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勇者
大移動の準備
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ザムドとガンドには聖域の奥にライブラが居た事を説明する。
機械だと説明しても分からないだろうから古代の人間が作ったものと説明しておいた。
「彼女は考えて行動が出来るので、誰に作られようとも人として扱う事にしました」
『わかりました。我々巨人族も人間族も、神に創られしものです。彼女もまたそれに等しい者に創られたのでしょう。私には人間にしか見えません』
ザムドはライブラに顔を近づけてそう言った。ガンドもそれに頷いていた。
「ハルさん。ライブラさんは一緒に来るのですか?」
セロに聞かれて少し考える。
彼女はこの世界の事を全く知らない。いきなり連れ歩いて大丈夫だろうかと。
そもそも遺跡の奥で話をいていたのは今の人の言葉ではなく、恐らくだが古代の人間の言語だった。
私は問題なく会話できたがセロと芽依以外の人間とのコミュニケーションが取りにくいだろう。
『言語の再設定中です。会話を聞かせていただければ言語を習得する事ができます』
「あなた、私の考えていた事が分かったの?」
『そうではないかと』
人の感情を察する事も出来るなんて、本当に人間そのものね。
言語については問題ない。しかしその他の教育には時間が掛かるだろう。連れて歩くのはまだ早いと思う。
「それならしばらく森で暮らすといいよ。その間に僕が今の世界の事を教えておくから」
「そうね。颯太に任せるわね」
颯太になら安心して預けられる。
『私の事がお嫌いですか?』
「え?いやいや……違うんだ。このパーティは俺しか男がいないものだからね」
やはりセロとは普通に会話ができる様だ。
『男性の仲間が欲しかったという事ですね。申し訳ありません』
「謝らないでください。俺の身勝手なんで」
綺麗なお辞儀をして謝罪するライブラに慌てるセロ。
それに関してはどうしようもないわね。
次に巨人達の移動についてだ。
これについては王族に頼らせてもらおうと思う。
「フランシスが国王陛下に泣きついていたらどうするの?」
リンに聞かれたので私の考えを話す。
「私の推測ではフランシスは泣き付きはしないと思うわ。真実を話すか分からないけど、国王陛下がフランシスを見限る可能性があるのだと思う」
だから冒険者達が攻撃をして事態を悪化させない様にしたのだと思う。
「本当に大丈夫かな……?」
「もしも駄目だったら総出で護衛しましょう」
カクカミ達を呼んで集落を避けて移動すれば何とかなるだろう。ウルゼイドまで行ってしまえば安全だ。
まずは国王に話をつけに行く。
万が一、敵対の姿勢を見せたらその場で戦闘になる事もあり得る。共に行くのは颯太とカナエとトコヤミだけだ。
今回も芽依達は留守番になってしまうが理解してくれた。
敵対していた場合セロ達の冒険者生命まで奪う事になってしまう。その時は何か考えなくてはならないわね。
王都に着いて入り口で入場手続きをとる。
冒険者証を見せると衛兵は「しばしお待ちを」と言い伝令を走らせていた。
詰所で待っていると王家の紋章の入った馬車が迎えに来た。
どうやら敵対はしていない様だ。
馬車に乗って城に入り、国王の私室で話をする。
「フランシスから話は聞いた。誠に申し訳ない」
国王は私を見るなり謝罪してきた。
どうやら私の推測は正しかった様だ。
国王はフランシスから真実を聞き激怒した。何という事をしてくれたのだと。
フランシスが本当の事を話すとは思わなかったわ。
「あれは謹慎させているが、ハル殿の望む処罰を与えよう」
実の息子を切り捨てるか。
それだけ私達の事を重要だと判断しているのだろう。
不意に扉が開いて入って来たのはエリオット。
「ハルさん、フランシスには私からよく言って聞かせます。命だけは許してやって下さい」
「エリオット、無礼だぞ」
