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かたちだけの恋人
第28話 5.想われ人
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荷物をお店に預け、僕と戸鞠はファミレスでランチを食べた。
その時戸鞠の表情はどことなくしおらしく、あの男勝りのぐいぐい引っ張るような雰囲気は感じなかった。
「初めてだね……笹崎君と二人でこうして外食するの」
少し下に目を落として静かに彼女は言った。
「う、うん。そうだね……」
出てくる言葉は曖昧な返事しか出てこない。
「ねぇ、私と二人っきりでこうしているの笹崎君はどう思っている? 楽しい? それともつまらない……も、もしかして……嫌?」
不意に聞かれる質問の答えに即答できない僕……楽しい? つまらない? それとも嫌?
女の子って唐突にこんな事聞くんだ……。
飲み込もうとしたハンバーグが一瞬喉に詰まる。
「ねぇ、どうしたの」
手で頬を支え、愛おしそうな眼差しで僕を見つめる彼女の瞳は少しうるんでいるようだった。
「う、うん……楽しいよ」
喉につかえたハンバーグを押し込んで答えた。
「嘘」
戸鞠は一言呟く。
「笹崎君てほんと嘘つくの下手よね。ちゃんと顔に書いているよ……つまらないって」
「そ、そんなこと無いよ…ホントだってば……ただ」
「ただ、どうしたの?」
不思議そうに戸鞠は僕の目を見つめる。
そう、僕は今まで正直に女の子二人っきりで食事をしたことがない。
そりゃ、孝義とは何度も外で飯を食べに行ったことはあるけど、クラスメイトの子と二人っきりでたとえファミレスでも入ったことなんかなかった。
女の子と言うか女性と言ったらいいのか……女性というならば、律ねぇとは何度かあるけど…それとこれとは物凄く違うような気がする。
「ねぇ、どうしたのよ」
少し頬を膨らませて怪訝そうに戸鞠は言う。
「ご、ごめん戸鞠。実は僕同い年の子とこうして外食したこと無いんだ」
なんだか顔が物凄く熱く感じる。
「え、嘘……」
「う、嘘なもんか、本当だよ」
「そ、それじゃ笹崎君て今まで彼女とかいなかったの」
「……、……い、いなかった……」
戸鞠の表情はさっきまでのしおらしさはもう見る影もなく、興味深々と言った感じで僕を問いただす。
「え、それじゃ、本当にこうして女の子と外食するの初めてなんだぁ」
「だから何なんだよ。はじめてなもんは初めてなんだから仕方がないよ。だから……なんだ、けど……さっきの質問どう答えたらいいのかわかんなかったんだよ」
もう恥も外聞もないというのはこの事かもしれない。実際なんだかとてもみじめな気分になっていた。
確かに今まで彼女と呼べる子はいなかった。
そう、女性を……異性を気にすることなんか今までなかったんだから……あの時、あの河川敷で、あの恵美の奏でるアルトサックスの音色を聴くまでは……。
「それじゃさぁ、笹崎君て今好きな人とかいないんだぁ」
なんだか一方的にそう決めつけてくる戸鞠の表情はすでに、学校にいる時と同じ様に僕をぐいぐいと引っ張っていくようないつもの感じに戻っていた。
好きな人いないんだぁ。
この問いに僕は戸鞠に対してどう返事をしたらいいんだろう。
何も迷うことは無いはず……なのに。
そくざに返事が出来ない。
僕は恵美が……好きだ。いや、僕は恵美を愛したい。
でもその想いは当の恵美には未だ届いていない。
まだ自分でも、この思いを直接恵美に届けようとはしていない。
今ここで戸鞠に本当のことを話すべきだろうか?
