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才能の無さが、俺は嫌いだ。
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────風が吹く、どこか湿った風。遠くには入道雲が見える、まだ青い空。夕立が来るかもしれない。そう思いながらも、俺とヤジロウは、小さな店の外にいた。
日陰の椅子に二人で座り、ラムネのビー玉を押し込む。額からにじむ汗、勝負は始まろうとしていた。
「ラムネの早飲み大会だ……行くぞ光輝!」
「あぁ、あいにく参加者は二人だけだがな!」
よーい、スタート! ヤジロウの掛け声で、同時にラムネを飲み始める。しかし、これがうまくいかず、一気に飲もうとしても、ビー玉が邪魔をしてうまく飲み込めない。
「がぁーっ! 俺の勝ち!」
「んぐっ……早いな……」
俺が半分飲んだというあたりで、ヤジロウは完璧に飲み干していた。この勝負も、また俺の負けである。
「ラムネ飲んだことねぇの?」
「まぁな、都会では売ってはいるけど、飲まないかな」
「へぇ……こんなにおいしいのに」
「自動販売機があるから、だいたいはそこでコーラを買うんだ。夏にラムネねぇ……」
飲んだことがない訳ではない。だが、こんなにもおいしかったものだろうか。この風が、空が、暑さが、夏が、このラムネをおいしくさせるんだろう。
田舎のこの雰囲気が、なんだか好きになってきた。確かに便利なものなんてない。でもその代わり、都会にない物がたくさんある。それだけで、この場所には価値があるんだ。
「あー、ちなみに。ラムネにはくぼみがあるだろ? そっち側を下にして飲むと、ビー玉が戻ってこない。だから飲みやすいんだ。これくらい知っとけよー、高校生だろー?」
「はいはい、高校生の癖に無知ですいませんね」
事あるごとにバカにしてくるようで嫌いだが、こういった知識において、俺が無知なのは確かだ。彼のほうが、何倍も知っている。俺は彼には勉強では負けないだろう。しかしそれ以外の……人生経験において、きっと俺は負けている。
────俺はこの3日間、自分の無力さを痛感するために、彼と一緒にいるのか?
「おや、さっきラムネを買ってくれたお客さんじゃないか。見ない顔だね」
店の奥から、店員さんが声をかけながらやってくる。お盆に載せていたのは、豆大福一つだけ。
「はい、これサービスだよ。食べな」
「あっ……ありがとうございます」
俺たちが座る椅子に、店員さんはその豆大福を置くと、店内に帰っていった。変な店員さんだ、俺たち二人にくれてもいいじゃないか。これじゃあ、取り合いだ。
……と、思ったが。やはり取り合いはやめよう。だって、目の前のヤジロウが、目を輝かせ、じっと豆大福を見つめているんだもの。これは、譲ってあげるしかない。
「……ヤジロウ、食べるか?」
「えっ……いいのか!?」
「好きそうな顔してるもん、食えよ」
「うわぁ! やったぁ!」
ヤジロウは満面の笑みで「いただきまーす」というと、それはそれは幸せそうな顔をして、豆大福をほおばっていた。よっぽど好きなんだろうな。
「久しぶりに食ったなぁ……おいしいなぁ……」
「はは、そんなに好きならいっつも食えばいいのに」
「ヒーローはいっつも豆大福食ってるわけにはいかねぇのよ」
なんだそれ、変な理由で食べないんだな。俺は思わず、噴き出して笑ってしまった。
「何がおかしいんだよー!」
「いいや、ヒーローも子供っぽいところ、あるんだなぁって」
「そりゃあな、俺は永遠の子供、永遠のヒーローだぜ? 何事も子供の心を持つこと、それが人生楽しくなるコツだ」
なるほどな……それで、永遠の子供か。人はいつだって、子供になれるんだな。でもそれを実行に移すのは難しいだろう。社会に囚われてしまったら、そんなに自由にはできないだろう。
