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冒険者
人買い
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男達には地面から出した根を身体中に這わせておいて、何かおかしな行動をしたら締め上げられる様にしておいた。
念の為オオトリを呼んで近くの木に忍ばせておく。
明け方と言っていたので芽依には仮眠を取らせる。私は眠る必要も無いので男達を監視して夜明けを待つ。
夜明けが近づいて来たので芽依を起こし、私達二人はすぐに外れる様に偽装したロープを手に巻き付け捕らえられたふりをして男達の仲間が来るのを待つ。
森の奥に灯りが見えて足音が近づいて来る。
「今回はやけに早えじゃねぇか」
現れたのはやけに体格の良い人間の男。大振りの反りのある剣を背負ってランタンを持っていた。
その他には長剣を携えている者が五人、弓を背負っている者が三人、短剣のみが二人。
「元締め……」
「なんだぁ?珍しく味見をしなかったのかよ?」
「まだ子供だったもので」
「何言ってやがる。もっと小さいのでも食ってたじゃねぇか」
笑いながら話す元締めと呼ばれた男。
「私達はどうなるのですか?」
「お前達はなぁ、売り物になるんだよ」
「ほぉ……水色の髪とは珍しい。それに顔も整っていて美しい。高く売れますなぁ」
元締めの後ろから現れた小男が私のそばに来て髪を手にとっている。この男が人買いか。武装している様子はない。
「汚い手で触るな!」
堪らず芽依が声を上げる。
「こっちもなかなか……よく何もしませんでしたねぇ」
伸ばした手に噛みつこうとする芽依。
手を引っ込めてニヤニヤしている小男。
これで全員か。
「元締め……」
「んだよ、いつもより元気が無えじゃねぇか」
「に、逃げてくだせ……うぐっ!」
余計な事を喋りそうだったのでツタを締めつけて黙らせる。
頃合いか。
「芽依!」
「うん!」
私は元締めの足元の土を迫り上げて転倒させる。芽依は小男を蹴飛ばして立ち上がると小剣を抜いて構える。
「ちっ……罠かよ。まあいい、コイツらを始末しろ!生かして捕らえたら好きにしていいぞ」
転がりながら元締めは言う。この男は生け捕りにしたい。土を被せて身動きを取れない様にしておいた。
地面から石の槍を出して男達を攻撃するが、擦りはしたももの避けられてしまった。
昨日の連中より動きがいい。
芽依は二人の男の攻撃を防ぎながら隙を伺っている。まだ余裕の様だ。
私に向かって四人の男が向かってくる。
地面から水を噴出させて牽制する。地面の裂け目から出た水は壁の様に男達を遮る。
「うわっ!なんだ!?」
「ただの水だ!突っ込め!」
吹き出した水は普通の水だが、牽制以外に使い道がある。
吹き出した水を集めて手に纏わせて高圧で噴射する。
水の壁を突き抜けて来た男四人を真横に薙ぎ払うと体が切断されてずれ落ちる。
「ヤベェ……このガキ、相当な魔法使いだぞ」
「詠唱させなければいいだけだ!取り囲め!」
私に注意が向いた。残りの男達も私を取り囲む。
『ハル様!』
オオトリが急降下してきて弓使いの顔面に鋭い爪を突き立てる。
私は集めた水を弾丸の様に圧縮して残る弓使い二人の胸を撃ち抜いた。
「詠唱してないぞ!」
「なんだ今の鳥は!?どうなってる?」
混乱する男達。
「とにかくコイツを止めるぞ!」
短剣使いが斬り込んでくる。が、動きが遅い。攻撃を余裕を持って躱すと背中に触れて《栄養吸収》で生命力を全て抜き取る。残る長剣使いは後ずさっていたので水弾を飛ばして頭を撃ち抜いた。
芽依の方は二人を相手にしていたが、上手く立ち回り一人を斬り伏せた所だ。
最後の一人はオオトリが急降下してきて爪で腕を引き裂いて降伏させた。
ツタを這わせて小男と元締めと剣士を拘束する。
「お前ら何者だ」
「私達はただの冒険者よ」
「新人のね」
私と芽依がそれぞれ答えると元締めは悔しそうに歯を噛み締めていた。
「まあいい……俺達は街に連行されるのか?」
「そうよ」
元締めはニヤリと笑う。
