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勇者
保留
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「あなたは自分が不要だと言われたらどうするの?今の世界に在ってはならないものだと言われたら?」
『私を消去します』
命じれば自分を破壊する様だ。
今すぐに消去するべきだろう。
しかし……ライブラは本当に人間の様だ。
「あなたは完全に機械なのよね?」
『機械の定義が不明ですが、私の体組織は人間のものと変わりません』
「じゃあ何処が機械なの?」
『私が人の手によって作られたものであるという事と、頭の内部でしょうか』
そう言って自身の頭を指さすライブラ。
頭の中にコンピュータが入っているのかしら。
「もし、あなたが解体されてこの時代の人間に調べられたら真似をして作る事はできるのかしら?」
「現在の人類がどの程度の技術力を持っているのかが不明なのでお答えできません」
「そうね……ごめんなさい」
「いえ」
ここでずっと眠っていたライブラが分かるわけがない。
問題は彼女を機械として破壊するのか、人類として保護するのかだ。
体の大半は生身の人間と変わらないと言う。さてどうしたものか……
「僕にはライブラが人にしか見えないよ。それでも母さんが彼女を破壊すると言うならそれが正しいのだと思う」
颯太は自分の意見を言いつつも私の判断を支持してくれる。
「難しい事は分かりません。ハル様の判断が正しいと信じます」
『私もです。でも、ハル様が下した判断を全面的に支持します』
エレとカナエも私の判断で良いと言ってくれる。
ならば……
「ライブラ、あなたは私と来なさい。但しその武器は破壊して復元不可能にしておきます」
『分かりました』
ライブラは再現不可能でもその武器は作れてしまうかもしれない。念の為破壊しておく。
床に剣を置いてもらい私と颯太で光線魔法を暫く照射したら融解して床の一部になった。
「他に装備はないのね?」
『はい。ここにある装備はあれだけです』
他にここに危険なものはないかと確認したが無いと言うので部屋の入り口と遺跡の出入り口を魔法で破壊して塞ぐのみにした。
外に出て村に戻るとカクカミ達が巨人の遺体を埋葬してくれていた。
「みんなありがとう。埋葬までしてくれたのね」
『穴を掘るのは私がいれば直ぐですので』
少し離れた所から地面から顔を少しだけ出したヤトが言っている。
『時間がありましたのでやっておきました』
メトが器用に巨人の遺体を抱え上げて綺麗に埋葬してくれたそうだ。
「この生物は?」
「私の家族よ。みんな、彼女はライブラ。新しい仲間よ」
ライブラの事を何と紹介して良いのか少し躊躇ったが仲間と紹介しておいた。
埋葬も済んだので巨人達と芽依達のいる所へと戻る。カクカミ、メト、ヤトはこの場で送還。トコヤミに運んでもらった。
「ハル様達は私が乗せるからトコヤミ様も帰れば良かったのに」
『お前がハル様を乗せて飛ぶなど1億年早いわ』
などと言い合いながらあっという間に到着した。
「おかえりお母さん!」
「ただいま。全て片付いたわ」
抱きついてくる芽依を受け止めて頭を撫で、セロ達もやって来たので簡単にライブラを紹介する。詳しい事はザムドの所でしよう。
ザムドの所へ行きガルムンドを倒した事と亡くなった巨人達を埋葬した事を伝えた。
『ありがとうございました。仲間達も安らかな眠りにつく事ができましょう』
「それであなた達はこれから村に戻って暮らすの?」
『そうしようと思っております』
「もし良かったら私の森に住まない?」
彼らがここにいる事はルドガイアの者には知られている。ガルムンドを倒した事で新たな者がここを攻めてくる可能性があるから危険なのだ。
『宜しいのですか?』
「ええ。少し遠いけどあなた達ならそんなに掛からないと思うわ」
『ありがとうございます。しかし人間に見つかってしまいます。我々が戦う意思が無くとも彼らは攻撃してくると思いますが』