だからこそ……そんな自由な心を持った彼にこそ、平和で幸せな世界があってほしい。無邪気な子供が、その心を持ったまま大人になれる世界が、あってほしいと思う。
「……才能のない俺でもなれるかな、永遠の子供」
「……なれるぜ、そもそもお前は、才能に気づいてないんだよ」
「え?」
その答えを聞きたかった。だが、ちょうどその時、雷の音が鳴った。俺の言葉は遮られ、出かかっていたものが引っ込んでいく。
「あー、降っちまうよなぁ。そうだよな、夕立も来るとも」
ヤジロウがそう言うと、大粒の雨が一つ、また一つと落ちてきて、次第に大雨になっていった。雷の音は大きく鳴り響き、俺は思わず耳をふさぐ。
「うわぁ!」
「びっくりするよなぁ、雷って怖いよな!」
そういうと、ヤジロウは俺にマントをかぶせた。その大きなマントの中に、俺とヤジロウは包まっている。
「まさか……この大雨の中を走り抜けるんじゃないだろうな?」
「当たり前だろ、雨に濡れるほど楽しいことはねぇよ……行くぞ、走れぇー!」
「えぇ、ちょ、待てよ!」
どこに行くかなんてわからない。こんな雨の中、傘もささずに走るなんてどうかしてる。都会だったらこんな事せずに、コンビニで傘を買っているだろう。でも……こうやって雨の中を誰かと走るのも悪くない。
「ぎゃーっ、結構きついな、雨。止むかなぁ?」
「ヤジロウ、そんなこと言ってる場合じゃねぇ、屋根の下まで走るぞ!」
「いいや、今度は坂を上っていく。見せたい景色があるからな!」
「ったく……しょうがねぇな!」
ヤジロウは笑っていた。俺もなんだか、バカバカしくなってきて、自然と笑顔になっていただろう。雨の中、ヤジロウと一緒に走り続ける。坂を上ったあたりで、次第と雨は止んできて、オレンジ色の日が射し始めていた。
「もうすぐ止みそうだ、頑張るぞ、光輝!」
「わかってるよ、やってやる!」
そして、坂道を駆け上がって、少し広い更地に出た。そこは、山ほどじゃないが、この町を見渡すことのできる高さがあった。
────雨が上がる、日が差し込む……そこに現れたのは、きれいなアーチ状の虹だった。
「あ……綺麗……」
「夏の夕立の後、ここの広場からは高確率で虹が見えるんだ。お前に、この景色を見せたかった」
こんなきれいに虹を見たことなんてなかった。虹はこんなにも大きく、こんなにも綺麗にかかるものなんだ。虹の下に広がる町は、俺がまだ知らない、でもこれから俺の町……
「虹の下の、町か……」
「あぁ、これからお前は、夕立のたびに虹の下にいるんだぜ? もちろん、虹は見上げることができないけど……夢の国みたいでいい気分だろ?」
「……そうだな、本当に夢みたいだ」
この絶景は、この町に住む俺の特権。都会の誰にもない、俺だけの物。いいや、俺と、この町の人……そしてヤジロウのもの。
きっと俺の目を通して、美奈子もこの景色を見ている。そうだ俺は……新しい世界をまた一つ知ったんだ。
「さぁて、景色も見たことだし……そろそろ夕暮れだ」
「また昨日みたいに、いつの間にか帰るのか?」
「あぁ、なんたって俺は、神出鬼没だからな!」
そう言って、ヤジロウは走り出す。このまま走っていったら、もう今日は会えないだろう。だからこそ、遠くなっていくヤジロウに、俺は大声で叫ぶ。
「じゃあなー! ヤジロウ、また明日ー!」
そして、できる限り大きく手を振った。ヤジロウも声に気づいたのか、振り返って、大きく手を振る。
「じゃーなー! また明日だー!」
小学生と、小学生みたいなやり取りをする。それが何だか、とても楽しかった。もうヤジロウは見えなくなってしまったが、きっとまた明日も会える。そう思えば、別れだって寂しくなかった。
────そうだ、それが明日も、明後日も……ずっと永遠に続けばいいんだ。そう思っていたその時だ────
