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Chapter 1:まさか援交目的で誘った女子高生と、援助契約するとは思ってもいませんでした。

第19話 同棲じゃない。あくまでもルームシェアだ! ACT 2

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「えっ、でも……」
「行く当てねぇんだろ。それにもう夕方だ」
「そうだねぇ。当てはないけど」
「だったら、いいよ」
「……うん、ありがとう」

素直に受け入れてくれたようだ。何となくホッとした。このまま出て行かれたら、心配になって具合がさらに悪くなりそうだ。
さて、どうしたものか。このまま単に「居てもいい」と言ってしまっていいのだろうか。

そりゃ、美愛に居てほしい気持ちは変わりはしない。むしろ素直に「一緒に暮らさねぇか」と言っちゃえば、美愛は多分居てくれるだろう。でも、そう簡単に決断と言うか決めちゃいけねぇんだよな。
本来の、美愛が居るべき場所に戻れるまでの間なら……。いいのか……。

「とこれでさぁ。気になってたんだけど……これって聞いていいのか、どうかちょっと迷ってたんだ」
「んっ、何だ」
「どうして、こんなに広いところに一人で住もうと思ったの? まぁ広いのはいいんだけど、掃除とかあんまりしていないみたいだし、なんだか誰かと住むこと予定していたみたいな感じの部屋なんだよね」

うっ! そこを今お前は突くのか。

「あ、別に無理して話さなくてもいいんだけど。ちょっと気になっただけだから」
「か、彼女と……別れた彼女と一緒に暮らそうと思って借りた部屋だった」
「ええええッと、ごめんね。またその部分に触れちゃうことになるんだ」

「まぁ、もう別にいいけど。本当は彼女と一緒に暮らすために借りたんだ俺の独断で。でも結果、プロポーズする事もなく別れちまった。後に残ったのはこの部屋とプロポーズの為に買って置いた指輪だけが残ちまったと言う訳だ」

「はぁ、なんて言ったらいいんだろうね。あのさ、この際だから訊いちゃうんだけど。別れた原因って何だったの?」
「俺とは結婚できねぇて言われた」

「プロポーズしてないのに?」
「サプライズでこの部屋借りたこと教えて、ここでプロポーズする予定だったんだけど、俺から何か感じ取ったんだろうな。先越されちまった。で、破局ということになった。いきなりだったからまいったよ。ははははは」

「ふぅ―ん、それは寂しいよねぇ。だから私を拾ったという事か。あ、確か私は間違われて拾われたんだったよね『援助交際』のサイトで出会う子とね」

「ま、まぁ、そう言う事になるなぁ」

「でも間違いでも現実に女の子を誘った事には違いはないよね。やっぱ、一人で居るのが寂しかったんだね。最終的な目的が”あれ”だとしてもね」
まったく痛いところ的確に突いてくるなぁ。
「もうなんとでも言ってもいいよ。実際そうなんだから」
「でもよかったね。未遂で終わって。ま、私はしちゃっても別に構わなかったんだけど」

「そうか、じゃぁ今からするか!」

「ええ今から、無理しない方がいいんじゃない? まだ治っていないんだから。余計に虚しくなるだけかもよ」
「冗談だよ、しねぇよ。そんな体力もねぇ。これでやったら俺、もしかしたら立ち直れなくなるかもしれねぇし」
「うんうん、そうだよ。やめといた方がいいよ」

「あのさ……」
「なぁに?」
「やっぱ、どうしても帰りたくはねぇのか?」
「……だから、嫌だって言ってるでしょ」
「どうしてもか?」

「どうしても!」

「だったら……」いいのか俺。本当にいいのか? 今ならまだ立ち止まれる。
「だったら、居てもいいぞ」
ああああああああ! 言っちまいやがった。

「えっ! 本当に」

ううううううううううっ、もう戻れねぇよな。もう後戻りできねぇよな。俺。
「本当に、本当本当本当ホント!! 私、ここに居てもいいの? 暮らしてもいいの?」

「……うん」

再確認! 俺はもう取り返しのつかないことを言ってしまったんだな。セックスするよりも重罪なことを言ったんだな。……腹決めねぇといけねぇんだ。
と、次の瞬間頭の中にある名案が浮かんだ。

そうだ、同棲とかそんなんじゃねぇ。この部屋活用すっるて言う事にすればいいんじゃんか。そうだよ、ルームシェアだ。どうせ部屋は余っている。共有部分はこの居間。そうすればプライバシーは保てる。……はて、プライバシー保つ必要があるのか?? いやいや、そうだ俺が手を出さなければいいんだ。出せない様にすればいいんだよ。

いやいやそんな手があったなんて俺、冴えてる。と自分に納得させるように言い聞かせているのが、本当の所なのだ。

実際ルームシェアだ。なんて言っても、生活は共にしないといけねぇのは必然と分かり切っている事。
世間一般から見れば、女子高生を囲んで住まわせているという事になる。まぁ表向き色々と小細工は必要になる。それが長期であればなおさらだ。

それでも。それでも俺は美愛をほっとけねぇ。

それが俺の素直な気持ち何だよな。

いつまで美愛が俺の所に居てくれかは分からねぇけど、でも、俺も今は美愛が必要なんだ。

美愛が自分の居場所を求めているように……。

俺も、傍に居てくれる誰かを求めてしまったんだ。
お互いに何かを補えあえるのなら。

「ありがとう。……ええッと。ゆ、雄太さん」
よっぽど嬉しんだろうか。美愛のその顔は出会ってから一番綺麗に見えた。

「……ええッと。だけど条件がいくつかある。それを守ってくれればの事だけど」
「条件って?」

「それはな……」
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