進めばオルブライトという騎士の所に辿り着く。
地上ではライズの部隊が門から侵入して来た部隊と戦闘を開始した。数はほぼ互角。ただし相手はまだまだ戦力を持っているだろう。
ここの総指揮をオルブライトがとっているのかは不明だが、彼を押さえればこの状況をどうにか出来るだろう。
「ハルさん数が多すぎます。危険ですよ」
「ええ、分かっています」
アルを巻き込んでしまい申し訳なく思うが、ここで退く選択はない。
「颯太、カナエ!」
「やっと呼んでくれたね、母さん」
『大体状況は分かりました!道を開きます!』
颯太は私の前に立ち、カナエはその上へ。カナエは竜巻を巻き起こして兵士達を吹き飛ばして道を作る。
オルブライトまでの道が開ける。怯んだオルブライトは近くの兵に命じて守りを固めさせていた。
そこに颯太が飛び込んでいく。近くに落ちていた剣を素早く拾い上げると、オルブライトの前に立つ兵士五人を一太刀で吹き飛ばした。
「なっ!な、何者だ!?」
「僕はソータ。母さん……泉の精霊ハルの息子で、世界樹の精霊だよ」
剣を構えたオルブライトに対して剣を横薙ぎに振るう颯太。オルブライトの剣はミスリル製の良く鍛えられた業物だった様だが、颯太の持つ何処にでもある鉄の長剣に根元からへし折られる。
「バカなっ!?」
柄のみとなった愛剣を見るオルブライト。無理もない。普通の実力者ではその様な真似は決して出来ない。
今のあの子はただの人間が勝てるわけがないのだ。
「さてオルブライトさん、直ちに戦闘を止めてください。これはあなた方の為でもあります。これ以上犠牲者を増やしたくなければ。分かりますね?」
壁の上では巨体を有する家族達は呼べない。砦の外側に召喚する事になるか、トコヤミを空に召喚する事になる。
どちらにせよこれまでの被害とは比べ物にならないような損害が出るだろう。
颯太は表情を変えずに切先をオルブライトの喉元に突き付ける。彼は柄のみとなった剣を放り出して両手を挙げる。
「わ、分かった!降伏する!総員ただちに戦闘を終了せよ!」
……聞き分けが良いわね。念の為泉の水を球状にして顔にぶつけてみる。
「ぷはっ!?な、何を……!?」
勢いで後ろに倒れて目を白黒させているオルブライト。
どうやらこの男は思考操作をされていない様だ。
オルブライトの様子を見て兵達も戦闘を止める。武器を捨ててこちらを見ていた。
「まだよ!全員ライズさんの指示通りに対処を!ライズさん、恐らく正面からの兵員投入による白兵戦になります。持ち堪えられますか?」
「堪えて見せましょう!総員、防御陣形!」
ライズは手早く態勢を整えて迎撃体制に入っていた。
「私達もライズさんと一緒に戦うの?」
「私達は壁上に登ってあの騎士を制圧しましょう」
「うん!」
サヅチの破壊した壁の反対側、左の壁に向かい手を着いて《物質変換》を掛ける。石が迫り出して来て階段を形成する。
「ここから上がりましょう」
「分かった!先頭は俺がいくよ」
セロが剣抜いて階段を駆け上がる。すぐ後ろには芽依が小剣と短剣を構えて続く。その後ろはライブラ、エレ、マイ、リン、アル、私、ミラと続いた。
小剣を抜いて迫り来る兵士をセロは斬り倒して突入経路を確保する。
更に迫る兵士達を後続の芽依とライブラが抑える。
反対側からやって来た兵はエレが大剣を振り回して数人を纏めて薙ぎ倒していた。
マイが壁上に到達して地面に手を付くと石のブロックが人の形に組み上がって兵士達に向かって行く。リンはセロ、芽依、ライブラに回復魔法をかけながらエレの横に並び杖で兵士を殴り付けていた。
リンは後方で兵士達の指揮をしている者に矢を射掛けて倒した。それにより兵士の陣形が崩れていく。
芽依達のいる方向に突き進めばオルブライトという騎士の所に辿り着く。
地上ではライズの部隊が門から侵入して来た部隊と戦闘を開始した。数はほぼ互角。ただし相手はまだまだ戦力を持っているだろう。
ここの総指揮をオルブライトがとっているのかは不明だが、彼を押さえればこの状況をどうにか出来るだろう。
「ハルさん数が多すぎます。危険ですよ」
「ええ、分かっています」
アルを巻き込んでしまい申し訳なく思うが、ここで退く選択はない。
「颯太、カナエ!」
「やっと呼んでくれたね、母さん」
『大体状況は分かりました!道を開きます!』
颯太は私の前に立ち、カナエはその上へ。カナエは竜巻を巻き起こして兵士達を吹き飛ばして道を作る。
オルブライトまでの道が開ける。怯んだオルブライトは近くの兵に命じて守りを固めさせていた。
そこに颯太が飛び込んでいく。近くに落ちていた剣を素早く拾い上げると、オルブライトの前に立つ兵士五人を一太刀で吹き飛ばした。
「なっ!な、何者だ!?」
「僕はソータ。母さん……泉の精霊ハルの息子で、世界樹の精霊だよ」
剣を構えたオルブライトに対して剣を横薙ぎに振るう颯太。オルブライトの剣はミスリル製の良く鍛えられた業物だった様だが、颯太の持つ何処にでもある鉄の長剣に根元からへし折られる。
「バカなっ!?」
柄のみとなった愛剣を見るオルブライト。無理もない。普通の実力者ではその様な真似は決して出来ない。
今のあの子はただの人間が勝てるわけがないのだ。
「さてオルブライトさん、直ちに戦闘を止めてください。これはあなた方の為でもあります。これ以上犠牲者を増やしたくなければ。分かりますね?」
壁の上では巨体を有する家族達は呼べない。砦の外側に召喚する事になるか、トコヤミを空に召喚する事になる。
どちらにせよこれまでの被害とは比べ物にならないような損害が出るだろう。
颯太は表情を変えずに切先をオルブライトの喉元に突き付ける。彼は柄のみとなった剣を放り出して両手を挙げる。
「わ、分かった!降伏する!総員ただちに戦闘を終了せよ!」
……聞き分けが良いわね。念の為泉の水を球状にして顔にぶつけてみる。
「ぷはっ!?な、何を……!?」
勢いで後ろに倒れて目を白黒させているオルブライト。
どうやらこの男は思考操作をされていない様だ。
オルブライトの様子を見て兵達も戦闘を止める。武器を捨ててこちらを見ていた。
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