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真相へ
悪事は暴かれる
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来場者の集まる会場は人で溢れていた。
カイルは王太子になる前の殿下の時ですら婚約者を決めなかった。
そんな中の婚約者の選定があるというお触れが出たので令嬢は我先にカイル王太子に見初めて貰おうと必死だ。
会場の扉が開き、カイル王太子が入ると黄色い歓声がしたが手で制すると静かになった。
「この度は私の婚約者の選定にきていただき、嬉しく思う。皆も気兼ねなく声をかけてくれ。」
齢14歳とは思えないくらい落ち着いたカイルは令嬢の熱を一気に向けることに成功した。
小さい声でマディルが『良い感じですね!』というので、軽く叩いておいた。
早速、始まった直後に我先にと話しかけに行く令嬢にカイルが取り囲まれた。
その中に目当てのターヴィ嬢もいた。
カイルは悟られないように他の令嬢と接しながらターヴィ嬢に近づく。
ちょうど音楽も始まったので、他の令嬢も交えつつダンスの順番をこなしているとターヴィ嬢の順番で手を引いた。
当のターヴィ嬢はカイル王太子をポーッと見ていて浮わついているのが見てとれた。
「・・・どうなさいましたか?ターヴィ嬢。」
「は!な、なんでもございませんわ!申し訳ありません、カイル王太子がかっこよくて・・・。」
顔を赤くするターヴィ嬢は例の噂を流した悪どいようには見えない。
「それなら良かったです。固くならずお話ししましょう。」
「は、はい。わたくし、王太子に会いたかったです!願いが叶いました!」
そこからはタガが外れたかのようにペラペラと話し始めた。
カイルはまるで太陽の愛し子みたいだと、だから聡明なのだと・・・。
そもそも愛し子であるようだという事も公言はできないが、核心的な事は言わないようにしている風習がある。
それを知らないのか得意気にターヴィ嬢は話し続ける。
ターヴィ嬢は話しに夢中で気づいてなかったが、護衛騎士とだいぶ離れるように動かれていた。
護衛騎士は王宮の騎士に会場から出されていた。
そして、ダンスが終わるとカイル王太子とターヴィ嬢は会場を離れるとマディルに伝え会場から少し離れた。
会場を出てしばらくした所にある一室に向かうとターヴィ嬢の護衛騎士のゼスが居た。
「も、申し訳ありません!」
カイル王太子が姿を見せたすぐにゼスは土下座をした。
「・・・まぁ、良くはないが反省してるならいいか。」
カイルは椅子に腰掛け、ターヴィ嬢は呆然としている。
「な、なんですの?…ゼス!なにがあったのです!?」
ターヴィ嬢はおろおろと話ながらゼスを凝視している。
ターヴィ嬢が来る前に諸事情を王宮の騎士に聞かれ、事の大きさにうなだれていたのだ。
「ターヴィ嬢。この度、巷に流れた噂を流した当本人として処罰を行う。分かっているか?」
分からないと言うように頭を横に振るターヴィ嬢。
だが、調べてあるので裏は取れている。あとはターヴィ嬢が認めるのみだった。
「あ…あ……。申し訳ありませんでした!私がカイル王太子に会いたいが為に流した噂が軽率な行動でした!」
ターヴィ嬢が調べられた事を言われ、もう隠すことは出来ないと観念したら認めたのだった。
ターヴィ嬢、ゼスともにカイル王太子に深く謝り、別の部屋へ通された。
残されたカイル王太子と後から来たマディルが部屋に残されたのだった。
カイルは王太子になる前の殿下の時ですら婚約者を決めなかった。
そんな中の婚約者の選定があるというお触れが出たので令嬢は我先にカイル王太子に見初めて貰おうと必死だ。
会場の扉が開き、カイル王太子が入ると黄色い歓声がしたが手で制すると静かになった。
「この度は私の婚約者の選定にきていただき、嬉しく思う。皆も気兼ねなく声をかけてくれ。」
齢14歳とは思えないくらい落ち着いたカイルは令嬢の熱を一気に向けることに成功した。
小さい声でマディルが『良い感じですね!』というので、軽く叩いておいた。
早速、始まった直後に我先にと話しかけに行く令嬢にカイルが取り囲まれた。
その中に目当てのターヴィ嬢もいた。
カイルは悟られないように他の令嬢と接しながらターヴィ嬢に近づく。
ちょうど音楽も始まったので、他の令嬢も交えつつダンスの順番をこなしているとターヴィ嬢の順番で手を引いた。
当のターヴィ嬢はカイル王太子をポーッと見ていて浮わついているのが見てとれた。
「・・・どうなさいましたか?ターヴィ嬢。」
「は!な、なんでもございませんわ!申し訳ありません、カイル王太子がかっこよくて・・・。」
顔を赤くするターヴィ嬢は例の噂を流した悪どいようには見えない。
「それなら良かったです。固くならずお話ししましょう。」
「は、はい。わたくし、王太子に会いたかったです!願いが叶いました!」
そこからはタガが外れたかのようにペラペラと話し始めた。
カイルはまるで太陽の愛し子みたいだと、だから聡明なのだと・・・。
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それを知らないのか得意気にターヴィ嬢は話し続ける。
ターヴィ嬢は話しに夢中で気づいてなかったが、護衛騎士とだいぶ離れるように動かれていた。
護衛騎士は王宮の騎士に会場から出されていた。
そして、ダンスが終わるとカイル王太子とターヴィ嬢は会場を離れるとマディルに伝え会場から少し離れた。
会場を出てしばらくした所にある一室に向かうとターヴィ嬢の護衛騎士のゼスが居た。
「も、申し訳ありません!」
カイル王太子が姿を見せたすぐにゼスは土下座をした。
「・・・まぁ、良くはないが反省してるならいいか。」
カイルは椅子に腰掛け、ターヴィ嬢は呆然としている。
「な、なんですの?…ゼス!なにがあったのです!?」
ターヴィ嬢はおろおろと話ながらゼスを凝視している。
ターヴィ嬢が来る前に諸事情を王宮の騎士に聞かれ、事の大きさにうなだれていたのだ。
「ターヴィ嬢。この度、巷に流れた噂を流した当本人として処罰を行う。分かっているか?」
分からないと言うように頭を横に振るターヴィ嬢。
だが、調べてあるので裏は取れている。あとはターヴィ嬢が認めるのみだった。
「あ…あ……。申し訳ありませんでした!私がカイル王太子に会いたいが為に流した噂が軽率な行動でした!」
ターヴィ嬢が調べられた事を言われ、もう隠すことは出来ないと観念したら認めたのだった。
ターヴィ嬢、ゼスともにカイル王太子に深く謝り、別の部屋へ通された。
残されたカイル王太子と後から来たマディルが部屋に残されたのだった。
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