4 / 58
夏雲のように
第4話 ペパーミント・フラッシュ
しおりを挟む
その日、僕は学校へ来ていた。
担任や学年主任に挨拶をし、すでに夏休みに入っていることもあり、休み明けから学校へ来ることを担任に告げた。
その他もろもろの手続きが、この後僕を引きずり回した。
この先の事などいろいろ相談に乗ってくれたが、まだ日が経っていない。
もう少し落ち着いてから、また相談する事で学校を後にした。
そうなのだ。両親を亡くし、未成年の僕は孤児となった。
この国では、未成年者は保護者がいなければ何も、学校すら行くことが出来ない。
父さんの親類からは、僕を養ういや、迎え入れるようなところはなかった。
決して、父さんが親類から煙たがれているわけではない。
本当にどこも苦しいのだ。
まして、母さんの親類は皆無に近い状態。
本来であれば、児童福祉施設へ行かなければならないところだった。
そんな状況のなか、元、親父の会社の顧問弁護士をしていた斎藤律子から連絡があった。
「ごめんね 結城君 遅くなちゃって」
「いえ、どうしたんですか 僕に相談ごとって」
彼女は自分のいつものキッチンの椅子に腰かけた。
その場所は、彼女専用と言ってもよかった。
うちの家族公認の彼女の居場所だった。
父さんの会社は、片腕として業務をこなしてきた宮村隆浩が、父さんの残した会社を、いや一緒に歩んできた軌跡を失くしたくないと、すべてを受け継ぎ会社を存続させていた。
その時、彼女は会社の顧問弁護士の担当降りた。
理由は事務所の方針としか言わなかった。
そのあとも彼女は、僕のところにはよく来てくれた。
そればかりか、事後処理と言って、親父の財産管理処理や、僕の法的手続きなどもろもろ親身に行ってくれている。
「社長には本当にお世話になったからね」
背中まである長い髪をなでながら、瞼をそっと落とし寂しげにそういった。
彼女の瞳が少しづつ熱く、うっすらとうるんでいるのがわかる。
彼女は、社長である父さんに特別な思いがあったのだろう。それに対して、僕は何も問う気持ちはなかった。
それよりも彼女はよくこの家に来ていた。仕事としてだけではなく、プライベートとしても……。
彼女が父さんの会社の顧問弁護士を担当して3年。
会社は、小さいながらも海外と取引を行う会社。
バイヤーとして、会社の代表として、そして自分の信念のため世界各地を飛び回っていた。
当然トラブルも数多くついて回った。
こういったトラブルの回避または解決の道しるべとして、弁護士事務所と契約を結んでいた。彼女は、その弁護士事務所から派遣されていた。
はじめのころは父さんが家にまで呼んで、彼女から家にきて、まるで家族が一人増えたかのような……。
そして僕もいつしか彼女を姉のように感じ始めていた、ちょっと年の離れた何事にも頼りになる、姉貴的存在。
いつのころからだろう、僕は彼女のことを律ねえと呼ぶようになっていた。
「あのぉ……律ねえ」
「あ、ごめんごめん」
「あのね実は、あなたの保護者になっていただける方を紹介したかったの」
「えっ、保護者って?」
はじめは何のことかと、それが自分に向けられた言葉であるのを理解するのに、一瞬の間が必要だった。
葬式のとき、誰かが口にしていたことを思い出した。
「結城、これからどうするんだろうね。誰かいい引き取り手がいるといいんだけどね」
僕は一人になったんだ。
律ねえが静かに話し始めた。
「あなたもこのままだと施設に行くしかなくなっちゃうのね。それにこの家も、会社の抵当物件になっているから、このままだと宮村君がいくら頑張っても競売に掛けられてしまう可能性が高いの。社長の会社、多額の負債があるのよ」
彼女は口をつぐんだ。
辛そうな彼女をなだめるように
「それは、僕もうすうす感じていました。それにこの家に僕一人は広すぎます」
いや本心はものすごく寂しかった。
彼女にとってもこの家は思いで深い空間だったろう。
重く、とてもながく感じられる沈黙が続いた。
うつむいた彼女の顔を、サラサラとした髪の毛がうっすらと隠している。
