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第2章 辺境伯領平定戦
第87話 根切り
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「黒煙が上がっているぞっ!」
ミナが馬を進めながらビーナウの方を指差した。
あちこちから黒煙が昇り立ち、町の姿は杳として知れない。
もっとも、報せの通りならば町が燃えている訳ではなかろう。
「藤佐の奴め、派手にやったものよのう」
「如何程の玉薬を使った事か。またしても銭が消えまするな。やれやれ……」
弾正がさして困ってもいない様子で肩をすくめ、
「あれほど煙が立つのです。百貫目ばかりは使ったのでは?」
おどけて申す左馬助。
集まった大将衆や奉行衆から笑い声が上がる。
「信じられません……。まるで炎の魔法ではありませんか?」
「しかも爆炎を呼び起こす魔法です。相当に腕の立つ魔法師でなけれな使いこなせぬほどの……」
クリストフとヨハンは驚きを隠さない。
「ビーナウに攻め寄せた敵はさぞかし難儀しておろうな」
「ならば連中の背後を突きまするか?」
佐藤の爺が馬を寄せて尋ねた。
「我らは今、ビーナウから北へ半里ばかりの地に達してござります。足を速めれば敵が備えを組む前に背後を突けましょう」
「で、あろうな。だが、あの敵はしばらく藤佐に任せるとしよう」
「何だって? 攻めないのか?」
ミナは「意外だ」と言いたげに尋ねた。
クリストやヨハンも同じ。
一方、当家の者達は「然り」と頷いた。
「俺達がまず攻めるべきは敵本陣だ」
「敵本陣? でもカヤノ様のお話では、あそこの敵は戦意に乏しいはず……」
「そうよ」
興味無さそうに宙に浮いておったカヤノが俺達の元へ下りて来た。
「荷物をまとめている奴もたくさんいるわ。なんだか慌てている感じでね。あれって帰り支度って言うんでしょ? 戦う気配なんてこれぽっちもないんだから」
「カヤノの言を疑っておるのではない。むしろ信を置いておる」
「……そうなの? なら、いいわ。連中を追っ払ってくれるなら何でもいいもの」
カヤノは微笑を浮かべ、また宙に戻っていった。
「待ってくれ、シンクロー。戦意の無い敵など放置しても害はない。そんな敵と戦うよりもビーナウを救う方が先決ではないのか?」
「ミナの申す事は分かる。これが尋常の戦であれば、だがな」
左様に申すと、ミナ達異界の衆は互いに顔を見合わせて「異世界の戦はどこを切り取っても普通じゃない」と申した。
「はっはっは! 其方らの目には日ノ本の戦は全て尋常ならざる戦か!」
「当たり前だ。それより分かるように説明してくれ」
「此度の戦は格別なる戦よ。辺境伯領を巡る永き争いに始末をつけるのだからな」
「その事は私達も分かっている。だから一刻も早く決着を付けたいと願っているんじゃないか」
「焦るな焦るな。急いては事を仕損じる。始末をつけるなら、禍根は根こそぎ絶たねばならん」
「禍根だって? …………おい、まさかとは思うが……」
「そのまさかよ。此度、俺達に敵した奴原は、下人小者に至るまで一人たりとも逃がさぬ。悉く根切りに致すべし」
「言うと思った……」
「ゲルトめとの戦では手抜かりがあったわ。落人を数多追い討ちしたものの、戦場から逃げ果せた者も多い。そもそも急な戦で参陣しなかったが故に己が身を守った者もおる。此度は左様な族が俺達に敵しておるのだ。そうだな? ヨハンよ?」
「はい……残念ながら……。私のような騎士。兵卒、冒険者……そして貴族……。それぞれ戦いに身を投じた理由は異なるでしょうが……」
騎士や兵卒は上から命じられて否応なしに参陣したのであろう。
冒険者は負け戦で稼ぎ損ねた報酬や分捕りを此度こそはと息巻いておるであろう。
貴族は己が利を守り、あわよくば領地を奪ってやろうと申す魂胆であろう。
思惑は各々異なろうが、兎にも角にも大なる軍勢となった。
そして数が集まったと知れば気が大きくなるは、如何なる世でも変わりなし。
辺境伯領の内ばかりでなく、外からも新たな敵を招き寄せてしまった。
