40 / 58
かたちだけの恋人
第40話5.冬空に響く音色
しおりを挟む
12月24日……クリスマス・イヴ
朝から昨日の延長戦が始まった感じだ。
昨日よりも今朝は作業に入る時間が早い。大量のスポンジを焼き上げ、クリームが解けないよう十分に冷ます。なかには前日から仕込んでおかなければいけないベースもある。その作り方やかかる時間は様々だ。
カフェ・カヌレの厨房はまだ暗い内からフル稼働している。
オーブンから焼きあがる商品のベースを手際よく並べカッティングをし、デコレーションを施す。素朴な色合いのベースはたちまちのうちに輝く宝石のよな彩なケーキに変身する。
その変化を作業をしながら見ていると、その繊細さはまるでガラス細工や華やかな装飾品を創り上げているような感じに見える。
朝食は今日は早めにとる事にした。その準備も僕は怠る事が無いよう作業をする。
朝のコーヒー、これは政樹さんのその日の一日の活力の様なものだ。雨宮さんの所から戴いて来たコーヒー豆を挽き、じっくりと慎重にドリップをする。
「さぁ、今日も一日頑張ろう。今日を乗り越えれば後は大丈夫だ」
政樹さんがコーヒーを飲み終えてから、自分に活を入れようにみんなに話す。
正直疲労感は半端ないものだろう。でも今日の予約も昨日と同じくらい入っている。まして今日はフリーの分も多めに作り上げなければいけない。
厨房はまた立ち入りがたい忙しが待っている。
前日の祝日と日曜日が並んだ連休。この二日間が勝負だ。
予約のピークは午後3時から6時のこの3時間。
それでも、午前中からここカフェ・カヌレのケーキを求め来店する客は多い。
今日は僕の傍に恵美もいる。
僕が初めて、ここに来てあのウッドドアを開けた時、出迎えてくれたのは恵美だった。その時と同じ、赤いベレー帽に黒のオープンシャツそして今日はオレンジ色のチーフをしている。
その容姿はもうすでに大人の女性を思わせる姿に見えた。彼女のあの金髪と整ったスタイルがより一層大人びさせているのだろう。
不思議な感覚だ。恵美と一緒に仕事をする事は今までになかった事だ。何となく緊張するというのだろうか? それとも恵美を意識している自分がもどかしいのだろうか?
「どうしたのユーキ?」
あまり恵美の事を見つめていたせいかもしれない。
「な、何でもないよ。ただ……」
「ただどうしたの?」
「懐かしいなって、その姿」恵美はその言葉に思い出した様に。
「そうね……」とだけ言って接客に入った。
お昼過ぎにカランカランと、あのウッドドアを開ける音と共に店内入って来たのは、律ねぇだった。
斎藤律子元、親父の会社の顧問弁護士。今はもう会社とは離れ別な依頼元との契約をしている。
「やっほぉ―、結城久しぶり!」相変わらず元気で僕を自分の弟の様にしたってくれている。
「あ、律ねぇ、ほんとに久しぶりだね」
「よしよし、結城も元気に頑張っているわね。あ、恵美ちゃん久しぶり」
「お久しぶりです」まぁ恵美も知らない仲ではない。なにせ親父とはよくここに来ていたらしいからな。親父が死んで律ねぇも自分の支えを失ったかのようなそんな日々を過ごしていた。今だから思う。
律ねぇは親父の事が好きだった……いや愛していたんだと思う。
まるで家族同然の様に過ごしたあの日々。僕も律ねぇも今はもう遠い過去の思い出の一つとなっている。
「ねぇ結城ちょっといい」律ねぇは僕を手招きする。
律ねぇの傍に行くと僕の耳にそっと語り掛けるように
「恵美ちゃんとはその後どうなの? 上手く行っている」と耳打ちしてきた。
「はぁ―、恵美とは仲良くやっているよ」とだけ返してやった。
「そうかぁ、仲良くね……特別進展は無しかァ……ちょっと残念」
残念も何も同じ家の中で暮らしていて「好きだから僕と付き合ってください。僕は君の事すべて知っている、それでもいいから僕と一緒に付き合ってほしい」
なんて簡単に言えるわけがない。恵美の想いや響音さんのことを知っている僕は何も知らない色目使いの男どもと違うのだ。
「ところで律ねぇ今日は? 何か用事でもあったの」
「ン、もう。ちゃんとケーキの予約受け取りに来たのよ」
その後少し律ねぇの頬が染まった感じがした。