今にでも、零れ落ちそうな涙を、隠すように。
自分の特等席から彼女は中庭に面した居間にある、親父の好きだったソファーに腰かけ黙って中庭にあるハーブ畑を眺めている。
「律ねえ。珈琲淹れるね」
僕は冷蔵庫から、ミネラルウオーターを取り出し、およそ二人分であろう量を専用のスリムケトルに入れコンロに置き火を点けた。
珈琲豆を測り、ミルに入れる。
豆を挽く、慎重に豆の状態を確認しながら。
そして、温めて置いたミルクパンに挽いた豆を入れ、余熱で豆に目覚めを告げさせる。ドリッパに豆を入れ一息入れる。
そうすると、ケトルから合図の音が奏でられる。
「ぽっ、しゅ、」
火を止めケトルのお湯を落ち着かせる。あらかじめ、カップにお湯を注ぎあたためておく。
ケトルのお湯が落ち着くのを見て、ドリッパの豆へお湯を注ぐ。
静かに、ゆっくり「のの字」を描きながら、一段目、二と……。
次第に珈琲の甘く切ない香りがたちこめる。
そっと、彼女の前にカップを置く。
「ありがとう」
「結城の入れる珈琲本当においしいね」
律ねえは僕の入れる珈琲のファンだ。
父さんや会社の人たちからも評判はよかった。
これと言ってどこかで勉強したわけでもなかった
本当に自己流のサーバーの仕方だ。でも、誉められるのに悪い気はしなかった。
自分でも珈琲を入れる度いろんな入れかを試してみた。
しかし、まだまだ発展途上だ。
「ごめんね 結城」
律ねえはあえて、結城と言ったように思えた。
「本当は、私があなたの……。この家もあなたの唯一の居場所も、わたし何も守ってやること出来なかった。ごめんね……。ごめんね結城」
彼女はうつむきながら、涙を頬に這わせ両手をぎゅっと力を込めて握っていた。
そして肩を震わせながら、今までため込んでいた気持ちを一気に解放した。
今まで見た事のない律ねえの姿だった。
仕事のときはいつも凜とした力強さを感じさせ、それ以外のときは、朗らかで柔らかく心に温かささえ感じさせてくれた。
ふと、母さんと一緒に、キッチンで料理をしている姿や、庭のハーブ畑を二人してニコニコしながら、顔に泥を付けながら世話をしている姿がフラッシュバックしてくる。
今ここに母さんと父さん、律ねえがやさしく微笑んでいるような錯覚が見えてくる。
その時、何かが僕の中ではじけたような気がした。その瞬間、胸の鼓動が高鳴り熱い何かが、僕の頬を伝わった。
気が付けば、僕は律ねえを胸の中に抱きかかえ、泣いていた。
そう、今まで自分に禁じえていたものを開放するように。
彼女もその変化に気が付いたのだろう、そっとやさしく僕の背中に手を回した。
そして少しづつ、僕を包み込む手に力がそそがれる。
ふと見る彼女の顔は、あふれんばかりの涙が、通り過ぎたことを語っていた。
うるんだ瞳をやさしく見つめると、彼女は恥ずかしそうに下唇を軽く噛んだ。
少し赤く高揚した彼女の唇に、いつしか自分の唇が重なるのを感じていた。
彼女の唇は柔らかく、暖かく、かすかに珈琲の香りがした。
そして二人は、強く寄り添った。
庭のペパーミントから落ちる雨の雫が、雲の間からさす日の光に輝いていたのを僕は、ただ目に入れていた。
彼女がこの家を後にしたのは、次の日の昼下がりだった。
律ねえは、僕に保護者の名乗りを上げてくれた人物について説明してくれた。
その人は、父さんの古くからの知人であり。昔、僕が幼かった頃何度か家にも来ていたらしい。
父さんがこの仕事をするきっかけになったのも、その人が大きく関わっていたこと。
その人と知り合ったのは、海外で彼はその当時某有名店でパテシエの修行をしていたこと、父さんは大手食品商社に勤務していて、その店に何度も惜しげなく通っていたこと。
そして今彼は、この近くでカフェを経営していること。
律ねえと父さん、そして母さんも、そのカフェの常連であること。
父さんは律ねえに僕ら(たぶん母さんと共に)知らないことまで話をしていたようだ。
葬式のとき、彼は僕には声をかけれないでいたこと。
本当は真っ先に僕の所に着て、話をしなければいけなかったんだが、その彼自身もあまりの心痛さに何も出来ずにたらしい。
律ねえが僕の身を按じていたのと同じく、彼もまた僕の事を本当に心配していたことなど。その他もろもろ……。
彼女は最後に、彼の店の住所と彼の名前を書いたメモを僕に渡した。
「Cafe Canelé (カフェカヌレ)。三浦政樹」
ふと まさかと思う気持ちが僕を貫いた。
しかし、いくらなんでもそんな偶然はないだろうとその時 僕はその気持ちを軽く流した。
律ねえは、出来るだけ早く彼に会うようにと言った。
「本当は、一緒に行ってあげたいけど、彼、初めは結城一人で来てほしいって言ってたわ。」
律ねえはカップの珈琲を飲み干し、僕に軽くキスをしてこの家を後にした。
まだ僕の唇には、律ねぇのあの柔らかい唇の感触が残っていた。
担任や学年主任に挨拶をし、すでに夏休みに入っていることもあり、休み明けから学校へ来ることを担任に告げた。
その他もろもろの手続きが、この後僕を引きずり回した。
この先の事などいろいろ相談に乗ってくれたが、まだ日が経っていない。
もう少し落ち着いてから、また相談する事で学校を後にした。
そうなのだ。両親を亡くし、未成年の僕は孤児となった。
この国では、未成年者は保護者がいなければ何も、学校すら行くことが出来ない。
父さんの親類からは、僕を養ういや、迎え入れるようなところはなかった。
決して、父さんが親類から煙たがれているわけではない。
本当にどこも苦しいのだ。
まして、母さんの親類は皆無に近い状態。
本来であれば、児童福祉施設へ行かなければならないところだった。
そんな状況のなか、元、親父の会社の顧問弁護士をしていた斎藤律子から連絡があった。
「ごめんね 結城君 遅くなちゃって」
「いえ、どうしたんですか 僕に相談ごとって」
彼女は自分のいつものキッチンの椅子に腰かけた。
その場所は、彼女専用と言ってもよかった。
うちの家族公認の彼女の居場所だった。
父さんの会社は、片腕として業務をこなしてきた宮村隆浩が、父さんの残した会社を、いや一緒に歩んできた軌跡を失くしたくないと、すべてを受け継ぎ会社を存続させていた。
その時、彼女は会社の顧問弁護士の担当降りた。
理由は事務所の方針としか言わなかった。
そのあとも彼女は、僕のところにはよく来てくれた。
そればかりか、事後処理と言って、親父の財産管理処理や、僕の法的手続きなどもろもろ親身に行ってくれている。
「社長には本当にお世話になったからね」
背中まである長い髪をなでながら、瞼をそっと落とし寂しげにそういった。
彼女の瞳が少しづつ熱く、うっすらとうるんでいるのがわかる。
彼女は、社長である父さんに特別な思いがあったのだろう。それに対して、僕は何も問う気持ちはなかった。
それよりも彼女はよくこの家に来ていた。仕事としてだけではなく、プライベートとしても……。
彼女が父さんの会社の顧問弁護士を担当して3年。
会社は、小さいながらも海外と取引を行う会社。
バイヤーとして、会社の代表として、そして自分の信念のため世界各地を飛び回っていた。
当然トラブルも数多くついて回った。
こういったトラブルの回避または解決の道しるべとして、弁護士事務所と契約を結んでいた。彼女は、その弁護士事務所から派遣されていた。
はじめのころは父さんが家にまで呼んで、彼女から家にきて、まるで家族が一人増えたかのような……。
そして僕もいつしか彼女を姉のように感じ始めていた、ちょっと年の離れた何事にも頼りになる、姉貴的存在。
いつのころからだろう、僕は彼女のことを律ねえと呼ぶようになっていた。
「あのぉ……律ねえ」
「あ、ごめんごめん」
「あのね実は、あなたの保護者になっていただける方を紹介したかったの」
「えっ、保護者って?」
はじめは何のことかと、それが自分に向けられた言葉であるのを理解するのに、一瞬の間が必要だった。
葬式のとき、誰かが口にしていたことを思い出した。
「結城、これからどうするんだろうね。誰かいい引き取り手がいるといいんだけどね」
僕は一人になったんだ。
律ねえが静かに話し始めた。
