月の雫、太陽の愛し子

珊螺

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その後

出会い

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ターヴィ嬢は養子で家に入ったようで、愛し子の話や雫の話を養子で入った後で初めて聞き利用したようだ。


それまで他国にいたので、いけないことが分からなかったようだ。


その後、ターヴィ嬢は国外の貴族との結婚で国から出た。ゼスは有能な能力があるということでカイル付きの騎士になった。


ゼスの監視もあるが、仕事は出来たので配置換えをされたのだった。


数日たったある日、兄のラベルトが部屋へ訪問した。


「よぅ!元気か?」


カイルは仕事中で書類を見ていた所だったが、なんだか落ち着かなくて進んでなかった。


ラベルトは突然来たと思ったら、その後ろに人が一人いた。


その人物にカイルは何ともいえない感情が向けられていた。


「あー…。こいつ、紹介するわ。例の事件の情報を調べてた裏の者だよ。有能だから連れてきた。」


頭からすっぽりとフードを被り、男か女かも見えないが背は小さい人物……。


ラベルトの後ろからカイルに見えるように動くとフードをとった……


「!?………え?」


滅多に驚かないカイルが驚きの声を出した。


そこには10歳くらいの女の子が立っていて、先程からのよく分からない感情の正体が分かった。


立っていたのは、ハルだった……。


『おぉ!雫よ元気か!?』


『愛し子も元気そうだ……。』


太陽と月がそれぞれ愛し子に、雫に話しかけているが他人にはそれは見えてないのでカイルもハルも軽く頷いた。


「ん?どうした?まさか、女の子でびっくりしたか?」


ラベルトは固まって動かないカイルと話さないハルを不思議に見てた。


「……あ、あぁ。初めましてだな、この度はよく動いてくれたようだな助かった。」


カイルがようやく我を戻して、ハルに向き合った。


「……………いえ。」


ハルは元々しゃべらない。孤児だったし、仕事も単独でしてたので他人とのつきあい方を知らなかった。


ラベルトは別件で動いてることがあったので、ハルを残し部屋を出ていった。


しばしの無言のあと………


「息災だったな。前も王宮へ来てたがすぐ帰ったのか?」


「仕事は家から会場へ入場確認まででしたので、それで引き継ぎをして帰りました。」


太陽と月がようやく会えたと嬉しそうに互いの愛し子と雫の周りをグルグルしていた。


ハルは太陽の暑い興味心にイライラしていた。


そんな姿にカイルは微笑むと月がキラキラとカイルの周辺を2回ほど回った。


「あれ?カイル様とハル様はお知り合いですか?」


今まで部屋にはマディルとゼスもいたが声を発していなかっただけで様子をみていた。


「まぁな。」


愛し子であること、雫であること、それを発言は出来ないので濁すがマディルは何となく分かったようだ。


マディルは嬉しそうに、ゼスは何か分からない様子でカイルを見ていた。


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