【改訂版】この世界に足を踏み入れたら抜け出せないじゃないですか……

さかき原枝都は

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ドール 姉妹の団結

ドール 姉妹の団結 その7 沙良の危機ACT6

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昨日からの経緯いきさつを私は、ミーちゃんたちに全て話した。
もちろん、一番の該当者である沙良ちゃんにもそのことを知らせた。

「そんなぁ、沙良そんなにもド変態な人に狙わているんですかぁ」

「やばいよ沙良ちゃん、今聞いたことが本当の事なら、沙良ちゃんどんなことされるか分からないよ」

「そんなの絶対嫌です。それに私は美代おねぇ様から離れる事なんて考えたくないです」

「大丈夫、絶対にあなた達の身の安全は保障するわ」
「それでかぁ、昨日の夜私たちのあのメイド姿がネットで炎上したの」

「そう、彼奴エリック・トマースの仕業だ。多分、沙良本人には彼奴は、自分の支柱に沙良の身柄が手に入らない限り、 一切手を触れないだろう。彼奴は自分の欲しいコレクションは、己の手の中に入った時に初めて手を付ける奴だからな」

彼方がエリックの手口、彼奴のやり方を付け加えるように言った。

「まぁとてつもなくやばい変態さんなんだけど、ここにも可愛い変態さんはいるけどね。タン塩君!」

「そうそう、中学生にいきなり抱き着いて、ムネ揉みながらセックスしようなんて言ってくる変態だったから」

「えええ、亜美そんなことされたの!」
真由美は彼方さんをにらんでぷんとした。

「ちょっと待ってくれよ、さっきその件についてはちゃんと謝罪したじゃないか亜美ちゃん」
「そうですね。でも面白いからしばらくこれで、彼方さんの事虐めてあげます」
「まいったなぁ。さすが美代の妹の事だけはあるよ」

「なははは、そりゃ、ねぇー。ミーちゃんと私の仲ですもん」

「ところでさぁ、私たちがドール登録したのは会社が守ってくれる体制を作るためだって言うのは分かったんだけど。

でもそのドールがもうすでにネット上に拡散されちゃっているんだけど、それって大丈夫なの」

「うん、それはもういいの。陽の光が当たらないドールと言う存在を、私は陽の光に全てをかざす。

でかい花火をあげてね。

私がつけた炎はそれで沈下させるの。あとの処理は……彼方がぜ―――ンぶやってくれるから」

「あ、え、そんな話聞いてないぞ美代」
「あら、私に内緒でこそこそやっていた罰よ」
「おいおい、勘弁してくれよ」

「うふふ、私を怒らせると後が怖いこと忘れていないでしょ」
にっこりと、妖艶の淑女の様な微笑みを、美代ねぇは彼方さんに向けた。

もしかしたら美代ねぇはまだ、心のどこかで……彼方さんの事を……。
私の知らない美代ねぇ。

でも私の愛は変わらない。何が起きようとも美代ねぇへの愛する想いは変わらない。

そして今は、私達4姉妹が手を取り合い、本当の意味で団結する時だ。

私と真由美の姿はもうこの世界にばらまかれた。
当然、私たちの関係も時期に表に出るかもしれない。
多分学校からの呼び出しもあるだろう。
もしかしたら、退学になるかもしれない。

それでも私と真由美の二人の想いは変わらない。
それだけの覚悟を私たちは見せつけてやってやる。

「これから本当に忙しくなるわよ。まずは手始めに三日後に予定されているゲーム会社三社によるイベントにあなた達3人は出演します。初めてドールが表に出る時よ。頑張ってね」

「うわぁ、なんか緊張するなぁ」
「あら、亜美ねぇさんそんなに緊張しなくても大丈夫ですわよ。だって私がいますから。ちゃんとリードさしあげますわ」

「ああ、これで沙良ちゃんには頭が上がらなくなっちゃったね」
「真由美あなたもよ。人の心配なんかしてられないよ」
「えへへ、でも私は意外と楽しみなんだぁ。亜美と一緒にペア組めるんだもん」

「でもさぁ、一番楽しんでるのって美代ねぇじゃないの?」

パコーン! 美代ねぇの頭に尚子さんの手の平が、クリティカルヒット!