「逃がした者の数多おったが故に、斯様な仕儀と相成ってしまったのだ。返す返すも手抜かりであったわ。故にこそ、此度こそは禍根を絶つ。戦に勝つだけでは足りぬ。今ここで禍根を絶つのだ」
「……分かった。もう何も言うまい」
ミナが力強く頷く。
クリストフやヨハンも続いた。
「然らば下知する。隼人っ! 戸次っ!」
「ははっ!」
「ここにっ!」
隼人と戸次は九州衆で立てた備の大将と副将だ。
目を爛爛と光らせて前へ出る。
何を申し渡されるのか、既に悟っている様子であった。
「九州衆に先手を命ずる。敵本陣を突き、引き籠った奴原を叩き出せっ!」
「先鋒をお命じ下さるとは何たる誉れ!」
「有難き幸せにござります! して、攻めの行は如何に?」
「先に申した通り敵は一人たりとも逃がさん。故に叩き出した敵は、ビーナウとネッカー川に囲まれた地へ追い込む。ビーナウを攻め寄せる敵と一網打尽にするのだ」
「然らば戌亥より辰巳へ向かって攻めるが上策でござりますな」
左馬助が異界の衆に、戌亥は北西、辰巳は南東だと申し添えた。
「左様にせよ。次に山県、小幡」
こちらの二人は、甲斐、信濃、関東の衆で立てた備の大将と副将だ。
馬上衆の数が他に比べて多く、当然ながら馬上巧者も多い。
「急ぎビーナウの西へ回り、敵の退口を絶て。逃げる者は悉く討ち取れ」
「「おうっ!」」
「敵を追い込んだ後は攻めに転じてもらう。よいな?」
左様に申すと、二人は「お任せあれ……」と笑みを浮かべた。
敵の退口を絶つだけでは腕が鈍るとでも言いたげだ。
「北は馬廻衆と異界の衆とで蓋をする。ミナ達にも働いてもらうぞ?」
「任せてくれ!」
「必ず義兄上のお役に立ってみせます!」
「騎士の力をお目に掛けましょう!」
「良し。では――――」
「ぶふふっ!」
黒金が「俺はどうした!?」と言わんばかりに嘶いた。
「おっと悪かった。其方もおったのう?」
「ぶふっ!」
「何? 左様に戦いたいか?」
「ふすっ!」
「逸る事はない。敵は数多おる。踏み殺すも、蹴り殺すも、選り取り見取りぞ? 楽しみにしておれよ?」
「ぶふっ!」
「……本当に馬なんだろうか?」
呆れ顔のミナは、小声で「魔物の一種では……?」などと呟いた。
ミナが馬を進めながらビーナウの方を指差した。
あちこちから黒煙が昇り立ち、町の姿は杳として知れない。
もっとも、報せの通りならば町が燃えている訳ではなかろう。
「藤佐の奴め、派手にやったものよのう」
「如何程の玉薬を使った事か。またしても銭が消えまするな。やれやれ……」
弾正がさして困ってもいない様子で肩をすくめ、
「あれほど煙が立つのです。百貫目ばかりは使ったのでは?」
おどけて申す左馬助。
集まった大将衆や奉行衆から笑い声が上がる。
「信じられません……。まるで炎の魔法ではありませんか?」
「しかも爆炎を呼び起こす魔法です。相当に腕の立つ魔法師でなけれな使いこなせぬほどの……」
クリストフとヨハンは驚きを隠さない。
「ビーナウに攻め寄せた敵はさぞかし難儀しておろうな」
「ならば連中の背後を突きまするか?」
佐藤の爺が馬を寄せて尋ねた。
「我らは今、ビーナウから北へ半里ばかりの地に達してござります。足を速めれば敵が備えを組む前に背後を突けましょう」
「で、あろうな。だが、あの敵はしばらく藤佐に任せるとしよう」
「何だって? 攻めないのか?」
ミナは「意外だ」と言いたげに尋ねた。
クリストやヨハンも同じ。
一方、当家の者達は「然り」と頷いた。
「俺達がまず攻めるべきは敵本陣だ」
「敵本陣? でもカヤノ様のお話では、あそこの敵は戦意に乏しいはず……」
「そうよ」
興味無さそうに宙に浮いておったカヤノが俺達の元へ下りて来た。
「荷物をまとめている奴もたくさんいるわ。なんだか慌てている感じでね。あれって帰り支度って言うんでしょ? 戦う気配なんてこれぽっちもないんだから」
「カヤノの言を疑っておるのではない。むしろ信を置いておる」
「……そうなの? なら、いいわ。連中を追っ払ってくれるなら何でもいいもの」
カヤノは微笑を浮かべ、また宙に戻っていった。