だけど、そんなことをしたら僕が今恵美と一緒の家で暮らしていることがばれてしまう。
そんなことは口が裂けても言えない……。悟られてはいけない。
僕の頭の中をそんなことが駆け巡る。
なぜか冷や汗のようなものが流れ出しそうになった時、戸鞠がじれったそうに
「ねぇ笹崎君、黙り込むって言う事は誰かいるんでしょ。好きな人」
まともに彼女の顔を見ることが出来ない。
戸鞠の顔を見るとあの目の奥に感じる力強い何かに惹き込まれそうになる。
彼女、戸鞠にはいつのころからだろう。何かしら強い気のようなものを感じていた。
それが何かは、はっきりとはわからないけど……。
そして、戸鞠はまた呟くように僕にむかって言う。
「笹崎君の好きな人って、もしかして三浦…恵美さん?」
三浦恵美。戸鞠の口から出た名前に僕の心臓は激しく鼓動し始めた。
「図星でしょう」
彼女の顔をそっと見上げると、その表情は女の子…いや女性という感情が露わに感じられた。
「………」
「ふぅん、やっぱりね。あの時……」
「あの時って」
「ほら、森際の予算申請会議のあと三浦さんと廊下で」
森際の予算会議の後、僕らは恵美と廊下で出会った。
同じ学校に居るんだから廊下で出会う事くらい当たり前のことなんだろうけど、でもなぜかあの時も僕は恵美に対して何か罪悪感を感じていた。
もしかしたら、その感情を戸鞠はその時気づいたんだろうか。
だとしたら……。
「私あの時何かピーンと来たんだもん。だって笹崎君三浦さんの顔まともに見てなかったでしょ。それにいつもの雰囲気じゃなかったし……」
よく見ているというか、自分ではいつもの様にしていたつもりだったんだけど
でもあの日のあの時からの事は、彼女戸鞠は知らない。
あの日の夜、恵美が熱を上げて僕が恵美を背負い家まで連れ帰った事。
そして、恵美の過去の事。北城響音という人の存在を……。
「ハハハ、やだぁどうしちゃったの。そんなに真剣な顔しちゃって」
戸鞠は僕を指さし急に笑い出した。
「どうしたんだよ」
「ハハハ、そんなに真剣に想ってんの三浦さんの事。意外だなぁって」
「そ、そんなに真剣に……な、なん……」
「無理無理やめときなさい笹崎君。三浦さんて男子の間ではものすごく人気高いんだから。笹崎君がどんなに素敵な人でも叶いっこ無いって、もう、人気アイドルに恋してんのと同じよ」
戸鞠は無邪気に言う。
「それに彼女、噂では誰か付きあっている人いるみたいよ。それも年上の人みたい。私も聞いた話なんだけど、森ケ崎にいて転校した人みたいよ。そうそうほら、三浦さん吹奏楽団にいたって言ったでしょ、そこで知り合った人らしいわよ。それもすごい美男子で三浦さんと同じでサックス上手いんだって」
「そ、そうなんだ……」
「アハハ、ショックだった。憧れの三浦さんに彼氏がいた何て」
ショックも何も、みんなは知らない。
恵美の本当の苦しみと悲しみを……。
僕だけが知る本当の恵美の姿。
僕だけが知る恵美の本当の想いを
恵美の周りの人達は、誰も知らない。
そして、その次の日が……恵美の想い人。
北城響音がこの世を去った命日であることを、学校にいる生徒たちは誰も知らない。
ふと、戸鞠は腕時計を見て。
「あ、いけないもう1時になるじゃない」
「どうしたんだ、まだ1時じゃないか時間はまだあるよ」
「何言ってんのよ私、私服で来てるのよ。家に寄って着替えないと教頭先生に大目玉食らうじゃない。どっかの誰かさんみたいに私真面目じゃないからね」
戸鞠はそう言ってフンとした小悪魔なような笑みを浮かべた。
僕らは急いで渋谷を後にした。
電車の中で
「ねぇ笹崎君、家に一緒に寄っていくでしょ」
「えっ、そ、そうなの」
ちょっとびっくりした顔をすると。
「何よぉ、笹崎君だけ先に学校に着いちゃったら私が変なことしているようで怒られちゃうじゃん。それに借りた1万円返さないとね」
戸鞠はあの置時計の入った紙袋をぎゅっと握りながら少し俯いてその袋を眺めていた。
別に僕は一人だけ学校に行こうとも思ってはいなかった。
戸鞠の家の駅で一緒に降りてどこかで時間をつぶしていればいいと思っていたからだ。
それにお金も今すぐじゃなくてもいいのに……。
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「初めてだね……笹崎君と二人でこうして外食するの」
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「う、うん。そうだね……」
出てくる言葉は曖昧な返事しか出てこない。
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不意に聞かれる質問の答えに即答できない僕……楽しい? つまらない? それとも嫌?