「またぁ、何よだれ流してへらへらしてんのよ美代」

「だってさぁ、ミーちゃんたちのドール姿想像しただけで、もう私はたまりません!」
「あんたはおやじか! それより早くリハやりたいって、スタジオから催促だよ。亜美ちゃん、真由美早く行きな!」

「尚子、ようやくエンジンかかって来たねぇ。高校の時みたいに」
「そりゃそうでしょ、あんたがいつもぽぁ―ンとしてるから、こっちはリキ入れないと、それに後で泣くのはだぁ―れかな?」

「ふぁーい。またコンビ復活だね」
「もう、知らない」
なんか照れてる尚子さんの顔を見るともすごく可愛い。
でもこわー。

そう言えば、初めて会った時も、美代ねぇに電話でこんな感じで話してたなぁ。
なんか懐かしい。
そんな遠い昔の事の事じゃないのに……。

私と真由美がスタジオに戻ると、デザイナーの 汐屋沙也加さんが
「さぁ、急いで今着ているもの全部脱いでちょうだい」
「えっ、全部ですか?」

「そう全部よ。もちろん下着もね」
「ええええ、恥ずかしいです」

「そんなこと言ってられるのも今の内、あなたはもうドールなの。着飾ってその魅力を振りまくのがあなた達の使命なのよ」

真由美はなんの躊躇もなく、すでにブラを外しパンティーに手をかけていた。
「すごいなぁ真由美。私なんか緊張して体がうまく動かないようぉ」

「亜美……。私の目を見て」

そして、真由美はスタジオにいるスタッフ全員の前で

私にキスをした。

おおおおおおおおおお!
「初めて見た。女の子同士の生キス」

どよめきの中
「亜美、私がいるから何も怖くないよ。私も亜美がいるから何も怖くないんだよ」

「いいねぇあなた達」

汐屋沙也加さんが少し考えこんで
「コンセプトはそのまま衣装をフルチェンジします」
と、声を大きく張り上げた。

それから回りがあわただしく動き始めた。
ラフが描かれ、それに元付いて、衣装がアレンジされていく。
物凄い早さと緊張感が私たちを取り囲む。

例え、表に出ないドールとしての姿。されど、ここでは一切の妥協は許されない。
表に出ないからこそ、ごまかしがきかない。
プロとしてのプレッシャーが全てにのしかかる現場。

「メイクさん、髪の色は明るめの色に変更。小岩亜美にはシルバーのエクステツーラインで、神宮前真由美にはピンクの少し太めのエクステを付けて」

「沙也加さん、1番衣装の加工終わりました」
「わかったわ。それじゃ、下着は用意しているものを付けて、そのれから出来上がった衣装を着てみて」

言われるままに私たちは動いた。動かないと何も進まない。
メイクを施され、私達のセットアップが完了する頃。
「2番衣装、3番衣装。加工終了と声が聞こえていた」

「まずはオーソドックスな雰囲気から行こうか。カメラさん、よろしくて?」

「OKだよ。それじゃテスト行ってみよう」
カシャ!

テスト画像に映し出された私たちのその絵は、自分たちが驚くほどの魅力的な女の子が二人写しだされていた。

「う―――ん。これはまた、やってくれるね沙也加ちゃん」
「そうでしょ」
「よし、それじゃ本撮り始めるか」

私たちが始め身に着けた衣装は、どこかの女子高の制服の様な衣装。
制服と言っても、かたぐるしいものなんかじゃない。かろうじてこれは制服だというのがイメージできる衣装だ。

淡いピンク色をしたブレザーに、真っ白なカッティングシャツ。オレンジ色のネクタイ。スカートはピンクと淡いブラウンの格子柄。膝上までの白のソックスを履き、少し高めのヒール。

髪にはエクステがつけられ、二人とも毛先の方はアッシュグレーに少し染められている。
そして一番インパクトを引くのは二人の首にはめられた首輪。そこから延びるチェーンは私たち二人を繋いでいた。

「はいそれじゃ、もっと二人とも顔くっつけるように寄り添って」
「何ならキスしちゃいますか?」
「いいねぇ、それじゃ亜美ちゃん真由美ちゃんのほっぺにチュッ!」

始めは緊張していた。
始めは怖かった。
真由美の目を見て、真由美にキスされて

周りのスタッフのこの熱い視線を浴びながら……
私のアドレナリンは沸騰した。

真由美もそうだ……感じる。
この快感、そして、この高揚感。

これがドールなんだと……。
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