19 / 38
第二章~5億の男は大変です~
バイクと過去のトラウマ
しおりを挟む
────前略、3か月前の俺へ。お元気ですか? 今頃、ボロボロのスクーターで走っていますか?
……俺は元気です。元気に今日も────
「社長、本日のご予定は……」
「冬馬さん、把握済みです。9時から会議、11時から木間きま市に新しく作られた、ショッピングモールの視察、1時30分から30分の休憩の後、2時30より火野市の工場を視察。5時からは一日の情報をまとめ、改善策を出すデスクワーク、ですよね。今日もぎっちり詰まってますね」
一分一秒無駄にしない、早歩きをしながらの会話。時は金なり、常に動き続けなければ、社長は務まらない。駐車場を早く歩きながら、どんどん進んでいく。
俺は何かに駆られ、何かに追われていた。誰かの声を聞く余裕なんて今の俺にはない。
「えぇ……「影山」社長の記憶力には頭が下がります。移動は本日こそ車で……」
「いいや、バイクで」
冬馬さんの言葉を遮るように、俺は新型バイクに乗り、フルフェイスヘルメットを着用した。それはまるで、現実から逃げて、耳を塞ぐように。
「しゃ……社長! もう少し身の安全のためにも、車に乗っていただかないと……」
「ごめんなさい、冬馬さん。この方が早いし、俺にあってるから。では、お先に支部のほうへ行っておきます。冬馬さんは、できれば明のそばにいてあげてください。俺の執事じゃないんですから」
「待ってください、社長! お話が……」
その声を聞かず、バイクを走らせる。元気に今日も……死んでいます。
俺の心は、きっとあの日から死んだまま。そうだ、そうに違いない。俺はあの日をずっと後悔して生きていくんだろう。
「あらー、今日もさっさと出て行っちゃったか、進くん」
「申し訳ございません明様、進様を止められず……」
ゆっくりと歩きながら、駐車場にやってきた明は、冬馬を見る。笑ってはいるものの、どこか寂しさをにじませる顔だ。
「いいんだよ。あそこまで変えたのは僕だ。その責任は僕が取る。あんな時間に厳しい、きっちりした社長になるとは思わなかったからね」
進の去っていったほうを見つめ、小さくため息をついた。そんな明からは、笑顔が消えていた。
「君は……頑張りすぎなんだ。本当に、よく頑張っているよ。どこか冷酷な、その顔も、声もね」
そして、小さな声でつぶやいた。
「そっくりだね、こんなにも似るとは思わなかったよ」
────そもそもの始まりは何だったか。それは、3か月前に遡る。
「で……俺は……何したらいいんですかね、社長として」
早速、正座をしながら、明に申し訳なく聞く。だってわかんないんだもん。5億の男を名乗ったのはいいものの、右も左もわからない。そもそも、社長として何をすべきかなんて、わかるわけがない。もともと俺は、雇われる側だ。
部屋の奥で、望さんはギロリと俺を睨んでくる。会話に参加するようではないが、やっぱり怖い。
「うーん、早速だけど、僕の代わりだよね」
「……例えば?」
「僕さ、一応女の子だから、若い女がしゃしゃり出るんじゃないよ! って言われないためにも、会議とかに出るの控えてるんだよね。取引先との話とかも」
いやまぁ、確かにね!! 少女と取引してるんだってバレたら、そりゃあなめられるよね! でもそれでよく会社が成り立つね! 社長不在と一緒じゃん!
「え……えぇ……よく今までそれで会社が回ってきたなぁ」
「まぁね、望が僕の代わりと言っちゃなんだけど、副社長で頑張ってくれたから。でも、そろそろ、これが社長です、っていう顔を立てなきゃいけないんだ。そこで進くんに頼みたくって」
「社長は男っていうことになってるのか?」
「そうだね、影山明、この名前で「男」として、社長の椅子に座ってるよ。だからこそ、僕の一人称は「僕」でなくてはならない」
「あぁ、それで自分のことを僕って……ってそれは社長として社員を騙してるんじゃ……」
「バレなければ不正じゃないさ! えっへん! ともかく頼むよ進くん!」
そんなのありか!? それに俺は全くの部外者なんですが────!