「大丈夫よ。私に考えがあります」
彼らが安全に森まで行ける様に手伝ってもらいましょう。
『私を消去します』
命じれば自分を破壊する様だ。
今すぐに消去するべきだろう。
しかし……ライブラは本当に人間の様だ。
「あなたは完全に機械なのよね?」
『機械の定義が不明ですが、私の体組織は人間のものと変わりません』
「じゃあ何処が機械なの?」
『私が人の手によって作られたものであるという事と、頭の内部でしょうか』
そう言って自身の頭を指さすライブラ。
頭の中にコンピュータが入っているのかしら。
「もし、あなたが解体されてこの時代の人間に調べられたら真似をして作る事はできるのかしら?」
「現在の人類がどの程度の技術力を持っているのかが不明なのでお答えできません」
「そうね……ごめんなさい」
「いえ」
ここでずっと眠っていたライブラが分かるわけがない。
問題は彼女を機械として破壊するのか、人類として保護するのかだ。
体の大半は生身の人間と変わらないと言う。さてどうしたものか……
「僕にはライブラが人にしか見えないよ。それでも母さんが彼女を破壊すると言うならそれが正しいのだと思う」
颯太は自分の意見を言いつつも私の判断を支持してくれる。
「難しい事は分かりません。ハル様の判断が正しいと信じます」
『私もです。でも、ハル様が下した判断を全面的に支持します』
エレとカナエも私の判断で良いと言ってくれる。
ならば……
「ライブラ、あなたは私と来なさい。但しその武器は破壊して復元不可能にしておきます」
『分かりました』
ライブラは再現不可能でもその武器は作れてしまうかもしれない。念の為破壊しておく。
床に剣を置いてもらい私と颯太で光線魔法を暫く照射したら融解して床の一部になった。
「他に装備はないのね?」
『はい。ここにある装備はあれだけです』
他にここに危険なものはないかと確認したが無いと言うので部屋の入り口と遺跡の出入り口を魔法で破壊して塞ぐのみにした。
外に出て村に戻るとカクカミ達が巨人の遺体を埋葬してくれていた。
「みんなありがとう。埋葬までしてくれたのね」
『穴を掘るのは私がいれば直ぐですので』
少し離れた所から地面から顔を少しだけ出したヤトが言っている。
『時間がありましたのでやっておきました』
メトが器用に巨人の遺体を抱え上げて綺麗に埋葬してくれたそうだ。
「この生物は?」
「私の家族よ。みんな、彼女はライブラ。新しい仲間よ」
ライブラの事を何と紹介して良いのか少し躊躇ったが仲間と紹介しておいた。
埋葬も済んだので巨人達と芽依達のいる所へと戻る。カクカミ、メト、ヤトはこの場で送還。トコヤミに運んでもらった。
「ハル様達は私が乗せるからトコヤミ様も帰れば良かったのに」
『お前がハル様を乗せて飛ぶなど1億年早いわ』
などと言い合いながらあっという間に到着した。
「おかえりお母さん!」
「ただいま。全て片付いたわ」
抱きついてくる芽依を受け止めて頭を撫で、セロ達もやって来たので簡単にライブラを紹介する。詳しい事はザムドの所でしよう。
ザムドの所へ行きガルムンドを倒した事と亡くなった巨人達を埋葬した事を伝えた。
『ありがとうございました。仲間達も安らかな眠りにつく事ができましょう』
「それであなた達はこれから村に戻って暮らすの?」
『そうしようと思っております』
「もし良かったら私の森に住まない?」
彼らがここにいる事はルドガイアの者には知られている。ガルムンドを倒した事で新たな者がここを攻めてくる可能性があるから危険なのだ。
『宜しいのですか?』
「ええ。少し遠いけどあなた達ならそんなに掛からないと思うわ」
『ありがとうございます。しかし人間に見つかってしまいます。我々が戦う意思が無くとも彼らは攻撃してくると思いますが』
「大丈夫よ。私に考えがあります」
彼らが安全に森まで行ける様に手伝ってもらいましょう。
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