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第11章
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しおりを挟む恥ずかしいのと興奮しているのが相まって震えている陽に気付いた枢が小さく笑う声がして、更に恥ずかしさが募って顔に熱が集中する感覚がした。
「ヒナ、可愛い……」
「んぁ……っ!」
そう言いながら敏感なところをあむっと噛まれる。そのまま何度か甘噛みされると、下着の中が濡れる感覚がした。精を吐き出すまでに至らない弱い快感がもどかしくて、逆に興奮してくる。
だからか、尋常じゃない量のカウパーが溢れている気がして、そんないやらしい自分にもバカみたいに興奮してしまった。多分、射精したときと同じように下着はどろどろに汚れているだろう。直接触られているわけではないのに、下着の上から刺激されるほうがエロティックだなんて初めて知った。
「ヒナも興奮してくれてるんだね…俺に触られて、気持ちいいと思ってくれてるんだ……」
「かなめ…っ、噛むのもうやめ、だめ……!」
「はぁ、興奮する…あなたが気持ちよさそうにしてる姿を見るだけで、俺はイけそう……」
「いや、だ……!」
めちゃくちゃエロいよ、ヒナ。
年下の同僚に屈辱的なことを言われているのに、ハチミツのように蕩けている頭の中では『枢が興奮してくれて嬉しい』と思っていた。枢はいわゆる性的な行為が苦手だと言っていたのに、そんな彼が自分の体に興奮して、火傷しそうなくらい熱い吐息を漏らしている。
眉間に皺を寄せ、大きい瞳を細めて険しい顔をして、今にも陽を抱き潰しそうなくらい興奮している枢。興奮している彼を見てうっとりしていると、その途端、陽の弱い部分がぐにぐにと舌で刺激されてびくんっと体が大きく跳ねた。
「やめっ、ダメ、汚いってば……!」
「予行練習です。男同士でする時はここを綺麗にして、解すんですよね?いつも綺麗に準備してたなら分かるでしょ?ヒナ。〈Speak〉」
「そ、そうだよ…ネットに、か、書いてた……っ」
「ネットでそんなの検索するヒナって、びっくりするくらいえっちだな……」
「うぅ、だって、かなめ、かなめが……!」
「俺がなに?」
「いじわるで、いつ、されてもいいようにって、枢のために…っ」
「……今までの俺って、なんて初心だったんだろ。こんなに可愛くて、俺を欲してるSubがすぐ近くにいたのに……」
何年も何年も、無駄にしました。
そう言いながら枢は甘やかすようにキスをしてくれる。枢から支配されていると、いつしか自分も彼を支配したい、支配されるだけじゃ足りないと思っていたのだが――やっぱり、彼から甘く支配されると心地いい。自分の中が満たされて、ふわふわして、枢のことしか考えられなくなるこの感覚。
「あいして、る……枢。おれ…ほんとうに、あいしてる……」
セーフワードだと思ったのか、枢の動きがぴたりと止まる。頭の中がふわふわしている陽がうっすらと覚えているのは、優しく頭を撫でる枢が「〈Good Boy〉、ヒナ……俺も、すごくすごく愛してる…」と言いながら、愛情を感じるキスをしてくれたこと。
彼に抱きついて胸いっぱいに枢の匂いを吸い込むと、フッと目の前が真っ暗になった。
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