「あ、そうか。ありがとうございます。それでは只今ご準備いたします」
この時間の予約カードで斎藤律子の名を探したが見つからなかった。
「律ねぇ、予約本当にした?」
「したわよ……多分。」
「多分って……予約カードないんだよ。もしかしてこっちのミスかな?」
もう一度念入りにカードを見直す。ふとそこに北城頼斗と書かれた予約票が目についた。
北城頼斗……担任の名前だ。先生も予約してくれていたんだそう思っていた。
「あのね……もしかしたら北城頼斗で注文入れてない?」
その律ねぇの問いに僕は耳を疑った。
そして恵美と顔を見合わせ、思わず「えっ!」と声に出してしまった。
「律ねぇ……」
「んもぉ―、だから自分で受け取りに行ってて言ったのに」
思わずまた二人で「えっ!」と声に出す。
恵美が「もしかして律子さん先生と……」
「なりゆきよ、なりゆきでそうなっただけだから……」と、言っていたが僕はしっかりと律ねぇの指にはめられた指輪を目にした。
「プロポーズされたんだ、律ねぇ」
「ま、ま―ね」もうこうなったら律ねぇは、腹を括ったかの様に
「ら、来年の春にね、席だけ取り敢えず入れる事にしたの」
恥ずかしそうに、でもこれほどまで幸せそうな律ねぇの顔を見るのは本当に久しぶりだった。僕ら……もう今はないあの家族の中にいた時の様に……。
僕と恵美は声をそろえて
「おめでとうございます」と、息ぴったりに言った。その声を訊きつけた政樹さんがやってきて。
「どうしたんだ?」と不思議そうにしていた。
「律子さん、北城先生と来年の春結婚されるんですって」
「おお、本当か? りっちゃん。ようやく二人にも幸運の風が舞い降りたか。『félicitations フェリシタシオン(フランス語・祝福の言葉)』」
傍に来ていたミリッツアも。
「おめでとう」と祝福してくれた。それを聞いていた店内にいるお客さんから拍手がなった。
クリスマス・イヴの日、ここ『カフェ・カヌレ』の店内は暖かい雰囲気に包まれた。
「お祝いだこれ持っていけ」と政樹さんがワインを一本プレゼントに持たせてくれた。
「あれ、おかしいなぁ……何だろう。涙が出てきちゃった。ありがとう……皆さん」
幸せいっぱいの涙。律ねぇもようやく……喜ばしい反面、なんだか少し寂しい気もした。姉貴の様に慕っていた律ねぇが結婚する。今までとは違う律ねぇになっていく気がしたから……。
そして僕の隣でひっそりと自分の心の奥に仕舞い込んできた想いを込み上げているかのように、うっすらと目に涙を浮かべている恵美の姿がそこにあった。
恵美にとっては複雑な想いかもしれない。でも響音さんの兄である北城先生が幸せになることを祝福している事は違いない。
午後8時、ようやく今年のクリスマスケーキの予約分が終わった。
「お疲れ様でした」僕と恵美は遅番のスタッフに後を任せ店から上がった。
その後夕食の支度をしていた、その時僕のスマホが鳴った。
急いで取ると戸鞠からだった。
「……ご、めんなさい。忙しんでしょ……で、電話して」
声の様子がおかしい。
「どうしたんだよ」
戸鞠はただ一言だけ……「逢いたい」と言って電話を切った。
もう9時半を過ぎていた。でも、僕はジャケットを取り外に出ようとした。
その時。
「ユーキ、これから出かけるの?」後ろから身を引かれるような声で恵美が言う。
「う、うん……ちょっと用事が出来て。夕食はもう出来ているから先に食べていて」
その後、恵美は何も声を出さなかった。
振り向きもせず僕は玄関戸を閉めた。
朝から昨日の延長戦が始まった感じだ。
昨日よりも今朝は作業に入る時間が早い。大量のスポンジを焼き上げ、クリームが解けないよう十分に冷ます。なかには前日から仕込んでおかなければいけないベースもある。その作り方やかかる時間は様々だ。
カフェ・カヌレの厨房はまだ暗い内からフル稼働している。
オーブンから焼きあがる商品のベースを手際よく並べカッティングをし、デコレーションを施す。素朴な色合いのベースはたちまちのうちに輝く宝石のよな彩なケーキに変身する。
その変化を作業をしながら見ていると、その繊細さはまるでガラス細工や華やかな装飾品を創り上げているような感じに見える。
朝食は今日は早めにとる事にした。その準備も僕は怠る事が無いよう作業をする。
朝のコーヒー、これは政樹さんのその日の一日の活力の様なものだ。雨宮さんの所から戴いて来たコーヒー豆を挽き、じっくりと慎重にドリップをする。
「さぁ、今日も一日頑張ろう。今日を乗り越えれば後は大丈夫だ」
政樹さんがコーヒーを飲み終えてから、自分に活を入れようにみんなに話す。
正直疲労感は半端ないものだろう。でも今日の予約も昨日と同じくらい入っている。まして今日はフリーの分も多めに作り上げなければいけない。
厨房はまた立ち入りがたい忙しが待っている。
前日の祝日と日曜日が並んだ連休。この二日間が勝負だ。
予約のピークは午後3時から6時のこの3時間。
それでも、午前中からここカフェ・カヌレのケーキを求め来店する客は多い。
今日は僕の傍に恵美もいる。
僕が初めて、ここに来てあのウッドドアを開けた時、出迎えてくれたのは恵美だった。その時と同じ、赤いベレー帽に黒のオープンシャツそして今日はオレンジ色のチーフをしている。
その容姿はもうすでに大人の女性を思わせる姿に見えた。彼女のあの金髪と整ったスタイルがより一層大人びさせているのだろう。
不思議な感覚だ。恵美と一緒に仕事をする事は今までになかった事だ。何となく緊張するというのだろうか? それとも恵美を意識している自分がもどかしいのだろうか?
「どうしたのユーキ?」
あまり恵美の事を見つめていたせいかもしれない。
「な、何でもないよ。ただ……」
「ただどうしたの?」
「懐かしいなって、その姿」恵美はその言葉に思い出した様に。
「そうね……」とだけ言って接客に入った。
お昼過ぎにカランカランと、あのウッドドアを開ける音と共に店内入って来たのは、律ねぇだった。
斎藤律子元、親父の会社の顧問弁護士。今はもう会社とは離れ別な依頼元との契約をしている。
「やっほぉ―、結城久しぶり!」相変わらず元気で僕を自分の弟の様にしたってくれている。
「あ、律ねぇ、ほんとに久しぶりだね」
「よしよし、結城も元気に頑張っているわね。あ、恵美ちゃん久しぶり」
「お久しぶりです」まぁ恵美も知らない仲ではない。なにせ親父とはよくここに来ていたらしいからな。親父が死んで律ねぇも自分の支えを失ったかのようなそんな日々を過ごしていた。今だから思う。
律ねぇは親父の事が好きだった……いや愛していたんだと思う。
まるで家族同然の様に過ごしたあの日々。僕も律ねぇも今はもう遠い過去の思い出の一つとなっている。
「ねぇ結城ちょっといい」律ねぇは僕を手招きする。
律ねぇの傍に行くと僕の耳にそっと語り掛けるように
「恵美ちゃんとはその後どうなの? 上手く行っている」と耳打ちしてきた。
「はぁ―、恵美とは仲良くやっているよ」とだけ返してやった。
「そうかぁ、仲良くね……特別進展は無しかァ……ちょっと残念」
残念も何も同じ家の中で暮らしていて「好きだから僕と付き合ってください。僕は君の事すべて知っている、それでもいいから僕と一緒に付き合ってほしい」
なんて簡単に言えるわけがない。恵美の想いや響音さんのことを知っている僕は何も知らない色目使いの男どもと違うのだ。
「ところで律ねぇ今日は? 何か用事でもあったの」
「ン、もう。ちゃんとケーキの予約受け取りに来たのよ」
その後少し律ねぇの頬が染まった感じがした。
「あ、そうか。ありがとうございます。それでは只今ご準備いたします」
この時間の予約カードで斎藤律子の名を探したが見つからなかった。
「律ねぇ、予約本当にした?」
「したわよ……多分。」
「多分って……予約カードないんだよ。もしかしてこっちのミスかな?」
もう一度念入りにカードを見直す。ふとそこに北城頼斗と書かれた予約票が目についた。
北城頼斗……担任の名前だ。先生も予約してくれていたんだそう思っていた。
「あのね……もしかしたら北城頼斗で注文入れてない?」
その律ねぇの問いに僕は耳を疑った。
そして恵美と顔を見合わせ、思わず「えっ!」と声に出してしまった。
「律ねぇ……」
「んもぉ―、だから自分で受け取りに行ってて言ったのに」
思わずまた二人で「えっ!」と声に出す。
恵美が「もしかして律子さん先生と……」
「なりゆきよ、なりゆきでそうなっただけだから……」と、言っていたが僕はしっかりと律ねぇの指にはめられた指輪を目にした。
「プロポーズされたんだ、律ねぇ」
「ま、ま―ね」もうこうなったら律ねぇは、腹を括ったかの様に
「ら、来年の春にね、席だけ取り敢えず入れる事にしたの」
恥ずかしそうに、でもこれほどまで幸せそうな律ねぇの顔を見るのは本当に久しぶりだった。僕ら……もう今はないあの家族の中にいた時の様に……。
僕と恵美は声をそろえて
「おめでとうございます」と、息ぴったりに言った。その声を訊きつけた政樹さんがやってきて。
「どうしたんだ?」と不思議そうにしていた。
「律子さん、北城先生と来年の春結婚されるんですって」
「おお、本当か? りっちゃん。ようやく二人にも幸運の風が舞い降りたか。『félicitations フェリシタシオン(フランス語・祝福の言葉)』」
傍に来ていたミリッツアも。
「おめでとう」と祝福してくれた。それを聞いていた店内にいるお客さんから拍手がなった。
クリスマス・イヴの日、ここ『カフェ・カヌレ』の店内は暖かい雰囲気に包まれた。
「お祝いだこれ持っていけ」と政樹さんがワインを一本プレゼントに持たせてくれた。
「あれ、おかしいなぁ……何だろう。涙が出てきちゃった。ありがとう……皆さん」
幸せいっぱいの涙。律ねぇもようやく……喜ばしい反面、なんだか少し寂しい気もした。姉貴の様に慕っていた律ねぇが結婚する。今までとは違う律ねぇになっていく気がしたから……。
そして僕の隣でひっそりと自分の心の奥に仕舞い込んできた想いを込み上げているかのように、うっすらと目に涙を浮かべている恵美の姿がそこにあった。
恵美にとっては複雑な想いかもしれない。でも響音さんの兄である北城先生が幸せになることを祝福している事は違いない。
午後8時、ようやく今年のクリスマスケーキの予約分が終わった。
「お疲れ様でした」僕と恵美は遅番のスタッフに後を任せ店から上がった。
その後夕食の支度をしていた、その時僕のスマホが鳴った。
急いで取ると戸鞠からだった。
「……ご、めんなさい。忙しんでしょ……で、電話して」
声の様子がおかしい。
「どうしたんだよ」
戸鞠はただ一言だけ……「逢いたい」と言って電話を切った。
もう9時半を過ぎていた。でも、僕はジャケットを取り外に出ようとした。
その時。
「ユーキ、これから出かけるの?」後ろから身を引かれるような声で恵美が言う。
「う、うん……ちょっと用事が出来て。夕食はもう出来ているから先に食べていて」
その後、恵美は何も声を出さなかった。
振り向きもせず僕は玄関戸を閉めた。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
甘過ぎるオフィスで塩過ぎる彼と・・・
希花 紀歩
恋愛
24時間二人きりで甘~い💕お仕事!?
『膝の上に座って。』『悪いけど仕事の為だから。』
小さな翻訳会社でアシスタント兼翻訳チェッカーとして働く風永 唯仁子(かざなが ゆにこ)(26)は頼まれると断れない性格。
ある日社長から、急ぎの翻訳案件の為に翻訳者と同じ家に缶詰になり作業を進めるように命令される。気が進まないものの、この案件を無事仕上げることが出来れば憧れていた翻訳コーディネーターになれると言われ、頑張ろうと心を決める。
しかし翻訳者・若泉 透葵(わかいずみ とき)(28)は美青年で優秀な翻訳者であるが何を考えているのかわからない。
彼のベッドが置かれた部屋で二人きりで甘い恋愛シミュレーションゲームの翻訳を進めるが、透葵は翻訳の参考にする為と言って、唯仁子にあれやこれやのスキンシップをしてきて・・・!?
過去の恋愛のトラウマから仕事関係の人と恋愛関係になりたくない唯仁子と、恋愛はくだらないものだと思っている透葵だったが・・・。
*導入部分は説明部分が多く退屈かもしれませんが、この物語に必要な部分なので、こらえて読み進めて頂けると有り難いです。
<表紙イラスト>
男女:わかめサロンパス様
背景:アート宇都宮様

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる