JCの悪だくみ.。でも親たちも楽しんでんじゃん。仲良し3人組のJCがそれぞれのパパの子を孕んじゃった。

さかき原枝都は

文字の大きさ
上 下
53 / 76

第53話 夏休みの楽しい家族計画。親が頑張れば子も頑張るもんだよ! その24

しおりを挟む
 僕はひざ丈ぐらいの短い患者衣を着せられて、救急車に乗せられた。
 そのあとを親父が4WDでついてくる。
 親父の車の中にはお袋と次兄、それから結衣が乗る。


 救急病院から10分ほどでその病院についた。
 海沿いの森の中にあって、どこか建物自体を隠しているように見えた。

 目の前には老人ホームとラブホテル。

 簡易的な手術は終わったものの、僕の左腕は血で赤く染まっている。
 救急病院では太く短い糸で縫われただけで、きれいにしてもらえなかった。
 血も固まりだして、腕をまげるのが困難だった。

 救急隊員は冷たいほどに冷静だった。
 僕に優しい言葉をくれるわけでもなく、ただ運転に注意しているだけ。


 病院につくとそこからは歩かされた。
 スリッパに患者衣で、なんとも情けない格好だった。


 すぐに医師の診察室に誘導された。
 部屋の中にいたのは中年の痩せた女医。
 喋り方はとてもさばさばしているが、僕の話を真面目に聞いてくれる姿から信頼できるのかもしれない。
 いや、今はとにかくこの人に頼るしかない……とか思っていたかもしれない。

 あとから家族と結衣が部屋に入ってくる。
 この時はすでにみんな冷静さを取り戻していた。

 女医は僕に細かい話はとにかくしないで、「危険だから」と理由で入院をすすめられた。

 程なくして、僕は閉鎖病棟に入れられた。
 いや、半ば強制的にぶち込まれたというのが本音。

 本当は結衣と一緒にいたかった。
 けど自分で切ったとはいえ腕が痛む。
 その治療も兼ねて、入院することにした。

 大きなエレベーターに入るとがたいの良い看護師たちが僕を見張っている。
 まるで僕が暴れ出すのを抑える護衛というより看守のようだった。

 エレベーターから降りると、分厚いガラスで出来た二枚の自動ドアが見えた。
 一枚目の隣りにインターホンがあって、奥のナースステーションから看護師が応答する。

「あ、どうぞ」

 慣れた手つきで一枚目のドアを手動で開く。
 一枚目と二枚目の間は人が10人以上は入れる余裕があった。
 担架も二台ぐらい入りそう。

 そこで奥から若い男の看護師がやってきて、病棟側から鍵を回す。
 するとやっと二枚目のドアが開き、閉鎖病棟に入ることができた。

 血だらけで真っ赤にそまった僕を見ても、誰も驚く様子はしなかった。
 むしろ鋭い目で睨まれているようだった。

 中に入るとちょうどL字の形で部屋が分かれていて、Lの角にあたるところが食堂。
 それから左右に大部屋が複数あった。
 
 異様な雰囲気だった。
 よだれを流しながら、僕をじーっと見る人。
 奇声をあげて暴れる人。
「誰だ、お前!」と突っかかってくる人。

 僕が今まで入院した病院とは全然違って、健常な人間がいない……まるで、そうまるで動物園のようだと思った。
 言い方が悪いけど、本当にそう思った。

 二重ドアが閉まるとと共に僕は恐怖を覚え、安易に入院を選択したことを後悔した。

 血だらけの僕に若い看護婦がこういった。
「もうすぐお昼ご飯だからね。食堂で待っててね」

 僕は「この人バカなんじゃないの?」と思った。
 さっきまで救急病院で手術を受けた人間がなんで自発的に食事をとろうと思うんだ?
 しかも僕の左腕は未だに血だらけだ。

 仕方ないと思った僕は「バカらしい」と思いつつ、食堂に入る。
 普通の病院だったら自室でベッドの上で食べるのに……。
 しかも僕は精神だけでなく、見たらわかる通りケガ人なのに、なんで食堂にまで足を運ばないといけないんだ。


 食堂に大きなカーゴが現れた。
 すると他の患者たちが無言で群がりだす。
 みんな食事の入ったトレーを各々取ると、四角形のテーブルに座る。
 ちょうど対面式で4人座れるボロボロのテーブルだ。

 僕は片手が動かないので、黙って見ていた。
 それに気がついた看護師が「空いている席に座りなよ」とぶっきらぼうに言う。

 仕方ないので空いている席を見つけ、腰を下ろした。
 見るからにまずそうな食事だった。
 僕はさっき結衣とハンバーグを食べるって約束したのに……。

 その結衣と家族たちは今、先ほどの女医から説明を受けている。

 僕が箸を取ろうとしたその時だった。

「おいお前! そこの席は俺のだぞ! 勝手に座るな!」

 髪が真っ白で坊主の初老の男が叫んだ。
 すごく怒っている様子だった。

 僕もイラっとした。
 さっき入ったばかりでルールなんて知らないし、看護師に言われてすわっただけなのに。
 そのおじさんを少し睨んでいると、近くにいたおじいちゃんが僕に声をかけた。

「ぼく、こっちおいで」
 一番まともそうな人ですごく優しそうだった。
「ここはね、席が決まっているの。私の隣りはいつも空いているから今日から君の席だね」
 そう笑顔で答えてくれた。

 今日初めて見たひとの笑顔だった。
 その優しさが少し辛かった。

 さっきまで自殺願望があった僕なのに、今は必死に生きようとしている。
 血で固まった左腕をブランと下ろして反対の腕でまずし飯を泣きながら食べた。

 生きたくないって思っていたのに、どうしてこんな格好悪いことまでして生きなきゃいけないんだ。

 僕は一年前までただの普通の健康な大学生だったのに……。
しおりを挟む
こんにちは!
「JCの悪だくみ.。でも親たちも楽しんでんじゃん。仲良し3人組のJCがそれぞれのパパの子を孕んじゃった。」

お読みいただいてありがとうございます。誤字脱字、誤変換等ありましたら、ご連絡くだされば幸いです。ご感想もお待ちしています。どうぞよろしくお願いいたします。

*ご購読様へお願い。
ご購読様の中でフリーで、本作品文中の挿絵をご提供していただける方がいらっしゃいましたら、是非ご連絡くださいませ。ご連絡方法は、TwitterのDMまでご連絡いただけると幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
感想 5

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々

yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

落ち込んでいたら綺麗なお姉さんにナンパされてお持ち帰りされた話

水無瀬雨音
恋愛
実家の花屋で働く璃子。落ち込んでいたら綺麗なお姉さんに花束をプレゼントされ……? 恋の始まりの話。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

処理中です...