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12話 転移を覚えたし、二人の両親を探そう!
しおりを挟む『それじゃいくよ、転移!』
パッ
「おおすごい! 成功だね!」
『うん』
あれから修行の日々を経て(数ヶ月)なんと俺は転移が使えるようになった。それと異空間収納も。
俺が色々頑張ったからなのか単に時空魔法のLvが上がったからなのかは不明。いや頑張ったから時空魔法覚えてLvも上がったんだろうけど。
今はライトの前で御披露目中。目視で分かるように10mほど転移で移動してるだけなんだけど。
もう何度も見せてるけど手をブンブンして喜んでくれる。良い子や。
■■現在のステータス■■
【名前】トロイ 【転生ポイント】3220p
【種族】本m群
【能力値】Lv13(2↑) HP148/148 MP497/540
【祝福】ポイント転生
【スキル】光合成Lv8 消化液生成Lv6 加速Lv8 念力Lv7 結界Lv7 剛腕Lv7 気配察知Lv7 自己修復Lv6 自己投擲Lv7(1↑) テイマーLv6 物質強化Lv6 育児Lv5 6属性魔法Lv7(1↑) 時空魔法Lv4(3↑) 魔導の極意Lv5(2↑) 念話 付与Lv5(3↑) 呪符Lv5(3↑) 鑑定魔法Lv2(new)
【契約】
連絡契約_アス、アシタ
主従契約_雷兎、翼樹鹿、森氷狼、聖歌鳥、闇影鷹
守護契約_オッドアイ、サファイア、ルーチェ、ライト
【称号】死の大地の愛し子
4属性魔法が聖と闇魔法が合体して6属性魔法になった。後魔法系頑張ったから時空魔法や魔法の極意とか色々上がってる。
あと色々調べてたからかいつの間にか鑑定魔法覚えてるし。
何気に守護契約にルーチェとライトもいるけど、これって俺が守りたい相手なの? ぶっちゃけよく分かってないんだけど。サファイアなんて俺より強いのに??
いやまぁ色々あるけど、そんなことより聞いてくれ! 実は俺…
『ライトにあげた魔導の極意がいい感じに仕事してるな。あれがあると魔法の理解力が上がって効率的な使用方法が分かるからな』
「うん! 魔法の威力が大きくなって消費MPは少なくなっていいことずくめだよ!」
今の会話から分かる通り、俺のスキルを他人にあげることが可能になった!
付与、もしかしたら呪符のLvが上がったからかな? 俺の紙(何でもOK、ぶっちゃけ直接でも可能)にあげたいスキルを付与して読めばそのスキルを覚えられちゃう!
もらったスキルはLv1からだから、使いたいだけなら呪符の1回使い捨てのが威力高いけど、覚えられる方が楽しいだろ!
ひゃっほい! ついにスキルスクロールが作れちゃった♪ 俺って天才じゃね!?
まぁ、ポイント転生のお陰なんですがLv上げした俺の努力もあるよね?
なのですぐにルーチェとライトとオッドアイに怪我したときの為に聖魔法と、魔法の威力&消費MP軽減に魔導の極意を覚えてもらった。
それともしもの為にサファイアにも聖魔法を覚えさせたんだけど…
『回復しょぼ! つまんない! もっとカッコいいの頂戴トロイ!』
と、文句言うので剛腕と物質強化あげたらその辺の岩を小さな前足で殴って粉砕して大喜びしてた。
別に剛腕って名前だけど腕以外の部位でも発動できるんですけど。
そう説明する前にどっか飛んでっちゃったので放置で。
それに比べてオッドアイは森のみんなが怪我するとすぐ回復してあげる優しい子や。
聖魔法は聖歌鳥達も使えるけど、ワイバーンのオッドアイほど魔力がない。それでも怪我する者がいれば回復してあげてる優しい子達や。
森のみんなは種族関係なくすごく仲が良いから不思議だ。
少しはオッドアイを見習えってサファイアに言ってもあいつ、オッドアイのこと見下してるからなぁ~。森のみんなのこともだけど。
あいつだけじゃなくワイバーン全部そう。やだねー強さに助長して調子に乗るやつって!
オッドアイ最強化してバカにしてたやつ見返すざまぁ系もやりてーな。
けど、まずやらなきゃいけないことは…
・
・
・
「ルーチェ? ルーチェじゃないか! 生きてたのか!」
「おお! よかった無事で! でもこんな所にどうして!? 兵士に見付かったら捕まるかもしれんぞ!?」
「モルドおじさん、イデおじさんご無事でよかったです」
ここは砂漠の国【ヴァーナム王国】の町の一つにある牢獄だ。その中でも比較的綺麗な? 牢屋に3~6人程が入れられている。丸見えだけど木製の便器もあるよ。
そんな場所に突然現れ普通に話しかけてきたルーチェを誰もが唖然と見ている。…そりゃそうだよな。
ここまで隠蔽魔法で姿を消し、結界でこのフロア全体を覆って認識阻害させてるから時間をかけすぎたり大騒ぎしたりしなければ気付かれない。多分。
ちなみに隠蔽と認識阻害は闇魔法と時空魔法でできる。こうやってスキル欄に記載されない魔法も多いからうっかり使えること忘れちゃいそうだ。
「みんなの行方を調べて…あの隠れ村に謀反を企てる者がいたことを知りました。それで軍が襲ってきたってことも」
「…あぁ、そうだ! そのせいで俺達まで捕まって、子供らが鉱山送りに…」
「……」
ルーチェが調べて分かったことを言うと、モルドおじさんは悔しそうに呟き俯く。
ルーチェと俺で聞き込みをして隠れ村の人々について調べた。
俺は勿論本に擬態してルーチェが兵士に捕まりそうになったらすぐ転移できるように一緒にいた。
幸い捕まることはなかったけど、「なぜそんなことを聞く?」と怪しまれたり、「俺についてくれば案内してやるぜ。へへへ」という怪しい人物に出会ったりはした。
あの隠れ村は迫害された者や追放された者が集まってできたものだが、その中には国を怨んで復讐を企む者もいたらしい。
色んな人間が集まってたらしいからな。中には貴族もいてツテを使って密かに自分の家に武器を集めていたようだ。
ルーチェは勿論のこと、大半の村人はそんなこと知らなかった。
だから国が自分達を迫害するだけではあきたらず殺しに来たのだと思って戦闘をして…その結果殆どの者が亡くなった。
生き残った者は国への反乱として全員捕まり首謀者は処刑。
魔力の多い者は牢獄に入れられ強制魔力徴収をさせられ、魔力のない者や少ない者は鉱山奴隷として連れて行かれたそうだ。
魔力は色々なことに使えるからな。奪うことで魔法を使えなくさせられるしその魔力を色々活用できる。なので死なないように牢獄にいる者は普通に飯を食べられるし酷使されたりしない。戦時中なら兵力として使えるしな。
逆に鉱山奴隷は他の使い道のない死んでもいい犯罪者奴隷なので最低限の食事で長時間酷使されるので長くて半年も生きられないそうだ。
…隠れ村が襲撃されてから約2年経つから、鉱山奴隷にされた人は間違いなく死んでるだろうな。
まぁ聞き込みで隠れ村の村人は50人程いて、反乱を企てたのは3人で2人が戦闘時に死亡、1人捕まり処刑。
国は村自体を反乱者集団だと決めつけているので捕まった村人は5人、3人が魔法使いなので牢獄へ。子供2人が鉱山送りになったとか。
子供を鉱山送りにするとか引くわ。胸糞悪い。それだけでヴァーナム王国クソだって分かるわ。
まぁ隠れ村ができるほど迫害&追放起きてるんだからまともな国じゃないのは分かりきったことだけど。
この時点で母親の生存は絶望的になった。…このときは落ち込む二人に何て声をかければいいのか分からなかった。
それからその3人の中にルーチェとライトの父親がいるかもしれないとこうして探しに来たわけだ。
俺とルーチェとライトの3人と聖歌鳥2匹連れて。
いや本当はライトを連れてくるつもりはなかったんだけど、どうしても父親を探したいと説得されてさ。二手に別れてこの牢獄を探している。
そうでもしないと一人で突っ走りそうだったから仕方ないんだ。ライトの相棒のオッドアイじゃここはちょっと狭すぎるから聖歌鳥達を護衛につけて。
そして見付けたんだこの2人を。
それぞれ向かい合う牢屋にいるからちょっとめんどくさいことになった。
ただ残念ながら父親じゃなかったわけだけど、放置はできずルーチェが声をかけた。
父親を探してからでもいいのに早く出してあげたいってさ。みんな優しい子達や。ワイバーン以外。
「お父さんは無事ですか? お二人は何か知りませんか?」
「ああ! 多分リヒトさんなら無事だろう! 一緒に捕まったからな!」
「あの人は俺達よりずっと魔力が多いからもっと厳重な牢にいるんだと思う。ここには凄い魔力量の者はいないから」
「!! そうっ…ですか! お父さんが無事!」
我慢できず思わず聞いたルーチェに、二人のおじさんは今日初めて見る満面の笑顔で父親が無事だと教えてくれた。
ルーチェは泣きそうに顔を歪めるがグッと唇を噛み締め、涙を堪えながら何度も頷いた。
よかった、無事なんだな。
後はこの2人と父親を救出するだけだ! それだけなんだけど…
「っ待ってくれ!! そいつを助けに来たんだろ!? 俺も助けてくれ!」
「俺も頼む! 何でもする!!」
「俺は無実で捕まったんだ! 頼む娘に会いたい! ここから出してくれ!!」
危惧していた通り、他の牢屋の者が次々とすがり付いてくる。
一緒の牢屋だったらさっと二人だけ連れ出せたかもしれないのに、両方の牢屋に話しかけてるから目立つ目立つ。
そりゃ~こんなチャンスそうそうないだろうし、すがりたくなる気持ちは分かる。分かるがなぁ~
「あなた達が何の罪で捕まったのか分からないから、連れ出すわけにはいかない」
「頼む、そこを何とか!」
「俺は何もしてない!!」
「貴族に因縁つけられて放り込まれただけなんだ!!」
ルーチェが硬い表情で拒否するとみんな必死に懇願してくる。
この状況は不味い。
そりゃ無実なら出してやりたいけど、誰もが必死な為柵を掴みガシャガシャさせて声を抑えることも忘れて大声を出している。
いくら認識阻害かけてるからってこんな大騒ぎしてたら異常に気付かれるって!
『仕方ない、消音』
俺が風魔法(空間魔法でも可)を使い音が出なくなり囚人達は慌てている。
こらこら、必死に檻を叩いても音は出ませんよ。
何をしても無駄なことに気付いた彼らは怯えた目でルーチェを見る。
やめてやめて、俺がやってるんだからそんな目で彼女を見ないで!
『まったくうるさい奴らだ。鑑定して問題ない奴なら出してやるから大人しくしていろ』
仕方なくルーチェの手から離れて浮かび上がり、ここにいる者全員に念話で声をかけると驚愕の表情を向けられる。
「ひっ魔物だ!」「化物だ!」
空に浮かぶ本(俺)の姿を怯えた目で見る囚人達。
ひそひそ囁かれる言葉に落ち込みそうになるが、心配そうに見守ってくれるルーチェに勇気づけられた。
そうして俺は不当に捕まった者がいないか、一人一人鑑定していった。
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