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ドール 姉妹の団結
ドール 姉妹の団結 その12 沙良の危機ACT11
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気が付けば、今ここにみんなが集まっている。
みんなの顔を見ていると、今まで駆け抜けてきたことが思い出されていく。
夏休み直前に起きた私の家庭の崩壊。
それは突如に起きた事件だった。
今までずっと暮らしていた馴れ親しんだ家から、このマンションに美代ねぇと姉妹二人だけで引っ越し生活を始めた。
それもほんの1か月ぐらい前の話だ。
偶然の出会い、亜希子と新たな住まいを探していた時に出会った、今は喫茶店の店主尚子さん。
美代ねぇとは高校の時からのコンビで、美代ねぇの親愛なる彼女。
そして、私の親友の真由美の姉。
彼女の紹介で私たちはこのマンションに住むことになった。
そして、私には想像もしていなかった妹が突如現れた。
始めは戸惑いもあったけど、今は物凄く仲良しだ。
私の友達、本当はずっと何か心の奥底で、気にしていた真由美。
亜希子とはストレートに付き合えたけど、真由美とは少し距離を置いていた。
でもどこかに欲望はあった。
真由美とも、私は愛し合いたいという欲望は、心の隅に持っていたのは事実。
でも……、真由美は真面目な子。私の様な同性愛者じゃないんだと、決めつけていた。
真由美も自分の想いを私には、知られないように必死に隠していた。
お互い、想う気持ちはずっと前から繋がっていたんだけど、それを表に出すことが出来ないでいたんだ。
その想いを表に出すきっかけは本当にたわいもないことだった。
どんなことで、その想いの糸が見え結ばれるかなんて分からない。
真由美の想い、それは異常な彼女の性癖にもあった。
私を想う事を隠すこと、それは真由美にとって、とても辛く苦しい恋という想いを押し隠すことだった。
真由美は、私に恋をずっとしていた。
言いたくてもその想いを表に出したくても、出せないでいた真由美。
中学の時からずっと想い続けて来た私への恋。
その想いを真由美は一気に爆発させた。
いいえ、もう抑えきれなくなっちゃたんだと思う。
そんなに想われていたなんて、私も想像だにしていなかった分、真由美の愛を受け止めるのには時間はかからなかった。
私も真由美をどこかで愛していたから……。
LGBTと呼ばれる未だ世間では異種特別な恋愛感情。
私がこの感情にめざめたのは、美代ねぇに抱かれ愛され美代ねぇのあの温かさに包まれてからだ。
そう私は美代ねぇを心の底から愛している。
実の姉妹であるけれど、この愛は不変なものだ。
たとえどんなことが起きようとも、美代ねぇへの想いは変わらない。
そのことを真由美もしっかりと受け止め、私と共に美代ねぇも愛してくれている。
私たちの愛という感情は一つに収まることはない愛だかから。
「しかしなんだねぇ、亜美も真由美もすっかり恋人、あ、違ったけ夫婦の関係がしっくりと来ちゃってるね」
「ヤダぁ、亜希子ちゃん照れるじゃないのぉ」
真由美が何だか照れている。
顔を桜色にさせながら私に寄り掛かる。
その姿を見ているだけで、物凄く愛おしく感じる。
美代ねぇが私をいつも陰ながら見守ってくれている温かさは、こういうものなんだろうか。
その美代ねぇのもう一つの姿。
やっぱり美代ねぇは凄いよ。
私なんかほんと追い付こうにも、追い付くことなんか出来ないくらい素敵な姉だ。
「なんだろう、全員集合しちゃったね。尚子もこの際だから呼んじゃおうか。それでさぁ、パーティーしよ。ねぇ、パーティー」
「あ、美代さんそれ賛成っす」
亜希子が一番に手をあげた。
「私はこうして美代おねぇ様に抱っこされているだけで、ずっとパーティー気分ですわ」
「沙良ちゃんだっけ、なんか美代さんにいつもべったりて言う感じだね」
「あら亜希子ちゃん、あなただってちょっと前まで亜美にべったりだったじゃないの」
「あはは、真由美も言ってくれジャン。そう言う真由美も今は私の替わりに亜美にべったりだよね」
「うん、いいじゃない。あ、もしかして亜希子ちゃん妬いているのぉ」
「や、妬いてなんか……。ああ、でもさぁ。もう我慢できへん!」
亜美大好きやぁ――――!