……下から、何かに突き上げられたかのような衝撃が走る。地面が、大きく揺れ、立っていられなくなる。すぐに分かった。これは大きな……地震だと────
日陰の椅子に二人で座り、ラムネのビー玉を押し込む。額からにじむ汗、勝負は始まろうとしていた。
「ラムネの早飲み大会だ……行くぞ光輝!」
「あぁ、あいにく参加者は二人だけだがな!」
よーい、スタート! ヤジロウの掛け声で、同時にラムネを飲み始める。しかし、これがうまくいかず、一気に飲もうとしても、ビー玉が邪魔をしてうまく飲み込めない。
「がぁーっ! 俺の勝ち!」
「んぐっ……早いな……」
俺が半分飲んだというあたりで、ヤジロウは完璧に飲み干していた。この勝負も、また俺の負けである。
「ラムネ飲んだことねぇの?」
「まぁな、都会では売ってはいるけど、飲まないかな」
「へぇ……こんなにおいしいのに」
「自動販売機があるから、だいたいはそこでコーラを買うんだ。夏にラムネねぇ……」
飲んだことがない訳ではない。だが、こんなにもおいしかったものだろうか。この風が、空が、暑さが、夏が、このラムネをおいしくさせるんだろう。
田舎のこの雰囲気が、なんだか好きになってきた。確かに便利なものなんてない。でもその代わり、都会にない物がたくさんある。それだけで、この場所には価値があるんだ。
「あー、ちなみに。ラムネにはくぼみがあるだろ? そっち側を下にして飲むと、ビー玉が戻ってこない。だから飲みやすいんだ。これくらい知っとけよー、高校生だろー?」
「はいはい、高校生の癖に無知ですいませんね」
事あるごとにバカにしてくるようで嫌いだが、こういった知識において、俺が無知なのは確かだ。彼のほうが、何倍も知っている。俺は彼には勉強では負けないだろう。しかしそれ以外の……人生経験において、きっと俺は負けている。
────俺はこの3日間、自分の無力さを痛感するために、彼と一緒にいるのか?
「おや、さっきラムネを買ってくれたお客さんじゃないか。見ない顔だね」
店の奥から、店員さんが声をかけながらやってくる。お盆に載せていたのは、豆大福一つだけ。
「はい、これサービスだよ。食べな」
「あっ……ありがとうございます」
俺たちが座る椅子に、店員さんはその豆大福を置くと、店内に帰っていった。変な店員さんだ、俺たち二人にくれてもいいじゃないか。これじゃあ、取り合いだ。
……と、思ったが。やはり取り合いはやめよう。だって、目の前のヤジロウが、目を輝かせ、じっと豆大福を見つめているんだもの。これは、譲ってあげるしかない。
「……ヤジロウ、食べるか?」
「えっ……いいのか!?」
「好きそうな顔してるもん、食えよ」
「うわぁ! やったぁ!」
ヤジロウは満面の笑みで「いただきまーす」というと、それはそれは幸せそうな顔をして、豆大福をほおばっていた。よっぽど好きなんだろうな。
「久しぶりに食ったなぁ……おいしいなぁ……」
「はは、そんなに好きならいっつも食えばいいのに」
「ヒーローはいっつも豆大福食ってるわけにはいかねぇのよ」
なんだそれ、変な理由で食べないんだな。俺は思わず、噴き出して笑ってしまった。
「何がおかしいんだよー!」
「いいや、ヒーローも子供っぽいところ、あるんだなぁって」
「そりゃあな、俺は永遠の子供、永遠のヒーローだぜ? 何事も子供の心を持つこと、それが人生楽しくなるコツだ」
なるほどな……それで、永遠の子供か。人はいつだって、子供になれるんだな。でもそれを実行に移すのは難しいだろう。社会に囚われてしまったら、そんなに自由にはできないだろう。
だからこそ……そんな自由な心を持った彼にこそ、平和で幸せな世界があってほしい。無邪気な子供が、その心を持ったまま大人になれる世界が、あってほしいと思う。
「……才能のない俺でもなれるかな、永遠の子供」