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「ねぇ、どうしたの」
手で頬を支え、愛おしそうな眼差しで僕を見つめる彼女の瞳は少しうるんでいるようだった。
「う、うん……楽しいよ」
喉につかえたハンバーグを押し込んで答えた。
「嘘」
戸鞠は一言呟く。
「笹崎君てほんと嘘つくの下手よね。ちゃんと顔に書いているよ……つまらないって」
「そ、そんなこと無いよ…ホントだってば……ただ」
「ただ、どうしたの?」
不思議そうに戸鞠は僕の目を見つめる。
そう、僕は今まで正直に女の子二人っきりで食事をしたことがない。
そりゃ、孝義とは何度も外で飯を食べに行ったことはあるけど、クラスメイトの子と二人っきりでたとえファミレスでも入ったことなんかなかった。
女の子と言うか女性と言ったらいいのか……女性というならば、律ねぇとは何度かあるけど…それとこれとは物凄く違うような気がする。
「ねぇ、どうしたのよ」
少し頬を膨らませて怪訝そうに戸鞠は言う。
「ご、ごめん戸鞠。実は僕同い年の子とこうして外食したこと無いんだ」
なんだか顔が物凄く熱く感じる。
「え、嘘……」
「う、嘘なもんか、本当だよ」
「そ、それじゃ笹崎君て今まで彼女とかいなかったの」
「……、……い、いなかった……」
戸鞠の表情はさっきまでのしおらしさはもう見る影もなく、興味深々と言った感じで僕を問いただす。
「え、それじゃ、本当にこうして女の子と外食するの初めてなんだぁ」
「だから何なんだよ。はじめてなもんは初めてなんだから仕方がないよ。だから……なんだ、けど……さっきの質問どう答えたらいいのかわかんなかったんだよ」
もう恥も外聞もないというのはこの事かもしれない。実際なんだかとてもみじめな気分になっていた。
確かに今まで彼女と呼べる子はいなかった。
そう、女性を……異性を気にすることなんか今までなかったんだから……あの時、あの河川敷で、あの恵美の奏でるアルトサックスの音色を聴くまでは……。
「それじゃさぁ、笹崎君て今好きな人とかいないんだぁ」
なんだか一方的にそう決めつけてくる戸鞠の表情はすでに、学校にいる時と同じ様に僕をぐいぐいと引っ張っていくようないつもの感じに戻っていた。
好きな人いないんだぁ。
この問いに僕は戸鞠に対してどう返事をしたらいいんだろう。
何も迷うことは無いはず……なのに。
そくざに返事が出来ない。
僕は恵美が……好きだ。いや、僕は恵美を愛したい。
でもその想いは当の恵美には未だ届いていない。
まだ自分でも、この思いを直接恵美に届けようとはしていない。
今ここで戸鞠に本当のことを話すべきだろうか?