亜希子まで私に抱き着いてきちゃった。
「あらあら、ミーちゃんも大人気だねぇ」
「なははは、困ったなぁ。でも嬉しいよこんなにもみんなに愛されて。なんか思い残すことないくらいだよ」
「ちょっとぉ亜美、変なこと言わないでよ。亜美いなくなちゃうみたいじゃない」
「そうだねごめん、ずっと一緒だよ……みんなと」
「ねぇねぇ、お寿司出前頼もうよ。特上寿司」
「ええ、特上寿司でっかぁ……たまりませんなぁ」
「亜希子なんかおやじの関西弁になってるよ」
「ええのぉ、おやじでもこの際なんでもええゃ。今物凄く楽しいんだぁ」
「それとも彼氏君も呼んじゃう」
「あ、今日は用事があるって言っていたから来れないんだぁ」
「そうかぁ、みんなに紹介してくれると思ったんだけどなぁ」
ちょっと美代ねぇが残念そうに言う。
「そのうちね、ちゃんとみんなに紹介するよ」
あの亜希子が彼氏君の事になると、真っ赤になっているのが物凄く可愛い。
「お寿司のほか何か食べたいものある?」
「んーそうだ! 牛丼!」
「あれぇ―――、ミーちゃん麻美ちゃんと同じになっちゃった? 隠れ牛丼ファンとか」
「なははは、そうみたい、あれだけ牛丼ばかりだったんだけどね。なんかちょっと恋しくなっちゃった」
「えええ、亜美牛丼中毒になっちゃったの?」
真由美がもううんざりと言う感じで言った。
「牛丼、真由美もう飽きた?」
「飽きたよぉ……。それならすき焼きにしようよ」
「真夏のすき焼き?」
「冷房ガンガンきかせれば大丈夫だよ」
「なはは、どんだけ冷房きかせるんだよ」
後はと、冷蔵庫の中を見るとあるのはお酒ばかり。
「お酒はたくさんあるからいいかぁ。どうせ飲むのは美代ねぇと尚子さんの二人だし。美代ねぇ、私すき焼きの材料と飲み物買いに行ってくるよ」
「やったぁ、ミーちゃんの手作りすき焼き食べられるぅ!」
「あ、それなら私も一緒に行く」
真由美が私の手を握って嬉しそうに言う。
「はいはい、行ってらっしゃい。二人がいない間、亜美の下着でももらっていこうかなぁ」
「ああ、亜希子。今私と真由美下着共用してんだから、パンティーだけだけど」
「ホンマかいな! そりゃまた仲がいいようで。でもさすがにブラは共用できていないでしょ」
「うるさいなぁ、どうせ私はDしかないわよ」
「それじゃ、ブラ頂き!」
「馬鹿! 相手にしてられない、私たちもう行くね」
「うん、お願い、尚子には連絡入れておくから」
「それじゃ行ってくるね」
外に出ると強い日差しと照り付ける熱が、私たちの体を一気に包み込む。
「やっぱ外は暑いね」
そう言いながら、真由美は私の腕にしがみつく。まるで亜希子のようだ。
「暑くない?」
「全然、暑くないよ」
ニコット真由美がほほ笑む。
「だって、大好きなんだもん。亜美の事」
「真由美……」
ひと時の幸せ。この幸せがいつまでも続いてほしい。
「ああ、夏休ももう少しで終わりかぁ」
「そうだね」
空を見上げると、少し雰囲気が変わってきたように見えた。
もう空は秋の空に変わりつつあるんだなぁ。
寄り添いながら、私たちはこの道をゆっくりと歩く。
「私達、離れることなんかないよね」
真由美が呟いた。
「うん、離れることなんかないよ」
「そうだよね」
真由美の手に力がこめられる。
「学校早く卒業できないかなぁ」
「どうして?」
「だって学校だとこうしていられないでしょ」
「まぁね。こんな感じでいたらみんなの注目の的になっちゃうよ」
「私は構わないんだけどなぁ」
「でも大変だよ真由美」
「そうかなぁ」
「そうだよ」
真由美の髪をするッと指でなぞった。
やわらくて、すべりのいい真由美の髪。
「てへへ。最近亜美、私の髪良く触るようになったね」
「嫌?」
「ううん、嬉しい。亜美にだったら私の体どこに触れられても幸せになれる」