「……なれるぜ、そもそもお前は、才能に気づいてないんだよ」
「え?」
その答えを聞きたかった。だが、ちょうどその時、雷の音が鳴った。俺の言葉は遮られ、出かかっていたものが引っ込んでいく。
「あー、降っちまうよなぁ。そうだよな、夕立も来るとも」
ヤジロウがそう言うと、大粒の雨が一つ、また一つと落ちてきて、次第に大雨になっていった。雷の音は大きく鳴り響き、俺は思わず耳をふさぐ。
「うわぁ!」
「びっくりするよなぁ、雷って怖いよな!」
そういうと、ヤジロウは俺にマントをかぶせた。その大きなマントの中に、俺とヤジロウは包まっている。
「まさか……この大雨の中を走り抜けるんじゃないだろうな?」
「当たり前だろ、雨に濡れるほど楽しいことはねぇよ……行くぞ、走れぇー!」
「えぇ、ちょ、待てよ!」
どこに行くかなんてわからない。こんな雨の中、傘もささずに走るなんてどうかしてる。都会だったらこんな事せずに、コンビニで傘を買っているだろう。でも……こうやって雨の中を誰かと走るのも悪くない。
「ぎゃーっ、結構きついな、雨。止むかなぁ?」
「ヤジロウ、そんなこと言ってる場合じゃねぇ、屋根の下まで走るぞ!」
「いいや、今度は坂を上っていく。見せたい景色があるからな!」
「ったく……しょうがねぇな!」
ヤジロウは笑っていた。俺もなんだか、バカバカしくなってきて、自然と笑顔になっていただろう。雨の中、ヤジロウと一緒に走り続ける。坂を上ったあたりで、次第と雨は止んできて、オレンジ色の日が射し始めていた。
「もうすぐ止みそうだ、頑張るぞ、光輝!」
「わかってるよ、やってやる!」
そして、坂道を駆け上がって、少し広い更地に出た。そこは、山ほどじゃないが、この町を見渡すことのできる高さがあった。
────雨が上がる、日が差し込む……そこに現れたのは、きれいなアーチ状の虹だった。
「あ……綺麗……」
「夏の夕立の後、ここの広場からは高確率で虹が見えるんだ。お前に、この景色を見せたかった」
こんなきれいに虹を見たことなんてなかった。虹はこんなにも大きく、こんなにも綺麗にかかるものなんだ。虹の下に広がる町は、俺がまだ知らない、でもこれから俺の町……
「虹の下の、町か……」
「あぁ、これからお前は、夕立のたびに虹の下にいるんだぜ? もちろん、虹は見上げることができないけど……夢の国みたいでいい気分だろ?」
「……そうだな、本当に夢みたいだ」
この絶景は、この町に住む俺の特権。都会の誰にもない、俺だけの物。いいや、俺と、この町の人……そしてヤジロウのもの。
きっと俺の目を通して、美奈子もこの景色を見ている。そうだ俺は……新しい世界をまた一つ知ったんだ。
「さぁて、景色も見たことだし……そろそろ夕暮れだ」
「また昨日みたいに、いつの間にか帰るのか?」
「あぁ、なんたって俺は、神出鬼没だからな!」
そう言って、ヤジロウは走り出す。このまま走っていったら、もう今日は会えないだろう。だからこそ、遠くなっていくヤジロウに、俺は大声で叫ぶ。
「じゃあなー! ヤジロウ、また明日ー!」
そして、できる限り大きく手を振った。ヤジロウも声に気づいたのか、振り返って、大きく手を振る。
「じゃーなー! また明日だー!」
小学生と、小学生みたいなやり取りをする。それが何だか、とても楽しかった。もうヤジロウは見えなくなってしまったが、きっとまた明日も会える。そう思えば、別れだって寂しくなかった。
────そうだ、それが明日も、明後日も……ずっと永遠に続けばいいんだ。そう思っていたその時だ────
……下から、何かに突き上げられたかのような衝撃が走る。地面が、大きく揺れ、立っていられなくなる。すぐに分かった。これは大きな……地震だと────
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