だけど、そんなことをしたら僕が今恵美と一緒の家で暮らしていることがばれてしまう。
そんなことは口が裂けても言えない……。悟られてはいけない。
僕の頭の中をそんなことが駆け巡る。
なぜか冷や汗のようなものが流れ出しそうになった時、戸鞠がじれったそうに
「ねぇ笹崎君、黙り込むって言う事は誰かいるんでしょ。好きな人」
まともに彼女の顔を見ることが出来ない。
戸鞠の顔を見るとあの目の奥に感じる力強い何かに惹き込まれそうになる。
彼女、戸鞠にはいつのころからだろう。何かしら強い気のようなものを感じていた。
それが何かは、はっきりとはわからないけど……。
そして、戸鞠はまた呟くように僕にむかって言う。
「笹崎君の好きな人って、もしかして三浦…恵美さん?」
三浦恵美。戸鞠の口から出た名前に僕の心臓は激しく鼓動し始めた。
「図星でしょう」
彼女の顔をそっと見上げると、その表情は女の子…いや女性という感情が露わに感じられた。
「………」
「ふぅん、やっぱりね。あの時……」
「あの時って」
「ほら、森際の予算申請会議のあと三浦さんと廊下で」
森際の予算会議の後、僕らは恵美と廊下で出会った。
同じ学校に居るんだから廊下で出会う事くらい当たり前のことなんだろうけど、でもなぜかあの時も僕は恵美に対して何か罪悪感を感じていた。
もしかしたら、その感情を戸鞠はその時気づいたんだろうか。
だとしたら……。
「私あの時何かピーンと来たんだもん。だって笹崎君三浦さんの顔まともに見てなかったでしょ。それにいつもの雰囲気じゃなかったし……」
よく見ているというか、自分ではいつもの様にしていたつもりだったんだけど
でもあの日のあの時からの事は、彼女戸鞠は知らない。
あの日の夜、恵美が熱を上げて僕が恵美を背負い家まで連れ帰った事。
そして、恵美の過去の事。北城響音という人の存在を……。
「ハハハ、やだぁどうしちゃったの。そんなに真剣な顔しちゃって」
戸鞠は僕を指さし急に笑い出した。
「どうしたんだよ」
「ハハハ、そんなに真剣に想ってんの三浦さんの事。意外だなぁって」
「そ、そんなに真剣に……な、なん……」
「無理無理やめときなさい笹崎君。三浦さんて男子の間ではものすごく人気高いんだから。笹崎君がどんなに素敵な人でも叶いっこ無いって、もう、人気アイドルに恋してんのと同じよ」
戸鞠は無邪気に言う。
「それに彼女、噂では誰か付きあっている人いるみたいよ。それも年上の人みたい。私も聞いた話なんだけど、森ケ崎にいて転校した人みたいよ。そうそうほら、三浦さん吹奏楽団にいたって言ったでしょ、そこで知り合った人らしいわよ。それもすごい美男子で三浦さんと同じでサックス上手いんだって」
「そ、そうなんだ……」
「アハハ、ショックだった。憧れの三浦さんに彼氏がいた何て」
ショックも何も、みんなは知らない。
恵美の本当の苦しみと悲しみを……。
僕だけが知る本当の恵美の姿。
僕だけが知る恵美の本当の想いを
恵美の周りの人達は、誰も知らない。
そして、その次の日が……恵美の想い人。
北城響音がこの世を去った命日であることを、学校にいる生徒たちは誰も知らない。
ふと、戸鞠は腕時計を見て。
「あ、いけないもう1時になるじゃない」
「どうしたんだ、まだ1時じゃないか時間はまだあるよ」
「何言ってんのよ私、私服で来てるのよ。家に寄って着替えないと教頭先生に大目玉食らうじゃない。どっかの誰かさんみたいに私真面目じゃないからね」
戸鞠はそう言ってフンとした小悪魔なような笑みを浮かべた。
僕らは急いで渋谷を後にした。
電車の中で
「ねぇ笹崎君、家に一緒に寄っていくでしょ」
「えっ、そ、そうなの」
ちょっとびっくりした顔をすると。
「何よぉ、笹崎君だけ先に学校に着いちゃったら私が変なことしているようで怒られちゃうじゃん。それに借りた1万円返さないとね」
戸鞠はあの置時計の入った紙袋をぎゅっと握りながら少し俯いてその袋を眺めていた。
別に僕は一人だけ学校に行こうとも思ってはいなかった。
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