「馬鹿、照れるじゃないこんなところで」
「うん、こんなところだから言ってみたの」
もうスーパーに着いちゃった。
ほんの一時のしばらくぶりの二人の時間。
暑さじゃなくて心に温かさが伝わってくる。
真由美の心の中の想いと言う温かさが。
店内で二人ですき焼きの材料をカートに入れていく。
「ねぇ亜美、お肉どれくらい必要かなぁ」
「あの大食いの亜希子もいるから、多めにしようよ」
「あはは、そうだね。それに亜美、絶対牛丼にして食べるつもりでしょ」
「ばれたかぁ!」
その時、私の腰に何か鋭いものがあったっているのを感じた。
背後に男の人が後ろでぴったりとくっつくようにして、耳元で
「騒ぐとこれが刺さるよ」
そのまま、私はその男の人に手を取られ、真由美から離れていった。
「ねぇ、亜美。このお肉でいいかなぁ……。亜美……」
私の声がしないことに、不思議になり真由美は振り向いた。
その時すでに私はその男の車の中に押し込まれ、何か薬品の様なにおいがする布を口に抑え込まれて、気を失った。
「亜美……、どこに行ったの亜美」
必死に店内を探し回る真由美、だけど……真由美は私を見つけることが出来なかった。
もう私が押し込まれた車は、スーパーから遠ざかっていた。
真由美はぽろぽろと涙を流し、震える手で美代ねぇに電話をかけた。
「亜美が……亜美が……」
「どうしたの真由美ちゃん」
泣きじゃくりながら必死に私の名を言う真由美。
「真由美ちゃん今どこにいるの?」
「スーパーの中」
真由美のその異変に美代ねぇは
「今すぐに尚子そこに向かわせるから動かないでね」
「美代ねぇさん……亜美が……いなくなった」
亜美がいなくなった……。
みんなの顔を見ていると、今まで駆け抜けてきたことが思い出されていく。
夏休み直前に起きた私の家庭の崩壊。
それは突如に起きた事件だった。
今までずっと暮らしていた馴れ親しんだ家から、このマンションに美代ねぇと姉妹二人だけで引っ越し生活を始めた。
それもほんの1か月ぐらい前の話だ。
偶然の出会い、亜希子と新たな住まいを探していた時に出会った、今は喫茶店の店主尚子さん。
美代ねぇとは高校の時からのコンビで、美代ねぇの親愛なる彼女。
そして、私の親友の真由美の姉。
彼女の紹介で私たちはこのマンションに住むことになった。
そして、私には想像もしていなかった妹が突如現れた。
始めは戸惑いもあったけど、今は物凄く仲良しだ。
私の友達、本当はずっと何か心の奥底で、気にしていた真由美。
亜希子とはストレートに付き合えたけど、真由美とは少し距離を置いていた。
でもどこかに欲望はあった。
真由美とも、私は愛し合いたいという欲望は、心の隅に持っていたのは事実。
でも……、真由美は真面目な子。私の様な同性愛者じゃないんだと、決めつけていた。
真由美も自分の想いを私には、知られないように必死に隠していた。
お互い、想う気持ちはずっと前から繋がっていたんだけど、それを表に出すことが出来ないでいたんだ。
その想いを表に出すきっかけは本当にたわいもないことだった。
どんなことで、その想いの糸が見え結ばれるかなんて分からない。
真由美の想い、それは異常な彼女の性癖にもあった。
私を想う事を隠すこと、それは真由美にとって、とても辛く苦しい恋という想いを押し隠すことだった。
真由美は、私に恋をずっとしていた。
言いたくてもその想いを表に出したくても、出せないでいた真由美。
中学の時からずっと想い続けて来た私への恋。
その想いを真由美は一気に爆発させた。
いいえ、もう抑えきれなくなっちゃたんだと思う。
そんなに想われていたなんて、私も想像だにしていなかった分、真由美の愛を受け止めるのには時間はかからなかった。
私も真由美をどこかで愛していたから……。
LGBTと呼ばれる未だ世間では異種特別な恋愛感情。
私がこの感情にめざめたのは、美代ねぇに抱かれ愛され美代ねぇのあの温かさに包まれてからだ。
そう私は美代ねぇを心の底から愛している。
実の姉妹であるけれど、この愛は不変なものだ。
たとえどんなことが起きようとも、美代ねぇへの想いは変わらない。
そのことを真由美もしっかりと受け止め、私と共に美代ねぇも愛してくれている。
私たちの愛という感情は一つに収まることはない愛だかから。
「しかしなんだねぇ、亜美も真由美もすっかり恋人、あ、違ったけ夫婦の関係がしっくりと来ちゃってるね」
「ヤダぁ、亜希子ちゃん照れるじゃないのぉ」
真由美が何だか照れている。
顔を桜色にさせながら私に寄り掛かる。
その姿を見ているだけで、物凄く愛おしく感じる。
美代ねぇが私をいつも陰ながら見守ってくれている温かさは、こういうものなんだろうか。
その美代ねぇのもう一つの姿。
やっぱり美代ねぇは凄いよ。
私なんかほんと追い付こうにも、追い付くことなんか出来ないくらい素敵な姉だ。
「なんだろう、全員集合しちゃったね。尚子もこの際だから呼んじゃおうか。それでさぁ、パーティーしよ。ねぇ、パーティー」
「あ、美代さんそれ賛成っす」
亜希子が一番に手をあげた。
「私はこうして美代おねぇ様に抱っこされているだけで、ずっとパーティー気分ですわ」
「沙良ちゃんだっけ、なんか美代さんにいつもべったりて言う感じだね」
「あら亜希子ちゃん、あなただってちょっと前まで亜美にべったりだったじゃないの」
「あはは、真由美も言ってくれジャン。そう言う真由美も今は私の替わりに亜美にべったりだよね」
「うん、いいじゃない。あ、もしかして亜希子ちゃん妬いているのぉ」
「や、妬いてなんか……。ああ、でもさぁ。もう我慢できへん!」
亜美大好きやぁ――――!
亜希子まで私に抱き着いてきちゃった。
「あらあら、ミーちゃんも大人気だねぇ」
「なははは、困ったなぁ。でも嬉しいよこんなにもみんなに愛されて。なんか思い残すことないくらいだよ」
「ちょっとぉ亜美、変なこと言わないでよ。亜美いなくなちゃうみたいじゃない」
「そうだねごめん、ずっと一緒だよ……みんなと」
「ねぇねぇ、お寿司出前頼もうよ。特上寿司」
「ええ、特上寿司でっかぁ……たまりませんなぁ」
「亜希子なんかおやじの関西弁になってるよ」
「ええのぉ、おやじでもこの際なんでもええゃ。今物凄く楽しいんだぁ」
「それとも彼氏君も呼んじゃう」
「あ、今日は用事があるって言っていたから来れないんだぁ」
「そうかぁ、みんなに紹介してくれると思ったんだけどなぁ」
ちょっと美代ねぇが残念そうに言う。
「そのうちね、ちゃんとみんなに紹介するよ」
あの亜希子が彼氏君の事になると、真っ赤になっているのが物凄く可愛い。
「お寿司のほか何か食べたいものある?」
「んーそうだ! 牛丼!」
「あれぇ―――、ミーちゃん麻美ちゃんと同じになっちゃった? 隠れ牛丼ファンとか」
「なははは、そうみたい、あれだけ牛丼ばかりだったんだけどね。なんかちょっと恋しくなっちゃった」
「えええ、亜美牛丼中毒になっちゃったの?」
真由美がもううんざりと言う感じで言った。
「牛丼、真由美もう飽きた?」
「飽きたよぉ……。それならすき焼きにしようよ」
「真夏のすき焼き?」
「冷房ガンガンきかせれば大丈夫だよ」
「なはは、どんだけ冷房きかせるんだよ」
後はと、冷蔵庫の中を見るとあるのはお酒ばかり。
「お酒はたくさんあるからいいかぁ。どうせ飲むのは美代ねぇと尚子さんの二人だし。美代ねぇ、私すき焼きの材料と飲み物買いに行ってくるよ」
「やったぁ、ミーちゃんの手作りすき焼き食べられるぅ!」
