【改訂版】この世界に足を踏み入れたら抜け出せないじゃないですか……

さかき原枝都は

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あま~い 桃生活

喫茶店のネコにゃんメイド服 その1なんです。

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ピンポン!
ドアフォンが鳴った。
それは私が、出かけていた時に来た宅配便の再配達。
「すみませ―ん。神宮寺尚子じんぐうじなおこさんにお荷物です」
「ああ、今行きまーす」
ハンコを取り出すのがめんどくさかったので、受け取り票にサインで荷物を受け取った。

さほど大きくもない段ボール張りの荷物。重さもそんなにないんだけど。
まぁ尚子さんの荷物だからとりあえず連絡は入れとかないと。
ラインで尚子さんに

「荷物届きました」と送信。
すぐに
「亜美ちゃんお店まで持ってきてくれる?」
「わかりました」と返信して、尚子さんの喫茶店? まぁ、本当はおじさんがやっていた喫茶店なんだけど。とりあえず持って行くことにした。

住まいからは徒歩でおよそ5分くらい。
と、いっても真夏の炎天下。外は暑い。
さっきまで出かけていたからある程度メイクもしていたし、そのまま外に出た。

「やっぱ暑いなぁ……」最近外に出ての第一声はこの言葉ばかりだ。

「カラン」とドアのベルが鳴り、お店の中に入ると香ばしく、甘い香りが私を包み込む。
「亜美ちゃんありがとう」
カウンターのスティールに腰かけて、煙草を吸っている尚子さんの姿が目に入った。

「荷物これです」
「うん、そこの空いているところ、どこでもいいから置いといて」
言われるままに、カウンター近くのテーブルに荷物を置いた。

吸っていた煙草を灰皿でもみ消して
「アイスコーヒーでいい?」
「ええ、ありがとうございます」
グラスに注がれたアイスコーヒーが私の前に置かれた。
「尚子さん煙草吸うんですね」

「ああこれ、まぁね。たまにだけど。おじさんが海外で買ってきた煙草」
その煙草は自分で紙に巻いて吸うたばこのようだ。
「香りが好きだから、アロマ代わりにね」

そうか何となくしていたこの甘い香りって、この煙草の香りだったんだ。
「さてとようやく届きましたか」
「なんですか、この荷物?」
「うふふ、気になる?」
「ちょっと……」

「どれどれ」と箱を開け、中の物を取り出した。
「多分こっちだね。はい亜美ちゃん」
透明なビニール袋に綺麗に折りたためられ入っていたのは、誰がどう見ても一目で分かる……メイド服。

「え! これ私に」
「そうよ、お店手伝ってくれるんでしょ。だから制服代わりにこれ注文してたの。こっちは真由美の分、サイズが違うからね」
「た、確かに! あの真由美の胸と私とではサイズは変わってくる」
「それじゃさっそく亜美ちゃん試着してみようか」

「今ですか?」
「そうよ、デザインは私の趣味でオーダーしてきたから、どんな感じになるか早く見たいんだ」
「そ、そうですか」
あんまり乗り気じゃないけど、ニコッとした尚子さんの顔を見たら断ることは出来なかった。
奥の小部屋で渡されたメイド服に着替える。
ここにはなぜか大きな鏡がある。
着ていたシャツを脱ぎ、当然のことながらスカートも脱いだ。

ブラとパンティーだけの姿になって、キレイにたたまれている「あの服」を透明なビニール袋から取り出し広げた。

広げると思っていたよりかなり派手なメイド服のようだ。
「これってコスプレ用のじゃないの?」
思わず口に出てしまいそうなほどだ。

ベースは黒に近い多分紺色、そのせいかイメージしていたメイド服よりも少し明るめに感じる。
ご丁寧に、着付け方まで入っていた。
でもこのメイド服、デザインなんだか普通とは違う。
どっちかというと何だろう制服? んー、幅広の襟元はセーラー服特有の二本線が入っているけど、こんなセーラー服は絶対に学校には着ていけない。