「まぁまぁ、そんな唇の端っこ噛みながら酸っぱい顔しなくてもいいよぉー」
「ダメでしょ! そんな大事なところに部外者立てちゃ!」
「えー、でも本当に僕出たくないの! お願いーっ!」
でもまぁ、こんなにかわいい少女みたいな同い年に、ここまで頭下げて頼みこまれたら仕方がない。好きだし、お願い事は聞いてあげたくなるのが男性というものだ。
「わ、わかったよ……そんなに言うんなら、どういったところで代役を立てたいの?」
「うーんとね、今、水谷市に、影山モータースの直営店があるんだけどさ」
影山モータース、聞いたことがある。今、国内シェア3位で、1位2位とは僅差で売り上げを伸ばし続け、バイクなどを販売する、影山グループの子会社……! 確か海外での評価が高かったな。デザイン性が評価されていたはずだ。
「ほうほう、それで?」
「そのすぐ近くに、昔からある、出羽のバイクって店があるんだけどね」
「う……うん」
心臓が高鳴る。何か気持ちの悪いものが駆け上がる感覚。俺の中学校は、水谷市にあった。家は木間市だが、川を渡った反対側の水谷市の中学校が近かったのが、通っていた理由だ。でも、そこでの思い出は、あまりいいものじゃない。
脳裏をよぎる記憶。ふつふつと沸き上がってくる、よく分からない、でもきっと、歪んだ感情。
「出羽のバイクっていう、その地元の老舗店を、売り上げで勝つと同時に……」
その次の言葉に、俺の昔の傷が抉られた。
「潰してほしいんだ。何人か重要な人材は引き抜いてね。要するに、影山モータースと出羽のバイクの視察に行ってきてほしいんだ」
……昔、中学校の頃、出羽のバイクの前を通らないと、家路には付けなかった。それを知ってか知らずか、俺をいつもバカにし続けたやつがいた。傷が抉られる、いくつもの忘れたい過去が、俺を襲いにやってくる。
俺は、記憶喪失にはなったはずなのに、どうしてか、ほかにおいては記憶力がいい。嫌なこともいいことも、しっかりと目に焼き付いている。無論、中学校の頃にいいことなどなかったのだが。
「お前、ビンボー人の癖に、俺の家の前通るんじゃねぇよ! ビンボーが移るだろうが! きたねぇ、ゴミみたいなやつがよぉ!」
思い出す。あのバカにした顔を、罵声を、日頃いじめられ続けた、学校での日々を、ズタボロにされた3年間を、俺は忘れない。
もし、こんな俺に、唯一人間らしいところがあるとするならば、あの男だけは絶対に避けたい、逃げたい。防衛本能が働きそうだ。それほどまでに、中学時代は苦い過去だ。
「出羽……」
「どうしたの、進くん。唇の端、噛み切りそうだよ?」
これは、もはや運命というべきだろうか。あの時の嫌な思いをまたするのか。もう思い出したくない────出羽拓馬の実家だった。
彼の中学校の頃の目標が正しければ、店を継いでいるはずだ。
「その話、受けよう。水谷市で、つけなきゃいけないけじめもあったんだ」
「ふーん、マジですって目だけど、どこか闇深いよね。理由は聞かないけど、その気になってくれてうれしいよ、進くん」
こうして、俺の思い出を蒸し返す苦行と、競合相手を潰すという、社長代行としての最初の仕事であり、困難が始まろうとしていた。
……俺は元気です。元気に今日も────
「社長、本日のご予定は……」
「冬馬さん、把握済みです。9時から会議、11時から木間きま市に新しく作られた、ショッピングモールの視察、1時30分から30分の休憩の後、2時30より火野市の工場を視察。5時からは一日の情報をまとめ、改善策を出すデスクワーク、ですよね。今日もぎっちり詰まってますね」
一分一秒無駄にしない、早歩きをしながらの会話。時は金なり、常に動き続けなければ、社長は務まらない。駐車場を早く歩きながら、どんどん進んでいく。
俺は何かに駆られ、何かに追われていた。誰かの声を聞く余裕なんて今の俺にはない。
「えぇ……「影山」社長の記憶力には頭が下がります。移動は本日こそ車で……」
「いいや、バイクで」
冬馬さんの言葉を遮るように、俺は新型バイクに乗り、フルフェイスヘルメットを着用した。それはまるで、現実から逃げて、耳を塞ぐように。
「しゃ……社長! もう少し身の安全のためにも、車に乗っていただかないと……」
「ごめんなさい、冬馬さん。この方が早いし、俺にあってるから。では、お先に支部のほうへ行っておきます。冬馬さんは、できれば明のそばにいてあげてください。俺の執事じゃないんですから」
「待ってください、社長! お話が……」
その声を聞かず、バイクを走らせる。元気に今日も……死んでいます。
俺の心は、きっとあの日から死んだまま。そうだ、そうに違いない。俺はあの日をずっと後悔して生きていくんだろう。
「あらー、今日もさっさと出て行っちゃったか、進くん」
「申し訳ございません明様、進様を止められず……」
ゆっくりと歩きながら、駐車場にやってきた明は、冬馬を見る。笑ってはいるものの、どこか寂しさをにじませる顔だ。
「いいんだよ。あそこまで変えたのは僕だ。その責任は僕が取る。あんな時間に厳しい、きっちりした社長になるとは思わなかったからね」
進の去っていったほうを見つめ、小さくため息をついた。そんな明からは、笑顔が消えていた。
「君は……頑張りすぎなんだ。本当に、よく頑張っているよ。どこか冷酷な、その顔も、声もね」
そして、小さな声でつぶやいた。
「そっくりだね、こんなにも似るとは思わなかったよ」
────そもそもの始まりは何だったか。それは、3か月前に遡る。
「で……俺は……何したらいいんですかね、社長として」
早速、正座をしながら、明に申し訳なく聞く。だってわかんないんだもん。5億の男を名乗ったのはいいものの、右も左もわからない。そもそも、社長として何をすべきかなんて、わかるわけがない。もともと俺は、雇われる側だ。
部屋の奥で、望さんはギロリと俺を睨んでくる。会話に参加するようではないが、やっぱり怖い。
「うーん、早速だけど、僕の代わりだよね」
「……例えば?」
「僕さ、一応女の子だから、若い女がしゃしゃり出るんじゃないよ! って言われないためにも、会議とかに出るの控えてるんだよね。取引先との話とかも」
いやまぁ、確かにね!! 少女と取引してるんだってバレたら、そりゃあなめられるよね! でもそれでよく会社が成り立つね! 社長不在と一緒じゃん!
「え……えぇ……よく今までそれで会社が回ってきたなぁ」
「まぁね、望が僕の代わりと言っちゃなんだけど、副社長で頑張ってくれたから。でも、そろそろ、これが社長です、っていう顔を立てなきゃいけないんだ。そこで進くんに頼みたくって」
「社長は男っていうことになってるのか?」
「そうだね、影山明、この名前で「男」として、社長の椅子に座ってるよ。だからこそ、僕の一人称は「僕」でなくてはならない」
「あぁ、それで自分のことを僕って……ってそれは社長として社員を騙してるんじゃ……」
「バレなければ不正じゃないさ! えっへん! ともかく頼むよ進くん!」
そんなのありか!? それに俺は全くの部外者なんですが────!
「まぁまぁ、そんな唇の端っこ噛みながら酸っぱい顔しなくてもいいよぉー」
「ダメでしょ! そんな大事なところに部外者立てちゃ!」
「えー、でも本当に僕出たくないの! お願いーっ!」
でもまぁ、こんなにかわいい少女みたいな同い年に、ここまで頭下げて頼みこまれたら仕方がない。好きだし、お願い事は聞いてあげたくなるのが男性というものだ。
「わ、わかったよ……そんなに言うんなら、どういったところで代役を立てたいの?」
「うーんとね、今、水谷市に、影山モータースの直営店があるんだけどさ」
影山モータース、聞いたことがある。今、国内シェア3位で、1位2位とは僅差で売り上げを伸ばし続け、バイクなどを販売する、影山グループの子会社……! 確か海外での評価が高かったな。デザイン性が評価されていたはずだ。
「ほうほう、それで?」
「そのすぐ近くに、昔からある、出羽のバイクって店があるんだけどね」
「う……うん」
心臓が高鳴る。何か気持ちの悪いものが駆け上がる感覚。俺の中学校は、水谷市にあった。家は木間市だが、川を渡った反対側の水谷市の中学校が近かったのが、通っていた理由だ。でも、そこでの思い出は、あまりいいものじゃない。
脳裏をよぎる記憶。ふつふつと沸き上がってくる、よく分からない、でもきっと、歪んだ感情。
「出羽のバイクっていう、その地元の老舗店を、売り上げで勝つと同時に……」
その次の言葉に、俺の昔の傷が抉られた。
「潰してほしいんだ。何人か重要な人材は引き抜いてね。要するに、影山モータースと出羽のバイクの視察に行ってきてほしいんだ」
……昔、中学校の頃、出羽のバイクの前を通らないと、家路には付けなかった。それを知ってか知らずか、俺をいつもバカにし続けたやつがいた。傷が抉られる、いくつもの忘れたい過去が、俺を襲いにやってくる。
俺は、記憶喪失にはなったはずなのに、どうしてか、ほかにおいては記憶力がいい。嫌なこともいいことも、しっかりと目に焼き付いている。無論、中学校の頃にいいことなどなかったのだが。
「お前、ビンボー人の癖に、俺の家の前通るんじゃねぇよ! ビンボーが移るだろうが! きたねぇ、ゴミみたいなやつがよぉ!」
思い出す。あのバカにした顔を、罵声を、日頃いじめられ続けた、学校での日々を、ズタボロにされた3年間を、俺は忘れない。
もし、こんな俺に、唯一人間らしいところがあるとするならば、あの男だけは絶対に避けたい、逃げたい。防衛本能が働きそうだ。それほどまでに、中学時代は苦い過去だ。
「出羽……」
「どうしたの、進くん。唇の端、噛み切りそうだよ?」
これは、もはや運命というべきだろうか。あの時の嫌な思いをまたするのか。もう思い出したくない────出羽拓馬の実家だった。
彼の中学校の頃の目標が正しければ、店を継いでいるはずだ。
「その話、受けよう。水谷市で、つけなきゃいけないけじめもあったんだ」
「ふーん、マジですって目だけど、どこか闇深いよね。理由は聞かないけど、その気になってくれてうれしいよ、進くん」
こうして、俺の思い出を蒸し返す苦行と、競合相手を潰すという、社長代行としての最初の仕事であり、困難が始まろうとしていた。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

独身寮のふるさとごはん まかないさんの美味しい献立
水縞しま
ライト文芸
旧題:独身寮のまかないさん ~おいしい故郷の味こしらえます~
第7回ライト文芸大賞【料理・グルメ賞】作品です。
◇◇◇◇
飛騨高山に本社を置く株式会社ワカミヤの独身寮『杉野館』。まかない担当として働く有村千影(ありむらちかげ)は、決まった予算の中で献立を考え、食材を調達し、調理してと日々奮闘していた。そんなある日、社員のひとりが失恋して落ち込んでしまう。食欲もないらしい。千影は彼の出身地、富山の郷土料理「ほたるいかの酢味噌和え」をこしらえて励まそうとする。
仕事に追われる社員には、熱々がおいしい「味噌煮込みうどん(愛知)」。
退職しようか思い悩む社員には、じんわりと出汁が沁みる「聖護院かぶと鯛の煮物(京都)」。
他にも飛騨高山の「赤かぶ漬け」「みだらしだんご」、大阪の「モダン焼き」など、故郷の味が盛りだくさん。
おいしい故郷の味に励まされたり、癒されたり、背中を押されたりするお話です。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる