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新しい時代
交流
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「あなたが長なら私の加護を与えましょう」
そう伝えると興奮した様子で後ろ足で立ち上がっていた。
『ありがたき幸せ!』
「そうね……あなたはギョクリュウよ」
白い馬で思い浮かぶのはあまり無くて、思い浮かぶのは芦毛の競走馬ばかりだった。白ならこれが一番しっくりくるわ。
『おお……!力が漲る!!』
「あなたのその力は仲間を守る為に使いなさい」
『ありがとうございます!』
ギョクリュウは大きく嘶くと喜んで走って行った。
私が名前を与えるとみんな同じ様に喜んでくれる。
ギョクリュウは少し喜びすぎかしら、転んで怪我をしなければ良いのだけど。
と、ギョクリュウはすぐに戻って来た。
「どうかしたのかい?」
『あの……』
その姿の変わり様に戸惑っているのだろう。私にもすぐに分かった。
『何だか頭が重いのですが……』
そう言うギョクリュウの頭には一本の角が生えていた。
ケリュネイア達とは違う、真っ直ぐの綺麗に整った長い円錐形の角だった。
「あらまあ大変……痛くはない?」
『はい。何だか重たいだけで特には大丈夫です』
痛くはないのなら良いのだけど、そんな所にツノが生えていたらうっかり何かを刺してしまいそうね。
観察していたら種族名がアンヴァールからユニコーンになっていた。
アンヴァールの長なのに種族が変わってしまったら良くないのではないだろうか?
ギョクリュウにはその事を伝えておく。
『大変光栄な事です。精霊様に名を頂いて、新たな種族になったのですから』
「他の者は受け入れてくれるかしら?」
『もし拒絶される様なら新しい長を立てて群れから離れます』
「もしもそうなってしまったら私の所にいらっしゃい。歓迎するわ」
『ありがとうございます!一度群れに戻ります!』
そう言うと物凄い勢いで走り去って行った。
「彼は自分から群れを去るんじゃないかな?」
ギョクリュウを見送ってから颯太が言う。
「どうして?」
「今の様子だと母さんのそばに居たそうだったから」
「あら……それは困ったわね」
仲間が受け入れてくれるのなら一緒に居てもらいたいのだけど。
「ギョクリュウの意志を尊重してあげましょう」
「母さんは優しいね」
結局、ギョクリュウは群れを出て私達の所に来てしまった。
『今日より全身全霊をもってお仕えさせていただきます!』
「分かったわ。でも、そんなに力まなくていいのよ。家族として一緒に暮らしましょう」
『ありがとうございます!』
そこへ見回りを済ませたカクカミが戻ってくる。
『ただいま戻りました。北側に異常はありません。……何ですかそのおかしなツノの生えた生き物は?』
『私はギョクリュウ。ハル様に名前をいただき、お仕えする事を許された者だ。お前の方こそ何だその変なツノは』
おや?何だか雰囲気が良くないわ。
二頭は真正面から睨み合っている。
『私はカクカミ。このツノはハル様にお名前を頂いた時に賜ったものだ。愚弄する事は許さんぞ!』
「二人とも喧嘩はおよしなさい。これからは家族なのだから仲良くしなくては駄目よ」
『『失礼致しました』』
私の方を向いて頭を下げる二頭。
意味もなく仲が悪い間柄というのは動物間にもあるね。
その後、メト、ヤト、カナエも戻って来たので全員に紹介する。
カクカミの時の様に喧嘩にはならなかったが、メトとヤトに対してはかなり怯えた様子だった。
「ギョクリュウも走るのは得意そうだから南の平原の見回りをお願いするわね」
『承りました』
『ふん、精々頑張る事だ。はしゃぎ過ぎてそのおかしなツノを折らぬ様にな』
『貴様こそ森の中でツタに絡まらぬ様に注意しろよ』
睨み合う二頭。
まあ、喧嘩腰だけど違いの事を気遣って言っている面もあるので何も言わないでおこう。