「あ、それなら私も一緒に行く」
真由美が私の手を握って嬉しそうに言う。
「はいはい、行ってらっしゃい。二人がいない間、亜美の下着でももらっていこうかなぁ」
「ああ、亜希子。今私と真由美下着共用してんだから、パンティーだけだけど」
「ホンマかいな! そりゃまた仲がいいようで。でもさすがにブラは共用できていないでしょ」
「うるさいなぁ、どうせ私はDしかないわよ」
「それじゃ、ブラ頂き!」
「馬鹿! 相手にしてられない、私たちもう行くね」
「うん、お願い、尚子には連絡入れておくから」
「それじゃ行ってくるね」
外に出ると強い日差しと照り付ける熱が、私たちの体を一気に包み込む。
「やっぱ外は暑いね」
そう言いながら、真由美は私の腕にしがみつく。まるで亜希子のようだ。
「暑くない?」
「全然、暑くないよ」
ニコット真由美がほほ笑む。
「だって、大好きなんだもん。亜美の事」
「真由美……」
ひと時の幸せ。この幸せがいつまでも続いてほしい。
「ああ、夏休ももう少しで終わりかぁ」
「そうだね」
空を見上げると、少し雰囲気が変わってきたように見えた。
もう空は秋の空に変わりつつあるんだなぁ。
寄り添いながら、私たちはこの道をゆっくりと歩く。
「私達、離れることなんかないよね」
真由美が呟いた。
「うん、離れることなんかないよ」
「そうだよね」
真由美の手に力がこめられる。
「学校早く卒業できないかなぁ」
「どうして?」
「だって学校だとこうしていられないでしょ」
「まぁね。こんな感じでいたらみんなの注目の的になっちゃうよ」
「私は構わないんだけどなぁ」
「でも大変だよ真由美」
「そうかなぁ」
「そうだよ」
真由美の髪をするッと指でなぞった。
やわらくて、すべりのいい真由美の髪。
「てへへ。最近亜美、私の髪良く触るようになったね」
「嫌?」
「ううん、嬉しい。亜美にだったら私の体どこに触れられても幸せになれる」
「馬鹿、照れるじゃないこんなところで」
「うん、こんなところだから言ってみたの」
もうスーパーに着いちゃった。
ほんの一時のしばらくぶりの二人の時間。
暑さじゃなくて心に温かさが伝わってくる。
真由美の心の中の想いと言う温かさが。
店内で二人ですき焼きの材料をカートに入れていく。
「ねぇ亜美、お肉どれくらい必要かなぁ」
「あの大食いの亜希子もいるから、多めにしようよ」
「あはは、そうだね。それに亜美、絶対牛丼にして食べるつもりでしょ」
「ばれたかぁ!」
その時、私の腰に何か鋭いものがあったっているのを感じた。
背後に男の人が後ろでぴったりとくっつくようにして、耳元で
「騒ぐとこれが刺さるよ」
そのまま、私はその男の人に手を取られ、真由美から離れていった。
「ねぇ、亜美。このお肉でいいかなぁ……。亜美……」
私の声がしないことに、不思議になり真由美は振り向いた。
その時すでに私はその男の車の中に押し込まれ、何か薬品の様なにおいがする布を口に抑え込まれて、気を失った。
「亜美……、どこに行ったの亜美」
必死に店内を探し回る真由美、だけど……真由美は私を見つけることが出来なかった。
もう私が押し込まれた車は、スーパーから遠ざかっていた。
真由美はぽろぽろと涙を流し、震える手で美代ねぇに電話をかけた。
「亜美が……亜美が……」
「どうしたの真由美ちゃん」
泣きじゃくりながら必死に私の名を言う真由美。
「真由美ちゃん今どこにいるの?」
「スーパーの中」
真由美のその異変に美代ねぇは
「今すぐに尚子そこに向かわせるから動かないでね」
「美代ねぇさん……亜美が……いなくなった」
亜美がいなくなった……。
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