「分かったよ。降参だ。言う事を聞くから手荒な真似はやめてくれ」
私と芽依は捕縛した男達を連れて街へと向かった。
念の為オオトリを呼んで近くの木に忍ばせておく。
明け方と言っていたので芽依には仮眠を取らせる。私は眠る必要も無いので男達を監視して夜明けを待つ。
夜明けが近づいて来たので芽依を起こし、私達二人はすぐに外れる様に偽装したロープを手に巻き付け捕らえられたふりをして男達の仲間が来るのを待つ。
森の奥に灯りが見えて足音が近づいて来る。
「今回はやけに早えじゃねぇか」
現れたのはやけに体格の良い人間の男。大振りの反りのある剣を背負ってランタンを持っていた。
その他には長剣を携えている者が五人、弓を背負っている者が三人、短剣のみが二人。
「元締め……」
「なんだぁ?珍しく味見をしなかったのかよ?」
「まだ子供だったもので」
「何言ってやがる。もっと小さいのでも食ってたじゃねぇか」
笑いながら話す元締めと呼ばれた男。
「私達はどうなるのですか?」
「お前達はなぁ、売り物になるんだよ」
「ほぉ……水色の髪とは珍しい。それに顔も整っていて美しい。高く売れますなぁ」
元締めの後ろから現れた小男が私のそばに来て髪を手にとっている。この男が人買いか。武装している様子はない。
「汚い手で触るな!」
堪らず芽依が声を上げる。
「こっちもなかなか……よく何もしませんでしたねぇ」
伸ばした手に噛みつこうとする芽依。
手を引っ込めてニヤニヤしている小男。
これで全員か。
「元締め……」
「んだよ、いつもより元気が無えじゃねぇか」
「に、逃げてくだせ……うぐっ!」
余計な事を喋りそうだったのでツタを締めつけて黙らせる。
頃合いか。
「芽依!」
「うん!」
私は元締めの足元の土を迫り上げて転倒させる。芽依は小男を蹴飛ばして立ち上がると小剣を抜いて構える。
「ちっ……罠かよ。まあいい、コイツらを始末しろ!生かして捕らえたら好きにしていいぞ」
転がりながら元締めは言う。この男は生け捕りにしたい。土を被せて身動きを取れない様にしておいた。
地面から石の槍を出して男達を攻撃するが、擦りはしたももの避けられてしまった。
昨日の連中より動きがいい。
芽依は二人の男の攻撃を防ぎながら隙を伺っている。まだ余裕の様だ。
私に向かって四人の男が向かってくる。
地面から水を噴出させて牽制する。地面の裂け目から出た水は壁の様に男達を遮る。
「うわっ!なんだ!?」
「ただの水だ!突っ込め!」
吹き出した水は普通の水だが、牽制以外に使い道がある。
吹き出した水を集めて手に纏わせて高圧で噴射する。
水の壁を突き抜けて来た男四人を真横に薙ぎ払うと体が切断されてずれ落ちる。
「ヤベェ……このガキ、相当な魔法使いだぞ」
「詠唱させなければいいだけだ!取り囲め!」
私に注意が向いた。残りの男達も私を取り囲む。
『ハル様!』
オオトリが急降下してきて弓使いの顔面に鋭い爪を突き立てる。
私は集めた水を弾丸の様に圧縮して残る弓使い二人の胸を撃ち抜いた。
「詠唱してないぞ!」
「なんだ今の鳥は!?どうなってる?」
混乱する男達。
「とにかくコイツを止めるぞ!」
短剣使いが斬り込んでくる。が、動きが遅い。攻撃を余裕を持って躱すと背中に触れて《栄養吸収》で生命力を全て抜き取る。残る長剣使いは後ずさっていたので水弾を飛ばして頭を撃ち抜いた。
芽依の方は二人を相手にしていたが、上手く立ち回り一人を斬り伏せた所だ。
最後の一人はオオトリが急降下してきて爪で腕を引き裂いて降伏させた。
ツタを這わせて小男と元締めと剣士を拘束する。
「お前ら何者だ」
「私達はただの冒険者よ」
「新人のね」
私と芽依がそれぞれ答えると元締めは悔しそうに歯を噛み締めていた。
「まあいい……俺達は街に連行されるのか?」
「そうよ」
元締めはニヤリと笑う。
「分かったよ。降参だ。言う事を聞くから手荒な真似はやめてくれ」
私と芽依は捕縛した男達を連れて街へと向かった。
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