「あなたもこのままだと施設に行くしかなくなっちゃうのね。それにこの家も、会社の抵当物件になっているから、このままだと宮村君がいくら頑張っても競売に掛けられてしまう可能性が高いの。社長の会社、多額の負債があるのよ」
彼女は口をつぐんだ。
辛そうな彼女をなだめるように
「それは、僕もうすうす感じていました。それにこの家に僕一人は広すぎます」
いや本心はものすごく寂しかった。
彼女にとってもこの家は思いで深い空間だったろう。
重く、とてもながく感じられる沈黙が続いた。
うつむいた彼女の顔を、サラサラとした髪の毛がうっすらと隠している。
今にでも、零れ落ちそうな涙を、隠すように。
自分の特等席から彼女は中庭に面した居間にある、親父の好きだったソファーに腰かけ黙って中庭にあるハーブ畑を眺めている。
「律ねえ。珈琲淹れるね」
僕は冷蔵庫から、ミネラルウオーターを取り出し、およそ二人分であろう量を専用のスリムケトルに入れコンロに置き火を点けた。
珈琲豆を測り、ミルに入れる。
豆を挽く、慎重に豆の状態を確認しながら。
そして、温めて置いたミルクパンに挽いた豆を入れ、余熱で豆に目覚めを告げさせる。ドリッパに豆を入れ一息入れる。
そうすると、ケトルから合図の音が奏でられる。
「ぽっ、しゅ、」
火を止めケトルのお湯を落ち着かせる。あらかじめ、カップにお湯を注ぎあたためておく。
ケトルのお湯が落ち着くのを見て、ドリッパの豆へお湯を注ぐ。
静かに、ゆっくり「のの字」を描きながら、一段目、二と……。
次第に珈琲の甘く切ない香りがたちこめる。
そっと、彼女の前にカップを置く。
「ありがとう」
「結城の入れる珈琲本当においしいね」
律ねえは僕の入れる珈琲のファンだ。
父さんや会社の人たちからも評判はよかった。
これと言ってどこかで勉強したわけでもなかった
本当に自己流のサーバーの仕方だ。でも、誉められるのに悪い気はしなかった。
自分でも珈琲を入れる度いろんな入れかを試してみた。
しかし、まだまだ発展途上だ。
「ごめんね 結城」
律ねえはあえて、結城と言ったように思えた。
「本当は、私があなたの……。この家もあなたの唯一の居場所も、わたし何も守ってやること出来なかった。ごめんね……。ごめんね結城」
彼女はうつむきながら、涙を頬に這わせ両手をぎゅっと力を込めて握っていた。
そして肩を震わせながら、今までため込んでいた気持ちを一気に解放した。
今まで見た事のない律ねえの姿だった。
仕事のときはいつも凜とした力強さを感じさせ、それ以外のときは、朗らかで柔らかく心に温かささえ感じさせてくれた。
ふと、母さんと一緒に、キッチンで料理をしている姿や、庭のハーブ畑を二人してニコニコしながら、顔に泥を付けながら世話をしている姿がフラッシュバックしてくる。
今ここに母さんと父さん、律ねえがやさしく微笑んでいるような錯覚が見えてくる。
その時、何かが僕の中ではじけたような気がした。その瞬間、胸の鼓動が高鳴り熱い何かが、僕の頬を伝わった。
気が付けば、僕は律ねえを胸の中に抱きかかえ、泣いていた。
そう、今まで自分に禁じえていたものを開放するように。
彼女もその変化に気が付いたのだろう、そっとやさしく僕の背中に手を回した。
そして少しづつ、僕を包み込む手に力がそそがれる。
ふと見る彼女の顔は、あふれんばかりの涙が、通り過ぎたことを語っていた。
うるんだ瞳をやさしく見つめると、彼女は恥ずかしそうに下唇を軽く噛んだ。
少し赤く高揚した彼女の唇に、いつしか自分の唇が重なるのを感じていた。
彼女の唇は柔らかく、暖かく、かすかに珈琲の香りがした。
そして二人は、強く寄り添った。
庭のペパーミントから落ちる雨の雫が、雲の間からさす日の光に輝いていたのを僕は、ただ目に入れていた。
彼女がこの家を後にしたのは、次の日の昼下がりだった。
律ねえは、僕に保護者の名乗りを上げてくれた人物について説明してくれた。
その人は、父さんの古くからの知人であり。昔、僕が幼かった頃何度か家にも来ていたらしい。
父さんがこの仕事をするきっかけになったのも、その人が大きく関わっていたこと。
その人と知り合ったのは、海外で彼はその当時某有名店でパテシエの修行をしていたこと、父さんは大手食品商社に勤務していて、その店に何度も惜しげなく通っていたこと。
そして今彼は、この近くでカフェを経営していること。
律ねえと父さん、そして母さんも、そのカフェの常連であること。
父さんは律ねえに僕ら(たぶん母さんと共に)知らないことまで話をしていたようだ。
葬式のとき、彼は僕には声をかけれないでいたこと。
本当は真っ先に僕の所に着て、話をしなければいけなかったんだが、その彼自身もあまりの心痛さに何も出来ずにたらしい。
律ねえが僕の身を按じていたのと同じく、彼もまた僕の事を本当に心配していたことなど。その他もろもろ……。
彼女は最後に、彼の店の住所と彼の名前を書いたメモを僕に渡した。
「Cafe Canelé (カフェカヌレ)。三浦政樹」
ふと まさかと思う気持ちが僕を貫いた。
しかし、いくらなんでもそんな偶然はないだろうとその時 僕はその気持ちを軽く流した。
律ねえは、出来るだけ早く彼に会うようにと言った。
「本当は、一緒に行ってあげたいけど、彼、初めは結城一人で来てほしいって言ってたわ。」
律ねえはカップの珈琲を飲み干し、僕に軽くキスをしてこの家を後にした。
まだ僕の唇には、律ねぇのあの柔らかい唇の感触が残っていた。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説

甘過ぎるオフィスで塩過ぎる彼と・・・
希花 紀歩
恋愛
24時間二人きりで甘~い💕お仕事!?
『膝の上に座って。』『悪いけど仕事の為だから。』
小さな翻訳会社でアシスタント兼翻訳チェッカーとして働く風永 唯仁子(かざなが ゆにこ)(26)は頼まれると断れない性格。
ある日社長から、急ぎの翻訳案件の為に翻訳者と同じ家に缶詰になり作業を進めるように命令される。気が進まないものの、この案件を無事仕上げることが出来れば憧れていた翻訳コーディネーターになれると言われ、頑張ろうと心を決める。
しかし翻訳者・若泉 透葵(わかいずみ とき)(28)は美青年で優秀な翻訳者であるが何を考えているのかわからない。
彼のベッドが置かれた部屋で二人きりで甘い恋愛シミュレーションゲームの翻訳を進めるが、透葵は翻訳の参考にする為と言って、唯仁子にあれやこれやのスキンシップをしてきて・・・!?
過去の恋愛のトラウマから仕事関係の人と恋愛関係になりたくない唯仁子と、恋愛はくだらないものだと思っている透葵だったが・・・。
*導入部分は説明部分が多く退屈かもしれませんが、この物語に必要な部分なので、こらえて読み進めて頂けると有り難いです。
<表紙イラスト>
男女:わかめサロンパス様
背景:アート宇都宮様
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~
汐埼ゆたか
恋愛
絶え間なく溢れ出る涙は彼の唇に吸い取られ
慟哭だけが薄暗い部屋に沈んでいく。
その夜、彼女の絶望と悲しみをすくい取ったのは
仕事上でしか接点のない上司だった。
思っていることを口にするのが苦手
地味で大人しい司書
木ノ下 千紗子 (きのした ちさこ) (24)
×
真面目で優しい千紗子の上司
知的で容姿端麗な課長
雨宮 一彰 (あまみや かずあき) (29)
胸を締め付ける切ない想いを
抱えているのはいったいどちらなのか———
「叫んでも暴れてもいい、全部受け止めるから」
「君が笑っていられるなら、自分の気持ちなんてどうでもいい」
「その可愛い笑顔が戻るなら、俺は何でも出来そうだよ」
真摯でひたむきな愛が、傷付いた心を癒していく。
**********
►Attention
※他サイトからの転載(2018/11に書き上げたものです)
※表紙は「かんたん表紙メーカー2」様で作りました。
※※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる