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7章
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それから数日は、カリンからもその他のメンバーからも何の連絡もないままだった。
便りがないのはいい便り!とかヒナタがよくわからないことを言っていたが、魔人がどうのと聞いてしまっていては、やっぱり気になる。
そもそも、一般的には、魔人の発生条件などは分かっていないとされている。なにしろ、魔人になってしまった人の記憶が薄れてしまうのだ。検証しようがない。
と、言われている。
しかし、実際はある程度の事実は明らかになってきているのだ。
みんなが忘れてしまうはずの、魔人化してしまった人の記憶。それを憶えている人がごくまれに存在しているらしい。
その話をつなぎ合わせて、わかったこともある。
魔人化するのは、心に闇を抱えている人だ、ということ。
心の闇は表面的には分かりづらく、まさかという人が魔人化していたりする。それも原因を特定する妨げの一因になっていたりもするのだ。ただ、記憶を残している人たちは、一様に言うのだ。闇に飲まれたんだ、と。
心の闇のことを、闇の種という言い方をする人もいる。
心の奥に種が一つあり、それが負の感情を吸収して発芽し、やがて魔人へとなってしまうというわけだ。
そう。
今、僕の心の奥にあるソレだ。
この種を自覚したのは、崖から突き落とされる寸前である。いや、自覚させられた、というべきか。
もともとずっと僕の中にあったのか、そのとき植え付けられたものなのかはわからない。
ただ、あのとき、はっきりとわかったのだ。
「魔人にするために、孤児院から引き取られたんだ」
そう言われたあの時、信頼していた、仲間だと思っていた人たちに、単なる道具だと思われていたとわかったあの時、僕の中に種があることを知った。
仲間だと思わせたのも、いずれ真実を知らせて、負の感情を種に吸収させるためだったのだそうだ。
そのときの僕の気持ちは、彼らの期待通りだっただろう。
目の前が真っ暗になり、何も考えられなかった。
そのあとは……突き落とされたのか、単に僕が足を滑らせたのか、そこは記憶があいまいだ。
覚えているのは、僕に伸ばされた手、それだけだ。
突き落としたのか、落ちるのを止めようとしたのか、そこは思い出せない。
ただ、僕は崖から落ち、ヒナタに拾われたわけである。
それは幸運なことだったのだろう……たぶん。
「これは……」
ちょっとした依頼を片付けてギルドに戻る途中で、バスケットを持ったヒナタに遭遇した。まぁ、ヒナタが昼食の入ったバスケットを持って僕を追いかけてきていたわけなのだが。
そうして手渡されたバスケットの中には、おいしそうなサンドイッチたちが入っているのだが。
右半分と左半分とで、ずいぶんと出来栄えが違う。
「こっちはねぇ、私が作ったの!」
にこにこと笑顔でヒナタが言う。
うん……まぁ、そうだろうとは思ったけど、こうまで見た目が違うものか……。いや、見た目は違えども、材料は同じものを使っているはずだ。ならば、味にそう違いはないはず。
期待に満ちたヒナタの視線を受け、見栄えの悪い方を手に取る。
一口かじって咀嚼、ゴクンと飲み込む。
なんだろう……材料が同じでも、こう……少しづつ作業工程が違うだけで、こうも変わるものなのか。
美味しくないわけではないのだけども……ちょっとチガウ。そんな感じか。
どう?どう?と声もなく問いかけてくるヒナタに、笑顔を向けた。
「ん、美味しいよ」
嘘ではない。材料の味付けは問題ないのだから、不味くなるはずがないのだ。
というか、ヒナタの敗因は、ハルが作ったのと一緒に持ってくるところだ。ヒナタ作のしかなければ、比べようがなかったものを。
しかし、ヒナタの目があっては、ハル作に手を伸ばせるわけもなく、ヒナタがハル作の見た目も味も最高なサンドイッチをぱくついている横で、すこぅしだけビミョウなサンドイッチを食べていると、一つ目を食べ終えたヒナタがハイとお茶を渡してくれる。
こういうのも、いいもんなんだねぇ……。
今までは、こんな静かでのんびりとした時間なんてなかった。
「ヒナさあああああああん!」