国王はエリオットを嗜める。
まさかエリオットがそんな事を言ってくるとは思わなかった。
機械だと説明しても分からないだろうから古代の人間が作ったものと説明しておいた。
「彼女は考えて行動が出来るので、誰に作られようとも人として扱う事にしました」
『わかりました。我々巨人族も人間族も、神に創られしものです。彼女もまたそれに等しい者に創られたのでしょう。私には人間にしか見えません』
ザムドはライブラに顔を近づけてそう言った。ガンドもそれに頷いていた。
「ハルさん。ライブラさんは一緒に来るのですか?」
セロに聞かれて少し考える。
彼女はこの世界の事を全く知らない。いきなり連れ歩いて大丈夫だろうかと。
そもそも遺跡の奥で話をいていたのは今の人の言葉ではなく、恐らくだが古代の人間の言語だった。
私は問題なく会話できたがセロと芽依以外の人間とのコミュニケーションが取りにくいだろう。
『言語の再設定中です。会話を聞かせていただければ言語を習得する事ができます』
「あなた、私の考えていた事が分かったの?」
『そうではないかと』
人の感情を察する事も出来るなんて、本当に人間そのものね。
言語については問題ない。しかしその他の教育には時間が掛かるだろう。連れて歩くのはまだ早いと思う。
「それならしばらく森で暮らすといいよ。その間に僕が今の世界の事を教えておくから」
「そうね。颯太に任せるわね」
颯太になら安心して預けられる。
『私の事がお嫌いですか?』
「え?いやいや……違うんだ。このパーティは俺しか男がいないものだからね」
やはりセロとは普通に会話ができる様だ。
『男性の仲間が欲しかったという事ですね。申し訳ありません』
「謝らないでください。俺の身勝手なんで」
綺麗なお辞儀をして謝罪するライブラに慌てるセロ。
それに関してはどうしようもないわね。
次に巨人達の移動についてだ。
これについては王族に頼らせてもらおうと思う。
「フランシスが国王陛下に泣きついていたらどうするの?」
リンに聞かれたので私の考えを話す。
「私の推測ではフランシスは泣き付きはしないと思うわ。真実を話すか分からないけど、国王陛下がフランシスを見限る可能性があるのだと思う」
だから冒険者達が攻撃をして事態を悪化させない様にしたのだと思う。
「本当に大丈夫かな……?」
「もしも駄目だったら総出で護衛しましょう」
カクカミ達を呼んで集落を避けて移動すれば何とかなるだろう。ウルゼイドまで行ってしまえば安全だ。
まずは国王に話をつけに行く。
万が一、敵対の姿勢を見せたらその場で戦闘になる事もあり得る。共に行くのは颯太とカナエとトコヤミだけだ。
今回も芽依達は留守番になってしまうが理解してくれた。
敵対していた場合セロ達の冒険者生命まで奪う事になってしまう。その時は何か考えなくてはならないわね。
王都に着いて入り口で入場手続きをとる。
冒険者証を見せると衛兵は「しばしお待ちを」と言い伝令を走らせていた。
詰所で待っていると王家の紋章の入った馬車が迎えに来た。
どうやら敵対はしていない様だ。
馬車に乗って城に入り、国王の私室で話をする。
「フランシスから話は聞いた。誠に申し訳ない」
国王は私を見るなり謝罪してきた。
どうやら私の推測は正しかった様だ。
国王はフランシスから真実を聞き激怒した。何という事をしてくれたのだと。
フランシスが本当の事を話すとは思わなかったわ。
「あれは謹慎させているが、ハル殿の望む処罰を与えよう」
実の息子を切り捨てるか。
それだけ私達の事を重要だと判断しているのだろう。
不意に扉が開いて入って来たのはエリオット。
「ハルさん、フランシスには私からよく言って聞かせます。命だけは許してやって下さい」
「エリオット、無礼だぞ」
国王はエリオットを嗜める。
まさかエリオットがそんな事を言ってくるとは思わなかった。
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