着付け方の説明書には「ブラはつけずにご使用ください」と書いてあった。
確かに胸の部分にパットらしきものが入っている。
「これってウエストもコルセットの様に、締め付けるようになっているんだ」

まずは着付け方を確認しよう。

「初めに、下着の上からアンダースコートを履いてください」
アンダースコート? もしかしてこのフリルだらけのこの真っ白パンツ?
まずはこれを履く。
「これってかえって見られるとパンティーよりも恥ずかしい気がする」

ストッキングは、膝上まで伸びます。破れやすい素材ですので、ご注意ください。
この黒ストッキングもなんとなくエロイわぁ。

「次にベースドレスのジッパーを開き、足元から履くように着てください。その際。裏地のウエストのコルセットのフックは外してください」

ウエストのコルセットフック? ああこれか、コルセットといってもこの部分だけがかなり厚手の生地の幅広のベルトの様になっていて、ウエストを締める仕組みになっているんだ。

かなり凝っている仕様……

「腕を半袖口に通し、バストパットの上にアンダーバストが乗るように調整してから、ウエストの調整を行います」

フムフム、おっぱいをこのパットに乗せるようにすればいいんだ。
で、ウエスト少し締めて、フックをかけるという具合かな。

「ドレスの装着が終わりましたら、肩掛けエプロンを付けてください」
エプロンってこのぴらぴらフリルだらけのエプロン。

「いったん着付けが終わりましたら、きつい部分がないかをご確認ください」
まぁ、きつくはないわね。
でもスカートの丈短いよぉー。
なんかお尻がスースーしている感じがするんだけど。
それにおっぱいが膨らんで、襟元から盛り上がっているように見えるんだけど。

「首輪リボンを首に装着します」
首輪リボンって、これって赤い大きめのリボンと鈴が付いただけの本当の首輪じゃないの。
まぁでもこのリボンで、胸のあたり少し隠れるかなぁ。

「最後に、付随の「特性ホワイトブリム」を頭部に付けて完成です」
ホワイトブリム? と、最後に残っていたのはあのメイド服特有の頭に付けている「あれの事?」


でもこれって……。
しろい花ビラと両脇に大きめのリボン……その上には白いふわふわとした。

「猫耳!」
あ……えっ、えぇええ。
本当にこれ付けるの?
と思いながらも、せっかくだから付けちゃった。

この小部屋にある大きな鏡に、その姿を映し出した。
「ううううっ、物凄く恥ずかしい。裸でいるより恥ずかしいかもしれない」
じっ――――っと、その姿を見つめていると、今、鏡に映っているのは自分の姿じゃない様な気になってくる。

なんか可愛い……ちょっとキュンとしちゃう。
でもこれってロリコスなんじゃないのかなぁ……そんな事をふと思いながらも、鏡の中の自分になんか欲情を感じてる私。

「ねぇ、亜美ちゃんどうぉ、ちゃんと着れた?」
「あ、はい、今終わりました」
「それじゃ、こっちに来て見せてみて」

いくら尚子さんでも、見られるの物凄く恥ずかしいようぉ。
おずおずと
「あのぉぅ――。こんな感じなんですけど」

その姿を尚子さんに披露した。

「わぁーぉ! 想像していたものより物凄く可愛い! ああ、どうしようかしらぁ。♡♡♡」
「そ、そうなんですか……でも私、もすごく恥ずかしいんですけど」
「大丈夫よ、これなら沙良ちゃんにも見せてあげたいくらい。ねぇねぇ、そこでくるっと回ってニャンてしてみて」

もう尚子さんのテンションは、マックスに近いくらいハイテンション。
もしかして美代ねぇと一緒に聞いたあのクラブに行った時って、こんな感じになるのかなぁ。

それも、あの沙良ちゃんの様な子たちを見ながら……。

「それやるんですかぁ?」
「うんうん、お願い亜美ちゃん」

仕方ないなぁ……と思いながらもなんとなくこっちも、テンション上がってくる自分が怖い。

「それじゃぁ」
クルッと回って

「ニャン」

手をこぶしにしてネコ招きポーズ。
「カシャ!」
「送信と……何分で来るかしら」
「えっ!」

写真撮られたぁ……送信されたぁ……。
ガランガラン、勢いよく店の扉が開いた。

「お、3分早い!」
「はぁ、はぁ、はぁ……」
来たのは物凄く息を切らしてぶっ飛んできた、美代ねぇ。

「うううううっ、ぎゃぁああああ……。可愛い、可愛過ぎるよミーちゃん」
「え、え、美代ねぇ……大丈夫」
「あああ、ミーちゃん」

美代ねぇが抱きつきそうになるのを
「お客様、ドールへのおさわりは厳禁ですわよ」
「あううううっ。でもここクラブじゃないし」

このままだとやばいかも、美代ねぇの理性ぷっつり切れてるみたい。

思わず……。

「いらっしゃいませおねぇ様。にゃんにゃん」

それをまじかで見ていた美代ねぇが、いきなりぺたんと床にしゃがみ込んで、ピクンピクンと体を震わせちゃっている。
「亜美ちゃんもノリノリになったねぇ。美代もうイッちゃってるみたいだよ」
「マジ!」

「ミ、ミーちゃん……私、ミーちゃんの事一生大事にするから、結婚してぇぇ」
「また始まっちゃった」

「ほら美代立って。はいお水」
「あじがとう……ぐすんぐすん」
もう涙目、涙腺崩壊の美代ねぇ。

「よしよし、美代の反応はかなぁり異常だけど、これなら大丈夫。うん、いけるわこれ」
「あのぉ……尚子さん。何か企んでいません?」
「えへへへ、分かっちゃった」
にまぁと笑う尚子さんが渡したチラシ。

そこには……。

「夏季期間限定企画 『ネコにゃん喫茶』開催」
おいおい、「ネコにゃん喫茶」ってなんかやばい雰囲気のネーミングなんだけど。
「これってなんか違う関係のお店の様な感じが、するんですけど」
「いいのいいの。ずっとやりたかったんだぁ。もうチラシ折込も発注済みだし」

ああ、ただお店のお手伝いするだけじゃなったのね。
「大丈夫よ、風俗営業じゃないから、あくまでもこの衣装はコスプレ。もちろんおさわり、いかがわしい行為をする客にはそれなりのペナルティーがあるからね。日にちも時間も限定。しかもメインは女性客だから亜美ちゃん達にはその恰好でいてくれるだけでいいの」

「はぁ~……。そうなんですね」
なんかまんまとはめられたような気がするけど、まんざら嫌いでもないかも。
なんかこうやって見られるのって……だんだんと気持ちよくなってくる気がする。
私も、その……あの沙良ちゃんの気持ちが少し……分かるような……感じがしている。

「さっき真由美も呼んだからもう少しで着くと思うんだけど」
カランカラン
「来たよねぇさん」
と、真由美は真正面にこの姿の私を見て

「真由美、遅かったニャン」
ニコット笑って真由美に向けてやってみた。

「あ、亜美……」
真由美もその場にぺたんと座り込んで、体をピクンピクンとさせている。
「あらあら、真由美もイカせちゃったのね。困ったなぁ……亜美ちゃん刺激強すぎるのかなぁ……」

「あ、亜美……高校卒業したら、私亜美のもとに嫁ぎます」
こっちもか!

「こりゃぁ予想外。亜美ちゃんの「ネコにゃんポーズ」は刺激が強すぎるみたい」

あははは、まいったなこりゃ。
でもまだまだ加速していきそうな自分がもっと怖かったりして……。

やばいかもこれ!
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