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第二章~5億の男は大変です~
後悔と別人2
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「確かに、その質問にはイエスだね。俺は、もう苗字が変わってる。名前だって、ビジネスネームで変えている。今の名前は、影山明だ。でも、矢崎で構わないよ」
「……23で結婚したのかよ。それで苗字が?」
「あぁ、今は社長をやっている」
平然とした嘘。しかし、今だけはそれすら本当にしよう。聞いた出羽は、動揺が隠せない。だって、昔、あれほど貧乏とバカにした人間が、今や自分よりはるかに上の立場なのだから。
「もう、ビンボーじゃないのか……矢崎……」
「ポケットマネーは5億かな。それくらいだよ」
「そう……か……」
出羽は、気に食わない、といった顔はしていなかった。むしろ、どこか喜んでいるように、表情はやわらかい。
「よかったな、矢崎。もうビンボーじゃなくて」
「……え?」
「素直に祝福するよ。金持ちと結婚して、幸せつかんだシンデレラボーイをな」
俺は、突然のことに心がギクシャクする。別人としてふるまっていたのに、急に今の俺に戻される。その自分自身の錯誤に戸惑いながらも、何とか耳だけは、出羽の話を聞く。
「……今更だけど、俺はもう一度矢崎に出会ったら、謝ろうと思ってた」
「どうして、俺なんかに謝ろうと?」
「中学校の頃、散々バカにしただろ? 親父さんが死んでたり、妹の足が悪かったり、噂が流れてきたのを信じて、それを周りに言いふらして、お前を孤立させて、いじめてきた」
それも、大体は本当なんだが、根も葉もないことを言われたことだってある。お金と物の強奪については、よく俺のせいにされたなぁ……
「でも、高校生になってきて、俺んちは生活が苦しくなってきた。さすがにバイクの修理とか、自転車の修理だけじゃ、家計はやっていけなくて、どんどん俺んちはビンボーになってきた。昔からここを使ってくれるお客さんもいたが……影山モータースに完全に取られたと思ったね」
大きくため息をつくと、出羽はさらに続けた。
「昨日、ここに来るって約束してた、常連客がいるんだが、ポイントもたまるし、安いしっていう理由で、影山モータースに行ってしまったよ。もう俺んちは終わったと思ったね。お前の勝ちだよ、矢崎」
「そんな……俺は出羽を、ここまで追い詰めるつもりなんてなかった」
だが、出羽は何も言わなくていいと、首を横に振る。
「わかったんだ。中学校を卒業してから、どんどんビンボーになって、高校もバイトしなきゃやっていけなくなって、人がどんどん離れていく。あれから8年、答えはようやく出た」
その顔には汗がにじみ、顔色は悪く、どこか苦しそうだった。それでも出羽は、必死に言葉を紡ぐ。
「俺は……中学校の頃のお前みたいになるって、きっとどこかで気づいてたんだ。同族嫌悪でいじめてた……まだ俺は、こうはならないはずだって、自分に言い聞かせて……今ならわかる、お前の気持ちが……」
そういって、出羽は倒れこんだ。俺は何とか倒れる出羽を抱き寄せて、家に引き上げる。出羽の容体はあまりよくなかった。靴を脱いで、何とか部屋に上がり、出羽を寝かせる。中学校の頃、俺が連絡帳を届けに来た時、本当はこんな様子だったんじゃないだろうか。
「……すまねぇな、矢崎。数週間前から、毒でも盛られたみたいに体調が悪いんだ。その前から不幸は相次いでてな……高校生の頃には、両親が死んで、卒業して働き始めたころに、お前を一緒にいじめてたやつらがどんどん事故死して死んでいった」
「そんな……ことが……?」
「あぁ、ぶっちゃけ、お前をいじめてた同級生の、半数は死んでいるか、入院してるぜ。みんな何かしら不幸にあってるはずだ。家族が死ぬとかな。もはや、罰当たりとしか思えねぇ。お前をいじめた罰ってのを、俺たちは今、受けてるんだ」
「罰なんて……俺はそんなこと望んでない!」
そんなこと、ありえない。俺をいじめていた、それに少しでも加担していた人が、みんな不幸にあっている? おかしい、そんなこと、現実にあるはずがない。あったとしても、俺はそんなことを望んだことなんて、微塵もない!
「俺は……最初から誰も恨んでない! いじめられるのは当然だと思ってたんだ。罰なんてない、俺のせいで誰かが不幸になるなんて……もう嫌だ、父さんだけで十分だ!」
「あぁ……そういやぁ、言ったなぁ。俺、お前に近づいたら不幸になるぞって、根も葉もない噂をまき散らした。いいじゃねぇか、言い出しっぺが食らったんだからよ」
「嘘だ……嘘だ……!」
俺が、誰かを不幸にしている。俺に関係した人が、不幸になっていく。死んでいく。倒れていく。
────俺は、本当は疫病神か何かなのか? だとしたら、俺はいったい、どれだけの人を苦しめた? どれだけの人を、俺は殺したんだ!?
混乱する俺に、出羽は弱弱しく手を伸ばす。そして畳に手を突き、涙を流す俺の手にそっと重ねた。
「泣くんじゃねぇよ。あぁ、泣くのは昔から変わんねぇんだな。やっぱり矢崎だ。お前のせいなんかじゃない。単なる偶然だ。お前は誰も殺してなんかいねぇんだよ。だからお前に謝らなきゃいけねぇ。こんな嘘を現実にしちまったことを。どこか似たところを感じて、お前をいじめたことも────」
ごめんな────弱弱しく、涙を流しながらつぶやく。その涙は、その言葉は、その体は、嘘をついていなかった。本当に苦しんだんだ。俺の中学生の時の、倍以上、きっと出羽は苦しんだ。
最初から恨んでいなかった相手だ。もともとここに来たのも、ただ社長になって、昔と違うことを伝えたかっただけなんだ。苦しませるためじゃなかった。懺悔させるためじゃなかった。見下すためじゃなかったんだ。だからこそ、心から願う。
────出羽に、俺と同じ苦しみを、味わわてなるものか。
「俺が出羽を絶対に救う。出羽、病院に行こう」
「金なんかねぇよ。病院に行く金なんか……」
「治療費は全面、俺が出す。だから気にするな」
俺はすぐさま、ポケットから明のスマホを出して、救急車を呼ぶ。容体を的確に伝え、住所はわからずとも、店名を伝える。すぐに来るはずだ、こんな容態の悪い出羽だって、助かる────!
「俺はお前を散々いじめたんだぞ……どうしてそんなやつを助けられるんだよ」
「……決まっている。同じ苦しみを、ほかの人に味わってほしくはないんだ。幸せはみんなで、苦しみは一人で背負うのが俺だ!」
そこには別人じゃない、俺がいた。さっきまでいた、矢崎進の名前を借りた何かはもういない。今は俺だ、俺が俺自身なんだ。
「……バカじゃねぇの、お前、本当にいじめられた人間かよ……」
「あぁ、だからこそ、気持ちがわかるんだ。だからこそ、助けたいって思うんだ」
出羽は力なく笑う。そして、満足したように言葉をつぶやく。
「きっと、今のお前を見たら、みんな思うだろうな。いじめたのがお前でよかった、俺たちは救われるって。いじめた人間なのに、救われるなんて……バカみてぇなことを想像するんだろうよ。それでもいい、お前がいいやつで、本当に良かった。それと同時に、後悔したよ。最初から、普通に友達でいればよかったじゃないか……」
そういって、悔やむように涙を流した。その顔は、何で苦しいのか、わからない。
「今からでも遅くない。さっき、同級生たちと写真を撮ったり、仲良くしたんだよ。だから、お前とだってきっと仲良くできる……元気になったら、ぜひとも影山モータースで正式採用させてほしい。俺は、出羽みたいな人材が欲しい」
そう、出羽みたいな、自分の間違いに気づき、それを反省できるような人間が欲しい。そんな人を、俺は部下に欲しい。俺にはお前が必要だ、俺はお前を助けたいんだ。だから────!
「だから死ぬんじゃない。もう一度、人生をやり直すんだ、出羽!」
そこへ、ちょうど救急車が来た。あとは救急隊員に引き継ごう。ここから先は、出羽の勝負だ。俺はここから、手を伸ばすことができない……元気でいてほしい、そう願いながら、救急車を見送った。
「進様! どうしましたか?」
そこへ、冬馬さんがやってくる。安心感で、俺は足元がふらついた。それでも前へ進み、冬馬さんへ思わず寄りかかる。無性に、誰かに支えてほしかったんだ。こんな不安定な俺を、こんな、バカみたいな俺を、正しいと言ってくれる人が欲しかった。それもまた普通だと言ってくれる人が欲しかった。
「進……様……」
「冬馬さん……いじめてきた人間に同情して、救うのは悪いことですかね」
「……いいえ、決して。それは正しいことですよ。自分にとっての悪を許せる人間なんて、そういないですから」
「そう……か……出羽が、死んだらどうしよう……」
不安にもみくちゃにされている俺に、冬馬さんの肩に了解もなく顔を埋めていることを、考える余裕なんてなかった。
「休みましょう、進様。それからでいいので、今日の報告を、明様にしましょう。待っていますよ、明様が」
────帰る場所がある。頼るものがある。支えがある。それがどれだけ幸せか、今日、身に染みてわかった。これは、つい最近まで、俺が持たなかったもの。つい最近まで、誰かが持っていたもの。
……みんなが幸せになるなんて、きっと無理な話なんだ。誰かが幸せになるのなら、誰かが不幸になるようにできている。俺は誰かの幸せの残骸の上に立っているのだろう。
だからこそ思う、俺の欲望は叶わないと────
「……23で結婚したのかよ。それで苗字が?」
「あぁ、今は社長をやっている」
平然とした嘘。しかし、今だけはそれすら本当にしよう。聞いた出羽は、動揺が隠せない。だって、昔、あれほど貧乏とバカにした人間が、今や自分よりはるかに上の立場なのだから。
「もう、ビンボーじゃないのか……矢崎……」
「ポケットマネーは5億かな。それくらいだよ」
「そう……か……」
出羽は、気に食わない、といった顔はしていなかった。むしろ、どこか喜んでいるように、表情はやわらかい。
「よかったな、矢崎。もうビンボーじゃなくて」
「……え?」
「素直に祝福するよ。金持ちと結婚して、幸せつかんだシンデレラボーイをな」
俺は、突然のことに心がギクシャクする。別人としてふるまっていたのに、急に今の俺に戻される。その自分自身の錯誤に戸惑いながらも、何とか耳だけは、出羽の話を聞く。
「……今更だけど、俺はもう一度矢崎に出会ったら、謝ろうと思ってた」
「どうして、俺なんかに謝ろうと?」
「中学校の頃、散々バカにしただろ? 親父さんが死んでたり、妹の足が悪かったり、噂が流れてきたのを信じて、それを周りに言いふらして、お前を孤立させて、いじめてきた」
それも、大体は本当なんだが、根も葉もないことを言われたことだってある。お金と物の強奪については、よく俺のせいにされたなぁ……
「でも、高校生になってきて、俺んちは生活が苦しくなってきた。さすがにバイクの修理とか、自転車の修理だけじゃ、家計はやっていけなくて、どんどん俺んちはビンボーになってきた。昔からここを使ってくれるお客さんもいたが……影山モータースに完全に取られたと思ったね」
大きくため息をつくと、出羽はさらに続けた。
「昨日、ここに来るって約束してた、常連客がいるんだが、ポイントもたまるし、安いしっていう理由で、影山モータースに行ってしまったよ。もう俺んちは終わったと思ったね。お前の勝ちだよ、矢崎」
「そんな……俺は出羽を、ここまで追い詰めるつもりなんてなかった」
だが、出羽は何も言わなくていいと、首を横に振る。
「わかったんだ。中学校を卒業してから、どんどんビンボーになって、高校もバイトしなきゃやっていけなくなって、人がどんどん離れていく。あれから8年、答えはようやく出た」
その顔には汗がにじみ、顔色は悪く、どこか苦しそうだった。それでも出羽は、必死に言葉を紡ぐ。
「俺は……中学校の頃のお前みたいになるって、きっとどこかで気づいてたんだ。同族嫌悪でいじめてた……まだ俺は、こうはならないはずだって、自分に言い聞かせて……今ならわかる、お前の気持ちが……」
そういって、出羽は倒れこんだ。俺は何とか倒れる出羽を抱き寄せて、家に引き上げる。出羽の容体はあまりよくなかった。靴を脱いで、何とか部屋に上がり、出羽を寝かせる。中学校の頃、俺が連絡帳を届けに来た時、本当はこんな様子だったんじゃないだろうか。
「……すまねぇな、矢崎。数週間前から、毒でも盛られたみたいに体調が悪いんだ。その前から不幸は相次いでてな……高校生の頃には、両親が死んで、卒業して働き始めたころに、お前を一緒にいじめてたやつらがどんどん事故死して死んでいった」
「そんな……ことが……?」
「あぁ、ぶっちゃけ、お前をいじめてた同級生の、半数は死んでいるか、入院してるぜ。みんな何かしら不幸にあってるはずだ。家族が死ぬとかな。もはや、罰当たりとしか思えねぇ。お前をいじめた罰ってのを、俺たちは今、受けてるんだ」
「罰なんて……俺はそんなこと望んでない!」
そんなこと、ありえない。俺をいじめていた、それに少しでも加担していた人が、みんな不幸にあっている? おかしい、そんなこと、現実にあるはずがない。あったとしても、俺はそんなことを望んだことなんて、微塵もない!
「俺は……最初から誰も恨んでない! いじめられるのは当然だと思ってたんだ。罰なんてない、俺のせいで誰かが不幸になるなんて……もう嫌だ、父さんだけで十分だ!」
「あぁ……そういやぁ、言ったなぁ。俺、お前に近づいたら不幸になるぞって、根も葉もない噂をまき散らした。いいじゃねぇか、言い出しっぺが食らったんだからよ」
「嘘だ……嘘だ……!」
俺が、誰かを不幸にしている。俺に関係した人が、不幸になっていく。死んでいく。倒れていく。
────俺は、本当は疫病神か何かなのか? だとしたら、俺はいったい、どれだけの人を苦しめた? どれだけの人を、俺は殺したんだ!?
混乱する俺に、出羽は弱弱しく手を伸ばす。そして畳に手を突き、涙を流す俺の手にそっと重ねた。
「泣くんじゃねぇよ。あぁ、泣くのは昔から変わんねぇんだな。やっぱり矢崎だ。お前のせいなんかじゃない。単なる偶然だ。お前は誰も殺してなんかいねぇんだよ。だからお前に謝らなきゃいけねぇ。こんな嘘を現実にしちまったことを。どこか似たところを感じて、お前をいじめたことも────」
ごめんな────弱弱しく、涙を流しながらつぶやく。その涙は、その言葉は、その体は、嘘をついていなかった。本当に苦しんだんだ。俺の中学生の時の、倍以上、きっと出羽は苦しんだ。
最初から恨んでいなかった相手だ。もともとここに来たのも、ただ社長になって、昔と違うことを伝えたかっただけなんだ。苦しませるためじゃなかった。懺悔させるためじゃなかった。見下すためじゃなかったんだ。だからこそ、心から願う。
────出羽に、俺と同じ苦しみを、味わわてなるものか。
「俺が出羽を絶対に救う。出羽、病院に行こう」
「金なんかねぇよ。病院に行く金なんか……」
「治療費は全面、俺が出す。だから気にするな」
俺はすぐさま、ポケットから明のスマホを出して、救急車を呼ぶ。容体を的確に伝え、住所はわからずとも、店名を伝える。すぐに来るはずだ、こんな容態の悪い出羽だって、助かる────!