と、ヒナタとまったり食事をしていると、その静寂を打ち消す大声が周囲に響き渡った。
周囲を歩いていた村の人たちもヒナタも、動揺した様子はない。
「ヒナさん! あいたかったーーー!」
と、大声とともにヒナタに抱き着いたのは、薄青い髪の男だった。ところどころオレンジのメッシュが入っている。
ヒナタが何か言うよりも早く、その男はヒナタと僕の間のバスケットに目を止め、素早くひとつ手に取って口の放り込んだ。
「むむ、これはすばらしい。さすがヒナさんですね、非の打ちどころのないサンドイッチです」
「それ、ハルが作った方だから」
ヒナタにしては珍しく、周囲の空気が凍りそうなほど冷ややかな声である。
「えっ……あ、いや、こちらもなかなかの出来栄えで」
もう一方のサンドイッチに伸ばした手をヒナタに叩き落され、しょんぼりと肩を落としている。
年齢は、ヒナタより少し上、僕と同年齢くらいか。しかし、騒々しい言動が少々幼く見せている感がある。
「ヒナさん……怒っちゃいました?」
しょぼんと垂れる耳までが見えそうなほどの消沈ぶりである。
そんな彼を見返して、ヒナタが小さく笑った。
「怒らないよ? ハルのご飯が美味しいのは当たり前だもん!」
「ヒナさん……」
瞳を潤ませた男が、感極まった様子でヒナタに抱き着こうとする。しかし、ヒナタはヒラリと身をかわし、男はベンチに激突した。
そこではじめて、僕の存在に気が付いたようで、目を丸くした後食って掛かってきた。
「誰だよあんた。じろじろ見んなよ」
「いや、見るなって言われても」
「あ、それともあれか? 俺のヒナさんに手を出すつもり?」
どこのチンピラだという顔で僕をにらみつけてくる。
僕が口を開くよりも早く、後ろから伸びてきた剣が男の脳天を直撃した。ゴスッ、となかなかにいい音がしたが、男は痛がる様子もなく背後を振り返った。……すごい石頭だな。
「なにするんだよユウヒ! 痛いじゃないか!」
後ろにいたのは、鞘に入ったままの剣を持つ、薄青い髪にオレンジ色のメッシュの入った……んん?
ヒナタにじゃれていた男とまったく同じ容姿だ。違いはといえば、短めの髪の男に対し、ユウヒの方は少し伸びた髪を一つに束ねていることくらいか。
あとから現れたユウヒを見て、ヒナタは満面に笑みになった。
「ユウヒ! おかえりー!」
ぴょんと抱き着くヒナタを抱きとめて、ユウヒはただいまと答えた。
ユウヒって……もしかして、先日カリンが応援に行ったあのユウヒか。魔人がどうとか手紙には書いてあったそうだが、この様子だと、無事片付いたようだ。
「ヒナさん……どうしてユウヒならおっけーなんですか……」
「逆に聞くけど、なぜ自分が大丈夫だと思うんだい?」
ユウヒの冷静な問いに、男がうぐっと言葉に詰まる。
ほぼ同じ容姿だからわかりにくかったけど、声を聴いたらユウヒが女性なのだと分かった。しかし、またずいぶんな美男子っぷりだな……。
着ているものも男性用の剣士服で、それを一分の隙も無く着こなしている。男の方も同じものを着ているようだが、こちらは少し着崩している分マイナスか。
呆気に取られている僕に気が付いたのか、ヒナタが二人を紹介してくれた。
「あ、カゲさん、紹介するね! こっちがユウヒで、そっちがアサヒ! で、こっちがカゲさんね!」
ずいぶんとおおざっぱな紹介だが、とりあえずハジメマシテと軽く会釈し、何か言われる前にすかさず自己紹介を挟み込む。
「コカゲです。よろしく」
「ああ……きみがマスターが言っていた、新しく入ったメンバーか。こちらこそよろしく、ユウヒです。そこの愚兄はアサヒ」
キラリと白い歯が輝きそうなさわやかな笑顔である。ちょっとまぶしいくらいだ。
粗雑に紹介されたアサヒのほうはといえば、なぜか敵意むき出しで僕をにらみつけてきた。
「カリンが褒めてたからどんな奴かと思ってたけど、たいしたことなさそうじゃないか。言っておくけど、ヒナさんに手を出したら許さないからな!」
雑魚感たっぷりのセリフに、おもわず笑ってしまった。それがまた怒らせるのがわかっていたから、笑いをこらえようとしたのだが、こらえようとすればするほどこみあげてくる。
僕の笑いが伝染したのか、ヒナタもユウヒもくすくすと笑いだし、ますますアサヒが顔を真っ赤にして怒る。
ユウヒとアサヒとの出会いはこんな感じだった。
正直を言えば、ちょっと面倒くさそうな兄妹だなぁと思ったのだが、まさかもっと面倒くさいことになるとは、このときは思ってもみなかった。
便りがないのはいい便り!とかヒナタがよくわからないことを言っていたが、魔人がどうのと聞いてしまっていては、やっぱり気になる。
そもそも、一般的には、魔人の発生条件などは分かっていないとされている。なにしろ、魔人になってしまった人の記憶が薄れてしまうのだ。検証しようがない。
と、言われている。
しかし、実際はある程度の事実は明らかになってきているのだ。
みんなが忘れてしまうはずの、魔人化してしまった人の記憶。それを憶えている人がごくまれに存在しているらしい。
その話をつなぎ合わせて、わかったこともある。
魔人化するのは、心に闇を抱えている人だ、ということ。
心の闇は表面的には分かりづらく、まさかという人が魔人化していたりする。それも原因を特定する妨げの一因になっていたりもするのだ。ただ、記憶を残している人たちは、一様に言うのだ。闇に飲まれたんだ、と。
心の闇のことを、闇の種という言い方をする人もいる。
心の奥に種が一つあり、それが負の感情を吸収して発芽し、やがて魔人へとなってしまうというわけだ。
そう。
今、僕の心の奥にあるソレだ。
この種を自覚したのは、崖から突き落とされる寸前である。いや、自覚させられた、というべきか。
もともとずっと僕の中にあったのか、そのとき植え付けられたものなのかはわからない。
ただ、あのとき、はっきりとわかったのだ。
「魔人にするために、孤児院から引き取られたんだ」
そう言われたあの時、信頼していた、仲間だと思っていた人たちに、単なる道具だと思われていたとわかったあの時、僕の中に種があることを知った。
仲間だと思わせたのも、いずれ真実を知らせて、負の感情を種に吸収させるためだったのだそうだ。
そのときの僕の気持ちは、彼らの期待通りだっただろう。
目の前が真っ暗になり、何も考えられなかった。
そのあとは……突き落とされたのか、単に僕が足を滑らせたのか、そこは記憶があいまいだ。
覚えているのは、僕に伸ばされた手、それだけだ。
突き落としたのか、落ちるのを止めようとしたのか、そこは思い出せない。
ただ、僕は崖から落ち、ヒナタに拾われたわけである。
それは幸運なことだったのだろう……たぶん。
「これは……」
ちょっとした依頼を片付けてギルドに戻る途中で、バスケットを持ったヒナタに遭遇した。まぁ、ヒナタが昼食の入ったバスケットを持って僕を追いかけてきていたわけなのだが。
そうして手渡されたバスケットの中には、おいしそうなサンドイッチたちが入っているのだが。
右半分と左半分とで、ずいぶんと出来栄えが違う。
「こっちはねぇ、私が作ったの!」
にこにこと笑顔でヒナタが言う。
うん……まぁ、そうだろうとは思ったけど、こうまで見た目が違うものか……。いや、見た目は違えども、材料は同じものを使っているはずだ。ならば、味にそう違いはないはず。
期待に満ちたヒナタの視線を受け、見栄えの悪い方を手に取る。
一口かじって咀嚼、ゴクンと飲み込む。
なんだろう……材料が同じでも、こう……少しづつ作業工程が違うだけで、こうも変わるものなのか。
美味しくないわけではないのだけども……ちょっとチガウ。そんな感じか。
どう?どう?と声もなく問いかけてくるヒナタに、笑顔を向けた。
「ん、美味しいよ」
嘘ではない。材料の味付けは問題ないのだから、不味くなるはずがないのだ。
というか、ヒナタの敗因は、ハルが作ったのと一緒に持ってくるところだ。ヒナタ作のしかなければ、比べようがなかったものを。
しかし、ヒナタの目があっては、ハル作に手を伸ばせるわけもなく、ヒナタがハル作の見た目も味も最高なサンドイッチをぱくついている横で、すこぅしだけビミョウなサンドイッチを食べていると、一つ目を食べ終えたヒナタがハイとお茶を渡してくれる。
こういうのも、いいもんなんだねぇ……。
今までは、こんな静かでのんびりとした時間なんてなかった。
「ヒナさあああああああん!」
と、ヒナタとまったり食事をしていると、その静寂を打ち消す大声が周囲に響き渡った。
周囲を歩いていた村の人たちもヒナタも、動揺した様子はない。
「ヒナさん! あいたかったーーー!」
と、大声とともにヒナタに抱き着いたのは、薄青い髪の男だった。ところどころオレンジのメッシュが入っている。
ヒナタが何か言うよりも早く、その男はヒナタと僕の間のバスケットに目を止め、素早くひとつ手に取って口の放り込んだ。
「むむ、これはすばらしい。さすがヒナさんですね、非の打ちどころのないサンドイッチです」
「それ、ハルが作った方だから」
ヒナタにしては珍しく、周囲の空気が凍りそうなほど冷ややかな声である。
「えっ……あ、いや、こちらもなかなかの出来栄えで」
もう一方のサンドイッチに伸ばした手をヒナタに叩き落され、しょんぼりと肩を落としている。
年齢は、ヒナタより少し上、僕と同年齢くらいか。しかし、騒々しい言動が少々幼く見せている感がある。
「ヒナさん……怒っちゃいました?」
しょぼんと垂れる耳までが見えそうなほどの消沈ぶりである。
そんな彼を見返して、ヒナタが小さく笑った。
「怒らないよ? ハルのご飯が美味しいのは当たり前だもん!」
「ヒナさん……」
瞳を潤ませた男が、感極まった様子でヒナタに抱き着こうとする。しかし、ヒナタはヒラリと身をかわし、男はベンチに激突した。
そこではじめて、僕の存在に気が付いたようで、目を丸くした後食って掛かってきた。
「誰だよあんた。じろじろ見んなよ」
「いや、見るなって言われても」
「あ、それともあれか? 俺のヒナさんに手を出すつもり?」
どこのチンピラだという顔で僕をにらみつけてくる。
僕が口を開くよりも早く、後ろから伸びてきた剣が男の脳天を直撃した。ゴスッ、となかなかにいい音がしたが、男は痛がる様子もなく背後を振り返った。……すごい石頭だな。
「なにするんだよユウヒ! 痛いじゃないか!」
後ろにいたのは、鞘に入ったままの剣を持つ、薄青い髪にオレンジ色のメッシュの入った……んん?
ヒナタにじゃれていた男とまったく同じ容姿だ。違いはといえば、短めの髪の男に対し、ユウヒの方は少し伸びた髪を一つに束ねていることくらいか。
あとから現れたユウヒを見て、ヒナタは満面に笑みになった。
「ユウヒ! おかえりー!」
ぴょんと抱き着くヒナタを抱きとめて、ユウヒはただいまと答えた。
ユウヒって……もしかして、先日カリンが応援に行ったあのユウヒか。魔人がどうとか手紙には書いてあったそうだが、この様子だと、無事片付いたようだ。
「ヒナさん……どうしてユウヒならおっけーなんですか……」
「逆に聞くけど、なぜ自分が大丈夫だと思うんだい?」
ユウヒの冷静な問いに、男がうぐっと言葉に詰まる。
ほぼ同じ容姿だからわかりにくかったけど、声を聴いたらユウヒが女性なのだと分かった。しかし、またずいぶんな美男子っぷりだな……。
着ているものも男性用の剣士服で、それを一分の隙も無く着こなしている。男の方も同じものを着ているようだが、こちらは少し着崩している分マイナスか。
呆気に取られている僕に気が付いたのか、ヒナタが二人を紹介してくれた。
「あ、カゲさん、紹介するね! こっちがユウヒで、そっちがアサヒ! で、こっちがカゲさんね!」
ずいぶんとおおざっぱな紹介だが、とりあえずハジメマシテと軽く会釈し、何か言われる前にすかさず自己紹介を挟み込む。
「コカゲです。よろしく」
「ああ……きみがマスターが言っていた、新しく入ったメンバーか。こちらこそよろしく、ユウヒです。そこの愚兄はアサヒ」
キラリと白い歯が輝きそうなさわやかな笑顔である。ちょっとまぶしいくらいだ。
粗雑に紹介されたアサヒのほうはといえば、なぜか敵意むき出しで僕をにらみつけてきた。
「カリンが褒めてたからどんな奴かと思ってたけど、たいしたことなさそうじゃないか。言っておくけど、ヒナさんに手を出したら許さないからな!」
雑魚感たっぷりのセリフに、おもわず笑ってしまった。それがまた怒らせるのがわかっていたから、笑いをこらえようとしたのだが、こらえようとすればするほどこみあげてくる。
僕の笑いが伝染したのか、ヒナタもユウヒもくすくすと笑いだし、ますますアサヒが顔を真っ赤にして怒る。
ユウヒとアサヒとの出会いはこんな感じだった。
正直を言えば、ちょっと面倒くさそうな兄妹だなぁと思ったのだが、まさかもっと面倒くさいことになるとは、このときは思ってもみなかった。
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