そしてもう一頭。
それは空からやって来た。
そう伝えると興奮した様子で後ろ足で立ち上がっていた。
『ありがたき幸せ!』
「そうね……あなたはギョクリュウよ」
白い馬で思い浮かぶのはあまり無くて、思い浮かぶのは芦毛の競走馬ばかりだった。白ならこれが一番しっくりくるわ。
『おお……!力が漲る!!』
「あなたのその力は仲間を守る為に使いなさい」
『ありがとうございます!』
ギョクリュウは大きく嘶くと喜んで走って行った。
私が名前を与えるとみんな同じ様に喜んでくれる。
ギョクリュウは少し喜びすぎかしら、転んで怪我をしなければ良いのだけど。
と、ギョクリュウはすぐに戻って来た。
「どうかしたのかい?」
『あの……』
その姿の変わり様に戸惑っているのだろう。私にもすぐに分かった。
『何だか頭が重いのですが……』
そう言うギョクリュウの頭には一本の角が生えていた。
ケリュネイア達とは違う、真っ直ぐの綺麗に整った長い円錐形の角だった。
「あらまあ大変……痛くはない?」
『はい。何だか重たいだけで特には大丈夫です』
痛くはないのなら良いのだけど、そんな所にツノが生えていたらうっかり何かを刺してしまいそうね。
観察していたら種族名がアンヴァールからユニコーンになっていた。
アンヴァールの長なのに種族が変わってしまったら良くないのではないだろうか?
ギョクリュウにはその事を伝えておく。
『大変光栄な事です。精霊様に名を頂いて、新たな種族になったのですから』
「他の者は受け入れてくれるかしら?」
『もし拒絶される様なら新しい長を立てて群れから離れます』
「もしもそうなってしまったら私の所にいらっしゃい。歓迎するわ」
『ありがとうございます!一度群れに戻ります!』
そう言うと物凄い勢いで走り去って行った。
「彼は自分から群れを去るんじゃないかな?」
ギョクリュウを見送ってから颯太が言う。
「どうして?」
「今の様子だと母さんのそばに居たそうだったから」
「あら……それは困ったわね」
仲間が受け入れてくれるのなら一緒に居てもらいたいのだけど。
「ギョクリュウの意志を尊重してあげましょう」
「母さんは優しいね」
結局、ギョクリュウは群れを出て私達の所に来てしまった。
『今日より全身全霊をもってお仕えさせていただきます!』
「分かったわ。でも、そんなに力まなくていいのよ。家族として一緒に暮らしましょう」
『ありがとうございます!』
そこへ見回りを済ませたカクカミが戻ってくる。
『ただいま戻りました。北側に異常はありません。……何ですかそのおかしなツノの生えた生き物は?』
『私はギョクリュウ。ハル様に名前をいただき、お仕えする事を許された者だ。お前の方こそ何だその変なツノは』
おや?何だか雰囲気が良くないわ。
二頭は真正面から睨み合っている。
『私はカクカミ。このツノはハル様にお名前を頂いた時に賜ったものだ。愚弄する事は許さんぞ!』
「二人とも喧嘩はおよしなさい。これからは家族なのだから仲良くしなくては駄目よ」
『『失礼致しました』』
私の方を向いて頭を下げる二頭。
意味もなく仲が悪い間柄というのは動物間にもあるね。
その後、メト、ヤト、カナエも戻って来たので全員に紹介する。
カクカミの時の様に喧嘩にはならなかったが、メトとヤトに対してはかなり怯えた様子だった。
「ギョクリュウも走るのは得意そうだから南の平原の見回りをお願いするわね」
『承りました』
『ふん、精々頑張る事だ。はしゃぎ過ぎてそのおかしなツノを折らぬ様にな』
『貴様こそ森の中でツタに絡まらぬ様に注意しろよ』
睨み合う二頭。
まあ、喧嘩腰だけど違いの事を気遣って言っている面もあるので何も言わないでおこう。
そしてもう一頭。
それは空からやって来た。
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