「俺はお前を散々いじめたんだぞ……どうしてそんなやつを助けられるんだよ」
「……決まっている。同じ苦しみを、ほかの人に味わってほしくはないんだ。幸せはみんなで、苦しみは一人で背負うのが俺だ!」
そこには別人じゃない、俺がいた。さっきまでいた、矢崎進の名前を借りた何かはもういない。今は俺だ、俺が俺自身なんだ。
「……バカじゃねぇの、お前、本当にいじめられた人間かよ……」
「あぁ、だからこそ、気持ちがわかるんだ。だからこそ、助けたいって思うんだ」
出羽は力なく笑う。そして、満足したように言葉をつぶやく。
「きっと、今のお前を見たら、みんな思うだろうな。いじめたのがお前でよかった、俺たちは救われるって。いじめた人間なのに、救われるなんて……バカみてぇなことを想像するんだろうよ。それでもいい、お前がいいやつで、本当に良かった。それと同時に、後悔したよ。最初から、普通に友達でいればよかったじゃないか……」
そういって、悔やむように涙を流した。その顔は、何で苦しいのか、わからない。
「今からでも遅くない。さっき、同級生たちと写真を撮ったり、仲良くしたんだよ。だから、お前とだってきっと仲良くできる……元気になったら、ぜひとも影山モータースで正式採用させてほしい。俺は、出羽みたいな人材が欲しい」
そう、出羽みたいな、自分の間違いに気づき、それを反省できるような人間が欲しい。そんな人を、俺は部下に欲しい。俺にはお前が必要だ、俺はお前を助けたいんだ。だから────!
「だから死ぬんじゃない。もう一度、人生をやり直すんだ、出羽!」
そこへ、ちょうど救急車が来た。あとは救急隊員に引き継ごう。ここから先は、出羽の勝負だ。俺はここから、手を伸ばすことができない……元気でいてほしい、そう願いながら、救急車を見送った。
「進様! どうしましたか?」
そこへ、冬馬さんがやってくる。安心感で、俺は足元がふらついた。それでも前へ進み、冬馬さんへ思わず寄りかかる。無性に、誰かに支えてほしかったんだ。こんな不安定な俺を、こんな、バカみたいな俺を、正しいと言ってくれる人が欲しかった。それもまた普通だと言ってくれる人が欲しかった。
「進……様……」
「冬馬さん……いじめてきた人間に同情して、救うのは悪いことですかね」
「……いいえ、決して。それは正しいことですよ。自分にとっての悪を許せる人間なんて、そういないですから」
「そう……か……出羽が、死んだらどうしよう……」
不安にもみくちゃにされている俺に、冬馬さんの肩に了解もなく顔を埋めていることを、考える余裕なんてなかった。
「休みましょう、進様。それからでいいので、今日の報告を、明様にしましょう。待っていますよ、明様が」
────帰る場所がある。頼るものがある。支えがある。それがどれだけ幸せか、今日、身に染みてわかった。これは、つい最近まで、俺が持たなかったもの。つい最近まで、誰かが持っていたもの。
……みんなが幸せになるなんて、きっと無理な話なんだ。誰かが幸せになるのなら、誰かが不幸になるようにできている。俺は誰かの幸せの残骸の上に立っているのだろう。
だからこそ思う、俺の欲望は叶わないと────
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