「待ってくれ、シンクロー。戦意の無い敵など放置しても害はない。そんな敵と戦うよりもビーナウを救う方が先決ではないのか?」
「ミナの申す事は分かる。これが尋常の戦であれば、だがな」
左様に申すと、ミナ達異界の衆は互いに顔を見合わせて「異世界の戦はどこを切り取っても普通じゃない」と申した。
「はっはっは! 其方らの目には日ノ本の戦は全て尋常ならざる戦か!」
「当たり前だ。それより分かるように説明してくれ」
「此度の戦は格別なる戦よ。辺境伯領を巡る永き争いに始末をつけるのだからな」
「その事は私達も分かっている。だから一刻も早く決着を付けたいと願っているんじゃないか」
「焦るな焦るな。急いては事を仕損じる。始末をつけるなら、禍根は根こそぎ絶たねばならん」
「禍根だって? …………おい、まさかとは思うが……」
「そのまさかよ。此度、俺達に敵した奴原は、下人小者に至るまで一人たりとも逃がさぬ。悉く根切りに致すべし」
「言うと思った……」
「ゲルトめとの戦では手抜かりがあったわ。落人を数多追い討ちしたものの、戦場から逃げ果せた者も多い。そもそも急な戦で参陣しなかったが故に己が身を守った者もおる。此度は左様な族が俺達に敵しておるのだ。そうだな? ヨハンよ?」
「はい……残念ながら……。私のような騎士。兵卒、冒険者……そして貴族……。それぞれ戦いに身を投じた理由は異なるでしょうが……」
騎士や兵卒は上から命じられて否応なしに参陣したのであろう。
冒険者は負け戦で稼ぎ損ねた報酬や分捕りを此度こそはと息巻いておるであろう。
貴族は己が利を守り、あわよくば領地を奪ってやろうと申す魂胆であろう。
思惑は各々異なろうが、兎にも角にも大なる軍勢となった。
そして数が集まったと知れば気が大きくなるは、如何なる世でも変わりなし。
辺境伯領の内ばかりでなく、外からも新たな敵を招き寄せてしまった。
「逃がした者の数多おったが故に、斯様な仕儀と相成ってしまったのだ。返す返すも手抜かりであったわ。故にこそ、此度こそは禍根を絶つ。戦に勝つだけでは足りぬ。今ここで禍根を絶つのだ」
「……分かった。もう何も言うまい」
ミナが力強く頷く。
クリストフやヨハンも続いた。
「然らば下知する。隼人っ! 戸次っ!」
「ははっ!」
「ここにっ!」
隼人と戸次は九州衆で立てた備の大将と副将だ。
目を爛爛と光らせて前へ出る。
何を申し渡されるのか、既に悟っている様子であった。
「九州衆に先手を命ずる。敵本陣を突き、引き籠った奴原を叩き出せっ!」
「先鋒をお命じ下さるとは何たる誉れ!」
「有難き幸せにござります! して、攻めの行は如何に?」
「先に申した通り敵は一人たりとも逃がさん。故に叩き出した敵は、ビーナウとネッカー川に囲まれた地へ追い込む。ビーナウを攻め寄せる敵と一網打尽にするのだ」
「然らば戌亥より辰巳へ向かって攻めるが上策でござりますな」
左馬助が異界の衆に、戌亥は北西、辰巳は南東だと申し添えた。
「左様にせよ。次に山県、小幡」
こちらの二人は、甲斐、信濃、関東の衆で立てた備の大将と副将だ。
馬上衆の数が他に比べて多く、当然ながら馬上巧者も多い。
「急ぎビーナウの西へ回り、敵の退口を絶て。逃げる者は悉く討ち取れ」
「「おうっ!」」
「敵を追い込んだ後は攻めに転じてもらう。よいな?」
左様に申すと、二人は「お任せあれ……」と笑みを浮かべた。
敵の退口を絶つだけでは腕が鈍るとでも言いたげだ。
「北は馬廻衆と異界の衆とで蓋をする。ミナ達にも働いてもらうぞ?」
「任せてくれ!」
「必ず義兄上のお役に立ってみせます!」
「騎士の力をお目に掛けましょう!」
「良し。では――――」
「ぶふふっ!」
黒金が「俺はどうした!?」と言わんばかりに嘶いた。
「おっと悪かった。其方もおったのう?」
「ぶふっ!」
「何? 左様に戦いたいか?」
「ふすっ!」
「逸る事はない。敵は数多おる。踏み殺すも、蹴り殺すも、選り取り見取りぞ? 楽しみにしておれよ?」
「ぶふっ!」
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