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養育
授業
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ルシアーナ先生の案内で教室に入る。
そこには芽依と同じくらいの子が二十人、私達を目を輝かせて見ていた。
皆魔族で、銀髪か黒髪で瞳の赤い子ばかりだ。
「今日から皆さんと一緒にお勉強する事になったハルさんとメイさんです。仲良くしてあげてくださいね」
『はーい!』
元気の良い返事。
こういう所は地球の学校と変わらない様だ。
私達の席は一番後ろに新しく用意されていた。
二人で並びあって着席する。
日本の小学校の様に一人ずつの机だけど、机一つ一つが大きくて立派な作りだ。家にある勉強机の豪華版といった感じ。椅子も布の張ってあり座り心地もかなり良い。
かなり身分の高い家の子供達なのだろうか?
そういえば教科書とか持っていないけどいらないのかしら。
「それでは早速授業を始めて参ります。ハルさんとメイさんは、引き出しの中に教科書が入っていますのでそちらを開いてくださいね」
引き出しを開けたら教科書の他にも羽ペンとインクと紙が数枚入っていた。教科書の表紙には[大陸共通語 初等]と書いてある。
おや……文字が読める……?
確かに日本語ではないし、英語でもない。しかし何となく読めてしまう。
元から読めるようにあの神様が調整してくれたのだろうか?
しかしあの時は文明が完全に破壊されていた。今の文明が興る前にそんな調整が出来るのか?
「おかーさんどうしたの?」
「ううん、何でもないわ、さあ、授業を受けましょう」
悩んでいても仕方ない。読めるなら良い事だし、原理を考察する必要はないだろう。
授業が始まり静かに聞いていると文字の書き取りをやっていく様だ。
良かった。途中入学だから芽依が周りの子について行けるか心配だったけど、これくらいなら直ぐに追いつけそうだ。
そして私の方は……
文字を書こうとすれば普通に書けてしまう。
つまり読み書きは問題なしだ。
これなら家に帰ってからも芽依に教えてあげられる。
一緒に幼児学校に入学するとなった時はどうなるかと思ったが、母の威厳は保てそうだ。
芽依はペンの使い方から覚えなくてはいけないので文字を書く前に随分と時間がかかってしまった。
そこはジョゼットが入ってきて指導してくれた。
因みに私は何となくやってみたら出来てしまった。
この身体は意外と高性能なのかも知れない。
初めこそ苦労していた芽依だったが、直ぐにペンの使い方をマスターして、スラスラと書き取りを始めていた。
綺麗に整った字を書き上げていくのを見て、流石は我が子と頷いてしまうのは親馬鹿の証拠だろう。
この子は物覚えも良いし手先も器用だ。
そして何より人に教えてもらうのが楽しくてしょうがない様だ。
授業は一時間で終了。十分間休憩があって次の授業だ。
次は魔法の練習らしい。
魔族の社会では読み書きよりも先に魔法の制御を教えるらしい。
暴発して怪我をしたりしない様にする為なのだとジョゼットが教えてくれた。
既に他の子供達は魔法の制御練習に入っているので、適正から調べなければならない芽依はみんなとは別で練習だ。
「それではメイさん、今から順番に属性の適性を調べていきますね」
「はい!」
芽依は元気よく返事をする。
私がカナエに教えてもらった方法とは違って両手のひらを合わせたくらいの大きさの透明な球を触って反応を調べる様だ。
「魔族は便利な道具を持っているんですね」
芽依の肩に乗っているカナエが感心していた。
魔力は自動的に放出されて球の輝く色を見て適性を判断するらしい。
さて、芽依は何の適性が高いかな?
芽依が球に触れると、球は虹色に輝き出す。
「これは何に適性があるのかしら?」
「す、凄い……こんな反応初めて見ました……!」
ルシアーナは球の反応を見て驚いていた。
そして、輝きが増していき、球を粉々に砕いて虹色の光が放出された。
カナエが風の魔法で壁を作ってくれて怪我はしなかったけど、今のは何?
「測定球の許容を遥かに超えてしまった様です……」
ルシアーナは呆然としながら呟いた。
そこには芽依と同じくらいの子が二十人、私達を目を輝かせて見ていた。
皆魔族で、銀髪か黒髪で瞳の赤い子ばかりだ。
「今日から皆さんと一緒にお勉強する事になったハルさんとメイさんです。仲良くしてあげてくださいね」
『はーい!』
元気の良い返事。
こういう所は地球の学校と変わらない様だ。
私達の席は一番後ろに新しく用意されていた。
二人で並びあって着席する。
日本の小学校の様に一人ずつの机だけど、机一つ一つが大きくて立派な作りだ。家にある勉強机の豪華版といった感じ。椅子も布の張ってあり座り心地もかなり良い。
かなり身分の高い家の子供達なのだろうか?
そういえば教科書とか持っていないけどいらないのかしら。
「それでは早速授業を始めて参ります。ハルさんとメイさんは、引き出しの中に教科書が入っていますのでそちらを開いてくださいね」
引き出しを開けたら教科書の他にも羽ペンとインクと紙が数枚入っていた。教科書の表紙には[大陸共通語 初等]と書いてある。
おや……文字が読める……?
確かに日本語ではないし、英語でもない。しかし何となく読めてしまう。
元から読めるようにあの神様が調整してくれたのだろうか?
しかしあの時は文明が完全に破壊されていた。今の文明が興る前にそんな調整が出来るのか?
「おかーさんどうしたの?」
「ううん、何でもないわ、さあ、授業を受けましょう」
悩んでいても仕方ない。読めるなら良い事だし、原理を考察する必要はないだろう。
授業が始まり静かに聞いていると文字の書き取りをやっていく様だ。
良かった。途中入学だから芽依が周りの子について行けるか心配だったけど、これくらいなら直ぐに追いつけそうだ。
そして私の方は……
文字を書こうとすれば普通に書けてしまう。
つまり読み書きは問題なしだ。
これなら家に帰ってからも芽依に教えてあげられる。
一緒に幼児学校に入学するとなった時はどうなるかと思ったが、母の威厳は保てそうだ。
芽依はペンの使い方から覚えなくてはいけないので文字を書く前に随分と時間がかかってしまった。
そこはジョゼットが入ってきて指導してくれた。
因みに私は何となくやってみたら出来てしまった。
この身体は意外と高性能なのかも知れない。
初めこそ苦労していた芽依だったが、直ぐにペンの使い方をマスターして、スラスラと書き取りを始めていた。
綺麗に整った字を書き上げていくのを見て、流石は我が子と頷いてしまうのは親馬鹿の証拠だろう。
この子は物覚えも良いし手先も器用だ。
そして何より人に教えてもらうのが楽しくてしょうがない様だ。
授業は一時間で終了。十分間休憩があって次の授業だ。
次は魔法の練習らしい。
魔族の社会では読み書きよりも先に魔法の制御を教えるらしい。
暴発して怪我をしたりしない様にする為なのだとジョゼットが教えてくれた。
既に他の子供達は魔法の制御練習に入っているので、適正から調べなければならない芽依はみんなとは別で練習だ。
「それではメイさん、今から順番に属性の適性を調べていきますね」
「はい!」
芽依は元気よく返事をする。
私がカナエに教えてもらった方法とは違って両手のひらを合わせたくらいの大きさの透明な球を触って反応を調べる様だ。
「魔族は便利な道具を持っているんですね」
芽依の肩に乗っているカナエが感心していた。
魔力は自動的に放出されて球の輝く色を見て適性を判断するらしい。
さて、芽依は何の適性が高いかな?
芽依が球に触れると、球は虹色に輝き出す。
「これは何に適性があるのかしら?」
「す、凄い……こんな反応初めて見ました……!」
ルシアーナは球の反応を見て驚いていた。
そして、輝きが増していき、球を粉々に砕いて虹色の光が放出された。
カナエが風の魔法で壁を作ってくれて怪我はしなかったけど、今のは何?
「測定球の許容を遥かに超えてしまった様です……」
ルシアーナは呆然としながら呟いた。
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